更新日:2024年02月21日
EDの症状とは?EDの治療法や改善すべき生活習慣も解説
- EDの症状には、勃起までに時間がかかる、勃起しない、中折れなどがある
- EDの原因には、精神的なストレスや血管・神経の障害、薬剤による障害がある
- EDの診断には、IIEFスコアやEHSスコアが用いられる
- ED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類
- ED治療では治療薬の内服の他に生活習慣の改善も重要
EDの症状は、勃起までに時間がかかる、勃起しない、性行為中に中折れしてしまうなどです。1つでも当てはまるとEDを発症している可能性があります。
本記事では、EDの症状や原因、EDの治療薬について詳しく解説します。また、治療薬が個人輸入できるのか、治療と併せて改善したい生活習慣についてもお伝えしていきます。
EDの症状とは
ここでは、EDとはどのような病気か解説し、症状や診断方法について紹介します。
EDとは
EDとは勃起不全・勃起障害のことで、“満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること”とED診療ガイドラインで定義されています。
勃起が発現するには、性的な刺激が必要です。性的な刺激を受けて興奮すると、血管内皮細胞や神経から一酸化窒素が分泌され、海綿体の平滑筋に情報を伝達するcGMP(サイクリックグアノシン一リン酸)という酵素が活性化します。cGMPが陰茎に存在する海綿体に作用し、平滑筋が弛緩して海綿体への血流が増加することで勃起が発現します。
EDになると、一酸化窒素が分泌されてもPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素がcGMPを分解し、働きを弱めます。cGMPの働きが弱くなると勃起の発現や維持が難しくなってしまうのです。
日本における中等症のED有病率は24.2%、重症の割合は7.2%で、有病者は1,300万人と報告されています。つまり、男性の約4人に1人はEDを抱えているのです。年齢を重ねるにつれて有病率が上昇する傾向にあり、軽症EDの方も含めるとさらに多くの方がEDを発症している可能性があります。
EDについては、「EDとはどんな症状?原因別の治療方法からセルフケアについても解説」でも詳しく解説しています。
参考: 日本性機能学会、日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」 昭和学士会誌「男性機能障害」
EDの具体的な症状
EDの症状には、下記のものがあります。
- 勃起の発現までに時間がかかる
- 勃起しない
- 性行為の途中で中折れする
- 性行為への不安がある
1つでも症状がみられるとEDと診断される可能性があります。EDの症状には個人差があり、軽度から重度に分類されます。
EDの診断方法
EDを診断するためには、下記の質問票を用いたり検査を行ったりして、EDのグレードや原因を知ることが必要です。
- IIFE-5(国際勃起機能評価)
- SHIM(国際勃起機能評価)
- 日本語版EHS(勃起の固さスコア)
各質問票の内容は下記を参考にしてください。
IIFE-5スコア
IIFE-5による質問票は以下のとおりです。
この6ヶ月に | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|
1.勃起してそれを維持する自信はどの程度ありましたか | 非常に低い | 低い | 中くらい | 高い | 非常に高い |
2.性的刺激によって勃起したとき、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか | ほとんど、または全くならなかった | たまになった(半分よりかなり低い頻度) | ときどきなった(ほぼ半分の状態) | しばしばなった(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつもなった |
3.性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか | ほとんど、または全く維持できなかった | たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度) | ときどき維持できた(ほぼ半分の頻度) | しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつも維持できた |
4.性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか | 極めて困難だった | とても困難だった | 困難だった | やや困難だった | 困難でなかった |
5.性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか | ほとんど、または全く満足できなかった | たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度) | ときどき満足できた(ほぼ半分の頻度) | しばしば満足できた(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつも満足できた |
上記の質問の答えから、点数ごとに症状の程度を把握できます。IIFE-5のスコアによる重症度は下記のとおりです。
- 重症ED:5~7点
- 中等症ED:8~11点
- 軽症~中等症ED:12~16点
- 軽症ED:17~21点
- EDではない:22~25点
上記の点数は外国の方を対象にしたデータであり、必ずしも日本人に当てはまるとは限らないため、医師の診察を受けてEDの程度を知ることが大切です。スコアが22点以上の場合も、勃起の発現や維持がときどきできないとEDと診断されるケースもあります。
SHIM
SHIMによる質問票は下記のとおりです。
この6ヶ月に | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
1.勃起してそれを維持する自身はどの程度ありましたか | 非常に低い | 低い | 中くらい | 高い | 非常に高い | |
2.性的刺激によって勃起したとき、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか | 性的刺激はなかった | ほとんど、または全くならなかった | たまになった(半分よりかなり低い頻度) | ときどきなった(ほぼ半分の状態) | しばしばなった(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつもなった |
3.性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか | 性交を試みなかった | ほとんど、または全く維持できなかった | たまに維持できた(半分よりかなり低い頻度) | ときどき維持できた(ほぼ半分の頻度) | しばしば維持できた(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつも維持できた |
4.性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか | 性交を試みなかった | 極めて困難だった | とても困難だった | 困難だった | やや困難だった | 困難でなかった |
5.性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか | 性交を試みなかった | ほとんど、または全く満足できなかった | たまに満足できた(半分よりかなり低い頻度) | ときどき満足できた(ほぼ半分の頻度) | しばしば満足できた(半分よりかなり高い頻度) | ほぼいつも、またはいつも満足できた |
IIFE-5とほぼ同じですが、0点の答えがあることが違いになります。両者の使い分けは、スクリーニング時はSHIMを、治療の経過観察を行う際はIIFE-5を用いることが推奨されています。
日本語版EHSスコア
日本語版EHSスコアの質問は下記のとおりです。
あなたは自分の勃起硬度をどのように評価しますか? |
---|
グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。 |
グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない |
グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全に硬くはない。 |
グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。 |
グレード1~2の場合、EDである可能性があります。グレード3でも、性交できない場合はEDを発症している可能性があります。日本語版EHSスコアは簡易的な診断ツールで、自己診断にも役立ちます。
引用元:日本性機能学会、日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」
EDの症状を引き起こす原因は主に4つ
EDの症状を引き起こす原因は、主に下記の4つがあります。
- 精神的なストレス
- 血管の障害
- 神経の障害
- 薬剤の副作用
単独の原因でEDが引き起こされることは少なく、むしろ複数の原因が重なっている場合が多いとされています。原因が複数の場合は、特にどのような原因が主なのかを検討することもED治療にとっては大切になります。
EDの主な原因をそれぞれ解説します。
精神的なストレス
精神的なストレスによる勃起障害は心因性EDと呼ばれています。
ストレスが溜まると、イライラしたり、落ち着かなくなったりと交感神経が優位になります。さらにストレスを感じ続けると、神経伝達物質が減少し性的な刺激や興奮が陰茎にうまく伝えられず、勃起しにくくなります。
ストレスの原因は、性行為における過去の不安やトラウマ、うつ状態・うつ病などさまざまで、個人によって違います。たとえば、職場で上司からプレッシャーをかけられている、仕事で毎月のノルマに追われている、親やパートナーから妊活を強いられるといったことがストレスにつながるでしょう。
仕事や妊活のプレッシャーは原因がはっきりしているため、解決できればEDの症状が改善する可能性があります。しかし、トラウマの場合は深層心理に原因があるため解決が難しいケースもあります。
うつ病でオナニーができなくなる原因については、「うつ病でオナニーができないときはどうすれば良い?原因と対策を解説」を参照してください。
血管の障害
血管の障害によるEDは、器質性EDと呼ばれています。血管の障害が起こると、陰茎への血流量が低下しEDの発生リスクを高めます。
血管の障害を起こす原因には、下記のものがあります。
- 高血圧
- 脂質異常症
- 動脈硬化
- 慢性腎不全
- 喫煙
- 肥満
高血圧や脂質異常症、肥満などは偏った食事や運動不足など乱れた生活習慣により引き起こされるため、規則的な生活習慣を心がけることが重要です。また、年齢が高くなると動脈硬化が起こる可能性があり、動脈硬化によるEDの発生率も高くなると考えられます。
高血圧とEDの関係性については、「高血圧はEDを合併する可能性が高い?薬物療法や生活習慣についても解説」でも詳しく解説しています。
神経の障害
神経の障害によるEDも器質性EDと呼ばれます。神経の障害が起きると、性的な興奮による刺激が陰茎に伝えられずEDを発症するおそれがあります。
神経の障害を起こす原因は、下記のものがあります。
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 脊髄損傷
糖尿病が悪化すると神経障害が起こり、自律神経が障害されることでEDを発症します。自律神経が障害されると、性的な刺激や興奮がうまく陰茎に伝わらなくなります。
札幌医科大学泌尿器科学教室によると、60歳以上の方は血管の障害によるEDが多いが、60歳未満では神経障害によるEDが60歳以上の方に比べて多い傾向にあると報告されています。神経障害によるEDを防ぐためには、糖尿病などの生活習慣病にかからないよう生活習慣を見直すことが大切です。
また、EDを発症している方は、心因性EDと器質性EDの両方を発症している場合もあります。器質性のEDを発症し、性行為がうまくいかずストレスを感じて、心因性EDを発症する方もいるようです。
参考:札幌医科大学泌尿器科学教室「糖尿病性勃起障害の病因分析」
薬剤の副作用
病気の治療で使用する薬剤の副作用によりEDを発症するケースがあり、薬剤性EDと呼ばれます。
副作用でEDを発症する可能性のある薬剤の例は、以下のとおりです。
- 高血圧治療薬
- 男性ホルモン抑制剤
- 抗うつ薬
- 睡眠薬
- 風邪薬(非ステロイド性抗炎症剤など)
薬剤性EDの場合は薬剤を変更すると改善する場合もあります。一方で、薬剤による影響でEDが引きこされているのか、そもそもの現病の方がEDに影響を及ぼしているかについては、はっきりしないことが多いようです。(例えば高血圧と高血圧治療薬など)いずれにせよ薬剤によるEDで悩んでいる場合は、かかりつけの医師に薬剤の変更ができるか確認すると良いでしょう。
ただし、抱えている疾患によっては、薬剤を変更できない場合もあります。その場合でも、内服している薬剤とED治療薬を併用し、EDを改善できる可能性があるため、かかりつけの医師に相談してみましょう。
EDの症状を改善させる治療薬
EDの症状を改善させる治療薬は、下記の3種類です。
- バイアグラ(シルデナフィル)
- レビトラ(バルデナフィル)
- シアリス(タダラフィル)
それぞれ特徴を解説します。
バイアグラ(シルデナフィル)
バイアグラ(シルデナフィル)は、世界で最初に臨床で使用されたED治療薬(PDE5阻害薬)です。内服後約30~60分で効果を発揮し、効果の高い時間はおよそ1時間後です。性行為の1時間前に内服すると、効果を期待できるでしょう。効果の持続時間は7~8時間と報告されています。
バイアグラは飲酒や食事の影響により効果を発揮する時間が遅れたり、効果が弱くなったりする可能性があります。食後に性行為を行う可能性が高い場合は、食後ではなく食前に内服するといった調整が必要になります。
バイアグラには、25mg、50mg、100mgの3種類がありますが、日本で承認されているのは25mgと50mgです。1錠あたりの値段は、400~2,200円程度です。バイアグラは、不妊治療で使用するときに限って保険適用となります。(適用に当たっては必要な条件を満たした場合のみになります)
バイアグラについて詳しく知りたい方は、「バイアグラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」も参考にしてみてください。
参考:昭和学士会誌「男性機能障害」
レビトラ(バルデナフィル)
レビトラはバイアグラと同様、内服後約30分程度で効果を発揮します。効果の高い時間は内服してから約1時間後とされているため、性行為の1時間前を目安に内服すると効果を期待できます。効果の持続時間は7~8時間と報告されています。
バイアグラとの違いは、高脂肪食を食べたり飲酒をしたりしなければ食事の影響を受けない点です。食後の内服でも効果を期待できる点はメリットといえるでしょう。
高脂肪食とは、脂質の多い食べ物のことです。脂質を多く含む食べ物には、バターやオリーブオイルなどの油脂類や牛肉、豚肉などがあります。レビトラを内服する際、バターや牛肉、豚肉がメインとなる食事をとることは控えましょう。
レビトラには5mg、10mg、20mgの3種類があります。5mgや10mgから開始して効果が得られず、副作用が見られないかつ器質性・混合性EDを発症している方は、20mgへの増量が可能になります。
ただし、レビトラは2022年以降販売中止となっています。レビトラの服用を検討していた方は、ジェネリック医薬品でレビトラと同等の効果を持つバルデナフィルの服用を検討すると良いでしょう。バルデナフィルの1錠あたりの費用相場は、1,000~1,800円です。
レビトラについては、「レビトラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」でも詳しく解説しています。
参考: 昭和学士会誌「男性機能障害」 KEGG「医療用医薬品 : バルデナフィル (商品詳細情報)」
シアリス(タダラフィル)
シアリスは、内服してから約30分後に効果を発揮し、効果の高い時間はおよそ2時間後です。効果の持続時間は約36時間と報告されており、バイアグラやレビトラと比較して長時間効果が持続します。
シアリスは食事の影響を受けにくいため、内服前後の食事に気を遣わなくても良いというメリットがあります。しかし、多量に飲酒すると神経が麻痺し勃起そのものが難しくなってしまうため、飲酒はほどほどにしておきましょう。
シアリスには5mg、10mg、20mgの3種類があり、10mgから開始して効果を感じない場合に20mgへ増量されます。ただし、肝障害のある方は10mgを超えた量を服用することはできません。1錠あたりの値段は、約1,000~2,000円です。
参考: 昭和学士会誌「男性機能障害」 KEGG「医療用医薬品 : シアリス (商品詳細情報)」
ED治療薬を内服する際の注意点
ED治療薬を内服する際の注意点は、副作用があることや、原因となる疾患がある場合は対症療法となってしまうことです。それぞれ解説します。
副作用がある
EDガイドライン第3版によると、ED治療薬の主な副作用には、下記のものがあります。
- 頭痛
- ほてり
- 消化不良
- 鼻閉
- めまい
上記のような症状はほとんど軽度で一過性のものとされています。
また、頻度は非常にまれですが比較的に重症になりうる副作用として、以下の報告があります。
- 背部痛
- 視野欠損症
- 突発性難聴
- 持続勃起症
視野欠損症や突発性難聴は海外で報告されており、国内での症例はありません。持続勃起症は国内で1例報告があります。
持続勃起症は、世界的にも極めてまれな副作用ではありますが、静脈性持続勃起症の場合は海綿体の組織が不可逆的な損傷を受ける可能性があります。ED治療薬を内服して4時間以上勃起が続く場合は早急に受診しましょう。
参考:日本性機能学会、日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」
原因となる病気を治療しないとEDの根本治療にならない
EDの原因が高血圧などの血管の障害や精神的なストレスの場合は、原因の治療が重要です。ED治療薬を使用することによって一時的に勃起ができるようになりますが、ED治療薬だけではEDの根本原因は改善しません。ED治療薬の内服とともに原因となる疾患の治療も始めましょう。
ただし、EDの原因が性行為への不安の場合は、ED治療薬を服用し、性行為の成功体験を積んで自信がつくことで、精神的な原因が解決し、EDの改善が期待できます。
ED治療薬は個人輸入できる?
ED治療薬は、クリニックを利用せず個人購入も可能ですが、おすすめできません。個人輸入による薬剤は、偽造品や効果の低い粗悪品があるためです。
昭和学士会誌によると、インターネットのED治療薬の流通品のうち、55.4%と約半分が偽造品であると報告されています。日本での調査では43.6%、タイでは67.8%と多くの偽造品が見つかっており、精巧に作られているものが多いことから個人で本物を見分けて購入するのは難しいでしょう。
ED治療薬を安全かつ効果的に使用するために、クリニックでED治療薬の正規品を購入しましょう。
参考:昭和学士会誌「男性機能障害」
EDの症状を治療させるには生活習慣の改善も重要
EDの症状を治療するには生活習慣の改善も重要です。改善すべき生活習慣は、下記の4つです。
- 栄養バランスの良い食生活を送る
- 定期的に運動する
- ストレスを溜めない
- 禁煙に取り組む
すべてをすぐに取り組むのが難しい方は、できることから一つずつ始めましょう。それぞれ解説します。
栄養バランスの良い食生活を送る
栄養バランスの良い食生活は、動脈硬化や肥満の予防につながります。動脈硬化や肥満になると、血流が悪化しEDの原因となってしまいます。
厚生労働省によると、日本人の平均食塩摂取量は10.1gで、目標値の8.0gより多くなっています。食塩摂取量が多くなると、血管内の塩分を薄めるために血管内の水分が増え、高血圧を引き起こしやすくなります。
日本人は伝統的に塩分の多い食事が多いことに加え、現代はファストフードやコンビニ弁当などを食べる機会が増えていることが、食塩の摂取量が増加している背景といえるでしょう。また、ファストフードには糖質が多く含まれているため糖尿病を引き起こすリスクもあります。
栄養バランスの良い食事を摂るには、厚生労働省の食事バランスガイドを参考にすると良いでしょう。食事バランスガイドを用いることで、普段摂取している食事の栄養バランスが問題ないか確認できます。栄養バランスを意識すると、高血圧の改善や体重コントロールにつながり、EDの改善も期待できるでしょう。
参考:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」「食事バランスガイド」
定期的に運動する
定期的な運動は、血流促進の効果が期待できます。EDは血流が悪化すると起こりやすくなるため、運動による血流促進は効果的です。
運動を取り入れる場合は、無酸素運動ではなく有酸素運動を取り入れましょう。有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどです。有酸素運動であれば、どんな運動であっても効果に大きな差はないとされています。
厚生労働省によると、30分以上の運動を1週間に2回以上取り入れると、血流促進の効果が期待できるとされています。また、別の資料では、10分の運動を3回行うなど時間を短くして複数回行う方法でも問題ないとしています。簡単な運動から始めて運動の習慣を身につけていきましょう。
参考:厚生労働省「運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書」「内臓脂肪減少のための運動」
ストレスを溜めない
ストレスが溜まってしまうと、血液中の男性ホルモン値が低下したり、交感神経が優位になったりすることで、EDが引き起こされる可能性があります。
男性ホルモンが低下すると一酸化窒素の生産が抑えられ、陰茎への血流が低下するため、勃起することが難しくなります。
交感神経が優位になると体が緊張した状態になり、勃起しづらくなります。リラックスした状態で性行為ができるように、ストレスを溜めない取り組みをしましょう。
ストレス解消方法は、カラオケやドライブ、釣り、ゴルフ、映画鑑賞など人それぞれです。自分にあったストレス解消法を見つけるようにしましょう。
禁煙に取り組む
喫煙は、血管の中にある細胞の機能を低下させて動脈硬化の原因になったり、交感神経を優位にしたりと勃起に悪影響を及ぼします。また、ED診療ガイドラインによると、海外の研究では喫煙者は非喫煙者と比較してEDとなるリスクが高いと報告されています。また、喫煙本数や期間が増加すると、ED発症のリスクも同様に増えるとされています。
喫煙はEDの他にも、高血圧や心筋梗塞、呼吸器疾患など健康に悪影響を及ぼすリスクがあります。習慣的に喫煙している場合は、禁煙に取り組むと、EDの改善だけでなく健康に悪影響を及ぼすリスクも減らせるでしょう。
参考:日本性機能学会、日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン[第3版]」
まとめ
EDの症状は、勃起しない、勃起するまでに時間がかかる、性行為の途中で中折れしてしまうなどです。1つでも起きている場合は、EDと診断される可能性があります。EDの原因には、ストレスや病気、薬による副作用があります。EDかもしれないと感じ始めたら、クリニックで受診してED治療を始めましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会