更新日:2026年08月05日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「頭皮から嫌なにおいがするけど、原因がわからない」「周りの人に気づかれていないか心配…」と悩んでいる方もいるかもしれません。頭皮のにおいは主に皮脂や汗が原因で発生し、常在菌に分解されて時間の経過とともに強くなります。
本記事では、頭皮のにおいが発生する原因や自分で確認する方法、においを防ぐシャンプー方法について解説します。気になる頭皮のにおいを軽減したい方は、ぜひ参考にしてください。
頭皮のにおいは、複数の要因が重なって強くなることが少なくありません。まずは自分に当てはまる原因を知ることが、においを抑える第一歩です。 頭皮のにおいで考えられる原因は、主に以下の5つです。
それぞれの原因を順に解説します。
頭皮のにおいの主な原因は、過剰に分泌された皮脂や汗です。皮脂や汗そのものはほとんど無臭ですが、頭皮の常在菌に分解されることでにおいの物質が生じます。頭皮は皮脂腺が多く、ほかの部位よりも皮脂が分泌されやすい場所です。
さらに、分泌された皮脂は時間が経つと酸化し、古い油のようなにおいを放ちます。汗をかいたあとに放置したり、洗髪を怠ったりすると、においが強くなりやすいでしょう。
脂質に偏った食生活が続くと、頭皮の皮脂分泌が増えやすく、においの元になります。揚げ物や肉の脂身、ファストフードなどは適量に調整し、野菜や魚を取り入れたバランスのよい食事を意識すると、頭皮環境を整えやすくなります。
参考:厚生労働省「食事バランスガイド」
シャンプーでの洗い残しだけでなく、洗いすぎも、においの原因になり得ます。洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落としすぎると、頭皮が乾燥してかえって皮脂が過剰に分泌されることがあるためです。 洗い残しがある場合は毛穴に皮脂や汚れが残り、こちらもにおいにつながる可能性があります。
また、髪を乾かさずに濡れたまま放置すると、雑菌が繁殖してにおいを招く原因になります。
ストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れも、ホルモンバランスや自律神経を乱し、皮脂の分泌を増やすことがあるため頭皮のにおいに影響する可能性があります。また、頭皮の新陳代謝が滞ると、古い角質や皮脂が溜まりやすくなり、においにつながる場合があります。
セルフケアを続けてもにおいが改善しない場合は、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルを起こしている可能性があるかもしれません。脂漏性皮膚炎は、皮脂を栄養とするマラセチア菌が関与し、強いかゆみやベタついたフケ、赤みを伴うことがあります。
こうした症状を伴う場合はセルフケアだけで改善するのは難しいため、医療機関を受診しましょう。

市販されている男性用のシャンプーは、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を含む洗浄力が強力なものが多い傾向があります。成分表示を見て、グルタミン酸やアラニンなど、アミノ酸系の洗浄成分が入ったシャンプーを試してみるのもよいでしょう
頭皮のにおいが周りの人に気づかれていないか心配になるかもしれません。頭皮のにおいを自分で確認する方法は以下の3つです。
枕のにおいをかぐ
ドライヤーや扇風機の風を後ろから吹きかける
頭皮を指で軽くこする
一つは、毎日使用している枕のにおいをかいでみる方法です。頭皮のにおいは毎日使っている枕などに移りやすいため、においを確認してみるとよいでしょう。また、ドライヤーや扇風機の風を後ろから頭に向けて吹きかけ、風に乗ってくるにおいをかぐ方法もあります。熱や風によってにおいの分子が飛散するため、より実際の状況に近い形でにおいを確認できます。頭皮を指で軽くこすり、その指のにおいをかぐという方法も確かめやすいでしょう。特に耳の後ろや首の付け根など、洗い残しが起こりやすい部分は分かりやすいかもしれません。
試してみて気になるにおいを感じた場合は、頭皮ケアの見直しが必要かもしれません。においだけではなく、脂漏性皮膚炎の症状が見られる場合は、医師に相談するのがよいでしょう。
頭皮のにおいを防ぐには、日々の生活習慣を整えることも大切です。頭皮の健康を保ち、においを防ぐための生活習慣を3つ紹介します。
バランスのよい食事をとる
質の高い睡眠をとる
自分の肌に合うシャンプーで1日1回洗髪する
それぞれ順番に解説します。
頭皮のにおいを防ぐためには、1日3回の食事で栄養をバランスよくとることが大切です。栄養バランスの偏った食事を続けると頭皮環境が悪くなり、においの原因となる皮脂の過剰分泌を招く恐れがあります。特に脂っこい食べ物を多くとりすぎないようにしましょう。脂質の多い食事を続けて過剰分泌された皮脂が酸化すると、頭皮のにおいが強くなる可能性があります。 頭皮環境を整えるために役立つ栄養素と効果、おすすめの食品について、以下の表にまとめました。
| 栄養素 | 頭皮への効果 | おすすめの食品 |
|---|---|---|
| ビタミンB群 | 皮脂分泌のコントロール | 豆類、レバー、魚 |
| 亜鉛 | 頭皮のターンオーバーの調整 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
| ビタミンE | 血行促進、抗酸化作用 | 植物油、アーモンド、かぼちゃ |
| タンパク質 | 健康な髪の生成 | 肉類、魚介類、大豆製品 |
頭皮にとって特に重要な栄養素は、ビタミンB群と亜鉛です。ビタミンB群は皮脂の分泌をコントロールし、亜鉛は頭皮の新陳代謝を促進する働きがあります。牛肉や魚、豆類などは、ビタミンB群と亜鉛だけではなく良質なタンパク質も多く含むため、意識的に取り入れましょう。栄養をバランスよくとることで、頭皮環境が徐々によくなり、においの軽減につながる可能性があります。
質の高い睡眠をとることも、頭皮の健康維持のために大切です。特に深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯には、成長ホルモンが分泌され、頭皮の細胞修復や再生が活発に行われます。睡眠不足になるとホルモンバランスが乱れ、頭皮の新陳代謝が滞って古い角質や余分な皮脂が溜まりやすく、においの原因となる可能性があります。 厚生労働省によると、質の高い睡眠をとるためには、就寝前にリラックスすることが大切だとされています。電子機器が発するブルーライトは、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑制するため、寝室の環境を整えた上で、寝る前はスマートフォンやパソコンの使用を避けるとよいでしょう。深い眠りにつけるよう、できるだけ静かで暗い環境を整えることが望ましいとされています。
参考:厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」
頭皮のにおいを防ぐためには、自分の肌に合ったシャンプーを選び、適切な頻度で洗髪することが大切です。頭皮のにおいを抑えるために刺激の強いシャンプーや香りが強いものを使うのは、強い洗浄力や香料によって頭皮が刺激を受け、バリア機能が低下する恐れがあるため逆効果になる可能性があります。自分に合ったシャンプーは、以下の表を参考に、頭皮のタイプによって選ぶとよいでしょう。
| シャンプーの種類 | 特徴 |
|---|

ここでは、においの元となる皮脂や汚れをしっかり落とすための正しいシャンプー方法を6つのステップで紹介します。毎日のケアに取り入れて、頭皮を清潔に保ちましょう。
まず、シャンプーを始める前に髪をブラッシングしましょう。ブラッシングによって、頭皮や髪に付着した汚れやほこりを前もって浮かせると、シャンプーの洗浄効果がより高まります。ブラッシングを行う際は、毛先から少しずつ髪の絡まりをほぐすようにしてとかすのがコツです。髪や頭皮が洗いやすくなることで、余分な皮脂を取り除きやすくなります。このとき、頭皮をゴシゴシとこすりすぎないように気をつけましょう。
ブラッシングを行うときのブラシは、細かい汚れや雑菌が溜まらないよう、こまめに手入れして清潔に保つことが大切です。
シャンプーを付ける前に、ぬるま湯で頭皮をメインに予洗いをしましょう。予洗いの目的は、頭皮や髪に付着した汚れやほこりを洗い流すことです。指の腹を使って頭皮全体を優しくマッサージするように洗っておくことでシャンプーの泡立ちがよくなります。適量のシャンプー液で本来の洗浄力が発揮されるため、皮脂やにおいの原因となる細菌を洗い流しやすくなり、頭皮への負担も少なく済みます。
予洗いは、38℃前後のぬるま湯で1分程度行うのが目安です。熱すぎるお湯は頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまい、かえって皮脂が過剰分泌されることがあります。
手のひらに適量のシャンプーを取り、お湯となじませて泡立てて、頭全体に行き渡らせるようになじませましょう。シャンプーの洗浄成分を均一に広げることで、ゴシゴシこすって髪を傷めることを防げます。シャンプーの泡が頭全体になじんだら、指を髪の内側に入れ、指の腹で頭皮を優しく洗います。このとき、爪で頭皮を傷つけないよう気をつけましょう。
シャンプーをするときには、頭皮をマッサージするように洗うのがポイントです。頭部全体に丁寧に触れることで、頭皮をほぐすだけでなく洗い残しを防ぐのにも役立ちます。特に念入りに洗いたいのが、洗い残しが多い後頭部や皮脂の分泌が多くにおいの元になりやすい耳の裏部分です。コリをほぐすようなイメージで指圧しながら汚れも同時に落としてしまいましょう。
シャンプー後は、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。シャンプーの成分が頭皮に残ると頭皮環境が悪化し、フケやかゆみ、抜け毛の原因となる場合があります。すすぎの際はぬるま湯を使い、頭皮全体に満遍なくお湯が行き渡るようにしましょう。流しているつもりでも、頭皮の泡が残っている場合もあるため、シャンプーをする時間よりすすぎに時間をかけるのがポイントです。特に耳の後ろや頭頂部などはシャンプーが残りやすいため、重点的にすすぐとよいでしょう。
お風呂上がりはタオルドライで髪の水分を拭き取り、なるべく早くドライヤーで乾かしましょう。髪を濡れたまま放置したり半乾きの状態にしたりすると、頭皮が湿った状態が続いて雑菌が繁殖しやすくなり、においの元になりかねません。
洗髪後は、清潔なタオルで水分を取ります。タオルドライをしっかりしておくことでドライヤーの時間が短くなるため、髪への負担も減らせます。強く擦るのではなく、髪を挟むようにして優しく押さえるのがポイントです。ドライヤーを使用する際は、頭皮から10〜15cm程度離し、熱すぎない温度設定で行います。
頭皮のにおいについての質問や疑問をまとめました。Q&A形式で回答するので、ぜひご覧ください。
頭皮のにおいは薄毛やAGAと関係がありますか?
頭皮のにおいそのものは、AGA(男性型脱毛症)の直接の症状ではありません。ただし、皮脂の過剰分泌や生活習慣の乱れは、においと頭皮環境の両方に関わることがあります。においに加えて抜け毛や薄毛も気になる場合は、別途医師に相談するとよいでしょう。
消臭スプレーやデオドラント製品で頭皮のにおいは対策できますか?
消臭スプレーやデオドラント製品は、においを一時的に抑えるのには役立ちますが、原因そのものを取り除くものではありません。根本的に対策するには、皮脂や汚れを適切に落とし、食事や睡眠などの生活習慣を整えることが大切です。
頭皮のにおいで医療機関を受診する目安はありますか?
セルフケアを続けてもにおいが改善しない場合や、強いかゆみ・赤み・ベタついたフケを伴う場合は、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルが隠れている可能性があります。こうしたときは、自己判断せず医療機関で相談するのがよいでしょう。
頭皮のにおいの主な原因は、過剰に分泌された皮脂や汗が頭皮の常在菌に分解されることでできるにおい物質です。そのほか、脂質に偏った食生活や洗いすぎ・洗い残し、ストレスや睡眠不足、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルも頭皮のにおいに関わります。
頭皮のにおいを防ぐには、バランスのよい食事と質のよい睡眠を心がけ、自分の肌質に合ったシャンプーで1日1回、皮脂や汚れをしっかり落とすことが大切です。正しいシャンプーのポイントは、ブラッシングと予洗いで汚れを浮かせ、指の腹で頭皮をマッサージしながら洗い、すすぎ残しがないよう丁寧に流すことです。洗髪後は早めに乾かし、頭皮を湿ったまま放置しないようにしましょう。
セルフケアを続けてもにおいが改善しない場合や、強いかゆみ・赤みを伴う場合は、医療機関で相談してみてください。
厚生労働省「食事バランスガイド」
厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」
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|---|---|---|
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|---|
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頭皮のにおいが気になる人は脂性肌である、と思う方もいるかもしれませんが、頭皮の乾燥が原因で皮脂が過剰に出ている場合もあります。頭皮の状態に合わせて、べたつく時に使う用・かさつく時に使う用、といったように、2種類のシャンプーを用意するのもよいでしょう。 なお、においが気になるからと1日に2回以上洗髪するのは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥を招く恐れがあるためおすすめしません。基本的には1日1回の洗髪が適切ですが、頭皮が乾燥しやすい人は2日に1回の頻度でもよいでしょう。 また、お湯だけで洗髪する「湯シャン」は、頭皮のにおいケアとしては不向きだと考えられます。湯シャンでは皮脂や汚れが十分に落ちないため、頭皮のにおいが気になる方や皮脂の分泌が多い方は、シャンプーを使用して頭皮の清潔を保ちましょう。