更新日:2026年09月25日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「まだ20代なのにうまく勃起しないのはEDなのか」と不安を抱える方もいるでしょう。20代のEDは珍しくなく、多くは緊張やストレスなど心因性の要因が関わっています。一度の中折れや勃起不全ではEDとは判断できませんが、症状を繰り返す場合は、早めの対応が効果的です。生活習慣の見直しやED治療薬の使用もED改善のサポートとなるでしょう。悩みのある方は一人で抱え込まず、医師への相談も検討してみてください。
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20代でEDになるのは、決して特別なことではありません。若い世代でも勃起や性行為に悩みを抱える人は一定数おり、年齢に関係なく起こりうる症状だと考えられています。まずは20代でEDを自覚する人がどのくらいいるのか、そもそもEDとはどのような状態を指すのかを整理していきましょう。
20代のEDは、統計のうえでも珍しくありません。日本性機能学会などが実施した全国調査(2023年実施)によると、20〜24歳の約4人に1人にあたる26.6%が「自分はEDだと自覚している」と回答したと報告されています。これは50代前半とほぼ同じ水準で、30代や40代よりも高い割合です。全体でみてもおよそ3人に1人(30.9%)が該当するとされ、EDは幅広い年代に関わる症状だとわかります。
20代でEDを自覚しても「若い自分だけがおかしいのでは」と感じる必要はなく、同じ悩みを持つ人は思っている以上にいると考えてよいでしょう。
参考:World Journal of Men's Health「Erectile Function and Sexual Activity Are Declining in the Younger Generation: Results from a National Survey in Japan」
そもそもEDとは、満足な性行為に十分な勃起が得られない、または維持できない状態が続くことを指します。緊張やお酒の影響でたまたま勃起できなかった一度きりの経験は、EDには当てはまりません。勃起しにくい、途中で硬さが保てないといった状態が繰り返し起こる場合に、EDの可能性を考えることになります。年齢よりも「繰り返し起こっているかどうか」が判断の手がかりとなるのがポイントです。
心因性EDとは、仕事や人間関係のストレス、パートナーへの緊張、過去の失敗経験によるプレッシャーなどが引き金になるEDです。身体そのものに問題がなくても、脳の興奮がうまく伝わらず勃起が妨げられることがあるでしょう。一度うまくいかなかった経験から「また失敗するかもしれない」と不安が先立ち、症状が続いてしまうこともあります。
EDには心因性EDのほかに、器質性ED、薬剤性ED、混合性EDがあります。20代に多いのは心因性EDですが、ほかのEDも起こりえます。ここからは、心因性ED以外の3つのEDについて詳しく解説します。
器質性EDは、血管や神経の働きの問題によって起こるEDです。若い世代でも、睡眠不足や運動不足、喫煙、過度の飲酒といった生活習慣の乱れが、EDに影響することがあります。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、動脈硬化を通じて血管の状態に関わるため、20代でもこれらの病気があると器質性EDの要因になりえます。心因性と思っていても身体的な原因が隠れている場合があるため、気になる症状があるときは自己判断で決めつけないことが大切です。
薬剤性EDは、抗うつ薬や精神安定剤、睡眠薬など中枢神経に作用する薬や、一部の降圧剤などで生じることがあります。20代でもこうした薬を使っている場合、EDの背景に薬の影響がある可能性があります。自己判断で薬をやめると持病の悪化につながることがあるため、気になる症状があるときは処方した医師に相談しましょう。
混合性EDは、原因が複数重なることで生じます。たとえば、寝不足や疲れといった身体的な負担に、仕事のストレスなど精神的な要因が加わって発症することがあるでしょう。20代でも生活が不規則になりやすい人では、こうした要因が重なりやすいと考えられます。自分では見分けにくいため、勃起が維持されにくい状態が続く場合は、医師に相談して原因を整理していくとよいでしょう。
参考:厚生労働省「勃起障害のメカニズムと病態生理等」
自分がEDかどうかは、日常の勃起に関するサインからある程度気づくことができます。以下のような変化があるかどうかを確認してみましょう。
当てはまる項目があっても過度に心配せず、状態を知る手がかりとして役立ててください。
朝勃ち(夜間勃起)の減少は、EDに気づくきっかけの一つです。睡眠中に起こる勃起は、性的な刺激とは関係なく生じる生理的な現象です。夜間勃起がみられなくなった、回数が減ったと感じる場合、勃起に関わる働きに変化が起きている可能性があります。ただし、体調や睡眠の質によっても変動するため、一度の変化だけで判断できるものではない点に注意が必要です。
性行為の途中で勃起が維持できなくなる「中折れ」も、EDのサインの一つです。挿入前や挿入後に硬さが保てず、性行為を続けられない状態が繰り返し起こる場合は、注意が必要です。緊張やお酒が原因の一時的な中折れもありますが、同じような場面で繰り返すときはEDの可能性を考えてよいでしょう。
勃起の硬さが十分でない、勃起までに時間がかかる、持続時間が短いといった変化もEDのサインになります。満足のいく性行為ができない状態が続くと、それ自体が不安やプレッシャーになり、症状を強めてしまうこともあります。こうした変化に気づいたら、悪循環になる前に対処を考えることが大切です。
EDのサインに気づいたら、症状が繰り返すかどうかを目安に受診を検討しましょう。一時的な不調であれば、様子をみたり生活習慣を見直したりすることで改善することもありますが、繰り返す場合は放置しないほうが安心です。ここでは相談を考えたいタイミングを紹介します。
同じような場面で勃起の不調が繰り返し起こるときは、受診を検討する目安になります。緊張や疲れにより中折れや勃起不全が起きた場合は、一時的なものである場合が多いでしょう。一方で、パターンに関係なく繰り返す、性行為のたびに起こるといった状態が続くなら、EDの可能性を考えて医師に相談するのを検討してもよいかもしれません。早めに状態を確認することで、原因に応じた対処につなげやすくなります。
睡眠や運動、飲酒・喫煙といった生活習慣を見直しても、勃起の状態に変化がみられないときは、医師への相談のタイミングだといえるでしょう。生活改善で変化がない場合、心理的な要因や身体的な要因も考えられます。自分だけで抱え込むより、医師に専門的な視点で原因を整理してもらうほうが解決につながります。

一時的な不調と病的なEDは、症状が繰り返すかどうかが見分けるポイントになります。若い方の場合、緊張や疲れが背景にあることも多く、状態を整えることで改善するケースもあります。恥ずかしさから受診をためらう方もいますが、勃起の悩みは体調や生活の状態を知る手がかりでもあります。気になる状態が続くときは、我慢せず早めに相談することを検討してみてください。
20代のEDは、生活習慣の見直しや心理的なアプローチ、ED治療薬の使用によってよい変化が期待できます。原因が一つとは限らないため、複数の方法を組み合わせて改善を目指すのがよいでしょう。ここでは20代のEDに対する代表的な3つのサポート方法を紹介します。
生活習慣を整えることは、EDの改善をサポートする基本的な対策です。睡眠不足や運動不足、栄養の偏りは、勃起に関わる血管やホルモンの状態に影響することがあります。まずは十分な睡眠を確保し、適度な運動やバランスのよい食事を意識してみましょう。喫煙や過度の飲酒は血流を妨げる要因になるため、禁煙や節酒を心がけることもEDの改善に役立ちます。
心因性EDでは、ストレスの軽減とパートナーとの協力が改善の助けになります。「うまくやろう」と気負いすぎると緊張が強まり、かえって勃起しにくくなることがあるでしょう。趣味や休息でストレスをためこまない工夫をしながら、結果を意識しすぎないことが大切です。また、信頼できるパートナーに状態を打ち明けることで、プレッシャーがやわらぎ、ED改善のサポートになる場合もあります。
ED治療薬は、心因性・器質性いずれのEDにも使われる選択肢です。なお、薬を飲むと勝手に勃起が起きるのではなく、性的な刺激を受けたときに勃起する力を補い、維持を助ける役割を持ちます。
心因性EDでは、薬で成功体験を重ねることで自信を取り戻すと、その後は薬なしでも改善がみられる場合があります。ED治療薬の使用にあたっては持病や服用中の薬の確認が必要なため、医師の診察を受けたうえで使うことが前提です。
20代のEDに使われるED治療薬は、国内で承認されているPDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬が中心です。代表的な3種類の薬は以下の通りです。

いずれの薬も仕組みは同じで、陰茎海綿体のPDE5を選択的に阻害し、cGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解を抑えることで血流を増やし、勃起とその維持を助けます。なお、持続時間や食事の影響には薬ごとに違いがあります。
シルデナフィルは、バイアグラの有効成分として知られるED治療薬です。持続時間は3〜5時間程度で、性行為の約1時間前の服用が目安とされています。食事の影響を受けやすいため、空腹時に服用するのが望ましいでしょう。主な副作用として、血管拡張による顔のほてりや頭痛、めまい、消化器症状、目の充血などが報告されています。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル 添付文書」
バルデナフィルは、レビトラの有効成分にあたるED治療薬です。持続時間は用量により3〜8時間程度とされ、性行為の約1時間前に服用します。シルデナフィルに比べて食事の影響を受けにくいとされますが、脂っこい食事は吸収に影響することがあります。主な副作用は頭痛やほてり、鼻づまり、めまい、消化不良などです。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル 添付文書」
タダラフィルは、シアリスの有効成分で、持続時間が長いことが特徴のED治療薬です。用量によっては12〜36時間程度持続するとされ、服用のタイミングを厳密に意識しなくてよいという特徴があります。食事の影響を受けにくいため、食事と関係なく服用できます。主な副作用として、頭痛やほてり、消化不良、背部痛や筋肉痛などが報告されています。服用当日はグレープフルーツ類を控える必要があります。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィル 添付文書」
EDの治療費は自由診療にあたるため、医療機関によって費用が異なります。おおまかには診察料と薬代に分けて考えるとイメージしやすいでしょう。ここでは費用の目安を紹介します。
ED治療の診察料は、無料の医療機関も増えてきています。オンライン診療を中心に、初診料・再診料を設けていない場合も珍しくありません。診察料が有料の場合は1回あたり数千円程度が目安です。費用の扱いは医療機関ごとに異なるため、受診前に確認しておくと安心でしょう。
ED治療薬の薬代は、薬の種類や先発薬・後発薬(ジェネリック医薬品)の違いによって幅があります。ジェネリック医薬品は1錠あたり数百円程度から、先発薬は1錠あたり千数百円程度が目安とされています。後発薬は先発薬と同じ有効成分・同じ量で、効果や安全性は同等と考えられているため、費用を抑えたい場合の選択肢になるでしょう。自宅から相談したい、薬を配送してほしい場合は、オンライン診療を検討するのも一つの方法です。
20代のEDに関するよくある質問にお答えしています。
20代で中折れするのはEDですか?
緊張や飲み過ぎなど一時的な原因による中折れは、必ずしもEDとは限りません。ただし、同じような場面で繰り返し起こる場合はEDの可能性があります。気になるときは一度医師に相談してみましょう。
筋トレやオナ禁でEDは改善しますか?
適度な運動は血流やホルモンバランスを整え、EDの改善につながる可能性があります。一方で、オナ禁そのものにEDを治す効果があるとは確認されていません。適度な運動やバランスのよい食事など、生活習慣全体を見直すことが、症状の改善サポートに役立つでしょう。
ED治療薬は20代でも使えますか?
20代でもED治療薬は使用できます。ただし、心臓の薬(硝酸剤)を服用している場合や持病の状況によっては、使用できないことがあります。ED治療薬を使用するときは持病や服用中の薬を医師に伝え、診察を受けたうえで使いましょう。
20代のEDは自然に治りますか?
心理的な原因によるEDは、ストレスの解消や生活習慣の改善で自然に回復する場合もあります。しかし、自然に改善しない場合もあるため、「いつか治るだろう」と楽観視するのは早期治療の機会を逸する可能性があります。また、EDの原因が器質性や薬剤性、または心因性だけでない混合性だった場合は、自然な回復は難しいでしょう。放置すると症状が長引くこともあるため、変化がみられないときは早めの対処を検討するとよいでしょう。
20代でうまく勃起できない状態が続くと、「自分だけではないか」と感じる人もいるようです。実際は調査でも20代のEDは珍しくないとわかっており、その多くは緊張やストレスといった心理的な要因が関わっています。原因を正しく知って、睡眠や運動などの生活習慣を見直したり、必要に応じてED治療薬を取り入れたりすることで、状態が変わっていくことは十分に考えられます。一人で抱え込んで悩む時間を長くするより、症状が繰り返すときは早めに医師への相談を検討してみるのがよいでしょう。
厚生労働省「勃起障害のメカニズムと病態生理等」 World Journal of Men's Health「Erectile Function and Sexual Activity Are Declining in the Younger Generation: Results from a National Survey in Japan」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「タダラフィル 添付文書」 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「救済の対象となる健康被害とはどのようなものですか」
記事を読んでEDの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
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