更新日:2026年10月07日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「タチオン」「グルタチオン」という名前を美容の情報で見かけ、「どんな薬なのか」「シミやくすみに本当に効果があるのか」と気になっている方もいるかもしれません。タチオンはグルタチオンを主成分とする医療用医薬品で、自由診療(保険適用外)の美容皮膚科では内服薬として処方されることがあります。この記事では、タチオンの効果や副作用、市販での入手可否から注射との違いまで解説します。シミやくすみが気になる方は、本記事の情報をご活用ください。
※この記事で紹介するタチオン(グルタチオン)は、シミ・くすみへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。自由診療では、グルタチオンが持つ作用に着目し、シミ・くすみへのアプローチとして選ばれることがあります。なお、レバクリを通じた診療(提携医療機関による美容皮膚治療)で承認適応外として処方される薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
タチオンは、グルタチオンを主成分とする医療用医薬品の先発医薬品の商品名です。内服薬の錠剤と散剤(粉薬)のほか、注射・点滴の剤形があり、美容皮膚科では主にシミ・くすみへのアプローチとして自由診療(保険適用外)で処方されています。
タチオンは、グルタチオンを有効成分とする医療用医薬品の先発品名です。グルタチオンはアミノ酸(グルタミン酸・システイン・グリシン)から構成される体内物質で、肝臓の解毒機能や細胞がダメージを受けるのを助ける働き(抗酸化作用)を担っています。年齢とともに減少するとされており、自由診療の美容皮膚科では内服薬として処方されています。
タチオンと同じグルタチオンを有効成分とする後発品(グルタチオン錠100mg「ツルハラ」など)も存在し、有効成分は共通しています。「タチオン」「グルタチオン錠」という名前で呼ばれることがありますが、どちらも指している成分は同じです。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン錠50mg/100mg/タチオン散20% 添付文書」
タチオン錠(グルタチオン錠)が国内で承認されている効能・効果は以下のとおりです。
このようにタチオン錠は、体に悪影響を及ぼす薬物や金属などを解毒して外に出す働きや、肝臓の機能を助ける目的で主に処方されます。また、重いつわりなど妊娠中の不調を和らげるためにも使われます。
タチオン(グルタチオン)の内服薬は、承認適応外ではあるものの、その薬理作用に着目した自由診療として美容皮膚科(医療機関)を通じた処方で用いられることがあります。
グルタチオンには、黒色メラニンが生成されるのを抑え、淡色型メラニンへの切り替えを促す「色変換作用」が期待されています。この作用から、肌への変化が期待されています。肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のサイクルに合わせて効果があらわれるため、一定期間の継続が前提となります。
シミの種類によって適したアプローチは異なります。たとえば、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のように真皮層にメラニンが存在するタイプのシミは、内服薬だけでのアプローチには限界があるとされており、医師による診断と治療計画をもとに進めることが大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
グルタチオンには、肝臓の働きをサポートする作用があることが知られています。この作用から、疲労回復や二日酔い改善を目的とした点滴・注射での活用も行われています。ただし、内服薬(タチオン錠・グルタチオン錠)の添付文書において二日酔いや疲労回復への承認はなく、自由診療の範囲での使用です。点滴と内服では吸収経路が異なるため、効果のあらわれ方も同一ではありません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン錠50mg/100mg/タチオン散20% 添付文書」
タチオン(グルタチオン)には内服薬と注射・点滴の剤形があり、吸収経路・即効性・承認適応が異なります。自分に合った方法を医師と相談して選ぶことが大切です。
| 比較項目 | タチオン錠・グルタチオン錠(内服薬) | タチオン注射・点滴 |
|---|---|---|
| 吸収経路 | 消化管から吸収 | 静脈内へ直接投与 |
| 即効性 | 吸収に時間がかかる | 血中に直接入るため即効性が高い |
| 通院の有無 | 自宅で服用可能(通院不要) | 施術のために定期的な通院が必要 |
| 承認適応 | 薬物中毒・金属中毒・妊娠悪阻など | 薬物中毒などのほか、炎症後色素沈着にも適応 |
タチオン錠・グルタチオン錠は、口から服用して消化管から吸収される内服薬です。注射・点滴と比べると血中への吸収に時間がかかりますが、自宅で服用できるため通院の負担が少なく、継続しやすいのが特徴です。承認された効能は薬物中毒・アセトン血性嘔吐症・金属中毒・妊娠悪阻などで、美容目的での使用は自由診療(適応外)の扱いになります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン錠50mg/100mg/タチオン散20% 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
タチオン注射・点滴は、有効成分を直接静脈へ投与します。内服と比べて成分が分解されずに血中へ取り込まれるため、吸収のスピードが速く、即効性が期待できるとされています。注射版は添付文書上で炎症後の色素沈着への効果が承認されており、この点では内服薬と異なります。一方で、通院が必要なため継続的な手間がかかります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン注射用100mg/200mg 添付文書」
タチオン錠・グルタチオン錠を服用する前に、副作用と注意が必要な方の条件を確認しておくことが大切です。
タチオン錠・タチオン散・グルタチオン錠の添付文書に記載されている主な副作用は以下のとおりです(いずれも発現頻度は0.1%未満)。

気になる症状があらわれた場合は、自己判断で服用を続けず、処方した医師に相談してください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン錠50mg/100mg/タチオン散20% 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
以下に当てはまる場合は、服用できないか、注意が必要です。
現在、治療中の病気や服用中の薬がある場合は、必ず医師に伝えておきましょう。授乳中の服用については、自己判断を避け、必ず医師にご相談ください。
特にシミやくすみ、肝斑(かんぱん)治療は緊急性の高いものではないため、この時期は治療を見合わせる選択肢も含めて相談することをおすすめします。(なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、妊娠中・授乳中の方への処方は行っておりません。)

服用中に体調の変化を感じたらすぐに医師へご相談ください。美容目的での継続服用は、定期的に医師の評価を受けながら続けるかどうかを判断してもらうことが大切です。自己判断での長期服用はせず、医師との相談を前提に服用を続けてください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
タチオン錠・タチオン散・グルタチオン錠は医療用医薬品のため、薬局やドラッグストアでの購入はできません。医師の処方を通じて入手するのが正規の方法です。
タチオン(グルタチオン)の錠剤・散剤は医療用医薬品に分類されており、医師の処方が必要です。薬局やドラッグストア、ネット通販の市販薬コーナーでは販売されておらず、医療機関での診察と処方を経て手に入れるのが正規の入手方法です。同じグルタチオンを含む商品でもサプリメントや化粧品として販売されているものがありますが、これらは「健康食品」「化粧品」の扱いであり、医療用医薬品とは成分濃度や品質管理の規格が異なります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」
海外の通販サイトを経由した個人輸入という形で入手できる場合がありますが、注意が必要です。医療機関を通じた処方と異なり、品質管理の状況が確認できない場合があります。また、副作用などの健康被害が生じた際に医薬品副作用被害救済制度の対象外となる点も知っておく必要があります。グルタチオン内服薬の入手は、医師の診察と処方を通じた方法をとることが大切です。
ここでは、タチオン(グルタチオン)についてよくある質問をまとめました。Q&A形式で回答するので、ぜひご覧ください。
タチオン錠とグルタチオン錠は同じ成分ですか?
はい、有効成分(グルタチオン)は同じです。タチオンは先発品の製品名で、グルタチオン錠100mg「ツルハラ」などは同成分の後発品です。処方される製品名が異なっていても、有効成分は共通しています。
タチオン錠を飲み始めてどれくらいで変化が出ますか?
ターンオーバーのサイクルに合わせて効果があらわれるため、一定期間の継続が前提です。ただし、ターンオーバーは年齢や体調により異なるため(一般的に28~56日程度)、効果を実感できるまでの期間に個人差があります。効果が見られない場合に漫然と続けることは避け、定期的に医師の評価を受けて継続の判断を行ってください。
タチオン錠は二日酔いにも効きますか?
タチオン(グルタチオン)内服薬は、二日酔いへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。肝臓の働きをサポートする薬理作用があることから、疲労回復や二日酔い改善を目的とした点滴・注射では活用されることがあります。内服薬では点滴と同等の吸収効率は期待できないため、効果のあらわれ方は異なります。
タチオン錠はほかの薬と一緒に飲んでもいいですか?
グルタチオン錠の添付文書には、現時点で特定の併用禁忌・併用注意薬の記載はありません。ただし、現在服用中の薬や持病がある場合は必ず医師に伝えてください。また、同一成分のタチオン錠と重複して服用することは避けてください。
タチオン(グルタチオン)は、肝臓の働きを助けたり、解毒をサポートしたりする目的で作られた医療用医薬品です。しかし近年では、メラニンへのアプローチ(色変換作用)などに着目し、美容皮膚科でのインナーケアとして利用されています。シミやくすみに対する処方は自由診療(保険適用外)となりますが、自宅で手軽に服用できるメリットがあります。
「シミやくすみが気になってきた」「体の内側からのケアも取り入れたい」とお悩みの方は、ぜひ一度、美容皮膚科などの医療機関へ相談し、ご自身の肌を健やかに保つための新しい一歩を踏み出してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン錠100mg『ツルハラ』 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン錠50mg/100mg/タチオン散20% 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タチオン注射用100mg/200mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン注射用200mg『NIG』 添付文書」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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