更新日:2026年10月08日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
L-システインとは何か、シミ・そばかすへの効果があるのかと気になっている方もいるかもしれません。L-システインにはメラニンの生成を抑えシミ・そばかすの淡色化を助けたり、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)をサポートしたりする働きが期待されます。ただし、サプリメントや市販薬、医療用医薬品では成分や承認効能が異なるため、自分に合った取り入れ方を検討することが大切です。
※この記事で紹介するL-システイン(ハイチオール)は、シミへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。自由診療では、この医薬品が持つ作用に着目し、シミへのアプローチとして選ばれることがあります。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で承認適用外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
L-システインは、皮膚や髪、爪などに多く含まれているアミノ酸(タンパク質の材料)の一種です。 イオウを含む特徴的な構造を持ち、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助けたり、体をサビから守る成分であるグルタチオンの材料になったりすることで知られています。
L-システインは、体の中で自ら作り出すことができる成分ですが、そのためには食事から「シスチン」や「メチオニン」という別の栄養素を摂る必要があります。食事から摂ったシスチンやメチオニンが、体の中で段階的に形を変えることで、最終的にL-システインが作られる仕組みです。 L-システインは、皮膚や髪、爪を丈夫にする「ケラチン」の材料になるほか、肝臓で毒素を分解する「グルタチオン」を作り出すためにも使われます。肌や体を支える役割を持つ成分です。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
以下のような食品にはメチオニンが含まれているとされ、摂取することにより体内でL-システインの生成をサポートします。
ただし、シミ・そばかすへのアプローチを目的として食事だけで十分な量を確保するのは難しいとされています。そのため、特定の目的でL-システインを補う場合は、ハイチオールといった医療用医薬品やサプリメントの活用を検討する方も少なくありません。
L-システインには、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助ける、メラニンの生成を抑える、抗酸化作用の3つの働きが期待されます。以下では、それぞれの働きを詳しく説明します。

L-システインは、体内で酵素の働きを助け、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)に関わるとされています。肌の生まれ変わり(ターンオーバー)とは、基底層で新しい細胞が生まれ、表皮の表面に向かって押し上げられて最終的に角質として剥がれ落ちるサイクルのことです。このサイクルは年齢によって異なり、一般的に28〜56日程度とされています。ターンオーバーが乱れて遅くなると、蓄積したメラニンが肌の表面にとどまりやすくなり、シミやくすみとして現れやすくなります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」

L-システインは、シミ・そばかすの原因となるメラニンの生成を抑え、また、生成されるメラニンを淡い色(淡色型)へ切り替える働きがあるとされています。メラニンが発生するのは、紫外線・摩擦・ホルモンバランスの乱れなどの刺激を受け、皮膚の基底層にある「メラノサイト」という細胞が活性化するためです。L-システインはこのメラニン生成の過程に関わり、黒〜茶色の色素(ユーメラニン)ではなく、黄〜赤褐色の淡い色素(フェオメラニン)の生成へ誘導する働きがあります。これにより、シミ・そばかすの色調の変化が期待されます。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
L-システインは、体内でグルタチオンという物質を作るための材料となります。グルタチオンは、紫外線や日々のストレスによるダメージから肌の細胞を守ってくれる、バリアのような存在です。L-システインを摂ることでグルタチオンの材料が補われ、体内の抗酸化力をサポートすることが期待されています。
「薬やサプリメントでL-システインを摂取しても効果がない」と感じる場合、使用期間が短いことが影響しているかもしれません。肌の生まれ変わり(ターンオーバー)は一般的に28〜56日程度かかるため、短期間での変化は期待しにくいのが実情です。また、シミの種類や継続方法によっても結果は異なります。
L-システインのメラニン淡色化・排出効果は、ターンオーバーのサイクルに合わせて現れます。肌の生まれ変わりは年齢によって異なりますが、たとえば30〜40代では40〜56日程度かかるのが目安です。さらに蓄積したメラニンが完全に入れ替わるには複数のターンオーバー周期が必要になります。そのため、L-システインを摂取しても数日や1週間程度では変化を期待しにくいのが現実です。定期的に医師の診察を受けながら、効果を確認しつつ継続を判断していきましょう。
効果を感じにくいもう一つの理由として、摂取量が不足していたり、紫外線の対策が不十分だったりしているとL-システインの効果に影響する場合があります。処方薬を服用している場合は用法用量を守りましょう。また、シミ・そばかすはいずれも紫外線で悪化するため、L-システインを摂取していても紫外線を浴び続けると新たなメラニンが生成され続けてしまいます。L-システインに頼るだけでなく、日傘や日焼け止めを活用して対策しましょう。
L-システインとビタミンCは作用の仕組みが異なり、組み合わせることでシミ・そばかすへ多角的にアプローチしやすいといわれています。ビタミンCは別の医薬品(シナール)として処方されるもので、L-システイン(ハイチオール)とは成分が異なります。それぞれの仕組みを理解しておくと、なぜ組み合わせて使われるのかがわかります。
L-システインは、メラニン生成の経路においてユーメラニン(黒〜茶色)の生成をフェオメラニン(淡い色)へ誘導します。それにより、シミやそばかすの色調の変化が期待されています。
ビタミンCは、チロシナーゼの働きを抑えてメラニンが生成される量自体を減らす働きが期待できる成分です。さらに、すでに生成されたメラニンを酸化型から還元型(無色に近い状態)へ変換する働きが期待されています。つまり、L-システインは「生成されるメラニンの色を淡くする」、ビタミンCは「メラニンの生成量を抑え、生成されたメラニンを淡色化する」という、異なる切り口でシミ・そばかすに関わります。
L-システインとビタミンCの組み合わせが良いとされるのは、「相乗効果がある」という意味ではありません。それぞれ別の経路から働きかけることで、単独では届きにくい部分をカバーし合える関係にあります。なお、シナール(ビタミンC)は、炎症後の色素沈着(ニキビ跡など)に対して国内で承認された効能・効果を持つ医薬品です。L-システインだけでは変化を感じにくいと考えている方は、まずは医師に相談してみましょう。
L-システインとトラネキサム酸は、どちらもシミへのアプローチとして使われますが、作用の仕組みと効果が期待されるシミの種類が異なります。「どちらを選べばよいか」は肌の悩みや状態によって異なるため、自己判断せず医師に相談するのが安心です。
| 項目 | L-システイン | トラネキサム酸 |
|---|---|---|
| 主な働き | ・メラニン生成の抑制 ・メラニンの排出をサポート | ・メラニンの生成を抑制 |
| 主に期待される用途 | ニキビ跡などのシミ | 肝斑(かんぱん) |
L-システインは、メラニン生成の過程でユーメラニン(黒〜茶色)からフェオメラニン(淡い色)への切り替えを促し、さらにターンオーバーを助けることでメラニンの排出をサポートします。シミ全般への幅広いアプローチとして活用されます。トラネキサム酸は「プラスミン」という物質の働きを抑えることで、メラノサイト(メラニンを作る細胞)を刺激する物質の増加を先回りして防ぐことが期待されています。特に「肝斑(かんぱん)」はプラスミンの活性化が関与しているとされており、トラネキサム酸は肝斑へのアプローチとして活用されることが多い成分です。
シミには複数の種類があるため、医療機関では医師が状態を確認したうえで治療方針を判断します。たとえば、L-システインはシミ・そばかす全般に、トラネキサム酸は特に肝斑に向けて活用される傾向があります。自分のシミがどの種類で、どの成分が合うかを確認するためにも、医療機関の受診も検討してみましょう。

ハイチオール(L-システイン)は、主に消化器系の副作用が報告されています。服用にあたって注意の必要なケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
ハイチオール(L-システイン)の添付文書に記載されている副作用は以下のとおりです。

発生する頻度は、悪心が0.1〜5%未満、下痢・口渇・軽度の腹痛は0.1%未満と報告されています。上記の症状が現れた場合は、自己判断で服用を続けるのではなく、医師や薬剤師に相談しましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
添付文書上、ハイチオール(L-システイン)を服用できない疾患・病態(禁忌)として特定されているものはありません。ただし、高齢者の方は一般的に生理機能が低下しているため、医師の管理のもとで慎重に使用する必要があります。また、妊娠中・授乳中の方については、美容目的での安全性が確立されていないため、自己判断は避け、必ず医師にご相談ください。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、妊娠中・授乳中の方への処方は行っていません。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
承認適応(国から正式に認められた効能・効果)の範囲内でハイチオールを飲む場合と、レバクリを通じた美容皮膚治療での用量用法は異なります。

ハイチオールの添付文書に記載された用法用量は、湿疹や尋常性ざ瘡(ニキビ)などの皮膚疾患に対して、1日160~240mgを2~3回に分けて服用するものです。飲み忘れに気づいたときは、次の服用時間が近い場合は1回分を飛ばし、2回分をまとめて飲まないよう注意しましょう。
なお、レバクリを通じた美容皮膚治療では飲み忘れを防ぎ、無理なく治療を続けていただけるよう、1日2回・1回1錠での服用を案内しています。用法用量は医師の指示に従ってください。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
L-システインは、ターンオーバーの周期に複数回アプローチするためにも、一定期間続けて服用するのが一般的です。ただし、効果が見られない場合は定期的に医師の診察を受けながら継続の判断を行ってください。
また、飲むタイミングについては「食前・食後」の指定は特にありませんが、胃への負担を和らげるため、食後に服用する方が多い傾向にあります。正確なタイミングや注意点は、処方を受けた医師・薬剤師の指示に従いましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
ハイチオールは、L-システインを有効成分とした医療用医薬品の名前です。市販薬と医療用医薬品(処方薬)では、成分構成や用途、入手方法が異なります。

市販されているハイチオールシリーズは、L-システインにビタミンCやビタミンE・ビタミンB群などを組み合わせた第3類医薬品です。シミ・そばかす、疲れ・だるさ(全身倦怠)などへの効能・効果が承認されていますが、製品によって成分や承認効能は異なります。医療用医薬品のハイチオール(L-システイン単独)とは成分構成が異なる点に留意しましょう。
医療用ハイチオールは有効成分がL-システインのみで、医師の処方が必要な医療用医薬品(処方薬)です。承認効能は湿疹・中毒疹・薬疹・じん麻疹・尋常性ざ瘡(ニキビ)・多形滲出性紅斑で、シミ・そばかすへの承認適応はありません。自由診療の美容皮膚科では、L-システインのメラニン淡色化・ターンオーバーを助ける薬理作用に着目し、承認適応外の用途として処方されています。
L-システインと表記されていても、「サプリメント」「市販薬」「医療用医薬品」はそれぞれ品質管理の基準と目的が異なります。目的に合った選択をするためにも、それぞれの違いを理解しておきましょう。
サプリメントは法律上「健康食品」に分類され、有効成分の含量に関する厳格な基準は設けられていません。そのため、表示量との誤差が大きいケースや品質にばらつきがある製品も存在します。一方、医療用医薬品・市販薬(医薬品・医薬部外品)は、承認された規格の範囲内でないと出荷できない厳格な品質管理体制です。同じ「L-システイン」でも、サプリメントと医薬品では配合量の正確さが異なります。明確な目的のためにL-システインを取り入れる場合は、その違いを踏まえて選択することが大切です。
参考:デジタル庁「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
サプリメントや、市販薬では対応しきれない肌の悩みに対して、医療機関での相談を選択する方は少なくありません。医療機関では、医師が診察したうえで、肌の悩みに合わせた治療薬を検討します。L-システイン(ハイチオール)単独ではなく、ビタミンC(シナール)やトラネキサム酸・ユベラ(ビタミンE)などと組み合わせて処方するケースもあります。自己判断で成分を組み合わせることは難しいため、気になる場合は受診を検討しましょう。
L-システインについて、読者から寄せられる質問と回答をまとめました。
L-システインを飲むと白髪になるって本当ですか?
L-システインにはメラニンの生成を淡色化する働きがありますが、毛髪の黒色メラニンと皮膚のメラニンでは生成のメカニズムが異なります。用法用量の範囲内でハイチオール(L-システイン)を服用した場合に白髪が増えるという医学的報告はされていません。白髪が心配な場合は、処方を受けた医師にご相談ください。
L-システインは肝臓の健康にもよいのですか?
L-システインはグルタチオンという物質の合成を助ける材料であり、グルタチオンは肝臓の解毒機能に関わる物質です。そのためL-システインが肝臓をサポートするという文脈で語られることがあります。ただし、ハイチオール(L-システイン)の国内で承認された効能・効果に肝臓への作用は含まれていません。肝臓に関わる自覚症状がある場合は自己判断せず、医師に相談してください。
妊娠中・授乳中でもL-システインを飲んでいいですか?
妊活中や妊娠中、授乳中の方は、美容目的でのL-システイン服用について安全性が確立されていません。自己判断は避け、必ず医師にご相談ください。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、妊娠中・授乳中の方への処方は行っていません。
L-システインは、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助けたり、メラニン生成の経路を淡色化する方向へ誘導したりする働きが期待されるアミノ酸の一種です。L-システインは体内で作られる成分ですが、食品や医薬品で補う選択肢もあります。摂取する際は、複数回にわたってターンオーバーのサイクルを見るため、一定期間続けることが大切です。日頃の紫外線対策もあわせて行いましょう。
また、医療用医薬品のハイチオール(L-システイン)は、シミへの活用は自由診療の範囲での適応外処方になります。医療機関ではビタミンC(シナール)やトラネキサム酸などと組み合わせる場合もあり、食品やサプリメントで変化を感じにくいときは医師への相談を検討してみましょう。なお、ハイチオール(L-システイン)には副作用や服用の注意点があるため、医師や薬剤師の説明に従いましょう。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠「YD」 添付文書」 デジタル庁「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
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治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
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