更新日:2026年05月18日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「HARG療法は効果がある?注射による痛みも心配」と考えているかもしれません。HARG療法は、成長因子を頭皮に直接注入して自毛の再生を促す治療法です。
本記事では、HARG療法の仕組みや効果が出るまでの期間、メリット・デメリット、他の治療法との比較について解説します。治療費用や痛みの対処法、効果の持続性についても触れているので、ぜひご一読ください。
HARG療法は、毛髪の成長を強力に促す「成長因子」を頭皮へダイレクトに注入することで自分自身の髪の再生を目指す治療法です。
この治療の大きな特徴は、ヒト由来の幹細胞から抽出された成分が毛包に直接働きかける点にあります。従来のAGA治療薬とはアプローチが異なるため、薬の副作用が心配な方や、これまでの治療で十分な手応えを感じられなかった方にとって、一つの選択肢となり得ます。ただし、効果の現れ方には個人差がある点と、国内未承認医薬品を使用した自由診療であることに留意が必要です。
HARG療法では、ヒト脂肪幹細胞から抽出された「AAPE」という成長因子を主成分とする「HARGカクテル」を使用します。
HARGカクテルに含まれる細胞成長因子には、以下のようなものがあります。
| 成長因子 | 主な働き |
|---|---|
| PDGF | 毛の成長期を保持する |
| KGF(ケラチノサイト成長因子) | 毛髪を構成するタンパク質であるケラチンを作り出す毛母細胞の増加を促進する |
| VEGF(血管内皮細胞成長因子) | 頭皮の血管新生を促進する |
| DGF(血小板由来成長因子) | 血管形成、頭皮と毛包の修復を促進する |
| TGF beta1(トランスフォーミング成長因子) | 毛周期を制御する |
これらを頭皮に直接注入することで、乱れたヘアサイクルを正常な状態へ導き、健康な髪が育つ土壌を整えます。

HARG療法の本質的な狙いは、ヘアサイクルの正常化にあります。髪が太く長く成長する「成長期」をしっかりと確保することで、発毛効果を高めることができます。HARG治療では、具体的に以下のプロセスでヘアサイクルを正常化します。
HARG療法によって休止期から成長期への毛包再生も促進させることで、新しい髪の成長をサポートします。こうして、成長期が延びて脱毛が減少したり、休止期が短縮されて新しい髪が早く生えてきたりする可能性を高めます。

「HARG+(ハーグプラス)®療法」では、細胞同士のコミュニケーションを活性化させる「エクソソーム」を配合したカクテルが導入されました。
従来の成分をさらに高純度化し、不純物を徹底的に取り除いたエクソソームを注入することで、エクソソームに含まれるmiRNA(マイクロRNA)や成長因子、タンパク質などが薄毛の進行を招く要因を多角的にブロックします。これにより、従来よりもスピーディーな発毛や、効果の持続性が期待できるようになったとされています。
HARG療法の効果を実感するまでの目安は、人それぞれです。イメージ例を挙げると、3〜4週間に1回のペースで通院し、合計6回1クールを目安として治療を行ったりします。
髪が生え変わるサイクル(毛周期)に合わせる必要があるため、効果を実感するまでには一定の時間を要します。1回で劇的な変化が起きるわけではなく、継続することで徐々に変化が現れますが、効果の現れ方や感じ方には個人差があります。

納得のいく結果が得られるまでの期間は人それぞれです。すぐに変化がないからといって途中で止めず、医師が推奨する回数は継続してみましょう。
HARG療法は、副作用のリスクを抑えながら長期的な発毛を叶えられる治療法として魅力があります。自毛が再生して抜けにくくなったり、女性のびまん性脱毛症にも効果があったりします。以下で、5つの特徴を順に確認していきましょう。
HARG療法を1年前後継続することで、薄毛が気になっていた部分に自分の髪が再生し、しっかりと根付くことが期待できます。人工的な毛ではなく、自分自身の細胞が活性化して生えてくる髪なので、見た目も自然です。毛根そのものが再生されれば、太く強い毛が育ち、通常の髪と同じように抜けにくい状態を目指せます。
一時的に髪を生やすだけでなく、長期的に薄毛を改善できる可能性があるかもしれません。
HARG療法では、150種類以上の成長因子を含む「AAPE」が休止状態にあった毛根の細胞を直接刺激して、本来のヘアサイクルの状態に戻す効果を期待できます。
HARG療法は飲み薬や塗り薬とは違って、成分をターゲットである毛包に直接届けます。また、薬剤で疾患に作用したり特定の物質を阻害したりするのではなく、生体成分によって毛根の働き自体に再生指示を出す治療となるため、「髪を作る工場」を再稼働させてくれるのです。
HARG療法は男性だけでなく、下の表で例を挙げているような、髪全体が薄くなる「びまん性脱毛症」に悩む女性にも適しているといわれています。女性の薄毛は加齢やホルモンバランスの変化、ストレスなどが複雑に関係していますが、毛母細胞に直接働きかけるため、このようなケースでも効果が期待できる場合があります。
| 女性の薄毛の原因 | 背景 |
|---|---|
| ホルモンバランスの乱れ | 出産後や更年期など、女性ホルモンの変動時期に発生しやすい |
| 加齢による毛髪の細化 | 年齢とともに毛髪が細くなりボリュームが減少する |
| 生活習慣の乱れ | ストレス、睡眠不足、偏った食生活などが影響する |
| 髪や頭皮への過度な負担 | カラーやパーマ、誤ったヘアケアによるダメージが影響する |
薄毛に悩んでいるものの内服薬や外用薬での治療を避けたい女性にとって、HARG療法は効果を期待できる治療法の一つといえるかもしれません。
HARG療法は、薬剤を頭皮の必要な範囲にのみ注入するため、体内に吸収される飲み薬に比べて全身への副作用リスクが低いと考えられています。使用するのはヒト共通のタンパク製剤であるため、拒絶反応も起きにくいとされています。
頭皮に直接注射器や専門の注入機器で薬剤を注入するため、頭皮に赤みや鈍い痛みが生じる可能性はありますが、AGA治療薬の副作用に不安を感じる方にとって、魅力的な治療法ではあります。
ただし、国内で正式に承認されている医薬品(成分)を使用した治療方法ではないため、十分な安全性データは確立されていない点には注意しましょう。副作用に関しては個人差があるので、事前にクリニックに相談することをおすすめします。
HARG療法には多くのメリットがありますが、保険適用外の自由診療であるため、初期費用は高くなりがちです。そのほか、治療を始める前に知っておくべき注意点もいくつかあります。納得感が持てる治療計画を決める参考にしてみてください。
HARG療法は保険適用外の自由診療であるため、費用は高くなりがちです。病院によって異なりますが、目安として1回あたり10万円程度の費用が必要となり、6回のコースを受けると総額で60万円前後かかる計算になります。
長期的な視点で見れば、毎月の薬代を払い続けるよりも費用を抑えられる可能性もあります。HARG療法は発毛するまでに約1年間の初期費用はかかりますが、発毛後は生えた毛髪を維持する治療(10万円前後)が年に一回程度で済むケースもあります。
一方で、投薬治療では毎月の治療費はHARG療法と比較すれば少額で済むものの、基本的に毎日投薬を続ける必要があるため、一概にどちらが良いとは断言できません。
症状や治療反応によっては、HARG療法が長期的に見て結果的に費用負担が抑えられるケースもあるため、自身の症状と治療法を照らし合わせて納得できるものを選びましょう。
HARG療法は注射器などで直接頭皮に薬剤を注入するため、施術中に痛みを感じることがあります。特に「パピュール法」という手法では、表皮とその下にある真皮との間にHARGカクテルを注射で注入するため、痛みが出やすい傾向にあります。
ブロック麻酔や笑気麻酔、麻酔クリームなどを使用したり、針を使わない注入機器(MED-JETなど)を導入したりして痛みを和らげる工夫をしているクリニックも増えています。
痛みの感じ方には個人差があるため、不安がある場合は施術前にクリニックに相談し、どのような対策があるかを確認すると良いでしょう。
HARG療法は頭皮に直接アプローチするため、施術前後1週間程度は髪のカラーリングやパーマを控える必要があります。また、施術直後の洗髪をはじめ当日の激しい運動や飲酒、喫煙なども制限される場合があるため、事前に予定を調整しておきましょう。
仕事やプライベートで髪型や活動に制限を設けたくない場合は、予定を考慮して施術日を決めるなど、計画的に治療を進めることをおすすめします。
薄毛やAGAの治療は、内服薬は維持、外用薬は育毛、メソセラピーは栄養補給、そしてHARG療法は再生と、それぞれの治療法には異なる役割があります。自分の薄毛の状態や目的、予算に合わせて納得感のある治療法を選ぶことが大切です。
AGAの主な治療方法を、一覧で確認してみましょう。

それぞれの治療法による費用相場は、以下のとおりです。

「どの治療法が自分に合っているかわからない」という方は、まずオンライン診療などで専門医に相談し、自身の現状の症状や状況を把握することをおすすめします。薄毛の状態や進行度、生活習慣、予算などを総合的に考慮して、治療法の併用も含めておすすめできるプランを提案してもらえるでしょう。
HARG療法を受ける一般的な流れは、以下のとおりです。
| 流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 初回カウンセリング・診察 | ・生活環境や治療歴、遺伝など、治療に必要な情報の確認 ・頭髪状態や原因を診察し、適した治療方法の提案 ・治療計画・治療費用の見積もり |
| 2. 施術前の準備 | ・頭皮の洗浄、消毒 ・必要に応じて麻酔 |
| 3. HARG療法の施術 | ・HARGカクテル(AAPE成分)を頭皮に注入 ・注入範囲は薄毛の症状に合わせて決定 ・施術時間は30分〜1時間程度 |
| 4. 施術後のケア | ・乾燥、消毒 ・マッサージ ・整髪 |
| 5. 経過観察・追加施術 | ・毛髪や頭皮状態の定期チェック |
先述のとおりHARG療法は一度の施術で完結するものではありません。複数回の定期的な施術と経過観察が必要です。クリニックによって流れが異なる場合もあるので、詳細については各医療機関に確認すると良いでしょう。
HARG療法に関心をお持ちの方から、治療を検討する際によく寄せられる質問について解説します。治療法を選ぶ際の参考にしてみてください。
HARG療法は毛根自体の再生を促すため、他の治療法に比べて効果が長続きする可能性があるといわれています。
しかし、AGAは進行性の疾患であるため、内服薬などの他の治療法と同様に、放置すれば時間とともに徐々に元の状態へ近づいてしまう可能性があります。良い状態を保つためには、年1〜2回のメンテナンス治療が推奨されます。
HARG療法を行ったあとは目立つようなダウンタイムはほとんどなく、日帰り施術が可能です。施術直後は赤みやごくわずかな出血がみられたり、膨隆といって薬剤を注入した箇所がぷくっと膨らむことはありますが、数日で収まる可能性が高いでしょう。
施術後はすぐに日常生活に戻ることができますが、施術直後の洗髪や入浴、当日の激しい運動などに制限が出る場合があるため、事前に担当医へ確認しておくと安心です。
HARG療法は、成長因子を頭皮に直接注入して自毛の再生を促す治療法です。150種類以上の成分を含む「AAPE」が毛根を刺激し、乱れたヘアサイクルを正常化させます。
自毛が太く抜けにくくなるだけでなく、男性・女性問わず効果が期待できる点がメリットです。全身性の副作用リスクが低く、治療完了後は年1〜2回のメンテナンスで維持できるため、薬を飲み続ける負担も軽減できます。
以上の点から、従来のAGA治療薬では効果が不十分だった方や副作用が心配な方にとって、新たな選択肢となる可能性があります。
施術時の痛みといった注意点はありますが、麻酔による対策も可能です。1回約10万円の治療を何度か続ける必要があり、効果実感まで3〜6ヶ月ほど要するため、まずは専門医と相談しながら、主流の治療法の選択肢も含めて、治療計画を立ててみましょう。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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HARG療法では、毎日薬を飲んだり塗布したりする必要がありません。一度、髪本来の成長力を取り戻せば、1クール終了後は年に1〜2回程度のメンテナンス通院で状態を維持できるケースが多いといわれています。
ただし、AGAやびまん性脱毛症は遺伝やホルモンなどが原因のため、治療によって完全に治ることはありません。そのため、定期的なメンテナンスは必要ですが、毎日の服薬や塗布といった煩わしさから解放される点は、メリットの一つといえるでしょう。