更新日:2026年08月26日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
性行為の途中で勃起が維持できず、中折れに悩んでいる方もいるかもしれません。中折れは年齢のせいとは言い切れず、生活習慣や心理的要因、EDの初期症状として現れることもあります。自分でできる中折れ対策は、生活習慣の改善、ケーゲル体操などです。 セルフケアで改善しない場合は、ED治療薬を検討するのも一つの方法です。ただし、ED治療薬には服用禁忌があります。必ず医師に相談したうえで、処方を受けましょう。
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中折れに有効な対策を取るには、まず何が原因で起きているかを知ることが大切です。原因を正確に把握しないまま対処しても、根本的な改善につながりにくいためです。ここでは、中折れの定義と主な原因について解説します。
中折れとは、性行為の途中で勃起が弱まったり、陰茎が柔らかくなって性行為を続けられなくなったりする状態のことです。「性交中の勃起維持困難」とも呼ばれ、ED(勃起障害)の症状の一つとして位置づけられています。 一度起きただけでは、疲労や飲酒などの一時的な原因によることも多く、必ずしも治療が必要とは限りません。ただし、満足できる性行為が長期にわたり行えない状態が続く場合は、EDとして診療の対象となります。
中折れする状態を放置し続けると、次の性行為への不安が積み重なり、再度中折れを引き起こす悪循環に陥りやすくなります。
中折れの原因は以下4つに分類されます。
それぞれの特徴は以下の表のとおりです。
| 分類 | 状態 | 主な要因例 |
|---|---|---|
| 器質性ED | 血管や神経のダメージで勃起に必要な物質が産生されにくい状態 | 加齢や生活習慣病、神経疾患、手術など |
| 心因性ED | 心理的プレッシャーで脳の興奮が伝わりにくい状態 | 不安やストレス、うつ状態、失敗体験など |
| 混合性ED | 器質性と心因性が重なった状態 | 加齢やストレス・不安 |
| 薬剤性ED | 薬が血管収縮や神経伝達を阻害する状態 | 降圧剤や抗うつ薬、睡眠薬、胃薬など |
何が主な原因かによって、対策のアプローチが変わります。40代以降に多いとされる混合性EDには、要因が複数存在するため、原因の見極めには注意が必要です。
また、服用中の薬によるEDが疑われる場合は、自己判断で服薬を中止せず、必ず医師に相談してください。
中折れ対策として、まず取り組みやすいのが生活習慣の見直しです。日本泌尿器科学会によるED診療ガイドラインでも、ED改善のための肥満への食事療法や有酸素運動、禁煙などが推奨されています。
有酸素運動は、全身の血行促進や肥満予防に役立ちます。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動には、血管の柔軟性を維持し、血流をスムーズにする効果が期待できます。厚生労働省は、成人に対して毎日60分以上の歩行や同程度の身体活動を推奨しています。 週3回以上、1回20〜30分程度を目安に継続して取り組みましょう。激しい運動である必要はなく、通勤や移動を徒歩に替えるだけでも生活全体の活動量が増えることがあります。
参考:厚生労働省「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-成人版」
栄養バランスのとれた食事や節酒、禁煙も中折れ対策の選択肢になります。野菜や魚、ナッツ、豆類を中心としたバランスのとれた食事は、血管の健康維持に役立つとされています。亜鉛は男性ホルモンの生成に関わる栄養素であり、極度に不足すると分泌が低下することが報告されています。健常者が追加摂取することで得られる効果はわかっていませんが、取り入れて損はないでしょう。 また、喫煙は血管を収縮させ、EDを悪化させる要因の一つです。ED診療ガイドラインでも、喫煙者への禁煙指導が推奨されています。 アルコールは、適度であれば性行為への緊張を和らげる側面もありますが、過度な飲酒は中枢神経に作用して勃起反応を鈍らせる場合があります。厚生労働省による節度ある飲酒の目安は、1日平均純アルコール約20g程度です。具体的には、ビールであれば500ml、ウイスキーやブランデーであれば60mlです。飲み過ぎが続いている場合は、量を見直してみましょう。
参考:厚生労働省「アルコール」
睡眠不足はテストステロンの分泌を低下させ、中折れを引き起こす要因の一つです。睡眠中に分泌される成長ホルモンやテストステロンは、男性の性機能の維持に関わっています。厚生労働省によると、成人に必要な睡眠時間はおおよそ6〜8時間とされています。 睡眠の質を高めるには、以下の工夫を行いましょう。
日中に適度な運動を取り入れることも、夜の深い睡眠につながります。慢性的な睡眠不足が続いている場合、まずは就寝時間を30分早めるなど、小さなことから始めてみましょう。
参考:厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
ストレスは心因性EDの主な原因であり、中折れ対策として心理的な負担を減らすことも大切です。仕事や家庭のストレスが慢性化すると、脳から性的興奮の指令がうまく伝わりにくくなり、勃起に影響する場合があります。 ストレスへの対処法として、以下の方法が考えられます。
「中折れしてしまうかもしれない」という不安がストレスにつながることもあるため、性行為の結果に過度にとらわれないようにしましょう。パートナーとの関係を大切にすることも心理的な余裕につながります。ストレスが強い場合や、心理的な原因が強いと感じる場合は、医師やカウンセラーへの相談も選択肢の一つです。
中折れ対策には、生活習慣の改善に加え、ケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)というトレーニング方法があります。
ケーゲル体操は、骨盤底筋を鍛えることで勃起維持のサポートが期待できるトレーニングです。骨盤底筋は膀胱や直腸、性器を支える筋肉群で、この筋肉の収縮が陰茎への血流の保持にも関わっています。 ケーゲル体操の基本的な方法は、以下のとおりです。
これを1セット10〜15回、1日3セット程度を目安に行います。座っていても寝転んでいても行える手軽さがメリットで、通勤時間や休憩中にも取り入れやすいトレーニングです。なお、座位の状態でケーゲル体操をする場合、椅子に浅めに腰かけ、足を肩幅に開いて足裏を床につけ、背筋を伸ばした状態で行いましょう。
ケーゲル体操は継続的に取り組むことが大切ですが、痛みや違和感がある場合は無理に続けず、医師に相談してください。

トレーニングや生活習慣の改善は、中折れ対策として意義のあるアプローチです。ただし、これらはあくまで補助的な役割です。血管や神経の器質的な問題が絡んでいる場合、生活習慣の見直しだけでは限界があります。中折れが繰り返されるようであれば、自己判断で様子を見続けるよりも、早めに医師に相談することをおすすめします。原因を正確に把握し、適切な治療につなげましょう。
生活習慣の改善やトレーニングを続けても中折れが改善しない場合は、ED治療薬の使用を検討しましょう。
国内で承認されているED治療薬は、cGMP(環状グアノシン一リン酸)を分解するPDE5(ホスホジエステラーゼ5)の働きを抑制することで、性的刺激があった際の勃起をサポートします。ED治療薬は、飲めば勝手に勃起する薬ではなく、性的刺激を受けた際に勃起を助けるものです。 代表的なED治療薬の成分は、シルデナフィルやバルデナフィル、タダラフィルの3種類で、持続時間や食事の影響に違いがあります。
どの薬を選ぶべきかは、薬の特性や体質によって異なるため、医師へ相談することが大切です。 なお、いずれのED治療薬も持病や服用中の薬、既往歴などによって、服用できない人がいます。そのため、ED治療薬を服用する際は、必ず医療機関で処方を受けてください。
中折れを繰り返すと、「また失敗するかもしれない」という不安が蓄積し、心因性EDへと発展する可能性があります。最初は一時的な要因が重なっただけであっても、繰り返しの経験が心理的なプレッシャーを生み、次第に身体と心の両方から勃起を妨げる状態になる場合があります。
日本泌尿器科学会のED診療ガイドラインによると、EDの診療対象となるのは、満足のいく性行為が3ヶ月以上できない状態が続いている場合です。ただし、3ヶ月はあくまで目安であり、それ以前でも中折れが複数回続いて不安を感じるようであれば、早めに医師へ相談してください。 ED治療の受診には、対面のクリニックだけでなく、スマートフォンやパソコンのビデオ通話を使ったオンライン診療という選択肢もあります。自宅から診察を受けられるため、通院は気が引けるという方でも相談しやすいのが特徴です。
なお、処方は医師の判断によるものであり、既往歴や服用中の薬などによっては処方できないケースもあります。
最後に、中折れ対策に関するよくある質問と回答をまとめました。さらに詳しく知りたい方は、参考にしてください。
中折れは何歳から増えますか?
明確な年齢の区切りはありませんが、40歳以上からEDの有病率が上がるとされており、40代以降は特に中折れが生じやすい時期といえます。40代以降であれば、加齢による動脈硬化の進行やテストステロンの低下が影響します。ただし、20〜30代の若い世代でも睡眠不足やストレスなどの要因が重なれば、中折れが起こることがあります。
中折れとEDは違うのですか?
中折れはEDの症状の一つです。EDは勃起しない、勃起しても十分な硬さが保てないなど、幅広い勃起の問題を指します。性交中に勃起が維持できなくなる中折れも、それに含まれます。繰り返さない中折れは、必ずしもEDとは言い切れませんが、繰り返す場合は診療の対象です。
ED治療薬を使うと、依存しますか?
ED治療薬の身体的な依存性は、報告されていません。ただし、薬がないと不安という心理的な依存感が生じることはあります。薬を使いながら生活習慣を改善し、原因への対処が進むことで、使用をやめられる場合もあります。薬の使用方法については、医師に相談してください。
中折れ対策として考えられるのは、有酸素運動や食事改善、禁煙、節酒などの生活習慣の見直しです。これらは血管機能の改善を通じて、勃起力の維持を助ける土台となります。
骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操(骨盤底筋トレーニング)は、中折れ対策として取り入れられる方法の一つです。
ただし、生活習慣の改善やトレーニングはあくまで補助的なアプローチであり、中折れが繰り返される場合は医師への相談が必要です。中折れを放置すると、不安の積み重ねから慢性化しやすい点にも注意しましょう。
生活習慣の改善でEDが解消されない場合は、ED治療薬の使用も選択肢に入ります。オンライン診療でも受診できるため、気になる方は医師への相談を検討してください。
厚生労働省「アクティブガイド-健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023-成人版」
厚生労働省「アルコール」
厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
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