更新日:2026年08月31日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
健康診断で腎機能の数値を指摘され、勃起の悩みも重なって不安を感じている方もいるかもしれません。腎臓病とEDには深い関係があり、併存する生活習慣病、血管内皮機能障害や動脈硬化、神経障害、ホルモンの変化、貧血など、複数の要因が重なってEDを発症しやすくなります。この記事では、腎臓病でEDが起こる原因やメカニズム、慢性腎臓病(CKD)のステージや数値、ED治療薬を使う際の注意点を解説します。自己判断で対処せず、医師への相談を検討してみてください。
【無料】1分で予約完了!
腎臓病とEDは深く関係しています。腎臓の機能が低下すると、血流や神経障害、ホルモンの乱れを通じて勃起が起こりにくくなるためです。
腎臓は血液をろ過して老廃物を排出するだけでなく、血圧の調整や造血に関わるホルモンの分泌など、全身の状態を保つ役割を担っています。この働きが低下すると、血管や神経、ホルモンのバランスに影響がおよび、EDの一因になります。
慢性腎臓病(CKD)の人は、EDを合併しやすいとされています。腎機能の低下にともなって動脈硬化や神経障害、ホルモンの乱れ、貧血などが重なり、勃起に必要な血流や神経の働きが妨げられるためです。
こうしたEDは、基本的には身体的な要因で起こる「器質性ED」に分類されますが、病気への不安やストレスといった心理的要因が重なる「混合性ED」となるケースも少なくありません。腎臓病そのものだけでなく、その背景にある生活習慣病がEDにつながる点もおさえておきたいところです。
糖尿病を合併している場合、EDのリスクはさらに高まります。糖尿病は血管障害と神経障害の両方が起こりやすく、器質性EDの主な原因のひとつとされているからです。
また、腎機能が大きく低下して透析を受けている人は、動脈硬化や貧血が進みやすく、勃起に必要な血流を保ちにくくなります。腎臓病と糖尿病、透析はそれぞれがEDの要因となり、重なることで影響が強まると考えられます。
腎臓病でEDが起こる背景には、複数の要因が重なっています。主な要因は次のとおりです。
ここからは、それぞれのメカニズムを解説します。
腎臓病でEDが起こる主な原因は、動脈硬化による陰茎の血流障害です。勃起は陰茎の海綿体に血液が流れ込むことで起こるため、血流が低下すると勃起が起こりにくくなります。
腎臓病では高血圧や糖尿病などを背景に動脈硬化が進みやすく、陰茎の動脈は細いため影響を受けやすいとされています。血管の状態が勃起機能に直結する点が、腎臓病とEDをつなぐ大きな要因です。
末梢神経の障害も、腎臓病にともなうEDの一因です。勃起は脳からの刺激が神経を通じて陰茎に伝わることで起こるため、神経が傷つくと指令が伝わりにくくなります。
特に糖尿病を合併している場合は末梢神経が傷つきやすく、血流の問題と神経の問題が重なってEDが起こりやすくなります。
腎臓病ではホルモンバランスが乱れ、EDにつながることがあります。腎機能が低下すると男性ホルモンであるテストステロンが低下しやすく、性欲や勃起機能に影響するためです。
あわせて、EDに関わるとされるプロラクチンというホルモンが増える傾向もみられます。ホルモンの変化は自覚しにくいものの、勃起機能に影響する要因のひとつです。
腎臓の機能が低下すると、赤血球をつくるエリスロポエチンの分泌が減って貧血(腎性貧血)が起こりやすくなり、海綿体の血液(酸素)不足がEDの一因となります。さらに、腎臓病では血管内皮機能が低下し、一酸化窒素(NO)による血管拡張反応が十分に働かなくなるため、勃起が起こりにくくなると考えられています。
腎臓病の治療で使う薬が、薬剤性EDの原因になることがあります。血圧を下げる降圧薬などには、勃起機能に影響するものがあるためです。
さらに、腎機能が低下していると薬の代謝や排泄が遅れ、影響が強く出る場合もあります。服用中の薬とEDの関係が疑われるときは、自己判断で中止せず医師に相談することが大切です。
腎臓病の人がED治療薬を使う際は、医師への相談が必要です。腎機能の状態によって、効果や副作用の出方、使える薬や適切な用量が変わるためです。ここからは、具体的な注意点を解説します。
腎機能が低下していると、ED治療薬の成分が体内に留まりやすく、効果や副作用が強く出やすい傾向があります。腎臓は薬の排泄に関わるため、機能が低下すると血中濃度が上がりやすくなるからです。
シルデナフィル錠の添付文書によると、重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある方では血漿中濃度の上昇が認められ、開始用量を25mgとしています。タダラフィルも、中等度または重度の腎障害のある方は5mgから開始し、重度では5mgを超えないよう定められています。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィル錠 添付文書」
血液透析が必要な腎障害のある方は、バルデナフィル(レビトラ)が禁忌です。バルデナフィル錠の添付文書で、血液透析が必要な腎障害のある患者への投与は安全性が確認されていないため行わないよう定められています。
シルデナフィルやタダラフィルについても、腎機能に応じた用量調整や慎重な判断が必要です。透析を受けている場合は、透析を担当する医師にも必ず状況を伝えたうえで検討してください。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」

腎機能の状態によって、使えるED治療薬や適切な用量は変わります。インターネット通販や個人輸入などで自己判断で入手・服用すると、成分が体内に留まって効果や副作用が強く出るおそれがあります。かかりつけの医師と、ED治療を行う医師の双方に、現在の腎機能や服用中の薬を伝えたうえで相談してください。
腎臓病とは、腎臓の働きが低下したり、腎臓に障害が続いたりする病気の総称です。ここでは、腎臓の位置や働き、症状、原因といった基礎を整理します。
腎臓は、腰よりやや上の背中側に、左右一つずつある臓器です。そら豆のような形をしており、握りこぶし程度の大きさとされています。
主な働きは次のとおりです。
腎臓は体を正常な状態に保つ役割を担っており、機能が低下するとこれらの働きが滞ります。
参考:厚生労働省「みんなで知ろう!からだのこと」
腎臓が悪くなると、初期は自覚症状がほとんどなく、進行してから症状が現れます。腎機能はある程度低下してもほかの部分が補うため、初期症状に気づきにくいのが特徴です。
進行すると、むくみや倦怠感などがみられるようになります。なお、腎臓の痛みは腎臓病そのものでは出にくく、痛みがある場合は結石や感染など別の原因のことも少なくありません。自覚症状がないうちから、健診で腎機能を確認することが大切です。
参考:厚生労働省:「みんなで知ろう!からだのこと」
腎臓が悪くなる主な原因は、以下のとおりです。
高血圧や糖尿病は自覚のないまま進むことが多く、腎臓への負担が積み重なります。腎機能の数値を指摘されたときは、背景にある生活習慣病の管理もあわせて見直すことがすすめられます。
参考:厚生労働省:「みんなで知ろう!からだのこと」
腎機能はGFR(糸球体濾過量)などの数値で評価され、慢性腎臓病(CKD)はステージで分類されます。数値の意味を知ることで、健診結果を正しく受け止めやすくなります。
腎機能を示す代表的な指標が、GFRです。GFRは、腎臓が1分間にどれだけ血液をろ過できるかを表す値で、日常的には血液中のクレアチニンと年齢・性別から推算したeGFRが使われます。
健診で「腎臓の数値が悪い」「数値が高い」と言われる場合、多くはクレアチニンが高い、またはeGFRが低い状態を指します。eGFRが60(mL/分/1.73m²)を下回る状態が続くと、腎機能の低下が疑われます。
参考:厚生労働省「慢性腎臓病(CKD)における治療と仕事の両立に関する手引き」
慢性腎臓病(CKD)は、腎障害またはGFRの低下が3ヶ月以上続く状態と定義されます。具体的には、eGFRの低下が3ヶ月以上続くか、またはたんぱく尿・血尿・画像検査の異常など腎障害を示す所見が3ヶ月以上持続する場合にCKDと診断されます。
重症度は、原因(C)・腎機能(GFR区分G)・たんぱく尿(A)を組み合わせて評価します。GFRによるステージ分類は次のとおりです。
| ステージ | eGFR(mL/分/1.73m²) | 主な症状 |
|---|---|---|
| G1 | 90以上 | 自覚症状なし |
| G2 | 60~89 | 自覚症状なし |
| G3a | 45~59 | 自覚症状がない場合が多い |
| G3b | 30~44 | 自覚症状がない場合が多い |
| G4 | 15~29 | 疲れやすいなど |
| G5 | 15未満 | 食欲低下・呼吸困難など |
ステージが進むほど腎機能の低下が大きくなり、対応も変わります。
参考:厚生労働省「腎臓健康習慣」
腎不全とは、腎機能が大きく低下して体内の環境を保てなくなった状態です。慢性腎不全は、慢性腎臓病(CKD)が進行した段階にあたり、ステージでいうとG4~G5が目安になります。
特にステージG5は末期腎不全と呼ばれ、透析療法や腎移植などの腎代替療法が必要になります。慢性腎不全や慢性腎炎、腎症といった呼び方は場面によって使い分けられますが、いずれも腎機能の低下が関わる点は共通しています。
参考:厚生労働省:「みんなで知ろう!からだのこと」
ここでは、腎臓病とEDに関するよくある質問をまとめました。Q&A形式で回答するので、ぜひご覧ください。
腎臓病になると、必ずED(勃起不全)になりますか?
必ずしも全員がEDになるわけではありませんが、慢性腎臓病(CKD)が進むにつれてEDの合併率は高くなるとされています。腎機能が低下すると、血流や神経、ホルモンバランスなど勃起に必要な全身のシステムに影響が出るためです。初期の段階から生活習慣病(高血圧や糖尿病など)を管理し、腎機能の低下を抑えることがEDの予防・進行防止にもつながります。
腎臓病の人がED治療薬を服用する場合、どの診療科に相談すれば良いですか?
まずは「ED治療を受けるクリニック(泌尿器科など)」と「腎臓病の主治医(内科や腎臓内科など)」の双方に相談しましょう。ED治療薬を安全に使うためには、現在の正確な腎機能や、現在服用しているすべての薬の情報を正しく把握する必要があるためです。自己判断でのED治療薬の個人輸入などは避け、必ず医師の処方を受けてください。
透析を始めると、EDの症状はさらに悪化しますか?
透析を受けている方は、動脈硬化や神経障害、貧血などが進行しやすいため、EDのリスクや重症度が高くなる傾向にあります。透析そのものはシルデナフィルやタダラフィルの一律の禁忌とはされていませんが、用量の調整や、心血管疾患・併用薬の確認が必要です。バルデナフィル(レビトラ)のように禁忌となる薬もあるため、透析担当医やED治療を行っている医師と連携して治療方針を決めることが大切です。
腎臓病になると、動脈硬化による血流障害や神経の障害、ホルモンバランスの乱れ、腎性貧血、服用中の薬などが重なり、EDを合併しやすくなります。EDは腎臓病そのものだけでなく、背景にある高血圧や糖尿病といった生活習慣病とも深く関わっています。
ED治療薬は腎機能が低下していると効果や副作用が強く出やすく、用量の調整が必要です。特に血液透析を受けている場合はバルデナフィル(レビトラ)が禁忌となるため、注意しなければなりません。腎臓病はステージが進むと回復が難しくなる一方、初期であれば生活習慣の見直しなどで進行を抑えられる場合もあります。
腎機能の数値を指摘されている方や勃起の悩みがある方は、自己判断で市販薬や個人輸入で入手した薬を使用せず、腎機能や服用中の薬を医師に伝えたうえで相談してみてください。
厚生労働省「慢性腎臓病(CKD)における治療と仕事の両立に関する手引き」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「タダラフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」 厚生労働省「みんなで知ろう!からだのこと」 厚生労働省「腎臓健康習慣」
記事を読んでEDの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
オンライン診療サービス「レバクリ」なら、医師の診察からお薬の処方まで、すべてスマホひとつで完結できます。
ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のED治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
「レバクリ」は、ED治療の「始めやすさ」と「続けやすさ」を重視し、オンライン診療のメリットを最大限に活かしたサービスを提供しています。
【無料】好きな場所から診察可能!
【無料】スマホで完結!