更新日:2023年12月22日
AGA治療の費用相場はどれくらい?保険が適用されるかについても解説
- 内服薬のみのAGA治療のプランは月々約5,000円〜10,000円が相場
- 内服薬と外用薬を併用する場合のAGA治療の費用相場は、月々約10,000円〜20,000円
- 費用を安く抑えるなら、初期費用が安いクリニックやオンライン診療サービスを選ぶのもおすすめ
- AGA治療は基本的に保険適用にならない
- AGA治療で後悔しないためには費用や副作用などを理解しておくことが大切
AGA(男性型脱毛症)の治療を検討している方の中には、診察料や検査代、月々の薬代について気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、AGA治療を検討している方に向けて、治療費用の相場や保険適用になるかどうか、治療で後悔しないためのポイントなどについて説明します。
AGA治療の費用相場
AGA治療にかかる費用は、薄毛の症状の程度や治療方法により変わりますが、一般的には月額15,000円〜30,000円程度だと言われています。年間にすると、180,000円〜360,000円程度です。
ここでは、診察料と検査料、内服薬のみを使用した場合、内服薬と外用薬を使用した場合、注入や植毛、その他のオプションを使用した場合に分けて、それぞれの費用を説明します。
AGA治療の診察料・検査料
診察料
初診料は最大5,000円程度のクリニックが多く、無料としているクリニックも少なくありません。 再診料は1,000〜3,000円程度の場合が多いですが、初診料と同様に無料としているクリニックもあります。
検査料
AGAの治療においては、現在の薄毛の進行状況や、AGAを発症しやすい体質かどうかを確認するために、検査を行う場合があります。具体的には、血液検査、遺伝子検査、頭皮マイクロスコープなどを通して遺伝的な要素や頭皮の状態を確認します。
これらの検査は初診時のみ、あるいは半年〜1年に1回程度実施するもので、費用は5,000円〜10,000円前後のクリニックが多いようです。 クリニックによっては、診察料や再診料と同様に、無料で提供している場合もあります。
AGA治療の薬代
続いて、AGAの治療に必要な薬の費用について、服用する薬の種類ごとに分けて解説します。
内服薬のみ服用した場合
AGA治療の内服薬を使用した場合の薬の価格相場は、月々5,000円〜10,000円です。 飲み薬のみの治療は維持や予防が目的となっていることが多く、軽症の方に向けた治療となる場合が多いでしょう。
内服薬と外用薬を併用した場合
内服薬と外用薬を併用する場合の薬の価格相場は、月々10,000円〜20,000円です。 維持や予防を目的とした内服薬に加えて、発毛を促進する外用薬を使用するパターンです。
外用薬としては、主にミノキシジルが用いられます。ミノキシジルには毛母細胞を活性化する作用と血行を促進する作用があるため、発毛を促す効果が期待できます。
注入薬を服用した場合
注入薬は、外用薬の使用よりもさらに発毛を意識した治療です。主な治療として、メソセラピーやHARG療法などがあります。
注入薬を使用した場合の費用相場は、メソセラピーであれば月々50,000円〜70,000円程度です。HARG療法の場合は、1回につき約80,000円〜200,000円と想定しておくとよいでしょう。HARG療法では3~4週間に1回の頻度で施術を受け、それを6ヶ月~9ヶ月ほど続けるのが一般的とされています。
その他の治療にかかる費用
AGAの治療では、薬の服用だけでなく、植毛手術を行うケースもあります。植毛手術を実施すれば半永久的な発毛効果が期待できますが、費用は総額で約65〜200万円と高額になります。
また、上述した治療と並行して、クリニックから育毛シャンプーやサプリメントなどの使用を勧められるケースもあります。その場合は、追加の費用が発生することになります。
AGA治療は保険適用になる?
AGAの治療は保険が適用されない自由診療です。そのため、基本的には費用の全額(10割)が患者負担となります。
AGAによる薄毛は悩みの深い症状ではありますが、命に関わるものではないとして保険適用外となっているのです。 一方で、AGAではない薄毛治療であれば、保険が適用されるケースもあります。たとえば、頭皮に脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎(かぶれ)などの炎症が起きていたり、円形脱毛症が認められたりした場合です。
ただし、内閣府の「保険診療と保険外診療の併用療養制度(いわゆる混合診療)」と厚生労働省の「保険診療と保険外診療の併用について」によると、保険適用の治療と保険適用外の治療を同時に受けること(混合診療といいます)は、2023年時点では健康保険法において原則として認められていないため、注意が必要です。
AGAの保険適用については、「AGA治療は保険適用になる?月々の費用相場を解説」でも詳しく解説しています。
参照元: 内閣府「保険診療と保険外診療の併用療養制度(いわゆる混合診療)」 厚生労働省「保険診療と保険外診療の併用について」
AGA治療の費用を安く抑える方法
続いて、AGA治療の費用を安く抑えたいときに意識するとよいポイントについて解説します。
初期費用が安いクリニックを選ぶ
AGAの治療は保険診療でなく自由診療にあたるため、初診料や検査費用などの初期費用、毎月の治療にかかる費用はクリニックによってさまざまです。
初期費用をなるべく抑えたいと考えている方は、通院先の候補のクリニックではどのような料金体系かを調べておくとよいでしょう。
なお、血液検査をはじめ遺伝子検査や頭皮マイクロスコープなどの検査費用をチェックする際は、無料で受けられる検査はあるか、自身が受けたいと思っている検査を受けられるかを確認しておきましょう。
費用を抑えられるプランを選ぶ
AGAによる薄毛症状が軽症の方であれば、維持や予防を目的として内服薬のみから治療を始めると費用を抑えやすいでしょう。
内服薬のみのプランであれば相場は月々約5,000〜10,000円、発毛を目的とするプランの相場は月々10,000円前後~20,000円です。 また、先発の医薬品よりも安価で、効果が同程度と認められているジェネリック医薬品が販売されている場合もあります。
ジェネリックを取り扱っているクリニックを選ぶことも費用を抑えるポイントです。 同じ内服薬でもクリニックによってプランごとの料金が異なるため、診察料などの初期費用も考慮して、どのクリニックに通院するか決めるとよいでしょう。
オンライン診療を利用する
2023年現在ではオンライン診療を行うクリニックも増えてきています。 オンライン診療には、交通費がかからない、待ち時間を減らせるなどのメリットがあります。
交通費を抑えたい方や通院の手間を省きたい方、近隣にAGA治療をしているクリニックがない方にとっては良い手段といえるでしょう。
なお、治療薬は配送されるため、送料が別途必要になったり、診察を受けてから薬が届くまでに数日かかったりする場合があります。気になる場合は診察の際に医師やカウンセラーに相談するとよいでしょう。
AGA治療で後悔しないためのポイント
せっかくAGAの治療を始めるなら後悔はしたくないもの。 費用を抑えるポイントに続いて、AGA治療で後悔しないためのポイントについて説明します。
治療期間についてあらかじめ理解しておく
AGAの薬による治療を始めてから効果を感じられるようになるまでは、早い方で3ヶ月、一般的には6ヶ月はかかると想定しておきましょう。 AGAの治療薬を飲み始めてすぐに効果が期待できるわけではなく、毛周期(ヘアサイクル)の関係から、3~6ヶ月くらいを目安に治療に取り組むことが大切です。
また、AGAは基本的に進行していくものなので、途中で効果を感じたとしても、その状態を維持するには治療を続けることが重要です。
6ヶ月ほどAGA治療を続けても効果を感じられない場合には、医師に相談のうえ、治療方法を見直す可能性があることも覚えておきましょう。
治療にかかる費用を調べておく
AGA治療の費用は月々でみると1万円未満の場合もあり始めやすい金額に見えますが、年単位で考えると数万~数十円になります。 また、追加で検査費用がかかったり、治療方法を見直して植毛などのより高価なプランに変更したりする可能性もあります。
AGAは長期間にわたって治療を行う病気なので、毎月かかる費用や治療にかかる総費用を確認し、経済的に無理のない範囲で治療に臨みましょう。
初月の費用の安さをアピールしているクリニックもありますが、初期費用の安さだけで決めるのではなく、最終的にどれくらいの費用がかかりそうかを確認したうえで通院先を決定することが大切です。
副作用について理解しておく
AGAによる薄毛タイプによって処方される薬が異なり、治療薬によって起こりうる副作用も異なります。治療を開始する前に、自身が服用する薬の副作用について医師に詳しく説明してもらいましょう。
AGA治療薬の副作用については、「AGA治療薬の種類・効果・副作用について、ガイドラインに基づいて解説」を参照してください。
クリニックは比較検討する
クリニックは、ネット上の評判だけを頼りにするのではなく、費用や立地などをもとに長期にわたって通い続けられるところを選びましょう。また、実績があるか、無理な押し売りをしてこないかをもとに判断することも、後悔しないクリニック選びをするうえで大切なポイントです。
通い始めてから治療方法や費用に疑問を感じた際は、セカンドオピニオンを利用するのも一つの方法です。
セルフケアも行う
生活習慣の改善など、自身で実践できるセルフケアを行うのもAGA治療において大切なポイントです。
具体的には、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠をとる、適度な運動をする、飲酒や喫煙を控える、ストレスケアをする、頭皮に優しいシャンプーやヘアケアを使うなどが挙げられます。
食事は鉄や亜鉛などのミネラル、タンパク質、ビタミン類などをバランス良く摂りましょう。高カロリーな食事や脂質・糖分の多い食事は血行不良の原因になり、頭皮環境を悪くする恐れがあります。
AGA治療に関するよくある質問
最後にAGA治療に関するよくある質問を紹介します。
Q.AGA治療薬はジェネリック医薬品でもいい?
ジェネリック医薬品を使用するのも一つの方法です。
ジェネリック医薬品は、開発の費用や期間が先発品ほどかかっていないことから、先発の医薬品よりも安価です。安価だからといって効果が薄いわけではなく、先発品と同じ有効成分が含まれており、同程度の効果が期待できます。興味がある方は診察のときに医師に相談してみましょう。
Q.AGA治療はいつまで続ける?
AGA治療のゴールは人によって異なるため一概にはいえませんが、治療を開始してから効果を感じられるようになるまでは半年ほど続ける必要があると考えておきましょう。
最終的には、発毛作用のある薬の服用をやめ、維持・予防を目的とした内服薬だけで髪の毛が増えた状態を保つことができれば良いですが、ここにたどり着くまでの期間は人によってさまざまです。
AGAは進行性なので基本的に長期にわたって治療を行うことになりますが、場合によっては薬の量を減らすことも可能です。自己判断で減らすのは控え、医師と相談したうえで減薬を決めるようにしましょう。
Q.AGA治療をやめるとどうなる?
AGAは進行性なので、治療をやめると元の状態に戻ってしまいます。
ご自身が望む毛髪の状態になっても、維持するためには薬の服用を続ける必要があります。治療をやめたいと考えた際に自己判断で薬の服用を中止することはせず、まずは医師に相談しましょう。
Q.AGA治療は効果がない?
AGA治療を始めても効果を感じられないという方は、服用を開始してから1~2ヶ月ほどしか経っておらず頭皮に影響が出る前に服用をやめてしまった、そもそも治療内容が合っていなかった、治療薬を正しく使用できていなかったなどの原因があると考えられます。
また、個人で輸入した薬を服用していた場合、薬が偽物で、実際には効果がなかったという可能性もあるかもしれません。 医師に処方された薬を根気よく正しく服用していくことが大切です。
AGA治療の効果については、「AGA治療は効果がないと言われる6つの理由」でも詳しく解説しています。
AGA治療のクリニック選びは慎重に
AGA治療の費用相場や保険適用されるか、治療で後悔しないポイントなどについて説明しました。 AGAは保険が適用されない自由診療であるため、治療費はクリニックによって異なりますが、内服薬のみのプランは月々約5,000〜10,000円程度、内服薬と外用薬を併用するプランでは月々約10,000円〜20,000円程度が一般的です。
少しでも治療費を安く抑えたいなら、複数のクリニックを比較検討し、初期費用が安いクリニックを選択しましょう。また、オンライン診療を利用するのも一つの方法です。
レバクリではAGAのオンライン診療サービスを提供しています。 オンライン診療では待合室で知人に出会うリスクがないほか、基本的に待ち時間がないため仕事が忙しい方もすき間時間を活用して診察を受けられます。 診察は無料で行っているので、ぜひお気軽にご予約ください。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会