更新日:2026年07月22日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ED治療薬の効果を感じられず、次の治療法を探している」という方もいるかもしれません。ici療法は、陰茎海綿体に血管拡張剤を注射して勃起を促す治療法で、PDE5阻害薬などのED治療薬で十分な効果が得られない場合にも、勃起反応が得られる可能性があります。
ただし、日本では、PGE1製剤を用いた陰茎海綿体注射はEDの治療目的では承認されておらず、保険適用の対象でもないため、原則として自由診療となります。また、自己注射を実施している医療機関は限られており、実施する場合には医師による適応判断、試験投与、用量調整および注射方法の指導が必要です。
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ici療法(陰茎海綿体注射)とは、陰茎海綿体に「プロスタグランジンE1誘導体製剤」という血管拡張剤を注射することで、陰茎海綿体の平滑筋を弛緩させ、勃起反応を促す治療法です。ici療法は国内ではED治療として承認されていないため、実施している医療機関は限られます。治療は、各医療機関における必要な手続きと十分な説明・同意のもと、自由診療として行われます。
陰茎海綿体注射は、国内外のガイドラインでPDE5阻害薬が無効または使用できない場合の治療選択肢として取り上げられています。ただし、日本ではED治療目的の使用は承認されていません。
バイアグラなどのED治療薬とici療法の主な違いは、勃起に性的興奮が必要かどうかです。PDE5阻害薬は、性的刺激に伴う勃起反応を増強する薬であり、服用しただけで自動的に勃起するわけではありません。それに対しici療法は、PDE5阻害薬と比べて性的刺激への依存度が低く、注射後、一般に比較的短時間で勃起反応が現れますが、効果の発現時間や程度には個人差があります。
ici療法は、PDE5阻害薬で十分な効果が得られない場合や、内服薬を使用できない場合に検討される治療選択肢の一つです。また、薬剤を陰茎海綿体内に局所投与するため、作用が局所的になるとされています。
ici療法(陰茎海綿体注射)は薬剤を陰茎海綿体内に局所投与する治療であり、内服薬と比べて全身への影響が少ないとされています。
シルデナフィル錠の添付文書によると、PDE5阻害薬は、硝酸薬や一酸化窒素供与薬を使用している方、重度の肝機能障害がある方、血圧が適切に管理されていない方、最近脳梗塞や心筋梗塞を発症した方などには使用できない場合があります。
しかし、ici療法はED治療薬で十分な効果を感じられなかった場合や、ED治療薬の併用禁忌薬を服用している場合であっても、治療の選択肢として検討されることがあります。ED診療ガイドラインでは、PDE5阻害薬で十分な効果が得られなかった患者においても、ici療法により性交に必要な勃起反応が得られたことが報告されています。
ただし、ici療法は日本国内ではED治療として未承認のため、実際に治療を始めるにあたっては事前に医師の診療を受け、自費診療として進める必要があります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「シルデナフィル錠 添付文書」
ici療法は、プロスタグランジンE1を陰茎海綿体内に局所投与するため、内服薬と比べて全身への影響は少ないとされています。そのため、注射部位の疼痛や出血など局所的な症状が主な副作用とされています。
バイアグラ錠の添付文書によると、バイアグラなどのED治療薬は、有効成分が全身の血液にいきわたり海綿体以外の血管も拡張させるため、頭痛やほてりなどの副作用が生じることがあります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
先述したとおり、ici療法の主な副作用として、局所の疼痛(痛み)や皮下出血などが挙げられます。また、頻度は高くありませんが、陰茎海綿体の線維化や持続勃起症なども報告されています。
これらの症状の現れ方には個人差がありますが、なかでも持続勃起症は海綿体組織が元に戻らない損傷を受ける可能性があるため注意が必要です。異常を感じた場合や、4時間以上勃起が治まらない場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。

射精後も4時間以上勃起が治まらない場合は放置せず、医師の診察を受けましょう。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと、陰茎組織の損傷または勃起機能を永続的に損なうことがあるためです。
ici療法に用いられる自己注射薬は、日本ではED治療目的として承認されていないため、医師の個人輸入による自由診療となります。プロスタグランジンE1自体は、血管の病気など別の医療目的で国内承認されていますが、EDの自己注射治療薬としては国内未承認の扱いです。
そのため、未承認薬や承認された用法・用量と異なる方法で使用した場合、副作用による健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性があります。制度の適用可否は個別に判断されます。
医薬品副作用被害救済制度は、医療費や年金などの給付を行う公的な制度です。これは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に適用されます。ici療法を検討する際は、医師から十分な説明を受け、同意したうえで始める必要があります。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」
| 項目 | 費用の概要 |
|---|---|
| 初診料 | 0円~5千円ほど(クリニックによって初診料は異なる) |
| 初回テスト代 | 約9千円~1万5千円ほど(医師立ち会いのもとでのテスト費用で、クリニックによって費用は異なる) |
| 薬剤費(1回あたり) | 注射1本(1回使い捨て)あたり約8千円〜1万円 |
ici療法は保険適用外の自由診療となるため、全額自己負担となります。治療を開始する際には、初診料や医師の立ち会いのもとでの初回テスト代などが掛かる場合もあります。
薬剤費の目安としては、使い捨ての注射1本(1回あたり)で約8千円〜1万円です。このほかに、針や注射器などの費用が別途掛かるクリニックもあります。
ici療法(陰茎海綿体注射)を始めるには、安全性を確保するために、事前の医師による診察や検査、および院内での実技指導を受ける必要があります。ici療法は患者が自分で陰茎に注射を行うため、正しい知識と技術の習得が不可欠であり、専門の医療機関で適切なステップを踏んでから自宅での自己注射へと移行します。
ici療法はいきなり自宅で注射を打つことはできず、必ず事前の検査と院内での指導、院内で試験投与を行い、効果や副作用を確認したうえで、適切な投与量を決定する必要があります。診察から自己注射までの主な流れは、以下のとおりです。
このように、ici療法を始めるにあたっては、事前の検査から実技指導まで、医師のサポートのもとで段階的に進められます。すべての手順をクリアし、安全に自己注射が可能だと医師が判断してから処方されます。
自己注射を行う場合は、医療機関で指導された注射部位、衛生管理、薬剤量、使用間隔を厳守してください。注射器の正しい打ち方などは病院で詳しく教えてもらえるため、必ず医師の指示に従いましょう。なお、使用後の注射器や薬品の保存容器は医療廃棄物にあたるため、一般ゴミとして捨てられません。必ず密閉できるケースなどに保管して、次回診察時に病院へ持参してください。
ici療法(陰茎海綿体注射)についてよくある質問と回答をまとめました。ici療法について気になる方は、ぜひご覧ください。
ici注射を打ち続けると陰茎が変形することはありますか?
同じ位置に注射を打ち続けると、その部分の組織が硬くなり(線維化・硬結)、勃起時に陰茎が変形(湾曲)してしまうリスクがあります。しかし、注射部位を適切に変更することで、局所の硬結や線維化のリスクを減らせる可能性があります。注射部位の変更方法は、医療機関で受けた個別指導に従ってください。
また、連日の使用は避け、医師が指定した間隔を守ることが陰茎の変形を防ぐことにつながります。
ici注射と内服のED治療薬を併用しても問題ありませんか?
ici注射と内服のED治療薬の併用は、医学的な安全性が確立されていないため、自己判断での併用は避けましょう。
シアリス錠の添付文書によると、ED治療薬シアリス錠について、PDE5阻害剤またはほかの勃起不全治療剤を投与中の患者において、併用使用の経験がないとされています。
安全に使用するためにも、自己判断での併用はせず、必ず医師の指示に従うようにしてください。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「シアリス錠 添付文書」
ici療法は、PDE5阻害薬で十分な効果が得られない場合や、内服薬を使用できない場合に検討される治療選択肢の一つです。プロスタグランジンE1という血管拡張剤を陰茎に直接注射することで、神経障害がある場合も強制的に勃起を促すことが可能です。
PDE5阻害薬を使用できない場合にも、基礎疾患、併用薬および性行為に伴う心血管リスクを評価したうえで、ici療法が検討されることがあります。
ただし、ici療法は国内未承認のため自費診療となり、1回あたり約8千円~1万円の費用が掛かります。
また、疼痛や皮下出血、稀に持続勃起症などの副作用リスクがあるため、必ず医師の診察と指導を受けてから開始しなければなりません。ED治療の選択肢としてici療法を検討する際は、必ず医師に相談しましょう。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「シルデナフィル錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シアリス錠 添付文書」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
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