更新日:2026年08月21日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
精力や勃起の衰えが気になり「アルギニンは男性に効果がある?」と調べている方もいるかもしれません。アルギニンは体内で一酸化窒素に変わり血流を助け、ED改善の助けになることが期待できる一方、テストステロンを直接増やす根拠はないとされています。本記事ではアルギニンがEDへ影響をおよぼす仕組みやテストステロンとの関係、摂取量の目安などを解説します。EDが気になる方は医師への相談も検討すると良いでしょう。
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アルギニンが男性に注目されるのは、体内で血管を広げる物質に変わり、血流を介して勃起や活力をサポートする働きが期待できるからです。アルギニンはたんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、食事やサプリメントから補うことができます。まずは、その働きの仕組みを見ていきましょう。
アルギニンは、体内で一酸化窒素(NO)に変わり、血管を広げ、血流を促すアミノ酸の一種です。一酸化窒素には血管の内側にはたらいて血管をゆるめる作用があり、全身の血流をスムーズにすると考えられています。アルギニンは体内でつくられる量に限りがある準必須アミノ酸のため、不足しやすいときは食事やサプリメントで補うことが推奨されます。
血流を促す働きが期待できることから、アルギニンは男性の勃起や活力をサポートする成分として注目されています。勃起は、性的刺激を受けたときに脳からの指令でペニスの血管を拡張させる物質cGMP(環状グアノシン一リン酸)が増え、血管が広がることにより海綿体へ血液が流れ込むことで起こる現象です。アルギニンから作られる一酸化窒素が血管を広げると、陰茎への血流が増え、ED(勃起不全)改善のサポートにつながると考えられています。 ただし、精力や活力の感じ方には個人差があり、サプリメントなどによるアルギニンの摂取だけで確実な変化を約束できるものではない点は理解しておきましょう。
参考:National Library of Medicine「The Potential Role of Arginine Supplements on Erectile Dysfunction: A Systemic Review and Meta-Analysis」
National Library of Medicine「Efficacy of L-arginine and Pycnogenol in the treatment of male erectile dysfunction: a systematic review and meta-analysis」
アルギニンには、テストステロンを直接増やす科学的根拠は確認されていません。「男性らしさ=テストステロン」というイメージからアルギニンに期待する方もいるかもしれませんが、アルギニンがアプローチするのは主に血流であり、男性ホルモンそのものに直接働きかける成分ではないとされている点に注意が必要です。ここを正しく理解しておくことが、過度な期待や飲み過ぎを防ぐことにつながるでしょう。
アルギニンがテストステロンを直接増加させるという明確な報告は、2026年7月時点では確認されていません。精力や男性機能に関わる悩みの一部はテストステロンの低下が関係しますが、その対策とアルギニンの働きは分けて考える必要があります。 テストステロンそのものへのアプローチを希望する場合は、医療機関で相談することを検討してみると良いでしょう。
アルギニンは、成長ホルモンの分泌に関わる成分として知られています。この働きが体調やコンディションの維持に関係するといわれることはありますが、テストステロンを増やす根拠とは区別して理解しておきましょう。アルギニンに期待できるのは、あくまで血流を介したサポートが中心だと考えるのが妥当です。
アルギニンは、肉・魚・大豆製品などの高たんぱくな食品に多く含まれています。体内でつくられる量に限りがあるため、日々の食事から摂ることも大切です。サプリメントに頼る前に、まずは食事のバランスを見直すことから始められます。
アルギニンは、たんぱく質が豊富な食品から効率よく摂取できます。日常の食事で取り入れやすい主な食品は以下のとおりです。
これらの食品をバランスよく組み合わせることで、アルギニンを補いやすくなります。特定の食品にかたよらず、全体の栄養バランスを意識することが大切です。
シトルリンを含む食品をあわせて摂ることも、アルギニンを補う一つの方法です。シトルリンは体内でアルギニンに変換されるアミノ酸で、すいかやきゅうりなどのウリ科の食品に多く含まれています。サプリメントでもアルギニンとシトルリンを組み合わせた製品があり、目的や体質に合わせて選べます。
アルギニンは、目的や製品によって適した量が異なるため、目安を知ったうえで無理のない範囲で取り入れることが大切です。摂取量とタイミング、続け方の3点を押さえておきましょう。
サプリメントでのアルギニン摂取量は、1日2,000〜4,000mg(2〜4g)程度を目安とする製品が多くみられます。前述の資料では、勃起不全に対して1日1,500〜5,000mgの範囲でポジティブな変化が報告されていました。 ただし摂取量が多いほど良いわけではなく、体調などに合わせて調整する必要があります。持病がある方や薬を服用中の方は、摂取前に医師へご相談ください。
アルギニンは、目的に合わせてタイミングを選ぶと取り入れやすくなります。血流のサポートを意識する場合は運動前、コンディションの維持を意識する場合は就寝前など、生活リズムに合わせて続けやすい時間を選ぶとよいでしょう。空腹時のほうが吸収されやすいとされますが、胃腸への負担が気になるときは食後に摂る方法もあります。
アルギニンは医薬品ではないため、日々のコンディション維持の補助として取り入れましょう。即効性を目的とするものではなく、日々の食事やサプリメントで無理なく継続することがポイントになります。体調に合わないと感じたときは量を見直し、気になる症状があれば使用を中止して医師にご相談ください。
アルギニンは食品にも含まれる成分ですが、サプリメントで大量に摂ると副作用が起こることがあります。安全に取り入れるために、起こりうる副作用と、併用に注意したいケースを確認しておきましょう。
アルギニンを過剰に摂取すると、下痢や腹痛、胃の不快感といった消化器症状が起こることがあります。アルギニンはアルカリ性のため、一度に多く摂ると胃腸に負担がかかる場合があるためです。食品から摂る通常の量であれば体に大きな影響を及ぼすリスクは低いとされていますが、サプリメントや栄養ドリンクで補う際は表示された目安量を守りましょう。 参考:厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
アルギニンは血管を広げる働きがあるため、降圧薬やED治療薬との併用には注意が必要です。血圧を下げる薬やED治療薬(PDE5阻害薬)と一緒に使うと、血管が広がり、血圧が下がり過ぎるおそれがあります。 高血圧や低血圧で治療を受けている方、ED治療薬を使っている方は、自己判断で併用せず、事前に医師へ相談してください。持病がある方や日常的に薬を飲んでいる方も同様です。
EDが気になる場合は、アルギニンのサプリだけに頼らず医師へ相談することが大切です。アルギニンは血流をサポートする成分ですが、EDの原因はさまざまで、背景に治療が必要な病気が隠れていることもあります。原因に合った対処法を知るためにも、まずは医師への相談を検討しましょう。
アルギニンは、EDに対して補助的な位置づけにとどまる成分です。サプリメントは医薬品ではなく、EDそのものを治療するものではありません。EDの背景には、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、ストレスや疲労などが関係している場合があります。サプリだけで様子を見続けてしまうと、根本的な原因への対処が遅れるおそれがあるため注意が必要です。
国内で承認されているEDの標準的な治療は、ED治療薬による治療です。通常、性的興奮がおさまるとcGMPを壊すPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素が出て、cGMPによって広がっていた海綿体の血管が縮小し勃起が収まります。ED治療薬はPDE5の働きを抑え、陰茎への血流をスムーズにして勃起をサポートする効果が期待できる医薬品です。代表的な成分として、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)などがあります。

ED治療薬は薬を飲めば自動的に勃起するわけではなく、性的刺激を受けたときの勃起する力を補う役割です。医師の診察を受けたうえで、原因や体質に合った薬が処方されます。近年はスマホなどのビデオ通話によるオンライン診療でも相談でき、通院の負担を抑えながら受診する方法があります。

アルギニンのサプリを試しても変化を感じにくい場合、EDの背景に糖尿病や高血圧などの生活習慣病が隠れていることがあります。自己判断でサプリだけを続けるのではなく、一度医師に相談し、原因に合った対処を検討してみてください。
ここでは、アルギニンの効果が気になる男性に向けて、疑問や悩みをQ&A形式で解説します。
アルギニンとシトルリンはどちらが男性機能に良いですか?
どちらも体内で一酸化窒素の産生に関わる成分です。シトルリンは体内でアルギニンに変換されるため、両方を組み合わせた製品もあります。目的や体質に合わせて選ぶと良いでしょう。
アルギニンのサプリは飲んですぐ効果が出ますか?
アルギニンは医薬品ではないため、飲んですぐに効果が現れるものではありません。一定期間続けて様子を見ることが前提です。
アルギニンのサプリとED治療薬はどう違いますか?
アルギニンは栄養補助を目的としたアミノ酸で、ED治療薬は医師の処方が必要な医薬品です。EDの症状が気になる場合は、医師に相談してください。
アルギニンは、体内で一酸化窒素に変わって血流に好影響を与えることが示唆されており、勃起のサポートが期待できる成分です。一方で、テストステロンを直接増やす根拠はなく、サプリメントだけでEDが必ず改善するわけではありません。まずは食事のバランスを整えながら、摂取量や続け方に無理のない範囲で取り入れることが、アルギニンとの上手なつきあい方につながります。 精力や勃起の悩みが続くときは、その背景に体の変化が隠れていることもあります。アルギニンだけに頼って一人で抱え込まず、気になるときは医師に相談し、自分に合った対処法を見つけることから始めてみてください。
National Library of Medicine「The Potential Role of Arginine Supplements on Erectile Dysfunction: A Systemic Review and Meta-Analysis」
National Library of Medicine「Efficacy of L-arginine and Pycnogenol in the treatment of male erectile dysfunction: a systematic review and meta-analysis」
厚生労働省「健康食品の正しい利用法」
記事を読んでEDの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のED治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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