更新日:2026年08月24日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
お酒を飲んだ後に勃起しない、中折れするといった経験から、アルコールとED(勃起不全)の関係が気になる方もいるかもしれません。適量の飲酒は問題になりにくい一方、過度な飲酒は勃起を妨げることがあり、EDの原因になり得るでしょう。この記事では、お酒がEDを招く仕組みや飲酒量の見直しによる対策、ED治療薬との飲み合わせまで紹介します。不安がある方は本記事を参考に、医師への相談も検討してみてください。
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アルコールの過剰摂取は、EDの原因になる場合があります。適量の飲酒であればEDの問題になりにくい一方で、飲み過ぎると勃起を妨げ、EDの発症リスクを高めかねません。お酒とEDの関係は飲む量によって変わるため、まずは適量と過度な飲酒それぞれの影響を理解しておくことが大切です。
適量の飲酒には、緊張を和らげ勃起をサポートする側面があります。アルコールにはリラックス作用があり、不安や緊張が原因の心因性EDに対しては、適量であれば勃起の助けとなる場合があるためです。 厚生労働省は、節度ある飲酒の目安を1日平均純アルコール約20gとしています。純アルコール20gは、ビール中瓶1本(500mL)や日本酒1合が目安です。ただし、少量の飲酒であってもEDへの影響には個人差があり、影響がないとは言い切れません。
参考:厚生労働省「アルコール」
過度な飲酒は、勃起を妨げEDを招く原因になることがあります。アルコールには中枢神経を抑制する作用があり、飲み過ぎると脳が受けた性的な刺激が陰茎までうまく伝わらなくなるためです。その結果、性的な興奮があっても勃起が起こりにくくなったり、勃起を維持できなくなったりします。特に性行為の直前に大量のお酒を飲むと、一時的に勃起しにくくなることがあるため注意しましょう。
アルコールが関係するEDは、飲酒による中枢神経や血管への影響によるものと考えられています。お酒によるEDは一時的なものが多いとされますが、長期的な過剰飲酒では回復しにくいEDにつながることもあるでしょう。ここでは、勃たなくなる仕組みと、一時的・慢性的なEDの違い、長期的な飲酒がEDにつながる要因を見ていきます。
お酒を飲み過ぎると勃たなくなるのは、アルコールが中枢神経の働きを抑えることが主な原因です。脳が受け取った性的な刺激は神経を通じて陰茎に伝わり勃起が起こります。しかし、アルコールを過剰に摂取するとこの神経伝達が鈍くなってしまいます。あわせて、飲酒により血管が拡張して血圧が下がると、陰茎に十分な血液が流れ込みにくくなることも一因です。
アルコールによるEDには、一時的なものと慢性的なものに分類される場合があると理解しておきましょう。飲み過ぎたときだけ勃起しにくくなる一時的なEDは、アルコールが体から抜ければ自然と元に戻ることが多いと考えられています。 一方、長期間にわたって過剰な飲酒を続けている場合は、アルコールを飲んでいないときも勃起しにくい慢性的なEDにつながることがあります。飲酒後だけでなく普段から勃起しにくいと感じる場合は、医師への相談を検討しましょう。
長期的な過剰飲酒は複数の要因によって、EDを引き起こすことがあります。主な要因は次のとおりです。
これらは、性欲や勃起に必要な血流・神経の働きに影響します。過剰な飲酒が続くとこうした要因が重なり、EDのリスクが高まると考えられています。
アルコールが原因のEDは、飲酒の見直しによって改善が期待できます。飲み過ぎによるEDの多くは、適量を守ったり減酒・禁酒に取り組んだりすることで回復が見込めるでしょう。ここでは、具体的な取り組み方を紹介します。
まずは適正な飲酒量を守ることが基本です。厚生労働省が示す、純アルコール量の目安を以下にまとめました。
| お酒の種類 | ビール | 清酒 | ウイスキー・ブランデー | 焼酎(35度) | ワイン |
|---|---|---|---|---|---|
| アルコール度数 | 5% | 15% | 43% | 35% | 12% |
| 純アルコール量 | 20g | 22g | 20g | 50g | 12g |
参考:厚生労働省「アルコール」
前述のとおり、節度ある飲酒の目安は1日平均純アルコール約20gです。この範囲を意識して、飲み過ぎによるEDのリスクを抑えるために飲酒量を調整しましょう。
参考:厚生労働省「アルコール」
飲み過ぎの自覚がある場合は、減酒や禁酒に取り組むことで勃起機能の回復が期待できます。取り組みやすい方法として、次のようなものがあります。
最初から完全にやめるのが難しい場合は、量を減らすことから始めてみましょう。 参考:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
飲酒の見直しとあわせて、運動・食事・睡眠などの生活習慣を整えることも大切です。EDの原因の多くは血管の健康状態と関わっており、適度な運動や栄養バランスの良い食事、十分な睡眠は血流の改善につながります。 血管の健康維持という点では禁煙も推奨されるため、喫煙習慣がある方は検討してみてください。飲酒だけでなく生活習慣全体を見直すことで、EDの改善が期待できます。
飲酒の見直しでEDが改善しない場合は、ED治療薬による治療も選択肢になります。ED治療薬はPDE5(ホスホジエステラーゼ5)の働きを抑え、陰茎への血流をスムーズにして勃起をサポートする薬です。ここでは、アルコールとの飲み合わせや、飲酒の影響を受けにくい薬の選び方を紹介します。
ED治療薬とアルコールは、適量であれば併用できるとされていますが、過度な飲酒には注意が必要です。アルコールとED治療薬の両方に血圧を下げる作用があるため、飲酒量が多過ぎると立ちくらみや転倒などにつながるおそれがあります。また、薬の影響で酔いが回りやすくなる点にも気をつけましょう。 なお、硝酸剤(ニトログリセリンなど)を使用している方はED治療薬を併用できません。急激な血圧低下を招くおそれがあるため、狭心症などで治療中の方は必ず医師に伝えてください。
ED治療薬には、飲酒や食事の影響の受けやすさに違いがあります。国内で承認されている主なED治療薬は、シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3種類です。それぞれの持続時間・食事の影響・費用の目安は次のとおりです。

お酒を飲む場面では食事をとることも多いため、食事の影響を受けにくいタダラフィルが選択肢になります。バルテナフィルは、食事の影響をあまり受けないとされていますが、高脂肪食の場合は受けることがあるため、注意が必要です。どの薬が合うかは体質や持病によって異なるため、医師の診察を受けて決めることが大切です。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィル錠 添付文書」
アルコールとEDについて、読者から寄せられやすい疑問や悩みをまとめました。
二日酔いのときに勃起しにくくなるのはなぜですか?
二日酔いのときは体内にアルコールやその分解物が残り、中枢神経の抑制や脱水による血流の低下が続いているためと考えられます。一時的なものと考えられ、体調が回復すれば自然に治まることが多いとされていますが、頻繁に続く場合は飲酒量の見直しを検討しましょう。
ビールやワインなどお酒の種類によってEDへの影響は変わりますか?
EDへの影響は、お酒の種類よりも摂取する純アルコール量が関係すると考えられます。種類にかかわらず飲み過ぎれば勃起を妨げる方向に働くため、純アルコール量を意識して適量を守ることが大切です。
若くてもお酒を飲むと勃たなくなることはありますか?
若い方でも、飲み過ぎれば一時的に勃起しにくくなることがあります。加えて、寝不足や仕事の疲れ、緊張などが重なると勃起不全の発症リスクを高めてしまうでしょう。飲酒の影響で勃起しにくくなるのは一時的である場合が多いものの、続くときは医師への相談を検討してください。
お酒とEDは飲む量によって関係が変わり、適量の飲酒であればEDに直接的な影響をおよぼしにくい一方、飲み過ぎは勃起を妨げる原因になります。飲み過ぎによるEDは一時的な場合が多く、飲酒量の見直しや生活習慣の改善によって回復が期待できるとされています。ただし、見直しても改善しない場合や、普段から勃起しにくいと感じる場合は、EDの背景に別の原因が隠れている可能性も否定できません。一人で抱え込まず、気になる症状が続くときは医師に相談し、ED治療薬などの選択肢も含めて検討してみてください。 EDについて相談する際は、対面診療だけでなくオンライン診療という方法もあります。オンライン診療は自宅などからスマホのビデオ通話で相談できるため、「通院時間が取れない」「対面で相談しにくい」という方にとって、一つの選択肢となるでしょう。
厚生労働省「アルコール」
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィル錠 添付文書」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のED治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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EDは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や心血管疾患と関連することがあります。お酒を見直しても改善しない場合は、飲酒以外の原因が隠れていることも考えられるでしょう。血圧や血糖、体重など全身の健康状態を確認する機会と捉え、気になる症状が続くときは医師にご相談ください。