レバクリ

更新日:2024/02/21

ED治療薬の特徴は?3種類の薬の勃起力や即効性、持続時間・副作用を解説

この記事のまとめ
  • 代表的なED治療薬はバイアグラ・レビトラ・シアリスの3種類
  • ED治療薬を選ぶ際は、勃起力や即効性などに着目する
  • 循環器系の疾患がある人や併用禁忌薬を服用している人は、ED治療薬を服用できない
  • ED治療薬は、対面診療やオンライン診療で入手できる

ED治療薬といえば、バイアグラを思い浮かべる方もいるでしょう。

現在、ED治療薬にはバイアグラ以外にもさまざまな種類があり、国内で承認を受けているED治療薬は3種類あります。ED治療薬はそれぞれ特徴が異なり、自分のライフスタイルやニーズに合わせて選択することが大切です。

この記事では、3種類の代表的なED治療薬の特徴や効果などを、詳しく解説します。ED治療薬を選択する際のポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

代表的なED治療薬

ED治療に用いられている、代表的なED治療薬は以下の3種類です。

  • バイアグラ
  • レビトラ
  • シアリス

PDE5阻害薬とも呼ばれるこれらのED治療薬は、陰茎海綿体の血管を拡張して血流を増加させることで、勃起を促進する効果があります。 PDE5とは、勃起のために血管を拡張するcGMPという物質の働きを抑制する酵素です。ED治療薬の有効成分が、PDE5の働きを抑制することで勃起不全の解消をサポートします。

ここからは、それぞれのED治療薬の特徴や効果について詳しく解説します。

バイアグラ

バイアグラは、1999年に世界ではじめて発売されたED治療薬です。有効成分として、シルデナフィルが配合されています。

服用してから効果が現れるまでは30分~1時間程度で、持続時間は約3~5時間とされています。 効果の強さや即効性、持続時間などのバランスが良いため、多くの人に使用されています。

バイアグラは有効成分の含有量の違いにより、25mg・50mgの錠剤が販売されています。欧米では100mgの規格も販売されていますが、日本では100mgの販売は承認されていません。

以下に、バイアグラの特徴をまとめたので、参考にしてください。

用量25mg、50mg
有効成分シルデナフィル
効果が現れるまでの時間30分〜1時間
持続時間25mg : 3時間程度、50mg : 5時間程度
勃起力強い
食事の影響受けやすい
副作用現れやすい

バイアグラについて詳しく知りたい方は、「バイアグラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」も参考にしてみてください。

レビトラ

2004年に発売されたレビトラは、バイアグラに次いで国内で承認されたED治療薬です。バイアグラやシアリスと同様に、PDE5阻害薬に分類されます。

レビトラの有効成分であるバルデナフィルは、水に溶けやすい性質があります。水に溶けやすいことで小腸での吸収が早くなるため、即効性に優れています。早い人は服用後15分程度で効果が現れます。 効果のピークは45分~1時間後のため、性行為の約1時間前に服用するのが効果的です。

また、有効成分のバルデナフィルは、陰茎海綿体の血管を効果的に拡張する作用があり、勃起力にも優れています。

なお、レビトラはメーカー都合により販売中止となりました。現在はレビトラのジェネリック医薬品である、バルデナフィル錠が処方されています。

レビトラの特徴を下記にまとめたので、参考にしてください。

用量5mg、10mg、20mg
有効成分バルデナフィル
効果が現れるまでの時間15〜30分
持続時間5mg:2~3時間、10mg : 4〜5時間、20mg : 7〜8時間
勃起力強い
食事の影響やや受けやすい
副作用現れやすい

レビトラについては、「レビトラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」でも詳しく解説しています。

シアリス

シアリスは、バイアグラ、レビトラに次いで発売されたED治療薬です。海外で広く使用されており、日本新薬によると2013年においてED治療薬として世界シェア1位を獲得しました。 有効成分であるタダラフィルが、陰茎への血流を増加させることで、勃起を助ける働きをします。

シアリスの最大の特徴は、持続時間の長さです。服用後、最大36時間効果が持続するため、土曜の朝に服用すれば日曜の夕方まで効果が期待できます。そのため、ウィークエンドピルとも呼ばれています。 なお、シアリスを服用したからといって、勃起状態が36時間続くわけではありません。持続時間中に性的刺激を受けた場合、効果を発揮します。

また、食事の影響を受けにくい点もシアリスの特徴です。バイアグラは食前の服用が推奨されていますが、シアリスは食後の服用でも効果に大きな影響を与えないとされています。

シアリスは、効果が現れるまでの時間を除けば服用のタイミングを気にせずに使用できる、使い勝手の良いED治療薬といえるでしょう。 シアリスの特徴を下記にまとめたので、参考にしてください。

用量5mg、10mg、20mg
有効成分タダラフィル
効果が現れるまでの時間1~3時間
持続時間5mg:8~10時間、10mg:20~24時間、20mg:30~36時間
勃起力普通
食事の影響受けにくい
副作用現れにくい

参考:日本新薬「シアリス®錠が勃起障害治療薬の世界市場においてシェア第1位になりました

ED治療薬を選択する際に見るべきポイント

ここからは、ED治療薬を選択する際にチェックすべき、勃起力や即効性などのポイントを解説します。

勃起力の強さ

EDの症状が重度の方や、中折れしてしまう方は勃起力の強さを重視すると良いでしょう。 勃起力の強さを重視する場合は、レビトラが第一選択肢となります。

薬剤勃起力
レビトラ特に強い
バイアグラ強い
シアリス普通

レビトラには、5mg・10mg・20mgの用量があります。最も硬さを得られるのは有効成分が多く含まれた20mgです。レビトラのほか、バイアグラも強い勃起力が期待できます。

一方で、勃起力を求めると、副作用が現れやすいといった側面もあります。 EDの症状が軽度である場合や、自然な勃起を求める方は、副作用の現れにくいシアリスを選択するなど、症状に合わせて選択しましょう。

勃起の硬さについては、「勃起の仕組みとは?妨げとなる要因やEDに該当する硬さ・角度を解説」を参照してください。

即効性

即効性とは、服用してから効果が現れるまでの時間の早さを指します。

即効性は、有効成分が水に溶けやすい成分であるかによって異なり、3種類の中で即効性に優れているのはレビトラです。

薬剤効果が現れるまでの時間
レビトラ15分〜30分
バイアグラ30分〜1時間
シアリス1〜3時間

ED治療薬を選ぶ際には、自分のライフスタイルにあわせて、即効性を優先すべきか検討しましょう。 特に性行為のタイミングが予測できない場合は、即効性が高い薬剤を選ぶことで、急に訪れるタイミングに間に合わせられるでしょう。

反対に、性行為のタイミングが予測できる場合は、予測の時間に合わせて事前に服用できるため、ED治療薬の即効性は重要ではないでしょう。

効果の持続時間

ED治療薬の効果の持続時間とは、服用してから効果が切れるまでの時間を指します。

効果の持続時間を重視する場合は、シアリスがおすすめです。10mg錠の1回の服用で20~24時間、20mg錠で30~36時間もの間、効果が持続するとされています。

薬剤持続時間
シアリス20~36時間
レビトラ4~8時間
バイアグラ3~5時間

持続時間が長ければ、服用のタイミングを計る必要がありません。デート前に服用すれば、1日中安心して過ごせるでしょう。

食事の影響の受けにくさ

食事の影響の受けにくさで選択するなら、シアリスがおすすめです。シアリスは、シアリスの添付文書によると、高脂肪食を摂取したあとでも、食事の影響は認められなかったとしています。

薬剤食事の影響の受けにくさ
シアリス受けにくい
レビトラやや受けやすい
バイアグラ受けやすい

ED治療薬は、効果の得やすい空腹時の服用が推奨されています。しかし、実際には性行為の前に食事を摂る場面は多くあるでしょう。

できるだけ食事の影響を受けにくいED治療薬を選択することで、空腹時でも食後でも比較的高い効果が期待できます。

参考:KEGG「医療用医薬品 : シアリス

副作用の少なさ

副作用が気になる場合は、シアリスを選択すると良いでしょう。シアリスは勃起力の効果がマイルドなため、副作用が現れにくいとされています。

薬剤副作用の少なさ
シアリス現れにくい
レビトラ現れやすい
バイアグラ現れやすい

なお、ED治療薬の主な副作用は、以下のとおりです。

  • 顔のほてり
  • 頭痛
  • 鼻づまり
  • 目の充血
  • 胃の不快感
  • めまい

これらの副作用は、いずれも一時的なもので、重篤になることはほとんどありません。しかし、ED治療薬の副作用が心配な方は、有効成分の用量が少ない錠剤から試してみましょう。

ED治療薬を服用する際の注意点

ED治療薬を安全に服用し、効果を実感するためには、服用時の注意点を守ることが大切です。正しい知識のもと使用しないと、重篤な副作用を引き起こしたり効果を実感できなかったりする可能性があるため、注意点をしっかり確認しましょう。

禁忌に該当する人は服用できない

ED治療薬には、禁忌となる方がいます。薬剤における禁忌とは、重篤な副作用や危険が生じる可能性がある薬剤の使用を避けることを指します。

ED治療薬の禁忌に該当する方は、以下のとおりです。

  • ED治療薬の成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 併用禁忌薬を服用中の方
  • 心血管系障害のある方
  • 不安定狭心症のある方
  • 重度の肝障害のある方
  • 低血圧の方
  • 治療を受けていない高血圧の方
  • 直近6か月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞を発症した方
  • 網膜色素変性症患者の方
  • 先天的に不整脈がある方

禁忌事項に該当する場合や、既往病がある場合は、必ず医師に相談しましょう。

ED治療薬の禁忌に該当する方は、「ICI療法とは?EDへの効果やメリット、副作用について解説」も参考にしてみてください。

併用禁忌薬に注意する

ED治療薬と併用禁忌薬を一緒に服用すると、命に危険が及ぶ可能性があります。 ED治療薬と併用禁忌薬の多くは、血管を拡張する作用があります。併用すると血圧が急激に下がり、失神やめまい、心停止などの重大な症状を引き起こす可能性があります。

バイアグラ・レビトラ・シアリス共通の併用禁忌薬には、硝酸剤が挙げられます。 硝酸剤は、狭心症などの心臓疾患の治療に用いられる薬です。硝酸剤は内服薬だけでなく、貼り薬や吸入薬、注射、塗り薬、スプレーに含まれている場合でも禁忌とされています。

硝酸剤のほかにも、併用禁忌薬や併用注意薬があります。ED治療薬の種類によって併用禁忌薬や併用注意薬は異なるため、服用を始める場合は、必ず普段飲んでいる薬を医師に申告しましょう。

用法・用量を守り服用する

ED治療薬に限ったことではありませんが、薬は用法・用量を守って服用することが大切です。用法・用量を守らないと、効果が得られないだけでなく、副作用のリスクが高まる可能性があります。

ED治療薬を服用できるのは1日1回までで、次の服用までは24時間以上の間隔を空けます。より効果を得たいと1日2回服用しても、効果は高まりません。それどころか、副作用のリスクが高まる可能性があります。 健康被害を引き起こさないためにも、ED治療薬は、医師に指示された用法・用量を守って服用しましょう。

なるべく空腹時に服用する

ED治療薬は、服用後に食事を摂ると腸内で吸収が阻害される可能性があります。そのため、なるべく空腹時の服用が推奨されています。

食後に服用する場合は、胃の内容物が消化される、食後2時間以上経ってからの服用がおすすめです。 また、食事内容にも注意が必要です。脂っこい食事は、ED治療薬の吸収を阻害する可能性があるため避けましょう。

ED治療薬の入手方法

ED治療薬を入手するには、以下の2つの方法があります。

  • クリニックの対面診療で処方を受ける
  • オンライン診療で処方を受ける

ここからは、2つの入手方法について解説します。

クリニックの対面診療で処方を受ける

ED治療薬は、クリニック・病院の泌尿器科や、ED専門外来で処方が受けられます。 診療は以下の流れになります。

  • 受付し問診票の記入を行う
  • 医師による診察を受ける
  • 必要に応じて血圧測定や血液検査を受ける
  • ED治療薬の処方を受けて会計を行う

問診では既往歴や服用中の薬剤などについて確認されます。ED治療薬には、禁忌薬や併用注意薬があるため、服用中の薬剤がある場合は、必ず医師に相談しましょう。

対面診療は、医師と直接会って話すため、安心感が得やすい点がメリットです。

オンライン診療で処方を受ける

EDはデリケートな症状のため、対面診療に抵抗を覚える方もいるでしょう。プライバシーが気になる場合は、オンラインクリニックを活用しましょう。オンライン診療とは、スマホやPCを利用して、医師の診察を遠隔で受ける受診方法です。 オンラインにて医師の診察を受けたあとに処方箋が発行され、ED治療薬が希望の住所に配送されます。

オンライン診療には以下のメリットがあります。

  • 通院や待ち時間の負担が軽減できる
  • 場所や時間にとらわれずに診察が受けられる
  • 周りの目を気にせずに受診できる
  • 対面診療より費用が安い場合がある

オンライン診療であれば、来院の必要はありません。また、24時間対応しているクリニックもあるため、自分の都合の良い時間に診察が受けられます。自宅で受診すれば周りの目が気になることもないでしょう。

「ED治療をはじめたいけれど、なかなか病院に行けずにいる…」という方は、オンライン診療を活用してみましょう。

そのほかのED治療方法について詳しく知りたい方は、「EDの治療方法は?原因やED治療薬について詳しく解説」も参考にしてみてください。

まとめ

代表的なED治療薬であるバイアグラ・レビトラ・シアリスは、それぞれ特徴が異なります。効果の現れ方には個人差があるため、医師と相談しながらいくつかの種類を試してみるのも一つの方法です。 また、いずれの治療薬も、同じ有効成分を配合したジェネリック医薬品が販売されています。予算に応じ、ジェネリック医薬品も活用してみましょう。

EDは多くの男性に起こりうる症状です。EDによりパートナーとの関係性に悩んでいる方は、ぜひED治療薬を試してみましょう。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会