更新日:2026年08月31日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「自分はEDになりやすいタイプなのだろうか」と気になっている方もいるかもしれません。EDになりやすい人には、ストレスを抱え込みやすい性格や加齢、生活習慣の乱れ、持病といった共通点があります。この記事では、EDになりやすい人の特徴と4つの原因タイプ、セルフチェック、今日からできる予防・改善策を紹介します。
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EDになりやすい人には、ストレス・加齢・生活習慣の乱れ・持病といった要因が重なりやすいという共通点があります。
ED(勃起不全・勃起障害)は、性的刺激を受けたときに陰茎の海綿体平滑筋をゆるめる物質が出づらくなることで起こる症状で、血管や神経、心理状態に負担をかける要因を多く抱えている人ほど発症のリスクが高まると考えられています。 EDになりやすい人に見られる主な特徴を5つに分けて解説します。
ストレスを抱え込みやすい性格の人は、EDになりやすい傾向があります。強い緊張や不安が続くと自律神経のバランスが乱れ、勃起に必要な神経の働きがうまく伝わらなくなることがあるためで、特に次のような傾向がある人は、性行為の場面でも不安や緊張が強くなりやすいとされています。
このような傾向に近い方は、リラックスできないまま性行為にのぞむことで勃起が思うようにいかず、その経験でさらに不安を強めてしまうことがあるかもしれません。自分が緊張をためやすいタイプだと知っておくことが、対策の第一歩になります。
年齢を重ねると男性ホルモン(テストステロン)の分泌が徐々に低下し、血管や神経の働きも変化していきます。また、加齢に伴って動脈硬化が進むと、性的刺激を受けても陰茎に十分な血液が届きにくくなり、勃起の維持が難しくなる場合があります。 ただし、若い世代がEDと無縁というわけではありません。20〜30代でもストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れが重なることで発症することがあります。
運動習慣がないと全身の血流や血管の柔軟性が低下しやすく、脂質・糖質・塩分を過剰に摂取する食生活が続くと動脈硬化が進みやすくなります。血管の健康が損なわれることで、勃起に必要な血流が確保しにくくなります。血管に負担をかける生活が習慣化している人ほど、勃起機能にも影響が及びやすいでしょう。 揚げ物や加工食品を控え、野菜・魚・豆類を取り入れたバランスの良い食事と、日々の軽い運動を意識することが、EDの予防につながります。
タバコに含まれる成分は、血管を収縮させたり血管内皮機能の低下や動脈硬化と関連したりして、EDのリスクを高めます。 また、飲酒については、適量であれば緊張を和らげる側面もありますが、量が増えると中枢神経の働きが抑制されて感覚が鈍り、脳からの性的興奮が伝わりにくくなります。慢性的な過度の飲酒は男性ホルモンの分泌にも影響するとされ、勃起機能の低下につながる場合があります。 喫煙・飲酒の習慣は、生活習慣の中でも見直しやすいポイントです。心当たりがある人は、量や頻度を意識することから始めてみましょう。
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病がある人は、血管や神経に負担をかけ、勃起に必要な血流や神経伝達を妨げる場合があるため、EDになりやすい傾向があります。 また、病気の治療で用いられる降圧剤や抗うつ薬、睡眠薬などを服用している人の中には、その影響でEDになりやすくなるケースもあります。 持病や服用中の薬の影響が疑われる場合でも、自己判断で薬を中断するのは避け、まずは処方している医師に相談しましょう。
参考:厚生労働省「勃起障害のメカニズムと病態生理等」
EDの原因は、大きく心因性・器質性・混合性・薬剤性の4つのタイプに分けられます。どのタイプに当てはまるかによって、EDになりやすい人の傾向や対処の方向性が変わってきます。 原因は一つとは限らず、複数が重なって起こることも少なくありません。EDになりやすい背景の4つのタイプごとに、その特徴を紹介します。
心因性EDは、身体に大きな異常がなくても、緊張や不安によって脳の興奮がうまく伝わらず、勃起が起こりにくくなる状態で、性行為への過度なプレッシャーや、過去の失敗体験による不安が引き金になることがあります。
朝勃ちはある、自慰行為では勃起できるといった場合は、心因性EDの可能性が考えられます。20〜30代の若い世代に多くみられるのも特徴です。
器質性EDは、動脈硬化などで血流が悪くなったり、神経が傷ついたりして陰茎に十分な血液が届かなくなることで発症します。 糖尿病(1型・2型)や高血圧、脂質異常症といった疾患、脳や脊髄の神経の障害、手術や外傷などが背景になることもあります。加齢に伴って血管の柔軟性が低下する40〜50代以降で増えやすいタイプです。
混合性EDは、心理的な要因と身体的な要因が重なって起こるタイプです。たとえば、動脈硬化による器質性EDがきっかけで自信を失い、そこに心因性の要素が加わるケースなどが当てはまるでしょう。 複数の原因が混在するため、どれが主な要因か特定しにくいのが特徴です。加齢とともに増えやすく、50〜60代に多くみられます。
降圧剤や抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬など、血管や神経に作用する薬が関係してEDを引き起こす場合があります。 薬剤性EDが疑われるときは、薬を止めたり種類を変えたりすることで改善するケースもあります。ただし、自己判断で中断すると持病の治療に支障が出るおそれがあるため、処方している医師に相談したうえで調整の可否を確認しましょう。
自分がEDになりやすい状態かどうかは、生活習慣・持病・体のサインを振り返ることである程度確認できます。当てはまる項目が多いほど、リスク要因を多く抱えていると考えられます。 次の章で紹介するチェック項目は、あくまで自分の状態を見直すための目安です。診察で医師に相談する際の参考にしてみてください。
次の項目に多く当てはまる人は、EDになりやすい要因を抱えている可能性があります。日々の生活を振り返りながら確認してみましょう。
これらは、血管やホルモン、自律神経の働きに影響する要因です。当てはまる項目が見つかった場合は、このあとに紹介する生活習慣の見直しに取り組んでみましょう。
朝勃ちの減少は、勃起機能の変化に気づくためのサインの一つとされています。朝勃ちは性的刺激とは関係なく起こる生理的な現象ですが、その回数が減ってきた場合は器質性などで勃起機能が変化している可能性があります。
また、性行為の途中で勃起が維持できない中折れや、以前より勃起しづらくなったと感じる変化も、体からのサインの一つです。
こうした変化が続く場合は、加齢のせいと片づけず、血流や生活習慣の影響も含めて確認してみましょう。
参考:National Library of Medicine「Clinical Methods: The History, Physical, and Laboratory Examinations. 3rd edition.『Chapter 187Organic Impotence』」
EDの予防・改善では、生活習慣の見直しが基本です。とくに、軽度のEDでは日々の行動が血流やホルモンの状態に影響し、症状が和らぐ場合があります。
生活習慣を整えるだけで症状が必ず改善するわけではありませんが、今日から取り組める見直しのポイントを紹介します。
運動習慣がなかった人は、まず1日10分程度のウォーキングから始め、少しずつ量を増やしていくと良いでしょう。ウォーキングや軽い筋トレなど、無理なく続けられる運動を生活に取り入れることが目安です。急に高強度の運動を行う必要はなく、続けやすさを重視しましょう。
参考:厚生労働省「アクティブガイド2023」
喫煙は血管を収縮させ、過度な飲酒は勃起機能に影響するため、休肝日を設けるなど無理のない範囲で量や頻度を見直すことがEDの予防にもつながります。 食事では、魚・野菜・豆類・ナッツ類を中心に取り入れ、加工食品や揚げ物を控えることが血管への負担軽減に役立ちます。特別な食事療法を行う必要はなく、素材に近い食事を増やすことを意識してみましょう。
参考:厚生労働省「アルコール」
睡眠中は男性ホルモンの分泌が活発になるとされ、睡眠不足はホルモンバランスの乱れにつながります。就寝前のリラックスした時間を確保する、規則正しい睡眠リズムを保つ、寝室の環境を整えるといった工夫が、睡眠の質を高める助けになります。
あわせて、深呼吸や趣味の時間などで気持ちを切り替え、ストレスをためこまない習慣を持つことも大切です。
参考:厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
生活習慣を見直しても変化を感じにくいときは、ED治療薬による治療が選択肢に挙がります。特に、身体的な要因と心理的な要因が重なっているケースでは、セルフケアで改善を試みるだけでは悩みが解決しないことがあります。
標準的なED治療で用いられる治療薬について解説します。
ED治療薬は、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬と呼ばれる種類の薬です。勃起の力を補い、維持を助ける役割があります。 勃起が起こるときは、性的刺激によって陰茎の海綿体平滑筋を弛緩させる物質cGMP(環状グアノシン一リン酸)が増えます。PDE5はこのcGMPを分解する働きを持つため、PDE5の働きを抑えることでcGMPが分解されにくくなり、血流がスムーズになって勃起が起こりやすくなります。 ここで大切なのは、薬を飲めば自動的に勃起するわけではないという点です。あくまで性的刺激を受けたときの勃起をサポートする薬であり、性的刺激がなければ効果は現れにくいとされています。
国内で承認されているED治療薬は主に3つの種類があり、それぞれ持続時間や食事の影響、報告されている副作用が異なります。
| 一般名(先発品名) | 主な特徴 | 持続時間の目安 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|
| シルデナフィル(バイアグラ) | 知名度が高く服用実績が長い | 3〜5時間(25・50mg) | 頭痛、顔のほてり、消化器症状、目の充血など |
| バルデナフィル(レビトラ) | 食事の影響を受けにくいとされる | 4〜8時間(10・20mg) | 頭痛、ほてり、鼻づまり、めまいなど |
| タダラフィル(シアリス) | 持続時間が長い | 30〜36時間(10・20mg) | 頭痛、ほてり、消化不良、背部痛など |
副作用の現れ方には個人差があり、体質や持病、服用中の薬によって適した薬は異なります。特に、狭心症や心筋梗塞などの治療に用いられる硝酸剤(ニトログリセリンなど)を使用している人は、急激な血圧低下を招くおそれがあるため併用できません。
どの薬が合うかは、医師の診察を受けて判断してもらうことが大切です。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「バイアグラ 添付文書」

生活習慣を改善しても変化を感じにくい場合や、糖尿病・高血圧などの持病や服用中の薬がある場合は、自己判断で市販品や個人輸入に頼らず、医師に相談してください。個人輸入した医薬品は品質管理の状況が確認できないことがあり、万一の健康被害に対する公的な救済制度の対象外となる点にも注意が必要です。
参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
EDになりやすい人が抱きやすい疑問について、Q&A形式で回答します。受診や対策の参考にしてください。
EDは何もしなくても自然に治ることはありますか?
一時的な疲労やストレスが原因の場合は、要因が解消されて改善することもあります。ただし、生活習慣病や加齢による器質性の要因が関わっている場合は、自然に治るとは限りません。変化が続くときは医師への相談を検討しましょう。
若い人でもEDになりやすいことはありますか?
あります。20〜30代でも、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れが重なると発症することがあります。若い世代では、心理的な要因による心因性EDが多くみられる傾向があります。
EDはどの診療科に相談すれば良いですか?
泌尿器科が基本の相談先です。高血圧や糖尿病などで通院している場合は、服用中の薬や持病の影響を確認するため、主治医にもあわせて相談しましょう。オンライン診療を利用する方法もあります。
EDになりやすい人には、ストレスを抱え込みやすい性格や加齢、運動不足や食生活の乱れ、喫煙・飲酒の習慣、持病や服用中の薬といった共通点があります。これらは血管やホルモン、自律神経の働きに影響する要因であり、複数が重なるほど発症のリスクは高まると考えられています。 まずは自分に当てはまる項目がないかを振り返り、運動・食事・睡眠・禁煙・節酒といった生活習慣の見直しから始めてみましょう。生活習慣の改善はEDを予防する土台になりますが、それだけでは変化を感じにくい場合もあります。 勃起のしづらさや中折れが続くときは、加齢のせいと片づけずに医師へ相談することが、悩みを長引かせないための近道です。一人で抱え込まず、気になるサインがあれば早めに専門家へ相談することを検討してみてください。
厚生労働省「勃起障害のメカニズムと病態生理等」
National Library of Medicine「Clinical Methods: The History, Physical, and Laboratory Examinations. 3rd edition.『Chapter 187Organic Impotence』」
厚生労働省「アクティブガイド2023」
厚生労働省「アルコール」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ 添付文書」
厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
厚生労働省「医薬品・医療機器」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
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