更新日:2026年07月28日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
髪のボリュームや抜け毛が気になり、育毛シャンプーの効果が知りたい方もいるかもしれません。 育毛シャンプーの効果は、髪が育つ頭皮環境を整えることで、新しい髪を生やす発毛効果はありません。この記事では、自分に合った育毛シャンプーを選ぶ際に意識したいポイントや効果を引き出す洗い方などを紹介します。 健康な頭皮を目指すためにも、まずはこの記事で自分に合うシャンプーと薄毛対策の方法を知ることから始めましょう。
育毛シャンプーは、皮脂や汚れを落として頭皮を清潔に保つヘアケア用品です。頭皮に皮脂や古い角質がたまると毛穴が詰まり、髪が育ちにくい状態になってしまいます。そこで育毛シャンプーを使用し、余分な皮脂や汚れを洗い流せば、毛根に負担のかかりにくい状態を保ちやすくなるのです。育毛シャンプーで清潔な頭皮を保つことは、健康な髪を育てる土台になります。
育毛シャンプーには、髪にハリやコシを与えてボリューム感を出すタイプもあります。髪の水分を補う保湿成分や髪の表面を整える補修成分が配合されているため、使用することで髪のハリやコシを感じやすくする効果が期待できます。 髪のハリ・コシが生まれることで髪の根元から立ち上がるようになり、地肌が透けて見えにくくなることで見た目の印象を整えやすくなるでしょう。ただし、育毛シャンプーに期待できるのはあくまで今生えている髪の質を整えるサポート効果で、髪を新たに生やす働きではない点には注意が必要です。
育毛シャンプーは、フケやかゆみといった頭皮トラブルを防ぐ働きも期待できます。たとえば、グリチルリチン酸2Kなどの炎症を抑える成分が配合された薬用タイプのシャンプーは、頭皮の炎症やかゆみを抑える目的でつくられています。頭皮の炎症や頭皮トラブルが続くと抜け毛につながることもあるため、シャンプーを活用して地肌のトラブルを防ぐことが抜け毛予防の土台になることもあるでしょう。
育毛シャンプーには、新しい髪を生やす発毛効果は認められていません。シャンプーの役割は皮脂や汚れを落として頭皮を清潔に保つことであり、髪を生やす作用とは異なります。発毛を目的とする場合は、ミノキシジルなどの医薬品や医療機関での治療を検討しましょう。薬機法の分類上でも育毛シャンプーは医薬部外品や化粧品に属しており、認められている効能はフケやかゆみを防ぐといった範囲にとどまります。
育毛シャンプー・育毛剤・発毛剤の3つは、使用する目的と薬機法上の分類が異なります。発毛効果が認められているのは発毛剤だけであり、育毛シャンプーや育毛剤は、発毛剤(ミノキシジル外用薬)のように「新しい髪を生やす医薬品」とは異なります。医薬部外品の育毛剤では、承認された範囲で「育毛」「脱毛の予防」「発毛促進」などの効能効果が表示される場合がありますが、AGAの原因に直接作用して発毛を促す医薬品ではありません。
| 種類 | 分類 | 主な役割 | 発毛効果 |
|---|---|---|---|
| 育毛シャンプー | 医薬部外品・化粧品 | 清潔にして頭皮環境を整える | なし |
| 育毛剤 | 医薬部外品 | 育毛、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進など | あり(医薬品の発毛剤とは異なる) |
| 発毛剤(ミノキシジル外用薬など) | 第1類医薬品 | 発毛・育毛、脱毛の進行予防など | あり |
発毛効果のあるシャンプーを探している場合でも、発毛を求めるなら発毛剤や医療機関での治療が選択肢になります。育毛シャンプーはあくまで、頭皮環境を整えることで育毛剤や治療をサポートするケアと位置づけて、目的に合わせて使い分けましょう。
参考:e-Gov 法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
市販の育毛シャンプーを選ぶ際は、洗浄成分・有効成分・頭皮タイプの3つのポイントを基準にすると、自分に合う製品を見つけやすくなります。なんとなくで選んでしまうと、自分の頭皮状態と合わず、かえってトラブルを招く恐れがあるため注意が必要です。自身の頭皮の悩みに合わせて成分を確かめるほうが、将来の髪が育つための頭皮環境を整えやすくなるでしょう。ここでは購入前にチェックしておきたい3つのポイントをそれぞれ紹介します。
頭皮へのやさしさを重視するなら、「アミノ酸系」や「ベタイン系」と呼ばれる洗浄成分が配合されたシャンプーを選びましょう。これらは洗浄力がマイルドで、頭皮を守るために必要な皮脂を残しながら不要な汚れを落とせるのがメリットです。洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落とし過ぎてしまうと、失われた脂分を補おうと過剰に皮脂を分泌し、結果的にかゆみやベタつきにつながったり、頭皮が乾燥したりすることがあります。成分表示欄に「ココイル〜」「ラウロイル〜」と書かれているものがアミノ酸系、「コカミドプロピルベタイン」とあればベタイン系が目印となるため、選ぶ際の参考にしてください。
頭皮の悩みに合わせて、配合されている有効成分から製品を選ぶ方法も効果的です。薬用(医薬部外品)に分類される育毛シャンプーには、頭皮トラブルを防ぐための有効成分が配合されています。悩み別の代表的な成分は次のとおりです。
ただし、これらの成分はあくまで頭皮環境を整える働きが中心であり、直接的に発毛を促したり、薄毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える効果はありません。自分の悩みに合う成分を選び、土台づくりとして取り入れましょう。
自分の頭皮タイプに合わせてシャンプーを選ぶことで、頭皮環境を整えやすくなります。頭皮タイプ別の選び方の目安は次のとおりです。

夕方になると頭皮がベタつくような脂性肌の方には、皮脂をしっかりと落とせるスカルプケア向けの製品や薬用タイプが向いています。一方で、乾燥肌や敏感肌の方には、洗浄力が穏やかで刺激の少ない「アミノ酸系」が適しており、洗いすぎによるフケや乾燥を防ぐ効果が期待できるでしょう。 ただし、脂性肌だからといって洗浄力が強過ぎるシャンプーを使い続けると、かえって頭皮の乾燥を招くことがあります。もし洗い上がりに頭皮の突っ張りを感じた場合は、使用頻度や1回に使う量を調整すると良いでしょう。
育毛シャンプーは、日々の正しい洗い方を意識することで効果を引き出しやすくなります。同じシャンプーでも、洗い方しだいで頭皮の汚れの落ち方や頭皮にかかる負担が変わります。すぐに実践できる手順を紹介しますので、以下の図を参考にしてください。

入浴前に髪をとかし、からまりをほどき、頭皮の汚れを浮かせたうえで38℃前後のぬるま湯で予洗いをすることがポイントです。また、すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、完全に洗い流しましょう。最後は、雑菌の繁殖を防ぐためにも濡れたままにせずドライヤーでしっかり乾かすことが大切です。毎日の洗い方を少し工夫するだけで、髪と頭皮を守りやすくなります。できる範囲で取り入れて、健康な頭皮を保ちましょう。
育毛シャンプーを継続して使用しても症状に変化が見られない場合は、抜け毛や薄毛の原因が頭皮環境だけではない可能性があります。シャンプーは頭皮環境を整えるケアのため、薄毛の原因によってはシャンプーだけでの対応が難しい場合が考えられます。効果が出ないからといって何度も髪を洗い直したり、製品を次々に変えたりしても根本的な解決にはつながりません。まずは自分の薄毛がどのような原因で起きているのかを見極めることが大切です。ここでは、考えられる原因について紹介します。
抜け毛が続き、生え際や頭頂部が後退してきた場合は、AGA(男性型脱毛症)と呼ばれる進行性の脱毛症の可能性があります。AGAは発症すると自然に治ることはなく、少しずつ症状が進んでいく特徴があるため、育毛シャンプーだけで食い止めるのは困難です。進行を抑えるには、医薬品による治療が必要になります。 AGAは、男性ホルモンが毛根に作用してヘアサイクルを乱し、髪が育ちきる前に抜けてしまう状態です。地肌が目立ってきたと感じたら、早めに医療機関へ相談し、医学的根拠に基づいた治療を開始することをおすすめします。
抜け毛の原因はAGAによるものだけではなく、ほかの疾患や習慣が複雑に関係していることもあります。たとえば、頭皮に赤みやフケが出る「脂漏性皮膚炎」や免疫の異常で髪が局所的に抜ける「円形脱毛症」など、医師による治療が必要な皮膚疾患が関係している場合があります。 また、慢性的な睡眠不足や過度なストレス、妊娠出産や加齢によるホルモンバランスの変化が抜け毛に影響することもあるでしょう。シャンプーを変えても症状が変わらない、あるいは頭皮に痛みやかゆみがあるといったときは、自己判断でケアを続けず、医療機関で原因を確かめることが大切です。
ここでは、育毛シャンプーについて、よくある質問にFAQ方式で回答します。
育毛シャンプーの効果はどれくらいで実感できますか?
育毛シャンプーによる頭皮環境の変化を実感するまでには、個人差はあるものの数週間から数ヶ月の期間を要するのが一般的です。育毛シャンプーは髪を新しく生やす発毛剤とは異なり、あくまで地肌を清潔にして髪が育つ土台を整えるケアのため、目に見える変化がすぐに起こるわけではありません。フケやかゆみが落ち着いてきたり、頭皮のベタつきが軽減されたりといった地肌の状態が最初の目安となります。頭皮環境の変化を確認するため、数ヶ月ほど継続して様子を見ましょう。
育毛シャンプーは毎日使っても良いですか?
洗いすぎによる地肌の乾燥に気をつければ、育毛シャンプーを毎日使用しても基本的には問題ありません。ただし、皮脂が気になるからといって1日に何度も洗うと、逆効果になる恐れがあるため1日1回の使用に留めましょう。洗った後に乾燥や突っ張りを感じる場合は、使用する頻度を調整するか洗浄力のマイルドなタイプへの切り替えを検討するのが良いでしょう。
市販品と通販で選び方は変わりますか?
市販品と通販品のどちらの育毛シャンプーを選ぶ場合であっても、基準は変わりません。市販でも通販でも購入する場所に関わらず、洗浄成分・有効成分・頭皮タイプの3点で選ぶ考え方は同じです。手に取って確かめたい場合は市販、より多くの選択肢の中からじっくりと比較検討したい場合は通販が向いているといえるでしょう。
育毛シャンプーは、頭皮環境を整えて健康な髪が育つ土台をつくるヘアケア用品です。新しく髪を生やす発毛効果は認められていないため、発毛を目的とする場合はミノキシジル外用薬などの医薬品を検討する必要があります。 育毛シャンプーを選ぶ際は、洗浄成分・有効成分・頭皮タイプの3点から自分の悩みに合わせた成分を確認することが大切です。 また、日々のシャンプーで正しい洗い方を意識すると効果を引き出しやすくなります。ただし、抜け毛や薄毛の原因がAGAなどによるものだと、シャンプーだけでの対応は困難です。もし継続して使用しても変化が見られない場合や、生え際や頭頂部の地肌が気になる場合はAGAなどの進行性の脱毛症や、ほかの皮膚疾患が隠れていることも考えられます。その場合は、自己判断でケアを続けず、医療機関への相談を検討しましょう。
e-Gov 法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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