更新日:2026年09月18日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
50代になってから性行為の途中で中折れしたり、最後までいかなかったりするED症状に悩むようになった方がいるかもしれません。「年齢のせいでもう治らないのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、EDには生活習慣の見直しや医療機関での治療によって改善を目指す選択肢があります。EDの原因には血管の障害やストレス、薬の副作用など複数のパターンがあり、まずは自分の状態を知ったうえで対処法を見いだすことが大切です。
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50代は、加齢や生活習慣による器質性の原因でEDを発症することがあるとされています。さらに、心理的な要因や薬の影響が重なって症状が進む場合もあります。 EDは年齢とともに発症率が高まりやすい症状です。40代に比べ、50代の発症率が高いとする報告もあります。原因は以下のように器質性・心因性・混合性・薬剤性の4種類に分けられ、まずは自分の状態を見極めることが大切です。
器質性EDは、血管や神経のダメージによって陰茎に十分な血液が届かなくなるタイプで、50代で発症しやすいとされています。加齢によって血管の柔軟性が低下し、勃起に関わる男性ホルモン(テストステロン)の分泌も減っていくためです。 さらに、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が進むと動脈硬化が起こり、血管が細い陰茎の血流も悪くなる可能性があります。50代でED症状を感じている方は、健康診断で血糖値や血圧などの指摘がないか確認してみましょう。
血管や神経に問題がなくても、心理的なストレスやプレッシャーによって勃起不全を招くEDは心因性EDと呼ばれます。心因的な要因で脳の性的興奮がうまく陰茎に伝わらず、勃起しづらくなったり性行為の途中で中折れしてしまったりするのがこのタイプの特徴です。 また、性行為で一度うまくいかなかった経験が「また失敗するのでは」という予期不安につながり、症状を長引かせるケースも否定できません。その場合はパートナーに悩みを打ち明け、理解を得ることが改善の手助けになることもあります。
混合性EDは血管や神経の障害に加え、心理的な要因も重なって起こるタイプで、50代の発症も珍しくありません。たとえば、加齢による血管や男性ホルモンの変化に、仕事の疲れやストレスが加わって症状が進んでしまう場合もあるでしょう。 EDは「加齢だけ」「ストレスだけ」と単純に切り分けられないことが多く、複数の原因が絡み合うケースもあります。そのため、自己判断せず医師に相談して原因を整理することが大切です。
薬剤性EDは、治療のために服用している薬の影響で起こるEDです。中枢神経や血管に作用する薬が、血管の収縮や神経伝達を妨げることがあります。 影響しうる薬には、降圧剤や抗うつ薬、睡眠薬、胃薬などがあります。持病の薬を飲み始めてからEDが気になったとしても、自己判断で薬を中断することは控えましょう。持病が悪化するリスクを避けるためにも、まずは処方元の医師に相談してください。
50代のEDは、中折れや「最後までいかない」といった形で気づかれることが少なくありません。完全に勃起しなくなるだけでなく、勃起はするものの途中で維持できなくなるのもED症状の一つです。 中折れが起こる仕組み 中折れは、勃起して挿入はできるものの、行為の途中で徐々に萎えてしまうタイプのED症状です。勃起は陰茎に血液を流し込み、その血液を留めることで維持されますが、この「血液を留める働き」が低下すると中折れが起こります。 原因は、血管が硬くなり血流が不安定になる動脈硬化や、ストレスや緊張による心因的な要因などさまざまです。
以下のような症状があれば、EDを疑うサインかもしれません。
これらは勃起機能が衰え始めたときに現れやすい変化です。当てはまる項目がある場合は、早めに医療機関の受診を検討してみてください。

朝勃ちの減少や中折れは、単なる年齢の問題ではなく、動脈硬化の初期サインとして現れることがあります。陰茎の血管は細いため、全身の血管より先に変化が現れやすいのです。ED症状があるときは、血圧や血糖値など全身の健康状態を見直しましょう。
50代でED症状を感じたときは、生活習慣や体の健康状態を見直したり、医療機関で治療したりすることが主な選択肢になります。50代のEDは器質性の要因が大きいため、血管の健康を保つ生活と、勃起をサポートする治療薬を組み合わせて対策できる場合があります。 EDは適切に対処すれば改善が期待できる症状です。「年齢のせい」と諦める前に、できることから取り組んでみましょう。
生活習慣の改善は、50代のED対策になりえます。EDの多くは血管の健康状態と関わっており、運動・禁煙・食生活の見直しで血管の状態が整えば、勃起機能の改善が期待できるためです。 医療機関でも食事療法や有酸素運動、喫煙者への禁煙を推奨する場合があり、まずは自分でできる対策の一つとして検討できます。EDと生活習慣病の、両方の対策になりえる点が強みです。
ED治療薬は、標準的な治療法として勃起する力を補うために用いられます。PDE5(ホスホジエステラーゼ5)の働きを抑え、陰茎への血流をスムーズにすることで、性的刺激を受けたときの勃起をサポートする仕組みです。
ED治療薬は、「飲めば勝手に勃起する薬」ではありません。あくまで性的刺激があったときの勃起を補完・維持する役割です。原因や体質に合わせて、医師が薬の種類を選んで処方します。
生活習慣病によってED症状が起きている場合は、治療することで勃起機能へ好影響を与える可能性があります。糖尿病や高血圧、脂質異常症はEDと併発しやすく、動脈硬化を通じて勃起機能に影響するためです。 これらの持病を放置すると、EDだけでなく心臓や脳の病気のリスクも高まります。定期的に健康診断を受け、指摘された項目は主治医と相談しながら治療を進めましょう。
医療機関でのED治療には、主に国内で承認されている3種類のED治療薬が用いられます。いずれの薬も陰茎海綿体のPDE5(ホスホジエステラーゼ5)を選択的に阻害し、cGMP(環状グアノシン一リン酸)の分解を抑える働きがあります。性的刺激を受けた際に血流を増やして勃起とその維持をサポートする役割です。 各ED治療薬には、効果が現れるまでの時間や持続時間、食事の影響に違いがあります。使うシーンや体質に合わせて医師が選択します。
バイアグラに含まれるシルデナフィルは、世界で初めて承認されたED治療薬の有効成分で、幅広く使われています。日本で承認されている用量は25mg・50mgで持続時間は3〜5時間ほど、性行為の約1時間前に服用します。 空腹時に吸収されやすく、食後は吸収が遅れるため、食後2時間以上あけてからの服用や食前の服用が目安です。 主な副作用は以下のとおりです。
なお、最近6ヶ月以内に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞のある方や重度の肝機能障害がある方は服用できません。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」
レビトラのジェネリック医薬品であるバルデナフィルは、ED治療の主な選択肢として医療機関で扱われている薬です。5mgで3〜5時間、10mg・20mgで4〜8時間ほど効果が続き、性行為の約1時間前に服用します。 標準的な食事であれば直後でも吸収や効果への影響は認められないとされていますが、食前の服用が目安です。 主な副作用は以下のとおりです。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」
シアリスに含まれるタダラフィルは、効果が長く続く特徴があるED治療薬の有効成分です。5mgで12〜24時間、10mg・20mgで30〜36時間ほど持続し、食事の影響を受けにくいため、タイミングを気にせず使いやすいとされています。 性行為の約1時間前に服用し、より余裕をもって服用したい場合は約3時間前が目安です。 主な副作用は以下のとおりです。
ED治療薬を使うときは、持病の薬との飲み合わせに注意が必要です。薬の組み合わせによっては重大な影響が出るおそれがあり、50代で生活習慣病や持病などで常用薬がある方はしっかりと医師に申告しましょう。 ここでは、ED治療薬の併用禁忌や副作用、飲食物との飲み合わせについて注意点をまとめます。
ED治療薬は、狭心症などに使われる硝酸剤との併用が禁忌とされています。どちらも血管を広げる作用があり、併用すると血圧が急激に下がるおそれがあるためです。 硝酸剤は飲み薬だけでなく、貼り薬・スプレー・注射などにも含まれます。このほか、肺高血圧症などに使うsGC刺激剤との併用も禁忌です。持病で薬を使っている方は、必ず事前に医師へ伝えてください。
ED治療薬の主な副作用には、頭痛やほてり、潮紅、鼻づまり、消化器症状、目の症状などがあります。いずれも血管を広げる作用に関連して起こることが報告されています。 また、4時間以上勃起が続く・痛みを伴うといった持続勃起症が起こることがあり、この場合は放置せず速やかに医療機関を受診してください。副作用が心配な場合は、服用前に医師へ相談しましょう。
ED治療薬は、食事や飲み物との同時摂取によって影響を受ける場合があります。たとえば、アルコールは、適量であれば緊張をやわらげる一方、飲みすぎると勃起を妨げ、酔いも回りやすくなります。また、グレープフルーツに含まれる成分は薬の作用を強めるおそれがあるため、同時摂取は避けましょう。柑橘類を食べる習慣がある方は医師に相談し、事前に注意点の説明を受けてください。
ED治療では、主に診察料やED治療薬の薬代が発生します。EDは自由診療のため公的保険が使えず、全額自己負担です。費用は薬の種類や服用回数によって変わります。薬の受け取りが配送であれば送料がかかる場合もあり、コストを重視する方はあらかじめ確認しておきましょう。
ED治療薬の費用は、1錠あたりの薬代が中心になります。先発薬か、有効成分が同じジェネリック医薬品かによって金額が変わります。相場の目安は次のとおりです。
| 成分名 | 先発薬(1錠) | ジェネリック(1錠) |
|---|---|---|
| シルデナフィル | 1,000〜2,000円 | 400〜1,200円 |
| バルデナフィル | — | 1,000〜2,000円 |
| タダラフィル | 1,500〜2,000円 | 500〜1,200円 |
なお、バルデナフィルを有効成分とするED治療薬は、先発品であるレビトラがメーカー都合で販売中止となり、現在はジェネリック医薬品のバルデナフィルが普及しています。服用の頻度が高くなりそうな場合は、コスト面で続けやすい薬を医師に相談すると良いでしょう。
ED治療では、薬代のほかに初診料・再診料や配送料がかかる場合があります。診察料は有料の場合で1回3,000円〜5,000円程度、配送料は1回500円〜1,000円程度が相場です。 最近は対面通院のほか、スマートフォン1つで診察を受けられるオンライン診療という選択肢もあります。オンライン診療では医療機関によって診察料の設定が異なるため、費用や通いやすさを踏まえて選ぶと良いでしょう。
50代のEDについてよくある質問と、その回答をまとめました。
50代のEDは自力で治せますか?
ときどき起こる程度の軽いEDであれば、運動や食生活の改善など生活習慣の見直しで改善が期待できる場合があります。ただし、加齢や生活習慣病による器質性EDは自力での改善が難しいこともあるため、症状が続く場合は医師への相談を検討してください。
ネット通販で販売しているED治療薬を個人輸入しても大丈夫ですか?
ネット通販ではED治療薬の偽造品や成分量が不適切なものが販売されているケースがあり、注意が必要です。医療機関を通じた処方と異なり、品質管理の状況が確認できない場合があります。また、個人輸入した薬を飲んで健康被害が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外となり、治療費が自己負担となります。健康を守るためにも、医療機関でED治療薬の処方を受けましょう。
ED治療に保険は使えますか?
ED治療は原則として自由診療のため、公的保険は使えません。ただし、不妊治療を目的とする場合に限り、シルデナフィルやタダラフィルなど一部のED治療薬で保険が適用されることがあります。
妊活中でもED治療薬は服用できますか?
ED治療薬は、基本的に妊活中でも使用できるとされています。シルデナフィルとタダラフィルは、不妊治療を目的とする場合に限り保険適用が認められています。服用にあたっては医師に妊活中であることを伝え、指示に従ってください。
50代以降は、性行為の途中で中折れしたり最後までいかなかったりすると、「年齢のせいかもしれない」と落ち込んでしまうかもしれません。しかし、EDには加齢や生活習慣による血管の変化が大きく関わっている場合があり、生活習慣の見直しやED治療薬の服用など、改善を目指すための選択肢があります。まずは、EDの原因が器質性・心因性・混合性・薬剤性のどれにあたるかを見極め、自分に合った対処法を検討することが大切です。 また、ED治療薬を検討する場合は、事前に服用の注意点を確認しましょう。生活習慣病や持病がある方は、薬を併用しても問題ないか医師に相談してください。ほかにも、各治療薬によって特徴やコストが異なるため、性行為の頻度やライフスタイルに合うかどうかで薬を検討するのが良いでしょう。 50代のEDを年齢のせいだと諦めずに、セルフケアに取り組みつつ、必要に応じて医師に相談しながら対策を考えることが重要です。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バイアグラ錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「バルデナフィル錠 添付文書」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シアリス錠 添付文書」
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ED治療は、「シルデナフィル」・「パルデナフィル」・「タダラフィル」などの成分を含む内服薬で行うのが一般的です。
治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
費用について
ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
ED治療は専門医への相談が不可欠ですが、デリケートな悩みであるため、通院の待ち時間や人目が心理的ハードルとなる場合も少なくありません。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のED治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
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なお、飲み合わせに注意点があり、服用当日はグレープフルーツ類の摂取を控えてください。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シアリス錠 添付文書」