更新日:2026年08月20日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
カフェインは血管拡張作用やリラックスとの関連が報告されています。しかし、「カフェインが勃起に良い影響を与える」という研究データはあるものの、EDを直接改善する効果は医学的に証明されていません。カフェインは摂り過ぎるとかえってめまいや下痢などの体調不良につながる可能性もあるため、飲み過ぎには注意が必要です。
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アメリカで約3,700人の男性を対象に行われた調査では、1日170〜375mgのカフェインを摂取していたグループで、EDに関する指標に差異が見られたとする報告があります。
ただし、この調査ではカフェインの摂取量と勃起との明確な因果関係までは示されておらず、カフェインで勃起が改善すると証明されたわけではありません。
実際、その後に行われた複数の大規模な研究では、カフェイン摂取とEDリスクとの間に明確な関連は確認されていません。したがって、現時点ではカフェインがEDを予防・改善するという十分な科学的根拠はないと考えられます。なお、糖尿病がある方では同じような傾向は確認されていないことも報告されています。カフェインに過度な期待はせず、勃起の不調が続く場合は原因に応じた対処を検討しましょう。
参考:National Library of Medicine「Association between caffeine intake and erectile dysfunction: a meta-analysis of cohort studies」 参考:National Library of Medicine「Coffee Intake and Incidence of Erectile Dysfunction」
カフェインと勃起機能の関連が示唆されている理由として、主に次の2つが考えられます。
それぞれについて解説します。
カフェインには血管拡張作用があるとされ、陰茎の血管や平滑筋に影響を与える可能性が示唆されています。勃起は陰茎の海綿体に血液が充満することで起こるためです。血管や平滑筋に影響が及ぶことで、血流の動向に関わる可能性が考えられています。
一方で、交感神経を刺激して血圧を上げたり血管を収縮させたりする作用も報告されています。陰茎の血管に対する直接的な影響を調べたヒトでの研究はまだ十分ではないため、勃起にどのような影響を与えるかはまだ不明です。
カフェインと勃起機能の関連が示唆される理由は、性的な関心や意欲に関わる可能性があるためです。
人は疲労するとアデノシンという物質が体内でつくられ、これがアデノシン受容体に結合することで眠気などを引き起こします。カフェインはアデノシンと構造が似ており、受容体への結合を妨げることで、覚醒や刺激に関与するとされています。
勃起機能との関連が調査されたカフェインの摂取量は、1日170〜375mgが目安です。 ここでは、コーヒーやお茶といった飲み物ごとの目安量と、飲み過ぎたときの注意点を解説します。
勃起機能との関連が調査されたカフェインの摂取量は、1日170〜375mgとされています。アメリカのある調査では、1日170〜375mgのカフェインを摂取していた男性で、EDに関する指標に差異が見られたとする報告があります。コーヒーにすると2〜3杯分にあたる摂取量です。
カフェインはコーヒーだけでなく、お茶やエナジードリンクなどにも含まれます。飲み物ごとのカフェイン量の目安は次のとおりです。
| 飲料名 | カフェイン量(100mLあたり) |
|---|---|
| コーヒー | 60mg |
| エナジードリンク | 32〜300mg |
| 紅茶 | 30mg |
| ウーロン茶 | 20mg |
| ほうじ茶 | 20mg |
| 玄米茶 | 10mg |
| 玉露 | 160mg |
調査で言及されたカフェイン量は、コーヒーなら1日2〜3杯、紅茶なら1日4〜6杯程度です。玉露はコーヒーより多くのカフェインを含むため、飲む量には注意しましょう。
カフェインは、摂取量が多いと副作用が生じることがあるため注意が必要です。カフェインの主な副作用には以下のような症状があります。
カフェインに対する耐性には個人差があり、コーヒー2〜3杯であっても、人によっては副作用が生じることがあります。
また、健康な成人のカフェイン摂取量は1日400mgまでが目安とされており、飲み過ぎには注意が必要です。特にエナジードリンクはカフェインが多く含まれている分、飲み過ぎると副作用のリスクが高まる可能性があります。日頃から目安量を守るよう意識しましょう。
参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
カフェイン以外にも、体のコンディションや栄養バランスに関わる成分があります。ただし、食品だけで勃起の悩みが解決するとは限らないため、栄養バランスを整える一環として取り入れるのが良いでしょう。 一般的にコンディション維持に関わるとされる主な栄養素は、次のとおりです。

食べ物に含まれる栄養素は、あくまで健康をサポートするものです。勃起の不調が続く場合は、一度医師に相談して原因を確かめることを検討しましょう。
勃起に良い可能性があるからといって、カフェインを多量に摂取することはおすすめできません。カフェインには副作用の可能性があるうえ、勃起機能への影響が確定的に証明されているわけではないためです。勃起不全の原因は、主に器質性・心因性・混合性・薬剤性の4種類に分類されると考えられています。いずれのタイプのEDであっても、カフェインや栄養素の摂取のみで根本的な治療を図ることは困難とされています。
勃起不全は原因に合わせた治療を行うことが重要です。医師の診察を受けたうえで必要だと判断されれば薬による治療も選択肢になります。陰茎の硬さや勃起の維持に悩んでいる方は、医療機関を受診してみましょう。通院の手間や、周りに見られたくないという懸念がある場合は、オンライン診療で診察を受ける手段もあります。
カフェインと勃起の関係性や、健康への影響を気にする方がいるかもしれません。基本的な知識として参考にしやすい「よくある質問」をまとめました。
カフェインで勃起不全(ED)は治りますか?
カフェインでEDが治るとは考えられていません。カフェインは血管拡張作用や刺激作用などから勃起機能との関連が話題に上ることはありますが、医薬品のような効能・効果が認められたものではないためです。勃起の不調が続く場合は、医師に相談して原因に応じた対処を検討してみましょう。
エナジードリンクで勃起不全に関する変化は期待できますか?
エナジードリンクにはカフェインが多く含まれますが、勃起機能への直接的な影響は確認されていません。また、エナジードリンクには糖質を多く含む製品もあり、飲み過ぎると肥満や生活習慣病のリスクを高め、間接的にED症状を招く可能性があります。カフェインや糖質の過剰摂取を避けるため、エナジードリンクの飲み過ぎには注意しましょう。
コーヒーやお茶に含まれるカフェインには血管拡張作用や覚醒作用、リラックスに関する働きなどが報告され、勃起機能との関連が指摘されることがあります。ただし、現時点ではカフェインがEDを予防・改善するという十分な科学的根拠はありません。カフェインを摂り過ぎるとめまいや下痢などの副作用を招く場合があるため、1日170〜375mg程度の目安量を意識しましょう。
また、EDには主に器質性・心因性・混合性・薬剤性の4種類があり、改善するにはそれぞれの原因を特定したうえでの治療が必要になります。食品による栄養素やカフェインといった成分を摂取するだけでは改善が難しい可能性があるため、勃起の不調が続く際は医療機関の受診を検討しましょう。
National Library of Medicine「Association between caffeine intake and erectile dysfunction: a meta-analysis of cohort studies」
National Library of Medicine「Coffee Intake and Incidence of Erectile Dysfunction」
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
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