更新日:2024年02月20日
EDの治療方法は?原因やED治療薬について詳しく解説
- EDには心因性・器質性・混合性・薬剤性の4つの原因がある
- EDの治療方法には薬物や心理療法、機器、注射、手術などがある
- ED治療の第一選択肢はED治療薬の服用
- 代表的なED治療薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類
EDは多くの男性が経験するとされており、決して珍しい症状ではありません。しかし、EDの症状を発症している男性の中には、どのような治療を始めれば良いかわからず、1人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
EDには、原因によっていくつかの治療方法があります。まずは自分のEDの原因を知り、適切な治療法を選ぶことが必要です。本記事では、EDの原因や治療方法、ED治療薬について詳しく解説します。EDに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
EDとは
勃起不全とも呼ばれるED(Erectile Dysfunction)は、加齢とともに発症しやすくなる疾患で、男性の性生活に大きく影響を与えるものです。
はじめに、EDの症状や原因について解説します。
EDの症状
EDとは、性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起の状態を維持できない状態を指します。
具体的には、次のような症状が挙げられます。
- 勃起できない
- たまに勃起できないことがある
- 勃起するが持続しない
- 挿入しても中折れしてしまう
勃起自体ができないだけでなく、勃起が維持できない場合や、挿入はできても満足した性行為が行えない場合も、EDに該当します。
EDの4つの原因
EDにはさまざまな原因があり、原因に応じて以下の4つのタイプに分類されます。
EDの分類 | 要因 |
---|---|
心因性ED | ストレスやトラウマなど心理的な要因で起こる |
器質性ED | 血管や神経などの器質的な障害により起こる |
混合性ED | 心因性EDと器質性EDの両方が原因で起こる |
薬剤性ED | 内服薬の副作用が原因で起こる |
心因性EDは、ストレスや性に対する不安感などの心理的な要因から、性的刺激の信号を陰茎にうまく伝達できないために起こります。
生活習慣病によって血管が硬くなったり、狭くなったりすると、陰茎に十分な血液が流れ込まなくなり、器質性EDとして、EDを引き起こす原因となります。
心因性EDと器質性EDが複合的に絡み合い、混合性EDが引き起こされることも少なくありません。
また、服用している薬が勃起に必要な神経や血管などに影響を及ぼし、薬剤性EDを引き起こす場合もあります。
EDの治療方法
EDを改善するには、いくつかの方法があります。
- 薬物療法
- 心理療法
- ED治療機器レノーヴァ(RENOVA)
- 陰茎注射(陰茎海綿体注射)
- 陰茎プロステーシス手術
ここからは、上記の5つの治療方法について解説します。
薬物療法
ED治療の中で、最も一般的な方法として薬物療法があります。PDE5阻害薬と呼ばれるED治療薬を服用して治療を行います。 PDE5とは、陰茎海綿体の血管を収縮させる酵素を指します。ED治療薬は、勃起の妨げとなるPDE5を阻害することで、陰茎海綿体に血液が流れ込みやすくして勃起を促します。
生活習慣を改善しても症状が改善しない方や、すぐに効果を実感したい方、治療費用を抑えたい方は、ED治療薬の服用がおすすめです。
ただし、ED治療薬は持病や服用中の薬によっては、服用できない場合があります。そのため、ED治療薬を服用する際には必ず医師の診察を受けて、適切な治療方針を立てることが大切です。
心理療法
EDの原因がストレスやプレッシャーなどの心理的な要因である場合、心理療法が有効です。 カウンセリングを通して性に対する不安やストレス、パートナーとのコミュニケーションの問題を解消し、自然な性的反応を取り戻すことを目指します。
また、パートナーとの話し合いも大切です。パートナーの理解と協力を得ることは、EDの改善につながります。 心理療法は他の治療法と併せて実践することで、より効果的な結果をもたらします。
その他の治療法
ED治療薬を服用しても効果が得られない方や、ED治療薬が服用できない方は、以下のED治療法の選択肢もあります。
ED治療機器レノーヴァ(RENOVA)
レノーヴァは、イスラエルのダイレックス社が開発したED治療専用機器です。陰茎に衝撃波を照射することで、陰茎海綿体の血管生成を促し、EDの改善を図ります。
レノーヴァの利用方法は、まず陰茎に専用のジェルを塗り、アプリケーターを当て衝撃波を照射します。治療は、1週間に1回の計4回を1クールとして行います。1回の治療時間は30分程度です。
レノーヴァは痛みはなく、副作用もありません。費用は1クールで30~40万程度と高額ですが、陰茎の血管が生成されることで、根本的な改善が目指すED治療法です。
陰茎注射(陰茎海綿体注射)
陰茎注射は、薬剤を直接陰茎に注入することで勃起を促す治療法です。
血管を拡張し血液流量を増加させるプロスタグランジンE1と呼ばれる薬剤を、性行為の15分前に極細の針で自己注射します。
有効性や即効性が高いという特徴がある反面、自己注射への不安や副作用のリスクも伴います。そのため、陰茎注射は医師による適切な指導のもとで、慎重に行う必要があります。
陰茎プロステーシス手術
陰茎プロステーシスは、難治性EDの最終手段として用いられる手術です。陰茎海綿体にプロステーシスと呼ばれる人工的なインプラントを挿入し、擬似的に勃起を実現させます。
手術が成功すればEDの長期改善が見込めますが、挿入後にインプラントを取り外すのは困難なため、後戻りできない治療法になります。
また、手術後の回復期間が必要であったり、感染症や機械的な故障が起こる可能性があったりするため、手術に踏み切るには慎重な判断が必要です。
ED治療薬を用いた治療のメリット・デメリット
ED治療薬の服用は、ED治療において第一選択肢となる治療法です。ED治療薬は利便性や即効性に大きなメリットがありますが、同時に副作用や服用できない人も存在します。
ここからは、ED治療薬のメリットとデメリットを解説します。
メリット
ED治療薬のメリットは、以下のとおりです。
- 服用方法が簡単で手軽に治療できる
- 服用すればすぐに効果が現れる
- 費用が抑えられる
ED治療薬の服用は、通院や手術を必要とする治療法に比べ、錠剤を服用するだけで良いため、手軽に治療が始められます。日常生活に取り入れやすい点が大きなメリットです。
また、薬剤の種類や個人差によって変化しますが、服用してから15分~1時間程度で効果が現れるため、即効性に優れています。性行為の前にタイミングを図って服用すれば、勃起機能の改善が期待できます。
費用面でも、他の治療方法より比較的安価である点もポイントです。ジェネリック医薬品も販売されているため、さらに費用を抑えられます。また、オンラインクリニックでは診察料が無料の場合もあります。
デメリット
ED治療薬のデメリットとしては、以下が挙げられます。
- 副作用がある
- 禁忌や併用禁止薬がある
- 効果が一時的である
- 食事の影響を受けやすい
ED治療薬の副作用は、頭痛やほてり、鼻詰まりなどがあります。副作用はほとんどが軽度で、数時間程度で自然に治まります。 しかし、重度の副作用が現れる可能性もゼロではないため、服用する前には医師の診察を受け、リスクについて説明を受ける必要があります。
また、前述した通り服用すればすぐに効果が現れる一方で、効果の持続時間が限られています。そのため、EDの根本的な改善には至りません。
そのほかに、ED治療薬の効果は、食事の影響を受けやすいため、食事内容や服用のタイミングに注意が必要な点もデメリットといえます。
代表的なED治療薬
ED治療薬によるED治療を始めるにあたって、ED治療薬の種類を知っておくと良いでしょう。現在国内で承認されているED治療薬は、以下の3種類です。
- バイアグラ
- レビトラ
- シアリス
ここでは、これらの3種類のED治療薬について解説します。
バイアグラ
バイアグラは世界で初めて開発されたED治療薬です。1999年の発売以来、最も有名なED治療薬として、世界で広く利用されています。 有効成分のシルデナフィルが、PDE5と呼ばれる酵素を阻害することで血管を拡張させ、勃起を促します。 バイアグラは服用後30分から1時間で効果が現れ、持続時間は約4~5時間程度です。
なお、バイアグラをはじめとするED治療薬は、持続時間中、ずっと勃起状態が続くわけではありません。性的刺激を受けることで勃起が促されます。
バイアグラについて詳しく知りたい方は、「バイアグラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」も参考にしてみてください。
レビトラ
レビトラは、バイアグラに次いで2番目に発売されたED治療薬です。有効成分はバルデナフィルで、PDE5阻害薬と呼ばれるED治療薬の一種です。
レビトラの特徴は、効果が現れるまでの即効性です。服用してから早ければ15分程度で効果が現れ、レビトラ10mgで4〜5時間、20mgで7〜8時間程度持続します。
また、勃起力は3種類のED治療薬の中で最も強いとされており、中折れや重度のEDに悩む方に適しています。
レビトラの先発品は2021年に販売中止となったため、現在は同等の効果のあるジェネリック医薬品が処方されています。
レビトラについては、「レビトラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」でも詳しく解説しています。
シアリス
シアリスは、持続時間が長いことで知られるED治療薬です。1回の服用で最大36時間と、ほかのED治療薬より長時間作用します。
ほかのED治療薬の場合は、食事の内容や量によって十分な効果が得られないケースがありますが、シアリスは食事の影響を受けにくいとされています。さらに、ほかのED治療薬とくらべて、副作用のリスクが低い点が特徴です。
勃起力はマイルドですが、持続時間が長いため、週末のデートをじっくり楽しみたい方に適したED治療薬です。
ED治療薬の購入方法
ED治療薬を安全かつ確実に購入するためには、対面診療を受診する方法と、オンラインクリニックを受診する方法があります。
対面診療とオンラインクリニックでED治療薬を購入する場合の、メリットやデメリットを含めた特徴を解説します。
対面診療を受診する
ED治療薬は、泌尿器科やED専門外来で診察と処方が受けられます。
対面診療のメリットは、医師と直接顔を合わせて対話できることです。医師は患者の体の状態や生活習慣、心理状態を把握し、適切なアドバイスや治療方針を提案してくれます。
デメリットは、通院に時間と手間がかかるため、忙しい方は通いにくい点です。
オンラインクリニックを受診する
ED治療薬の購入は、オンラインクリニックでも可能です。
オンラインクリニックは、自宅や職場など都合の良い場所から、スマートフォンやPCを介して診察が受けられます。来院の必要がなく、通院の手間が省けるため、忙しい方にとって大きな利点です。
また、一部のオンラインクリニックでは、初診料や診察料が無料のため、対面診療より費用を抑えてED治療がはじめられる点も魅力です。
ED治療薬は配送での受け取りとなるため、診察後すぐに服用できない点がデメリットといえるでしょう。
対面診療の治療方法
ここからは、対面診療でED治療薬の処方を受けるまでの流れを説明します。具体的な流れを把握しておくことで、不安を軽減させ、よりスムーズに診察に臨めるようになれます。
1.受付し問診票を記入する
多くのクリニックは予約不要で診察が受けられます。診療時間を確認したうえで来院し、受付を済ませます。不妊治療以外でのED治療は保険適用外のため、保険証の提示は必要ありません。不妊治療が目的の場合は、保険証を提示する必要があります。
次に、問診票に必要事項を正確に記入します。問診票は症状の詳細や既往症、服用中の薬など、診断に必要な情報を収集するための大切な要素となります。
2.医師による診察を受ける
問診票の記入後、医師による診察を受けます。EDの症状を詳しく説明し、疑問点や不安に思うことがあれば、医師に質問を行います。
3.必要に応じて検査を行う
基本的に検査は必要ありませんが、ED治療薬を服用するうえでの安全性を確認するために、以下の検査を実施する場合があります。
- 血圧測定
- 血液検査
- 心電図検査
なお、陰茎の触診は行われないので安心してください。
4.ED治療薬を処方され受け取る
EDと診断されたら、医師から適切なED治療薬が処方されます。そして、医師から副作用や服用方法についての説明を受けます。ED治療薬は院内処方か指定の調剤薬局にて、すぐに受け取れることが可能です。
オンラインクリニックの治療方法
ここからは、オンラインクリニックで診察を受ける際の、ED治療薬の受け取りまでの流れを説明します。
1.公式サイトから診察の予約をする
オンラインクリニックの公式サイトから、診察の予約をします。
多くのオンラインクリニックでは、夜間や土日でも診察が受けられるため、都合の良い時間を選択できます。空きがあれば当日の診察も可能です。
2.事前に問診票を回答する
予約が完了したら事前に問診票に回答します。問診票では、基本情報にくわえ、EDの症状や既往歴、服用中の薬などの情報を記載します。
問診票の情報をもとに医師が診察するため、できるだけ詳しく正確な情報を記載しましょう。
3.医師によるオンライン診療を受ける
予約日時に、ビデオ通話や音声電話を利用して医師によるオンライン診療を受けます。
医師は、問診票の内容や症状などを確認しながら、EDの原因や症状について質問します。正しい診断のために質問には正直に回答し、疑問点があれば必ず質問しましょう。
4.配送でED治療薬を受け取る
診察の結果、EDと診断された場合は、医師からED治療薬の処方箋が発行されます。
即日配送対応しているオンラインクリニックでは、規定の時間までに決済が完了すれば、当日中にED治療薬が発送されます。
自宅への配送のほか、コンビニなど指定の住所で受け取れる場合もあります。ポスト投函される配達方法の場合、対面での受け取りは必要ありません。
まとめ
本記事では、EDの原因や治療方法について詳しく解説しました。EDは多くの男性が経験する症状です。しかし、気恥ずかしさや不安から、治療を躊躇している方も多いでしょう。
ED治療の第一選択肢はED治療薬の服用です。オンラインクリニックでは、自宅にいながら、ED治療薬の処方が受けられます。また、診察料が安価な場合や無料の場合もあり、費用を抑えた治療が可能です。
EDの症状に悩んでいる方は、まずはオンラインクリニックを受診してみてはいかがでしょうか。
レバクリでは、ED治療薬のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。
診察は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会