更新日:2026年10月21日

EDの対策・予防には、生活習慣の改善やストレス管理などがあります。ただし、EDの原因に応じた適切なアプローチを行うためには、医師の診察のもとで医学的な治療を検討するのも選択肢の一つです。
このページでは、生活習慣の改善やセルフケアの限界・ED治療が必要なラインを分かりやすく整理しました。
生活習慣改善の効果:ED対策の基本は睡眠・食事・運動・ストレス・飲酒喫煙の見直しである
セルフケアと治療の役割:生活習慣の改善はあくまで土台づくりで、病気やケガ、薬が原因のEDは治療が必要な場合がある

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
EDの対策・予防は、睡眠・食事・運動・ストレス・飲酒喫煙という5つの生活習慣を見直すことから始まります。勃起は陰茎に血液が流れ込むことで起こる反応で、血管や神経、男性ホルモンの働きが関わっているためです。
なお、生活習慣の改善は体の土台を整えるための取り組みであり、これだけですべてのEDが解消するわけではない点も押さえておいてください。
まずは、睡眠時間を6時間以上確保することを目標にしましょう。厚生労働省では、成人については6時間以上の睡眠時間を確保することが目安として示されています。

参考:厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
食事は、特定の食品を増やすより、全体のバランスを整えることが基本になります。「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」をバランス良く食べることが大切です。そのうえで、血管や男性ホルモンの材料になる栄養素を含む食品を意識すると良いでしょう。
ただし、これらの食品を食べればEDが改善するというわけではありません。あくまで、食生活の改善は、体の土台を整えるためと考えてください。
参考:厚生労働省「食事バランスガイド」
運動を習慣にすれば、肥満や脂質異常症、高血圧の予防・改善につながります。これらは血管の状態に関わる要因のため、結果として勃起に必要な血流を保ちやすくなります。
運動は、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2~3日が目安です。あわせて、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(およそ8,000歩以上)行うことも推奨されています。
参考:厚生労働省「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-成人版」
ストレスが関係しているEDでは、原因を取り除いたり、解消したりすることで症状が軽くなる場合があります。EDは仕事のプレッシャーやパートナーとの関係、過去の失敗経験などが引き金になることもあります。趣味の時間をつくる、運動する、信頼できる人に話すなど、自分に合う方法を見つけておきましょう。
飲酒と喫煙は、量を見直すだけでも体への負担を減らせます。厚生労働省は、節度ある適度な飲酒を1日平均で純アルコール約20g程度としています。アルコールには血管を広げる作用がありますが、量が増えると脳の働きを抑える方向にはたらき、性的な刺激への反応が鈍くなることがあります。
喫煙についても、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、虚血性心疾患や末梢動脈硬化症といった循環器疾患と関係しているとされています。勃起は血流に支えられている反応のため、血管の状態を守ることが対策につながります。 まずは休肝日をつくる、本数を減らすといった一歩から始めましょう。
参考:厚生労働省「アルコール」
参考:厚生労働省「喫煙者本人の健康影響」
生活習慣を整えても変化がないときはEDの引き金になっている原因を特定することが次の一歩になります。EDは体の問題だけでなく、心理的な要因や別の病気が背景にあることも多いためです。
体へのコンプレックスが、性行為への自信を失わせてEDにつながることがあります。ペニスのサイズや形を指摘された経験があると、そのことが頭から離れず、緊張して勃起が起こりにくくなるためです。
オランダの調査では、パートナー女性の多くがペニスの長さを重要視していないという結果が報告されています。気にしているほど、相手は問題にしていないケースが少なくありません。
それでも不安が消えないときは、心因性のEDとして医師に相談するという方法があります。
参考:National Library of Medicine「What importance do women attribute to the size of the penis?」
強すぎる刺激に慣れている場合は、オナニーの方法を見直すことでEDの改善を図れる場合があります。床や壁に押しつけるような強い刺激を続けていると、通常の性行為の刺激では物足りなくなり、勃起しにくくなることがあるためです。
心当たりがある方は、「手を使う方法に変える」「力を入れ過ぎない」「回数を減らす」といった調整を試してみてください。それでも変わらないときは、ほかの原因も考えられます。
健康診断で血糖値や血圧、脂質の数値を指摘されたまま放置している方は、まず内科での受診を検討してください。糖尿病や高血圧、肥満などが背景にある場合は、その病気の治療によってEDの症状も変わる可能性があります。これらの病気は血管や神経に影響し、勃起に必要な血流を妨げる要因になるためです。
持病の治療を続けながらED治療を行えるかどうかは、医師が薬の組み合わせを確認したうえで判断します。
セルフケアで改善が見込める範囲には限りがあります。生活習慣の見直しは体の土台を整える取り組みであり、体の病気や薬の影響で起きているEDには届かないためです。何が自分で対処でき、何が対処できないかを整理しておきましょう。
セルフケアで対策できるのは、生活習慣とストレスに関わる部分です。
一方で、病気やケガ、薬が原因のEDは生活習慣の見直しだけでは解決しないことが多いです。糖尿病や動脈硬化で血管や神経が傷んでいる場合、その状態そのものへの治療が必要になります。
勃起は、性的な刺激によって陰茎の血管でcGMP(環状グアノシン一リン酸)という物質が増え、血管が広がることで起こる反応です。ED治療薬はPDE5の働きを妨げ、cGMPが増えた状態を保つことで血流を促します。
国内で承認されているのはバイアグラ・レビトラ・シアリス・3種類で、効果が続く時間や食事の影響の受けやすさが異なります。国内未承認薬としては、ステンドラが挙げられます。生活習慣の改善と並行して使うこともできるため、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
参考:独立行政法人医薬医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シアリス錠 添付文書」
参考:U,S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION「ステンドラ 米国添付文書(FDA)」

「EDは発症したら終わり」と思っている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。適切な治療を行えば、改善が見込めるケースもあります。
EDの対策・予防は、「睡眠」「食事」「運動」「ストレス管理」「飲酒・喫煙の見直し」から始められます。あわせて、コンプレックスやオナニーの方法、持病といった原因の心当たりを整理しておくと、対策の方向性が定まります。
ただし、生活習慣の改善は体の土台をつくる取り組みであり、病気やケガ、薬の影響によるEDには届きません。セルフケアに取り組んでも変化がないときは、ED治療薬という選択肢もあります。一人で抱え込まず、医師に相談してみてください。
ここからは、EDの対策・予防について検索されることの多い質問に回答します。サプリメントの位置づけや受診の目安を確認して、次の行動を決める参考にしてください。
EDはサプリメントで改善できますか?
サプリメントはあくまで栄養補助であり、EDの治療薬ではありません。食事だけでは不足しがちな栄養素を補うための食品で、勃起そのものへの働きかけを目的としたものではないためです。
サプリメントを栄養バランスを整える手段の一つとして使うのは問題ありませんが、症状の改善を期待して頼りきるのは避けましょう。服用中の薬がある場合は、併用して良いか医師に確認してください。
ED治療薬の効果がないときはどうすれば良いですか?
ED治療薬の効果を感じられないときは、自己判断で量を増やさず、医師に相談して見直しましょう。飲むタイミングや食事との関係、用量が合っていないことが原因のケースがあるためです。
たとえば、シルデナフィルは食後に飲むと吸収が下がるため、空腹に近い状態での服用が想定されています。また、性的な刺激がない状態では効果が現れない点も押さえておきましょう。
EDになったらすぐに治療をするべきですか?
勃起しにくい状態が数回続く程度であれば、まずは生活習慣や心身の調子を整えるのも一つの選択肢です。EDは疲労やストレス、飲み過ぎによる一時的な不調で起こることもあります。
ただし、EDが長期間続く場合や糖尿病・高血圧などを指摘されている場合、服用中の薬に心当たりがある場合は、早めに医師に相談しましょう。
厚生労働省「睡眠対策」 厚生労働省「「食事バランスガイド」について」 厚生労働省「身体活動・運動の推進」 厚生労働省「健康日本21(アルコール)」 厚生労働省「喫煙」 National Library of Medicine「What importance do women attribute to the size of the penis?」 National Library of Medicine「女性はペニスの大きさにどれほどの重要性を見出しているのだろうか?(What importance do women attribute to the size of the penis?2002)」 参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」 参考:独立行政法人医薬医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」 参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シアリス錠 添付文書」 参考:U,S. FOOD&DRUG ADMINISTRATION「ステンドラ 米国添付文書(FDA)」