更新日:2026年10月16日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
ハイチオールやシナールを飲んでいたところ妊娠が判明した、または妊活を始めたという方は服用を続けて問題ないか不安に思うかもしれません。まずは市販薬と処方薬の違いや推奨される対応を確認しましょう。また、妊娠によって内服薬を中断しても行える肌のセルフケアや、薬の再開タイミング、肌の悩みに関する主な相談先も紹介します。服用を検討中の方や、すでに服用している方も参考にしてください。
※この記事で紹介するハイチオールは、尋常性ざ瘡(ニキビ)に、シナールは、炎症後の色素沈着(ニキビ跡など)に対して承認された効能・効果を持つ医薬品です。一方、ハイチオール・シナールをそれ以外のシミへの目的で用いる場合は、承認適応外の使用となることがあります。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
ハイチオールは妊娠中・授乳中の安全性が確立されていないため、美容目的での服用を自己判断することは避け、必ず医師に相談することが大切です。妊娠中・授乳中は、ニキビや湿疹などの皮膚疾患の治療として医師が処方する場合と、シミやそばかすのケアという美容目的で使う場合では、判断の基準が異なります。
市販薬のハイチオールCシリーズと、医師が処方する医療用ハイチオール(処方薬)は、配合成分や目的が異なります。妊娠中の服用を考えるうえでも、まずはこの違いを押さえておくことが大切です。

ハイチオールCシリーズ(ハイチオールCプラス2・ハイチオールCプラスEXなど)は、L-システインやビタミンC、ビタミンB群などが含まれている第3類医薬品です。シミ・そばかすの改善や肌荒れのケアを目的として、ドラッグストアなどで購入できます。医療用ハイチオールはL-システインのみを含む処方薬です。添付文書上の承認効能は湿疹・中毒疹・薬疹・じん麻疹・尋常性ざ瘡(ニキビ)、多形滲出性紅斑、放射線障害による白血球減少症です。シミへの使用は国から承認を受けた効能ではなく、L-システインがメラニンの生成を抑えると考えられていることに着目した、自由診療での使用法です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
医療用ハイチオールの添付文書には、妊婦に対する服用の禁忌について記載されていません。ただし、美容目的での妊娠中の服用については安全性が確立されておらず、慎重に考える必要があります。
美容目的のシミ・そばかすケアは緊急性の高い治療ではないため、この時期の使用を見合わせる選択肢も含めて医師に相談しましょう。なお、レバクリの提携医療機関では、妊娠中・授乳中の方への美容皮膚治療(内服薬)の処方は行っていません。
ハイチオール(L-システイン)とシナール(ビタミンC・ビタミンB5)を併用していた場合、妊娠中はどちらも服用できるのかと不安に思う方がいるかもしれません。妊娠が判明した際に、美容目的で2種の薬を使用していた方に推奨される対応や安全性についてまとめます。
| 医薬品 (成分) | 妊娠中の位置づけ・安全性 | 推奨される対応 |
|---|---|---|
| ハイチオール(L-システイン) | ・美容目的での妊娠中の服用は安全性が確立されていない | ・美容目的でハイチオールを使用していた場合、妊娠が判明した段階で、一度服用を中断することが推奨される ・服用については自己判断を避け、必ずかかりつけ医や産婦人科医に相談する |
| シナール(ビタミンC・ビタミンB5) | ・美容目的での妊娠中の服用は安全性が確立されていない | ・妊娠が判明した段階で、一度服用を中断することが推奨される ・服用については自己判断を避け、必ずかかりつけ医や産婦人科医に相談する |
シナール(ビタミンC・ビタミンB5)は、炎症後の色素沈着(ニキビ跡・やけど・けがの跡)に対して承認された効能を持つ医療用医薬品です。また、メラニン生成を抑える働きやコラーゲンの生成を助ける働きも知られており、自由診療の美容皮膚治療ではシミやそばかすのケアをサポートする目的でも使われています。
ただし、美容目的での妊娠中の服用は、自己判断しないことが大切です。なお、レバクリの提携医療機関では、妊娠中・授乳中の方へのシナールの処方も行っていません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」
妊娠前から美容目的でハイチオールとシナールを組み合わせて飲んでいた方は、妊娠が判明した段階で一度服用を中断しましょう。そのうえで、かかりつけ医や産婦人科医に相談するのが大切です。「ビタミンCだし、大丈夫では?」と思う方もいるかもしれませんが、美容目的での使用という点では安全性が確立されていません。緊急性のない美容目的の内服は、出産後にあらためて医師に相談してください。
授乳中も、美容目的でのハイチオールやシナールの服用は慎重に考える必要があります。たとえば、市販薬のハイチオールCシリーズと、処方薬のハイチオールではその取り扱いが異なります。以下のような授乳中の留意点を参考にしてください。
市販薬のハイチオールCシリーズについては、製造元のエスエス製薬が「授乳中の服用に問題はない」と案内しています。ただし、美容目的の場合は使用に関する安全性の評価が十分に確立されていません。授乳中の方は、美容目的での服用可否を産婦人科医や薬剤師に相談してから判断することをおすすめします。
医療用ハイチオールの添付文書には、授乳中の服用に関する絶対的な禁忌の記載はありません。シナールについても同様です。ただし、これはハイチオールやシナールの承認効能に対する記載であり、授乳中に美容目的で服用する場合の安全性については報告されていません。妊娠中と同様、担当医に相談のうえ判断することが大切です。なお、レバクリの提携医療機関では、授乳中の方への美容目的での内服薬の処方は行っていません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」
妊娠中・授乳中にハイチオールの服用を控える場合、シミや色素沈着のケアに対する選択肢がほかにあるのか気になる方もいるでしょう。妊娠中のホルモンバランスの変化や肌への影響、セルフケアについて解説します。
妊娠中はエストロゲン・プロゲステロンなどの女性ホルモンが急激に増加し、メラニンを生成する細胞(メラノサイト)が活性化しやすくなるといわれています。この影響で、頬骨に沿って左右対称に広がる妊娠性の肝斑(かんぱん)や色素沈着などが目立ちやすくなる可能性があります。さらに、紫外線を浴びるとメラニンが生成されやすい状態になるため、日頃の日焼け対策が大切です。妊娠によるホルモンの変化は産後に落ち着く場合もあるため、焦らず対処していきましょう。
内服薬を使わない時期でも、以下のようなセルフケアを続けることで、シミの悪化を抑える効果が期待できます。

紫外線から肌を守り、余計な摩擦や刺激を減らすことが、この時期にできるシミ対策の基本です。日焼け止めは一般的に妊娠中でも使用可能とされていますが、成分が気になる場合は産婦人科医や薬剤師に確認するとよいでしょう。
出産・授乳が終了し、内服によるシミケアを再開したい場合は自己判断ではなく、医師への相談をもとに再開時期を決めることが大切です。すぐに再開している人の話や口コミを見たとしても、体の状態には個人差があるという点に留意しましょう。
産後は体の回復状況や授乳の終了時期が人によって異なります。「授乳をやめたからすぐに内服薬を飲んでよい」とは一概には言えず、体調・ホルモンバランスの状態を確認してから判断することが必要です。また、妊娠中に肌の状態が変化していることも多く、以前と同じ薬が今の状態に合うとは限りません。産後の肌悩みの内容(肝斑・産後のニキビ・色素沈着など)を医師に伝え、あらためて相談してみましょう。
産後に肌の悩みを相談するにあたり、通院の時間が取りにくい方はオンライン診療を利用する手段があります。オンライン診療は、自宅にいながらビデオ通話で医師の診察を受けられる点がメリットです。スマートフォン1つで診察から処方の手続きまで完結できるため、気になる方はその流れを参考にしてください。

ここでは、ハイチオールの妊娠中・授乳中の服用について多く寄せられる質問にお答えします。
妊活中からハイチオールを止めた方がいいですか?
妊活中(妊娠前)の服用については、添付文書上の明確な禁忌はありません。ただし、安全のため妊娠が判明した時点で美容目的の服用を見合わせることを想定し、医師と相談しながら判断することが推奨されます。妊娠を希望している場合は、かかりつけ医や産婦人科医に事前に伝えておきましょう。
妊娠に気づかずハイチオールを飲み続けていました。大丈夫ですか?
処方薬ハイチオールの添付文書には妊婦についての注意の記載はなく、市販薬のハイチオールCシリーズについて、メーカーは妊娠中の服用を問題ないとしつつ、必要な場合以外は控えるよう案内しています。「影響がない」と断定することはできないため、不安な場合は妊婦健診などの機会に産婦人科医に相談してください。
サプリメントのビタミンCは妊娠中に飲んでも大丈夫ですか?
市販のビタミンCサプリを妊婦が過剰摂取にならない範囲で摂取すること自体は、明確な有害性の報告はないとされています。ただし、高用量のビタミンCを美容目的で摂取することの妊娠中の安全性は十分に確立されていません。また、サプリメントは法律上「健康食品」として分類されており、医療用医薬品と異なる品質管理基準で製造されています。摂取量や種類について担当医や薬剤師に確認することをおすすめします。
妊娠中・授乳中のハイチオールやシナールの服用は絶対的な禁忌とはされていませんが、美容目的での服用については安全性が確立されていません。妊娠前からすでに服用していた方は、自己判断での継続は避け、医師に相談することが大切です。また、市販薬のハイチオールCシリーズと処方薬のハイチオールは名前が似ていますが成分や目的が異なり、それぞれの取り扱いを正しく理解したうえで対応しましょう。
また、妊娠中に内服薬を中断してほかの方法で肌のケアをしたい場合は、紫外線対策や保湿などを行って肌を守ることが大切です。出産・授乳が終了したあとに内服薬を再開したいときは、健康状態や肌の状態を医師に確認したうえで再開のタイミングを決めましょう。子育てで忙しく通院が難しい時期には、自宅からスマートフォンで診察を受けられるオンライン診療も選択肢の1つとなるでしょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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