更新日:2026年07月10日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「バイアグラとの飲み合わせが良くない薬はある?」とお悩みの方もいるでしょう。狭心症や不整脈などの薬は、バイアグラと併用すると急激な血圧低下や致命的な不整脈を招く恐れがあります。また、併用することでバイアグラの効果を弱めたり、副作用を起こしやすくしたりする注意が必要な薬も存在します。食事やお酒も影響を与えることがあるため、飲み合わせが不安な場合は、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
バイアグラを服用する際は、同時に摂取してはならない併用禁忌薬が定められています。
| 併用禁忌薬 | 併用禁忌薬が使用される疾患 | バイアグラとの併用で起こること | 併用で起こることの機序・危険因子 |
|---|---|---|---|
| 硝酸剤、一酸化窒素(NO)供与剤 | 狭心症 | 血圧の降圧作用が増強して血圧が下がりすぎることがある | NOは血管拡張作用のあるcGMPの産生を刺激し、バイアグラはcGMPの分解を抑制することから、併用によりcGMPが増大して降圧作用が増強する |
| アミオダロン塩酸塩 | 不整脈 | QTc延長作用が増強して致命的な不整脈を引き起こすことがある | 機序不明(類薬とアミオダロン塩酸塩の併用により、QTc延長が現れる恐れがあるとの報告がある) |
| 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤 | 肺高血圧症 | 症候性低血圧を起こすことがある | リオシグアトは血管拡張作用のあるcGMPの濃度を増加させ、バイアグラはcGMPの分解を抑制するため、併用によりcGMPの細胞内濃度が増大し、血圧が低下する恐れがある |
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
これらの薬を併用すると、血圧が急激に低下するなどの危険な副作用を引き起こす恐れがあるため事前の確認が不可欠です。思わぬ副作用を防ぐためにも、具体的にどのような医薬品が対象となるのか、代表的な3種類の併用禁忌薬を確認していきましょう。
狭心症の治療薬である硝酸剤や一酸化窒素供与剤と、バイアグラとの飲み合わせは禁忌とされています。医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、対象となる主な薬剤は以下の通りです。
硝酸剤などは血管拡張作用をもつcGMP(環状グアノシン一リン酸)の産生を刺激する一方、バイアグラはcGMPの分解を抑制する効果があります。そのため、同時に服用すると体内のcGMPが増大し、血圧を下げる作用が増強されると報告されています。
また、狭心症の治療薬とバイアグラを飲み合わせたことで、死亡例を含む心筋梗塞などの重篤な心血管系の有害事象も発生したとの報告もあります。バイアグラを安全に使用するためにも、服用前には心血管系障害の有無を十分に確認することが大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
バイアグラと不整脈の治療薬であるアミオダロン塩酸塩(経口剤)の飲み合わせは禁忌とされています。
アンカロンなどの商品名で知られるアミオダロン塩酸塩は、不整脈で乱れた脈を整えるために用いられる薬剤です。医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によるとバイアグラと同時に服用するとアミオダロン塩酸塩によるQTc延長作用が増強され、不整脈が悪化する恐れがあるとされています。
また機序は不明であるものの、ED治療薬とアミオダロン塩酸塩の併用によりQTc延長が現れる恐れがあると報告されています。バイアグラを服用する際、不整脈の治療を受けている場合は、必ず医師に伝えるようにしましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
バイアグラと肺高血圧症などの治療薬であるリオシグアトの飲み合わせは禁忌とされています。併用により、症候性低血圧を引き起こすことがあるためです。
アデムパスなどの商品名で処方されるリオシグアトは、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の圧を下げるために用いられる薬剤で、体内のcGMP濃度を増加させる作用があります。一方でバイアグラはcGMPの分解を抑制する薬です。そのため、両剤を同時に服用すると血中のcGMP濃度が増大し、全身の血圧が下がって立ちくらみやめまいを伴う症候性低血圧を招く恐れがあります。
肺高血圧症の治療中の方は、バイアグラを服用したい場合は必ず医師に確認するようにしましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
バイアグラには、飲み合わせに注意が必要な併用注意薬があります。
| 併用注意薬 | 併用注意薬が使用される疾患 | バイアグラとの併用で起こること | 併用で起こることの機序・危険因子 |
|---|---|---|---|
| チトクロームP450 3A4阻害薬 | 感染症 | 有効成分の血中濃度が高くなり過ぎたり、有効成分が分解されずに長く体に留まったりすることがある | チトクロームP450 3A4阻害薬が、バイアグラの有効成分を分解する酵素(CYP3A4)の働きを阻害する |
| 降圧剤、α遮断剤、カルペリチド | 高血圧 | 降圧剤との併用で降圧作用の増強、α遮断剤との併用でめまいなどの自覚症状を伴う血圧低下が報告されている | 降圧剤、α遮断剤、カルペリチドもバイアグラも血管を拡張させて血圧を下げる作用があるため、作用が重複して降圧作用が増強する |
| チトクロームP450 3A4誘導薬 | てんかん、結核 | 有効成分の血中濃度が低くなる | チトクロームP450 3A4誘導薬が、バイアグラを分解する酵素(CYP3A4)の働きを活発にすることで、有効成分が早く分解されてしまい、薬の効果が弱まってしまう |
併用注意薬に指定されている医薬品は、同時に摂取するとバイアグラの効果が強く出すぎたり、反対に効果が弱まったりする可能性があるため注意が必要です。場合によっては副作用のリスクを高める恐れもあるため、処方を受ける際は現在服用中の薬を医師へ正確に伝えることが推奨されます。
チトクロームP450 3A4阻害薬と、バイアグラの飲み合わせには注意が必要です。医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、対象となるチトクロームP450 3A4阻害薬の主な薬剤は以下の通りとなっています。
これらの薬はバイアグラを代謝する酵素の働きを阻害する性質があるため、併用するとバイアグラの有効成分の分解速度が遅くなり、体に成分が長く留まります。すると、有効成分の血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高い状態になるのです。
実際のデータでは、リトナビルとの併用でバイアグラの最高血中濃度が3.9倍に、エリスロマイシンでは2.6倍に増加したと報告されています。したがって、該当する薬を服用している場合は、バイアグラは25mgの低用量から使用を開始するなど慎重な対応が大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
血圧を下げる薬とバイアグラとの飲み合わせは、降圧作用を増強する恐れがあるため、注意が必要です。医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、対象となる薬剤は以下の通りとなっています。
バイアグラの服用時は、薬だけでなく食事やお酒との飲み合わせにも配慮が必要です。日々の食事内容やアルコールの摂取量によっては、薬の吸収が妨げられて効果の発現が遅れたり、予期せぬ副作用が強まったりする場合があります。
バイアグラは、食事と共に服用すると空腹時の服用に比べて薬の吸収が遅れ、効果発現時間が遅れることがあります。そのため、バイアグラの本来の効果を十分に得るためには、空腹で服用したほうが望ましいでしょう。
医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、空腹時にバイアグラを服用すると血中濃度がピークに達するまでの時間が1.2時間なのに対し、食事と一緒に服用した場合、成分の吸収速度が遅くなり、この時間が3.0時間となりました。空腹時に比べて1.8時間の遅れがみられたのです。これは、食事がバイアグラの吸収を妨げていることを意味します。
さらに、食後では空腹時に比べて最高血中濃度が42%減少するというデータも存在します。
薬の効果を低下させないためにも、バイアグラは空腹時に服用するようにしましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
多量のアルコールは、バイアグラと同時に摂取すると副作用を強める恐れがあるため、服用前後の飲酒には注意しましょう。
バイアグラとお酒(アルコール)の飲み合わせは、適量であればリラックス効果により緊張が解け、勃起をサポートする側面もあります。しかし、アルコールには血管を広げる作用があり、バイアグラの血管拡張作用と重なることで、通常より酔いが回りやすくなります。その結果、血圧の低下による立ちくらみやめまい、転倒などを招く危険性が高まるため、注意が必要です。
さらに多量の飲酒は中枢神経を麻痺させ、脳の興奮が陰茎に伝わらなくなるため、勃起そのものを阻害する原因となるでしょう。バイアグラ服用時の飲酒自体が完全に禁止されているわけではないものの、本来の効果を得るためには、お酒の量を控えめに留めることが大切です。

現在服用している薬がある場合は、バイアグラの処方を受ける際に必ず医師や薬剤師へ相談しましょう。 自分が飲んでいる薬が「併用禁忌」や「併用注意」に該当するかどうかを個人で正確に判断するのは困難です。安全にバイアグラを使用するためには、医療機関や薬局でお薬手帳を提示し、市販薬も含めたすべての服薬状況を申告しましょう。自己判断で併用すると予期せぬ影響が出る恐れもあるため、専門家による確認を経てから使用を開始することが推奨されます。
バイアグラの飲み合わせに関するよくある質問と回答をまとめました。バイアグラと他の薬との飲み合わせについて知りたい方は、ぜひご覧ください。
バイアグラと風邪薬や頭痛薬(ロキソニンなど)は併用できる?
バイアグラは、一般的な市販の風邪薬や頭痛薬(ロキソニンなど)と基本的に併用が可能です。
ロキソプロフェンをはじめとする鎮痛剤や、一般的な総合感冒薬の成分は、バイアグラとの併用禁忌に指定されていません。そのため、風邪の初期症状や頭痛があるときでも一緒に服用できる場合が多いと考えられています。なお、市販薬のなかには予期せぬ成分が含まれている可能性も否定できないため、少しでも不安がある際には事前に医師や薬剤師へ確認しておくと安心です。
バイアグラと胃薬や抗生物質は一緒に飲める?
一部の胃薬や抗生物質は、バイアグラとの飲み合わせにおいて併用注意に該当する成分を含むため、注意が必要です。
医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、胃薬のシメチジンやマクロライド系抗生物質のエリスロマイシンなどは、代謝酵素の働きを阻害する性質があります。これらを同時に服用すると、成分が分解される速度が遅くなり、成分の血中濃度が上昇し、副作用が強く現れるリスクが高まる恐れがあります。
該当する薬を服用している場合は、25mgの低用量から開始するなど慎重な対応が求められるため、まずは医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
バイアグラとサプリメントや精力剤は併用できる?
バイアグラとサプリメントや精力剤は、一般的なビタミン剤などであれば併用が可能な場合もありますが、成分によっては注意が必要です。
マカや亜鉛といった通常の健康食品は基本的に問題ないとされていますが、血管拡張作用を持つ成分が含まれているサプリメントなどは、血圧低下などの予期せぬ相互作用を引き起こす恐れがあります。また、バイアグラとほかのED治療薬との併用に関しては安全性が確立されていません。精力剤であっても自己判断での組み合わせは避けるのが賢明です。
安全に薬を使用するためにも、普段から服用しているサプリメントや精力剤があるときは、事前に医師や薬剤師へ共有するようにしましょう。
バイアグラを飲んではいけない人は?
バイアグラは心血管系の持病や重度の肝機能障害がある方などは服用できません。また、特定の薬との飲み合わせにも命に関わる危険があるため注意が必要です。
医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、バイアグラ錠の成分に過敏症の既往歴がある方のほか、性行為が不適当と考えられる心血管系障害を有する方、重度の肝機能障害を有する方、治療による管理がなされていない高血圧の方もバイアグラの服用が禁忌とされています。加えて、最近6ヵ月以内に脳梗塞や脳出血、心筋梗塞の既往歴がある場合や、網膜色素変性症を患っている方なども服用が禁じられているため注意が必要です。
硝酸剤など薬との飲み合わせが禁忌である場合も含め、これらに該当する方はバイアグラを服用することで健康を損なう恐れがあるため、事前に医師や薬剤師に確認するようにしましょう。参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「」
バイアグラを服用する際は、併用してはならない禁忌薬や注意が必要な薬剤、食事などとの飲み合わせを、事前に医師や薬剤師へ確認しましょう。狭心症や不整脈、肺高血圧症の治療薬とバイアグラを併用すると、急激な血圧低下や致命的な不整脈など、重篤な副作用を引き起こす恐れがあります。また、一部の感染症や高血圧、てんかんの治療薬などは、バイアグラの効果を強めたり弱めたりする可能性があります。なお、ほかのED治療薬との同時使用は安全性が確立されていないため避けましょう。
バイアグラと、食事やお酒との組み合わせにも配慮が必要です。バイアグラを食後に服用すると空腹時に比べて成分の吸収が遅れ、効果が十分に発揮されない場合があります。また、過度の飲酒との併用は血管拡張作用が重なることで立ちくらみなどを招くほか、勃起そのものを阻害する原因にもなりかねません。バイアグラを安全に使用するためにも、持病や服薬状況は服用前に医師や薬剤師に相談するほか、食事やお酒との飲み合わせにも注意しましょう。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
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バイアグラ自体に血管拡張作用による降圧作用があるため、これらの薬と同時に服用すると作用が重複して降圧効果が強まる仕組みです。
実際にドキサゾシンなどのα遮断剤との飲み合わせにより、めまい等の自覚症状を伴う血圧低下を来したとの報告も存在します。したがって、これらの薬剤を服用している場合は、バイアグラは25mgの低用量から投与を開始するなど慎重な対応が大切です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
チトクロームP450 3A4誘導薬は、バイアグラの効き目を低下させる作用があるため、バイアグラとの飲み合わせには注意が必要です。
医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」によると、対象となる薬剤には肺高血圧症の治療薬であるボセンタンや、結核薬のリファンピシンなどが挙げられます。これらの薬剤には薬を代謝する酵素を誘導する作用があり、成分が体外へ早く排出される仕組みです。
その結果としてバイアグラの血中濃度が低下し、本来の作用が発揮されにくくなる傾向があります。期待する効果を得るためにも、該当する疾患の治療を受けている場合は、事前に医師へ相談しましょう。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」