更新日:2026年07月27日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
頭皮のかゆみが気になり、放置しても良いのか不安に感じる方もいるかもしれません。頭皮のかゆみは、皮膚のバリア機能の低下を知らせるサインであり、放置すると頭皮環境が悪化し、トラブルの原因となる可能性があります。この記事では、かゆみの原因と、シャンプーや生活習慣などのセルフケア、皮膚科を受診する目安を紹介します。放置すると抜け毛につながることもあるため、早めに原因を見極めて対処しましょう。
頭皮のかゆみは、皮膚のバリア機能の低下を知らせるサインかもしれません。一時的なかゆみならば問題ないものの、放置すると炎症が慢性化し、抜け毛などのトラブルにつながる可能性があります。まずは放置のリスクと、受診すべきかゆみの目安を知っておきましょう。
頭皮のかゆみの原因が炎症性疾患である場合は、炎症が持続することで一時的な脱毛や毛髪の成長に影響を及ぼすことがあります。かゆみは頭皮で炎症が起きているサインの可能性があり、その状態が続くと、髪が十分に成長する前に抜けてしまうなど健康な髪が育ちにくい頭皮環境になる可能性があります。気になるかゆみは早めにケアすることが大切です。
かゆみに任せて頭皮を強く掻いてしまうと、角層が傷つき皮膚のバリア機能が低下するおそれがあります。バリア機能が低下すると外部の刺激や細菌の侵入に弱くなり、さらなる炎症やかゆみ、傷口からの二次感染を招くおそれがあります。かゆみを感じたら、爪を立てて掻くのではなく、冷やしたり手のひらでやさしく押さえたりするなど、頭皮にやさしい対応を心掛けましょう。
一時的なかゆみと、受診すべきかゆみは見分けることが大切です。以下のような症状が見られる場合は、脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎(かぶれ)などの疾患が疑われるため、皮膚科の受診を推奨します。
これらの症状がある場合は、「ただのかゆみ」と放置せず、頭皮からの警告サインとして早めに向き合うことが、将来の健やかな髪を守ることにつながります。

かゆみは炎症のサインです。掻く前に対策を考えましょう。早めの適切なケアが、頭皮環境の改善への近道となります。
頭皮がかゆくなる原因は1つではなく、乾燥や皮脂、汗、刺激、皮膚疾患などが複合的に影響していることがあります。原因によって対策が異なるため、自分の頭皮状態を正しく把握することが改善の第一歩となります。以下を参考に、自分がどの特徴に当てはまるか確認してみましょう。
| 症状のタイプ | 主な特徴 |
|---|---|
| 皮脂不足による乾燥 | 細かい白いフケ、頭皮のつっぱり感 |
| 皮脂の過剰分泌や常在菌バランスの乱れ | 黄色いフケ、頭皮のベタつき、特有のニオイ |
| 刺激反応(接触皮膚炎) | 製品使用後の赤み、かゆみ、発疹 |
| 脂漏性皮膚炎・乾癬など皮膚疾患 | 銀白色の厚いかさぶたのようなフケ、鼻の脇や生え際にも赤みやフケが出る |
| アトピー性皮膚炎 | 強いかゆみ、乾燥、他部位の症状 |
ここでは、頭皮のかゆみを引き起こす主な原因を解説します。
頭皮の乾燥は、かゆみの原因の1つです。皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの微細な刺激にも敏感に反応してかゆみが生じやすくなります。乾燥による頭皮のかゆみには、以下のような特徴があります。
乾燥タイプのかゆみは、過度な洗髪や熱いお湯の使用、エアコンの使用による室内の乾燥などによって、頭皮の保湿に必要な皮脂が失われることで起きます。
皮脂の過剰分泌もかゆみの大きな原因です。頭皮の皮脂が過剰になると、皮脂を餌とするマラセチア属真菌の増殖や、それに対する皮膚の炎症反応などが関与すると考えられています。これが進行すると脂漏性皮膚炎となる可能性があります。
汗や、汗をかいた後の蒸れも、頭皮のかゆみを引き起こす要因です。汗をかいたまま放置すると頭皮が蒸れて雑菌や常在菌が増えやすくなり、刺激でかゆみが生じることがあるため注意が必要です。また、汗の成分が乾いて頭皮に残ると、刺激になる場合もあります。
特に運動後や夏場、帽子を長時間かぶったときは蒸れやすくなります。汗をかいたら早めにタオルでやさしく拭き取り、その日のうちに洗髪して清潔に保ちましょう。
シャンプーや整髪料など特定の成分に対して頭皮が反応する接触皮膚炎(かぶれ)もかゆみの原因として多く見られます。接触皮膚炎の特徴は以下のとおりです。
頭皮のかゆみは、日常的なケアを見直すことで改善が期待できます。ここでは、健やかな頭皮環境を整えるために実践できるセルフケアを紹介します。
まず見直したいのが、シャンプーの成分です。洗浄力が強過ぎるものは必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥によるかゆみを悪化させる可能性があります。「低刺激」「敏感肌用」と表記された製品や、敏感肌向けに設計された低刺激性製品を選ぶことが推奨されます。アミノ酸系洗浄成分を採用した製品は選択肢の一つです。香料や防腐剤に敏感な方は、それらが少ないものを選びましょう。
また、上記を参考に自分の頭皮タイプ(乾燥性か脂性か)に合わせて選び、使用後につっぱり感やかゆみが出ないか確認することも大切です。
正しい洗髪方法で、頭皮への刺激を減らせます。不適切な洗い方は刺激となり、かゆみの原因になることもあるため、以下のポイントを意識しましょう。

ブラッシングと十分な予洗いにより、皮脂や汚れを落としやすくなります。シャンプーは手のひらで泡立ててから頭に乗せ、指の腹でマッサージするように洗います。すすぎ残しはかゆみの原因となるため、しっかり洗い流しましょう。最後にドライヤーで根元から乾かし、近づけ過ぎないよう10〜15cmほど離して使用します。長時間濡れた状態が続くと頭皮環境が悪化することがあるため注意しましょう。
頭皮が乾燥して細かいフケが出る方は、皮脂を取り除き過ぎている可能性があります。洗髪は1日1回が適しているといわれ、頻繁な洗髪は頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招く場合があります。
乾燥が激しい場合は、洗浄力のマイルドなシャンプーに変えるか、お湯の温度を37〜38℃ほどに下げて皮脂が過剰に落ちないよう調整しましょう。洗髪後に頭皮用の保湿ローションでうるおいを補うのもおすすめです。
体の内側からのアプローチも、頭皮環境を整えるのに大切です。バランスの取れた食事と十分な睡眠は、皮膚の健康維持に役立つと考えられています。食事では、皮膚や粘膜を保護するビタミンB2・B6や、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eをバランスよく摂りましょう。偏った食生活は皮膚の健康に影響する可能性があります。

良質な睡眠は全身の健康維持に重要であり、頭皮環境の維持にも役立つと考えられています。上記を参考に、良質な睡眠をとることを心掛けましょう。
かゆみに任せて掻くと、微細な傷から細菌が入り、炎症がさらに悪化する恐れがあります。かゆみがあるときは、以下の方法で対処しましょう。

頭皮のかゆみは、洗い方の見直しだけで改善することもあります。まずはシャンプーの方法や使用している製品を見直してみましょう。爪を立てて強く掻くことは避け、頭皮にやさしいケアを心掛けることが大切です。
頭皮のかゆみを市販薬で対処する際は、症状や使用する場所に合った成分・剤形を選ぶことが大切です。ここでは、市販薬選びの注意点と適切な使い方を紹介します。
市販の頭皮用製品を選ぶ際は、現在の症状に合った成分を確認しましょう。
症状が複数ある、有効成分が多く判断が難しい場合は、薬剤師に相談して選ぶのがおすすめです。
効果的に頭皮へ塗布できる剤形を選ぶことも大切です。使いやすさが継続につながります。
| 剤形 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ローション | 頭皮に直接塗りやすく、全体に広げやすい | 液体が垂れやすいため、使用時の姿勢や量に注意が必要 |
| スプレー | 手を汚さずに使用しやすい。自分では見えない部分にも使いやすい | 勢いよく噴射されるため目に入らないよう注意が必要 |
| クリーム・ジェル | 掻き壊した部分をピンポイントで保護しやすい | 髪につくと重さやベタつきを感じる場合がある |
症状や患部の位置を考慮して、使いやすい剤形を選びましょう。
市販薬を数日〜1週間ほど使っても改善しない、使用後すぐに赤みや刺激感が増す場合は、直ちに使用を中止しましょう。一時的に改善しても繰り返す場合は、脂漏性皮膚炎や乾癬などの慢性疾患、または市販薬の成分による「かぶれ」の可能性もあります。
特に抜け毛を伴う場合や頭皮がジュクジュクしている場合は、自己判断でのケアに限界があるため、早めに皮膚科専門医を受診しましょう。

市販薬は症状に合ったものを選ぶことが大切です。相性もあるため、合わないと感じたら使用を中止し、別の製品を試すか医師に相談しましょう。数日使っても改善しない場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
かゆみの度合いやほかの症状によっては、医療機関での診察が必要な場合があります。ここでは、皮膚科受診を検討すべき症状と、どの診療科を選べば良いかを解説します。
以下のような症状がある場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。セルフケアでは対応できない皮膚疾患のサインの可能性があります。
特に痛みを伴うブツブツ(膿疱)や熱感がある場合は、細菌感染を起こしている可能性があるため、早急な受診が必要です。
頭皮のかゆみの原因となる代表的な皮膚疾患は、以下のとおりです。いずれも医師による診断と治療が必要です。
| 主な病気例 | 詳細 |
|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | マラセチア真菌が関与し、赤みとベタついたフケが出る |
| アトピー性皮膚炎 | 頭皮を含む全身に乾燥や赤みを伴うかゆみが出る慢性的なアレルギー性疾患 |
| 接触皮膚炎(かぶれ) | シャンプーや整髪料の成分に頭皮が反応するアレルギー反応 |
| 乾癬(かんせん) | 免疫系の異常により皮膚細胞の生まれ変わりが異常に早くなり銀白色の厚いフケが出る |
| 頭部白癬(しらくも) | カビの一種である白癬菌による真菌感染症 |
自己判断は避け、医師の診断と治療を受けましょう。
頭皮のかゆみについて、読者から寄せられやすい疑問をまとめました。気になる点の解消に役立ててください。
頭を洗っても頭皮がかゆいのはなぜですか?
毎日洗っても頭皮がかゆい場合、シャンプーが合っていない、すすぎ残しがある、または洗いすぎで乾燥しているといった理由が考えられます。低刺激のシャンプーに変えたうえで十分にすすいでも改善しないときは、脂漏性皮膚炎など別の原因の可能性もあるため、皮膚科に相談しましょう。
後頭部や生え際、頭頂部など特定の場所だけかゆいのはなぜですか?
特定の場所だけかゆい場合、その部分の洗い残しや乾燥、汗や帽子による蒸れ、整髪料の付着などが関係していることがあります。生え際は整髪料、後頭部は枕や汗の蒸れ、頭頂部は紫外線の影響を受けやすい部位です。赤みや湿疹を伴う場合や、セルフケアで改善しない場合は医療機関に相談しましょう。
頭皮が痛がゆいときはどうすれば良いですか?
頭皮が痛がゆい、ヒリヒリする場合は、強く掻いてしまったことによる炎症や、細菌・真菌の感染を起こしている可能性があります。特に痛みやブツブツ、熱感を伴うときは、自己判断でケアを続けず、早めに皮膚科を受診しましょう。
頭皮のかゆみは、皮膚のバリア機能の低下を知らせるサインの場合があり、放置すると炎症が慢性化して抜け毛などのトラブルにつながる恐れがあります。頭皮にかゆみが生じる原因は皮脂不足による乾燥や皮脂の過剰分泌、汗や蒸れ、シャンプーや整髪料などの刺激、脂漏性皮膚炎など多岐にわたるため、自分の状態に合った対策が欠かせません。対策として、まずは低刺激なシャンプー選び、指の腹でやさしく洗うといった洗髪方法の見直し、汗をかいたら清潔に保つといった基本のケアを行いましょう。
もし市販薬を使用しても数日~1週間以上症状が続く場合や、強い赤みやジュクジュクした浸出液、明らかな抜け毛などが見られる場合は、自己判断でケアを続けず、早めに皮膚科を受診してください。かゆみとともに抜け毛や薄毛が気になる場合は、AGAなど別の原因も考えられます。気になる場合は医師に相談しましょう。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
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原因は香料や防腐剤へのアレルギー反応、あるいはシャンプーのすすぎ残しによる刺激など多岐にわたります。原因物質を特定し、その使用を中止することが大切です。
生活習慣の乱れは、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの症状を悪化させる要因となります。ストレスや睡眠不足は頭皮環境や毛髪の健康に影響を与える可能性があります。また、偏った食生活も頭皮環境に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。規則正しい生活と栄養バランスの取れた食事を心掛けることで、頭皮環境が落ち着くことがあります。
一般的なケアで改善しない場合、脂漏性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患の可能性があります。
これらは自己判断での対処が難しく、医師による適切な診断と薬物療法が必要です。症状が持続する場合は受診をおすすめします。
アトピー性皮膚炎は、もともと皮膚のバリア機能が弱く、そこへアレルギーなどの刺激が加わって炎症が起きる疾患です。頭皮にも強いかゆみや湿疹が現れることが多く、以下のような特徴があります。
アトピー性皮膚炎がある方の頭皮はデリケートで、洗浄成分や香料などが刺激となり、接触皮膚炎を生じることがあります。

頭皮のかゆみの原因は人それぞれ異なります。ご自身の頭皮の状態や症状の出方をよく観察して、それに合ったケアを選ぶことが大切です。自己判断が難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。
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