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更新日:2024年07月10日

後頭部のはげへの効果的な対策とは?薄毛の原因やAGAとの関係も解説

この記事のまとめ
  • 後頭部は男性ホルモンの影響を受けにくいとされている
  • 後頭部のはげは、頭皮の血行不良や生活習慣の乱れ、ストレスなどが主な原因とされる
  • 後頭部と混同することもある「つむじ」のはげは、AGAの可能性が高い
  • 後頭部のはげの対策としては、生活習慣の見直しや頭皮マッサージが有効
  • 後頭部のはげを根本的に解決するには、医療機関で受診するのがおすすめ

「気づかないうちに後頭部がはげてきた」「後頭部の髪の毛が薄くなっている気がする」など、後頭部のはげや薄毛に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。後頭部は男性ホルモンの影響を受けにくいため、AGAと呼ばれる男性型脱毛症ではなく、生活習慣の乱れやストレスなどが原因である可能性が高いと考えられます。この記事では、後頭部のはげの原因と種類、対策などを紹介します。

後頭部がはげる原因

後頭部は、男性ホルモンの影響を受けにくい部位です。そのため、男性ホルモンの影響を受けやすい前頭部や頭頂部のはげとは原因が異なる傾向があります。後頭部のはげや薄毛の原因としては、主に以下の5点が挙げられます。

  • 頭皮の血行不良
  • 生活習慣の乱れ
  • ストレス
  • 皮膚炎やアトピーなどによる頭皮のダメージ
  • 免疫・甲状腺の病気

それぞれの内容を確認しましょう。

頭皮の血行不良

後頭部のはげや薄毛の原因として、頭皮の血行不良が挙げられます。髪の毛に必要な栄養を頭皮まで運ぶのは、血液です。しかし、血行不良になると運ばれるはずだった栄養が行き渡らず、髪の成長が阻害されてしまいます。

血行不良の原因は、以下のようにさまざまです。

  • エアコンの風などによる後頭部の冷え
  • 喫煙による毛細血管の収縮
  • デスクワークなどによる長時間の同じ姿勢
  • スマホを使い続けることによる目や身体の緊張

食事でしっかりと栄養を摂取していても、血行不良によって頭皮に栄養が行き渡らなければ髪が育ちづらくなり、はけや薄毛の原因になります。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、後頭部の薄毛やはげの原因の一つです。栄養不足や睡眠不足、喫煙、飲酒などは以下のように髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。

  • 栄養不足:髪の毛の成長に欠かせない栄養素の不足を招く
  • 睡眠不足:自律神経やホルモンのバランスが崩れ、血流が悪化する
  • 運動不足:筋力の低下により全身に血液を運べず、血流が悪化する
  • 喫煙:ニコチンと一酸化炭素の作用で血管が収縮し、血流が悪化する
  • 飲酒:お酒に含まれる糖分の摂取や脱水により血流が悪化する

飲酒はたしなむ程度であれば問題ないとされていますが、過度な飲酒は薄毛の原因になる恐れがあるでしょう。

ストレス

ストレスも、後頭部の薄毛やはげの原因として挙げられるでしょう。

ストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経は血流のコントロールを担うため、血流が悪くなるとはげや薄毛になりやすくなるでしょう。

また、ストレスは体を緊張させることがあるため、首筋や肩の凝りによって頭皮が張り、頭皮の血行の悪化を招く要因にもなり得ます。さらに、ストレスにより自律神経が乱れると睡眠の質が低下してしまい、髪の成長に大切な成長ホルモンの分泌量が減る恐れがあることにも注意が必要です。

皮膚炎やアトピーなどによる頭皮のダメージ

後頭部の頭皮が傷つき、はげや薄毛を引き起こしている可能性もあります。頭皮が傷つく原因として挙げられるのは、以下のようなものです。

  • 皮膚炎
  • アトピー
  • ケガ
  • やけど・日焼け

頭皮が傷つくと髪の毛が抜けやすくなり、その後生えにくくなる可能性があります。

また、日焼けにも注意しましょう。頭皮が長時間直射日光にさらされて日焼けしてしまうと、軽いやけどの状態になり、頭皮環境が悪くなってはげや薄毛につながる恐れがあるためです。

免疫・甲状腺の病気

免疫系あるいは甲状腺の病気も、後頭部のはげや薄毛の原因です。

免疫系の異常によって自己免疫疾患が起こると、頭皮や髪の毛がダメージを受けることがあります。自己免疫疾患は、自分の正常な細胞や組織を敵とみなして攻撃してしまう疾患です。自己免疫疾患によって薄毛を招く代表的な症状に、後述する円形脱毛症があります。

また、甲状腺に異常が発生し、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になったり枯渇したりすると、薄毛につながりやすくなります。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると新陳代謝が必要以上に活発になり、抜け毛が起こりやすくなります。また、甲状腺ホルモンには、髪の毛の根元に存在する「毛母細胞」の細胞分裂を活性化し髪の毛の成長を促す作用があるため、正常に分泌されないと、脱毛が進むことがあります。

後頭部ではなく「つむじ」のはげはAGAが主な原因

頭頂部のつむじのはげが生じている場合は、男性ホルモンと遺伝が関係するAGAを発症している可能性があります。AGAは、主に前頭部や頭頂部に薄毛の症状があらわれやすいという特徴があるためです。

人によっては額より後ろを、頭頂部も含めて「後頭部」と認識していることがあるかもしれません。しかし、後頭部は耳の少し上から襟足にかけての部位であり、頭頂部は含まれません。

なお、AGAの症状が進行した結果、後頭部も薄毛になることがあります。

後頭部はげの種類

後頭部のはげは、主に以下の6種類です。

  • 円形脱毛症
  • 脂漏性脱毛症
  • 圧迫性脱毛症
  • 瘢痕性脱毛症
  • 栄養障害による脱毛
  • その他の脱毛

それぞれのタイプの特徴を解説します。

円形脱毛症

円形脱毛症は、10円玉程度の大きさで円形に脱毛する病気です。「10円はげ」とも呼ばれ、時間の経過とともに自然に治ることも多いとされています。

しかし、徐々に脱毛範囲が広がり後頭部だけでなく頭部全体で脱毛が進行したり、一度治ったものが再発したりすることもあります。

また、円形脱毛症には、2ヵ所以上が円形に脱毛する「多発型」や、首筋や耳周りなどの生え際が帯状に脱毛する「蛇行型」などもあります。

脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌によって引き起こされる「脂漏性皮膚炎」が原因の脱毛症です。

脂漏性皮膚炎は、皮膚に常在しているマラセチアというカビ(真菌)の一種が関わっていると考えられています。マラセチアは皮脂を栄養としており、皮脂に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)を遊離脂肪酸へと分解し、それによって生じた遊離脂肪酸が皮膚に与える刺激が脂漏性皮膚炎を誘発するといわれています。

圧迫性脱毛症

圧迫性脱毛症は、帽子やヘルメットをかぶり続けるといった、物理的な外部からの圧力で引き起こされる脱毛症です。遺伝や生活習慣とは無関係であることが特徴です。

後頭部を締め付け続けると、毛包(髪の根元を包む皮膚組織)に栄養を届ける毛細血管の血流が悪くなり、色素沈着や脱毛を引き起こします。通常、数ヵ月後には自然回復します。

瘢痕性脱毛症

瘢痕性(はんこんせい)脱毛症は、何らかの原因で毛包が破壊され、瘢痕(傷跡)になってしまい、髪の毛が生えてこなくなる永久的な脱毛症です。多岐にわたる原因が考えられますが、皮膚疾患や細菌・真菌の感染、やけど、ケガなどが例として挙げられます。

髪の毛を作る毛包が完全になくなっているため、治療を行わない限り、髪の毛が再生することはないとされます。放っておくと患部が広がってしまう可能性があるため、早めに皮膚科で受診することがおすすめです。

栄養障害による脱毛

髪の毛に必要な栄養が行き届かないことによる脱毛もあります。

髪の根元にある球状の毛乳頭が頭皮の毛細血管から栄養を受け取り、毛母細胞に細胞分裂のシグナルを出すことにより、髪の毛が成長するのが正常な状態です。しかし、食生活の乱れや過剰なダイエットなどによって栄養不足に陥ると、毛乳頭が髪に送る栄養を受け取れなくなるため、はげや薄毛になりやすくなります。

その他の脱毛

ここまで紹介したタイプに当てはまらないのが、以下のような後頭部のはげや薄毛のタイプです。

  • 薬剤による脱毛:抗がん剤・抗甲状腺薬などの副作用
  • 感染症による脱毛:梅毒トレポネーマや白癬(はくせん)菌などの菌が原因
  • トリコチロマニア(抜毛症):強迫関連障害の一種。髪の毛を繰り返し引っ張ったり、引き抜いたりすることで脱毛

トリコチロマニアは女性に多く見られますが、男性も発症するケースがあります。

後頭部のはげへの対策

後頭部のはげや薄毛が気になったら、以下の方法を試してみましょう。

  • 頭皮マッサージを行う
  • 食生活を見直す
  • 十分な睡眠を取る
  • 頭皮を清潔に保つ
  • ストレスケアをする
  • 皮膚科で相談する

それぞれの方法を解説します。

頭皮マッサージを行う

後頭部のはげや薄毛の原因として、頭皮の血行不良が挙げられます。頭皮マッサージは頭皮の血行を促進する効果が期待できるため、薄毛やはげを改善するために有効といえるでしょう。

頭皮の血行を促進することで、毛乳頭に十分な栄養が届き、毛母細胞の正常な細胞分裂をサポートできます。自分でできる簡単な後頭部の頭皮マッサージは、以下の手順で行ってください。

  1. 両方の手のひらで、後頭部を押したり、離したりして刺激を与える
  2. 両手の指で後頭部を掴み、頭皮が動くようにもみほぐす
  3. 指先で後頭部の頭皮をトントンと優しく叩く

頭皮マッサージは、頭皮が乾燥した状態で行わないようにしましょう。頭皮が傷ついてしまう可能性があります。入浴中や、入浴後の育毛剤を塗布したときなどに行うのがおすすめです。

また、マッサージのしすぎは、毛根にダメージを与えてしまいます。朝と晩の2回、それぞれ3分程度を目安に行いましょう。また、力を入れすぎることも頭皮を傷つける原因となるため、優しくマッサージしてください。

食生活を見直す

後頭部のはげや薄毛は、食生活の見直しによって改善することもあります。髪の毛の正常な成長には、バランスよく栄養を摂取することが大切です。髪の毛の成長に特に必要な栄養素は、以下の通りです。

  • タンパク質:髪の毛のもとになる
  • ビタミン類:タンパク質の代謝をサポートしたり、健やかな皮膚環境を保ったりする
  • 亜鉛:タンパク質の合成をサポートする

タンパク質は肉や魚、大豆、卵、乳製品などから摂取できます。ビタミンが豊富に含まれているのは、豚肉やレバー、大豆、野菜などです。亜鉛は、牡蠣をはじめとする魚介類、レバーなどから摂取できます。

また、後頭部のはげや薄毛の改善を目指すなら、頭皮環境を悪化させる可能性のある糖分や塩分、脂肪分などは摂りすぎないように心がけましょう。

十分な睡眠を取る

後頭部のはげや薄毛の改善には、十分な睡眠が欠かせません。さらに、睡眠の質も重要です。

質のよい睡眠を取ると、三大栄養素と呼ばれる「タンパク質」「炭水化物」「脂質」の代謝を促す、成長ホルモンが大量に分泌されます。成長ホルモンは、アミノ酸の吸収率も高めることから、タンパク質の合成の促進効果も持っています。

髪の主成分は、「ケラチン」というタンパク質です。そのため、成長ホルモンが大量に分泌される質のよい睡眠は、髪の毛を健やかに育てるためには重要であることがわかるでしょう。

一般的には、成長ホルモンが多く分泌されるのは眠り始めてから2~3時間のノンレム睡眠の最中であるといわれています。トータルの睡眠時間は、7〜8時間を確保することが望ましいでしょう。

頭皮を清潔に保つ

後頭部のはげや薄毛の対策として、頭皮を清潔に保つことも挙げられます。

頭皮の皮脂が過剰に分泌されると、分泌された皮脂が毛穴に詰まり、毛穴の奥で成長しようとしていた髪の毛がしっかり育たず、脱毛しやすくなってしまうでしょう。

また頭皮の皮脂が多いと、皮脂が表皮ブドウ球菌、アクネ菌などの皮膚の常在菌のエサとなり、これらの菌が増殖する可能性があります。それによって、脂漏性皮膚炎をはじめとした皮膚炎になりやすくなり、皮膚炎のかゆみで髪の毛をかきむしってしまう刺激で、抜け毛が増えてしまうことがあります。

そのため、頭皮や髪に負担がかからないように適切に洗髪しましょう。洗髪によって、頭皮の毛穴に詰まった皮脂を洗い出すことが可能です。正しいシャンプーの仕方は、以下の通りです。

  1. 髪全体をお湯で洗い流す
  2. 手でシャンプーをよく泡立て、指の腹で優しく頭皮と髪の毛を洗う
  3. シャンプーはしっかりと洗い流す
  4. 仕上げに後頭部、側頭部、頭頂部、前頭部の順番にマッサージを行う

なお、頭皮を洗いすぎてしまうと、頭皮の皮脂を落としすぎてしまったり、頭皮を傷つけてしまったりして、髪の毛の成長を妨げる恐れがあります。シャンプー後はしっかりとすすぐことや、濡れた髪の毛をしっかりと乾かすことも、頭皮環境を正常に保つために大切です。

ストレスケアをする

ストレスは自律神経を乱し、血行不良の原因となります。髪の毛に必要な栄養を頭皮に運ぶのは血液であるため、血行不良によって頭皮に栄養が十分に行き渡らず、髪の毛の成長が阻害されます。

そのため、「趣味を楽しむ」「適度な運動をする」「十分に睡眠を取る」など、意識的にストレスケアを行うことがおすすめです。

また、スマートフォンやパソコンなどを絶えず見ている場合、常に脳が刺激を受けてしまい、気づかないうちにストレスとなっていることも。スマートフォンやパソコンから少し距離を置き、脳を休ませることもおすすめです。

皮膚科で相談する

頭皮環境の悪化が原因で脂漏性皮膚炎を発症し、それが後頭部のはげや薄毛を引き起こしている場合などは、まずは原疾患である皮膚疾患を治す必要があります。この場合はセルフケアだけで薄毛を改善するのは難しく、皮膚科を受診するのが適切です。皮膚科の診療を受け、原因に合わせた治療を行いましょう。

後頭部のはげ・薄毛はオンライン診療で相談するのも一つの手

後頭部のはげや薄毛の原因は複数あり、自分で特定することは難しいでしょう。はげや薄毛を根本的に改善するためには原因に応じた対処法を行う必要があるため、症状の改善のためには、医療機関で受診することが近道であると考えられます。

「医療機関に行って後頭部の薄毛について相談するのは、ややハードルが高い」と感じる場合は、オンライン診療を利用してみるのも選択肢の一つです。

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコン、タブレットを使用したビデオ通話で診察を行うシステムのことです。オンライン診療の実施有無は医療機関によって異なりますが、先述したAGAの治療では多くのクリニックでオンライン診療を実施しています。

オンライン診察は、以下のような診察の流れであることが一般的です。

  1. インターネットで診察予約をする
  2. 予約日時がきたらビデオチャットをつなげ、診察を受ける
  3. インターネットで支払いを行う
  4. 郵送で送られてきた処方薬を受け取る

なお、オンライン診療の主なメリットは、以下の通りです。

  • 通院の必要がなく、場所にとらわれずに診察を受けられる
  • 医師以外の受付スタッフや他の患者と顔を合わせずに済む
  • 会計の待ち時間が不要であり、すぐに電子決済で支払いが可能

このように、オンライン診療は、気軽にはげ・薄毛の診察を受けたいという方におすすめのシステムといえるでしょう。医療機関での相談を希望するものの、通院の手間をかけたくない、人目が気になるという方は、オンライン診療の利用を検討してみてください。

まとめ

後頭部のはげや薄毛はAGAが原因である可能性は低く、頭皮の血行不良や生活習慣の乱れ、ストレスなどが主な原因と考えられます。対策としては、頭皮マッサージや生活習慣の見直し、ストレスケアなどが有効です。

ただし、セルフケアのみではなかなか改善しない場合もあるでしょう。後頭部のはげや薄毛の原因は多岐にわたるため、根本的な改善を目指すのであれば、医療機関で受診することをおすすめします。

「医療機関に行って薄毛について相談するのは、ハードルが高い」と感じる場合は、オンライン診療を利用してみるのも選択肢の一つです。レバクリでは、AGAのオンライン診療を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会