更新日:2026年10月09日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
シナールを処方されたものの、食後に飲むべきか、1日に何錠飲めばよいのかわからない、という方もいるかもしれません。シナール配合錠の飲み方の基本は、食後に服用することです。この記事では、錠剤・顆粒それぞれの正しい飲み方、トラネキサム酸やユベラとの飲み合わせ、飲み続けることで期待できる効果と継続の考え方を解説します。服用を検討している方はぜひ参考にしてください。
※シナールは、炎症後の色素沈着(ニキビ跡など)に対して承認された効能・効果を持つ医療用医薬品です。一方、シミへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。自由診療では、これらの薬理作用に着目し、シミへのアプローチとして選ばれることがあります。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
シナールは、アスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)を配合した医療用内服薬です。錠剤タイプと顆粒タイプの2種類があり、皮膚科・美容皮膚科などで幅広く処方されています。
シナール配合錠1錠には、アスコルビン酸(ビタミンC)200mgとパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)3mgが含まれています。シナール配合顆粒は1g中に同じ量が含まれており、錠剤と顆粒で成分の差はありません。

添付文書に記載されている効能(国から正式に認められている効能)は、食事からの摂取が不十分な際の補給、炎症後の色素沈着の改善です。ニキビ跡や、やけど・けがの跡の茶色っぽい変色は炎症後の色素沈着の1つです。シナールは黒くなった色素(黒色メラニン)の色を目立ちにくくする還元作用が期待されます。
美容皮膚科においてシナールが取り扱われる背景には、添付文書上の効能に加え、ビタミンCが持つ作用に着目し、自由診療の範囲でシミのケアなどを目的に活用されていることが挙げられます。主成分であるアスコルビン酸(ビタミンC)には、主に以下の2つの美容作用が知られています。
アスコルビン酸(ビタミンC)には、シミや色素沈着の原因となるメラニン色素の過剰な生成を抑える働きが期待されます。これが、透明感のある肌づくりやシミのケアを目的に活用されています。
ビタミンCは、肌のハリや弾力を保つために不可欠な「コラーゲン」を体内で合成する際の補酵素としての働きがあります。コラーゲンの生成を促します。
シナール配合錠の飲み方の基本は、食後に十分な水またはぬるま湯で飲むことです。1回量と飲む回数は症状や処方内容によって異なります。ここではレバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療での飲み方を紹介します。
レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、1日2回の服用でご案内しています。用法・用量は医師の指示に従ってください。自己判断で増やしたり減らしたりするのは避けましょう。
錠剤はそのまま飲む(噛まない)のが基本です。噛んで飲んでしまうと苦みや酸味が強く感じられることがあるため、水で飲み込む形が適しています。
シナールは食後に飲むのが基本です。アスコルビン酸(ビタミンC)は酸性の成分であるため、空腹時に服用すると胃の不快感・悪心(吐き気)を感じることがあります。食事を摂ったあとに服用することで、胃への刺激を和らげられます。
「食後すぐ」が難しい場合でも、食後30分以内を目安に飲むようにしましょう。
シナールは水またはぬるま湯で飲みましょう。コップ1杯(150〜200mL程度)を目安にすると飲みやすくなります。水またはぬるま湯で飲むのが基本です。

アスコルビン酸(ビタミンC)は水溶性ビタミンの1つです。水溶性ビタミンは体内に蓄積されにくく、余分に摂取された分は尿として排泄されます。一度にまとめて飲んでも吸収できる量には上限があり、1日分を2〜3回に分けて服用するほうが、血中濃度をより安定させやすくなります。1日1〜3回に分けて飲むという指示の背景には、このような水溶性ビタミンの性質があります。
シナール配合顆粒(粉)も、錠剤と同じ成分・同じ含有量で作られています。1g中にアスコルビン酸(ビタミンC)200mg・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5)3mgが含まれています。飲み方が異なる点があるため、以下で確認しておきましょう。
| シナール配合錠 | シナール配合顆粒 | |
|---|---|---|
| 形状(剤形) | 錠剤 | 顆粒(粉末) |
| 成分・含有量 | 1錠中 ・アスコルビン酸(ビタミンC) 200mg ・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) 3mg | 1g(1包)中 ・アスコルビン酸(ビタミンC) 200mg ・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) 3mg |
| 1回量の目安 | 1回 1〜3錠 ※レバクリを通じた美容皮膚治療では1回1錠を処方しています。 | 1回 1〜3g |
| 1日の服用回数 | 1日1〜3回(食後) ※レバクリを通じた美容皮膚治療では1日2回の服用で処方しています。 | 1日1〜3回(食後) |
| 味・風味 | ほとんどなし(無味) | 甘酸っぱい味 |
| 飲み方 | 水またはぬるま湯でそのまま飲み込む | ・そのまま口に含み、水で流し込む ・水またはぬるま湯に溶かして飲む |
添付文書上のシナール配合顆粒の用量・用法は、1回1〜3g・1日1〜3回、食後に服用です。用量は症状や処方内容により調整されるため、処方時に医師から受けた指示に従ってください。
飲み方としては、水またはぬるま湯に溶かして飲む方法と、そのまま口に含んで水で流し込む方法があります。甘酸っぱい味があるため、水に溶かして飲むと飲みやすいと感じる方が多いようです。錠剤と同様、熱湯には溶かさないようにしてください。
シナール配合錠とシナール配合顆粒は、成分・効果に差はありません。錠剤が飲み込みにくい方や、嚥下(えんげ)に不安がある方には顆粒が選ばれることがあります。処方された剤形に迷いがある場合や、飲みやすさで不安を感じる場合は、医師や薬剤師に相談してみてください。
美容皮膚科では、シナールと一緒にトラネキサム酸(トランサミン)やユベラ(ビタミンE)を処方されるケースがあります。シナールとこれらの薬の間には、添付文書上の禁忌や併用注意の記載はありません。ただし、それぞれの薬に固有の注意事項があるため、以下を確認しておきましょう。
シナールとトラネキサム酸(トランサミン)は同時に服用できます。シナールの添付文書・トラネキサム酸の添付文書のいずれにも、両者の間に禁忌や併用注意の記載はありません。2つの薬は作用の仕組みが異なるため、同時に処方されることがあります。
ただし、トラネキサム酸は血栓(血の塊)を溶けにくくする作用があります。そのため、添付文書上では血栓のある方(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など)や血栓症を起こすおそれのある方は慎重投与(服用に注意が必要)とされています。また、ピル(経口避妊薬)を服用中の方については、トラネキサム酸の添付文書で禁忌とされているわけではありませんが、ピル自体にも血栓症のリスクがあるため、併用には注意が必要です。なお、トラネキサム酸の明確な併用禁忌(一緒に使ってはいけない薬)として定められているのは「トロンビン(止血剤)」を投与中の方です。
シナールとユベラ(ビタミンE)も同時に服用できます。両者の添付文書に禁忌・併用注意の記載はなく、食後にまとめて飲んでも問題ありません。アスコルビン酸(ビタミンC)とトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)はそれぞれ異なる仕組みで働くため、2つを同時に処方されるケースがあります。

シナール・トラネキサム酸・ユベラをまとめて処方された場合、薬どうしの禁忌や配合変化はないため、食後に一度にまとめて飲んでいただいて問題ありません。ただし、それぞれの薬にご自身の体質や既往歴との関係で注意が必要な場合があります。飲み始めてから体調に変化を感じたときは、まず医師にご相談ください。
シナールの添付文書には、禁忌・併用禁忌・併用注意の記載がありません。ただし、服用にあたって気をつけたい点がいくつかあります。以下で確認しておきましょう。
シナール配合錠・配合顆粒の添付文書には、他の薬剤との禁忌・併用禁忌・併用注意の記載はありません。シナールの成分であるアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)はいずれも体内にもともと存在する成分であり、多くの薬との飲み合わせで問題が生じることは少ない薬です。ただし、他の薬を服用中の方や持病がある方は、念のため服用前に医師や薬剤師に伝えておくと安心です。
シナールを服用中にビタミンCを多く含む市販サプリメントを追加すると、成分が重複して過剰になる場合があります。サプリメントは法律上「食品」であり、医薬品とは異なる基準で管理されています。腎結石・尿路結石の既往がある方や、腎機能が気になる方はとくに注意してください。ビタミンCを含む市販品を服用中の場合は、医師に伝えて判断を仰ぐのが安心です。
シナールを服用中に尿検査や便検査を受ける場合は、検査前に必ず服用中であることを医師に伝えてください。アスコルビン酸(ビタミンC)の作用により、尿中の糖やビリルビン、便潜血の検査結果に影響が出る場合があります。申告を忘れると、糖尿病や腸の出血などに関わる数値が実際と異なって判定されることがあるため、注意が必要です。
本薬に配合されているアスコルビン酸(ビタミンC)やパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)は、妊活・妊娠・授乳中の方の健康維持においても重要な栄養素です。
特にビタミンCには、食事からの鉄分吸収を高める働きや、肌のハリを保つコラーゲンの生成を促す役割があります。
しかしながら、妊娠中や授乳期は体調が変化しやすく、非常に敏感な時期でもあります。ご自身の体と赤ちゃんの安全を第一に考え、安心して服用していただくためにも、自己判断での使用は避け、まずはかかりつけの産婦人科医へ事前にご相談ください。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、妊娠中・授乳中の方への処方は行っていません。
シナールを飲み続けることで期待できる効果は、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のサイクルに沿って少しずつ現れます。ただし、効果がないのに漫然と使用するのは避けましょう。
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)は一般的に28〜56日程度(年齢により異なる)とされているため、効果を感じるまでには一定期間の継続が必要です。以下はターンオーバーが28日周期の方の例ですが、こちらの継続期間はあくまで目安であり、効果の出方は個人差があります。

シナールの添付文書には、「効果がないのに月余(1ヶ月以上)にわたって漫然と使用すべきでない」という注意が記載されています。「とりあえず続けていれば効く」という考え方ではなく、定期的に医師の診察を受けて、改善が見られているかどうかを確認しながら継続するかどうか判断することが大切です。効果を感じられない場合は、ほかの薬や治療法を検討することも選択肢の一つです。
ここでは、シナールの飲み方や服用中に多く寄せられる疑問にお答えします。
シナールを飲み続けると太りますか?
シナールの主成分はアスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウム(ビタミンB5)であり、添付文書に体重増加を示す副作用は記載されていません。現時点で、シナールの服用と体重増加の因果関係を示す医学的報告もありません。
飲み忘れたときはどうすればよいですか?
次の服用時間まで十分な時間がある場合は、気づいた時点で飲んでください。次の服用時間が近い場合は1回分を飛ばし、次回から通常通り飲むようにしましょう。2回分をまとめて飲むのは避けてください。
シナールで白髪が増えますか?
シナールにはメラニン生成を抑える作用があることから「白髪が増えるのでは」と心配される方もいますが、現時点でシナールの服用と白髪増加の因果関係を示す医学的報告はありません。
シナールを服用する際の大切なポイントは、胃への負担が少ない「食後」に十分な水かぬるま湯で毎日飲むことです。トラネキサム酸やユベラと一緒に処方された場合も薬どうしの禁忌はないため、食後にまとめて飲んでも問題ありません。ただし、市販のビタミンCサプリとの成分の重複には気をつけ、健康診断などの検査前には必ず医師へ服用中であることを申告しましょう。
肌のターンオーバーに合わせて一定期間続けることが大切ですが、添付文書にある通り「効果がないのに漫然と飲み続けない」のが正しい服用のルールです。ご自身の肌状態に合っているか、定期的に医師の診察を受けながら継続を判断しましょう。忙しくて通院の時間が取れない方や、自分に合った処方か相談したい方は、スキマ時間に受診できるオンライン診療をぜひ活用してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シーピー配合顆粒」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠『YD』 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トランサミン錠・トランサミンカプセル・トランサミン散 添付文書」
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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