更新日:2026年05月01日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「生え際や頭頂部の薄毛はどうしたら治る?」と気になってしまいますよね。男性型脱毛症(AGA)は進行性の疾患であるため、放置すると薄毛は徐々に進行していきます。
本記事では、AGAの原因をはじめ、フィナステリドやミノキシジルなどの薬による治療法、自毛植毛、LED・レーザー治療について解説します。治療にかかる費用や保険適用の有無、クリニックの選び方についても触れていますので、ぜひご一読ください。
男性のはげ(薄毛)の原因で多いのが、男性特有の「AGA(男性型脱毛症)」です。AGAは加齢とともに発症率が高まりますが、20代などの若い世代でも発症することがあります。
AGAは、男性ホルモンが髪の毛の成長サイクルを乱す疾患です。
AGAは遺伝的要素が強いとされていますが、生活習慣の乱れやストレスによって症状を加速させる可能性もあります。
また、AGA治療をせずに放置すると薄毛は徐々に進行していき、自然治癒は期待できないため、薄毛の兆候を感じた時点で早めに医療機関を受診しましょう。
AGAは、男性ホルモンの「テストステロン」が「5αリダクターゼ」という酵素の働きによって「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変換されることで発症します。このDHTが毛包を萎縮させ、髪の成長を妨げてしまいます。
髪の毛は成長期、退行期、休止期という3つのサイクルを繰り返しますが、AGAを発症すると、通常2~6年ある髪の「成長期」が極端に短くなり、逆に「休止期」が長くなります。
| ヘアサイクルの段階 | 健康な状態 | AGA状態 |
|---|---|---|
| 成長期 | 2~6年 | 短くなる |
| 退行期 | 2~3週間 | ほぼ同じ |
| 休止期 | 3~4か月 | 長くなる |
その結果、髪の毛が細く短くなり抜け落ちて、生えづらい状態になります。

AGAは進行性で、自力で直すことはできません。薄毛が気になった段階で、医療機関を受診して治療開始するのがおすすめです。
AGAについて詳しく知りたい方は「AGAとは?抜け毛・薄毛が進行する男性型脱毛症について分かりやすく解説」も参考にしてみてください。
AGAの治療法には、症状の進行度や自身の希望に合わせた選択肢があります。基本的に20歳以上であれば、AGA治療を受けることが可能です。
AGA治療の主流は、内服薬や外用薬を用いた投薬治療です。薬によって、それぞれ独自の作用メカニズムがあるため、医師と相談をしながら自身の治療目的に合わせた選択をするとよいでしょう。
薬の効果には個人差がありますが、継続することで徐々に効果が現れてくるため、基本的には薬と長く付き合っていくことになります。
AGA治療でよく用いられるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルという3つの薬について詳しく見ていきましょう。
フィナステリドは、5αリダクターゼ(II型)が男性ホルモンのテストステロンと結合してDHTを生成するのを阻害します。DHTが毛包を萎縮させて抜け毛を増やすAGAの症状を抑制する作用があるため、今ある髪が抜けるのを防ぎ、維持する働きがあります。
ただし、発毛効果はあまり期待できません。効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、6ヶ月程度で効果を実感するケースが多いようです。服用を中止すると薄毛が進行して徐々に治療前の状態に戻るため、継続的な服用が必要です。
デュタステリドは、5αリダクターゼ(I型とII型)がテストステロンと結合してDHTを生成するのを阻害します。フィナステリドと比較して、I型とII型両方の5αリダクターゼに作用する特徴があります。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。
AGAの症状を抑制する作用はフィナステリドと同じですが、副作用のリスクが高くなる可能性があります。
デュタステリドもフィナステリドと同様に、主に現状ある髪が抜けるのを防ぎ、維持する働きが中心で、効果を実感するまでの期間は、6か月程度かかることが多いようです。
ミノキシジルは作用機序は完全には解明されていないものの、血管を拡張させ、毛包や毛根に酸素や栄養が届きやすくなり、発毛を促すとされる薬剤です。
AGAの原因となるDHTを抑える効果はありませんが、フィナステリドやデュタステリドと組み合わせて、相乗効果を期待して使用されることがあります。
効果を実感するまでの期間は個人差がありますが、こちらも6か月程度で効果を実感するケースが多いようです。
自毛植毛は、自身の後頭部や側頭部など、AGAの影響を受けにくい部位の毛包を薄毛が気になる頭頂部や前頭部に移植する外科手術です。自分の髪の毛を移植するため拒絶反応が少なく、生着した髪は半永久的に生えるという特徴があります。
ただし、外科手術のためダウンタイムが必要なことや広範囲の薄毛については複数回の施術が必要になる可能性があること、費用も高額になりやすい傾向がある点に注意しましょう。
自毛植毛について詳しく知りたい方は、「自毛植毛とは?仕組みやメリット・デメリット、費用、人工植毛との違いを解説」もぜひご一読ください。
特定の波長の光を頭皮に照射し、毛母細胞の活動を活性化させる治療法で、薬物療法に抵抗がある方の選択肢としても注目されています。
LEDや低出力レーザーの光は、細胞内のミトコンドリアに吸収されて細胞のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)の生成を促進させ、皮膚の深層部にある毛母細胞の細胞活動を活性化させる働きをします。髪が育つ土台をつくり、発毛を促進する効果が期待できます。ホームケア用の機器も販売されているため、自宅で継続的に治療を行うことも可能です。
副作用は、照射部皮膚の乾燥や痒み、圧痛、ひりつき、温熱感などが報告されています。
AGAの治療は自由診療になるため、保険は適用されません。そのため、クリニックによって治療費用はさまざまで、薬による治療は月額数千円~1万円以内が目安ですが、薬を複数組み合わせる場合は1万円を超えることもあります。
自毛植毛は範囲や移植する毛髪の単位(グラフト数)などによって費用が変わり、数10万から100万円程度が相場となっています。
LEDおよび低出力レーザー照射については、クリニックで施術を受ける場合と家庭用機器の購入やレンタルを選ぶ場合で費用が異なりますが、おおむね1万円~10万円程度と考えておくとよいでしょう。
実際にクリニックで治療方針を決める際には、各クリニックの費用体系を確認しましょう。
AGA治療の費用については「AGA治療にかかる費用は?内訳や月額、進行度別の相場費用も紹介」でも詳しく解説をしています。ぜひご一読ください。
AGAの治療は、専門のクリニックにて相談することから始めましょう。一般的なクリニック受診の流れは以下のとおりです。
いつ頃からどんな症状が気になりだしたか、あらかじめメモを用意しておくと良いでしょう。また、家族の薄毛の傾向や、現在服用している薬などの情報もあらかじめまとめておくと診察がスムーズです。
AGA治療は、クリニックで直接医師に診てもらう方法と、オンラインですべてが完結する方法の2パターンがあります。それぞれ向いている人のタイプが異なるため、以下を参考に自分に合った受診スタイルを選びましょう。
対面診療は以下のような希望がある場合、満足度が高いでしょう。
オンライン診療が向いている人は以下の通りです。
対面診療の場合は、医師が直接頭皮の状態を確認できるため、より詳細かつ正確に診断してもらえる安心感があります。一方、オンライン診療では、通院の手間が省ける便利さがあります。当然、オンライン診療だからといって診察が不十分といったことはありません。

対面診療とオンライン診療は、一律にどちらがいいなどはありません。薄毛に気づいた時点で、なるべく早く受診することが大切です。気持ちが楽な方を選んで予約しましょう。
AGA治療を始める前は、治療方法や使用する薬などの疑問や不安が出てきがちです。ここでは、治療に関してよくある質問について解説します。
はげの種類によって異なりますが、いずれの場合も医療機関を受診のうえ、適切な治療をすることが大事です。
たとえば、円形脱毛症の場合は軽度な症状であれば1年ほどで自然治癒するケースもありますが、確実ではありません。
AGAは進行性でホルモンや遺伝などが関係しているため、自然治癒は困難です。放置している限り症状は進行します。市販のシャンプーや育毛剤で対策したり、生活習慣を整えたりするだけではなかなか症状は改善しないでしょう。
治療開始が早ければ早いほど、治療の効果が出やすいケースが多いです。手遅れになる前に、薄毛が気になった時点で医療機関を受診するのがおすすめです。
異なる作用を持つ薬を組み合わせることによって、相乗効果を期待できます。
たとえば、フィナステリドとミノキシジルの組み合わせは、抜け毛を防ぎつつ発毛を促す治療法です。デュタステリドとミノキシジルの組み合わせも、フィナステリドと同様に抜け毛の抑制効果と発毛を期待する場合に選択されます。
ただし、フィナステリドとデュタステリドは作用機序がほぼ同じなため、原則として併用禁止です。
いずれの場合も副作用のリスクも考慮して、医師の指導のもとで適切に使用しましょう。
はげの種類によって抜け毛や薄毛の原因が異なるため、治療法が変わります。
たとえば、AGAであればフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルが効果的ですが、円形脱毛症には効果を発揮しません。
円形脱毛症の場合は、ステロイド局所注射や経口JAK阻害薬が第一選択肢となり、ミノキシジルが補助的に使われる場合もあります。
正確な診断を受けることで、自分のはげの症状に合った適切な治療法を選ぶことができます。自己判断での治療は避け、医師の診断を受けることをおすすめします。
はげ治療は、主に内服薬や外用薬による投薬治療、自毛植毛、LEDや低出力レーザー照射の3つがあります。
特にAGA(男性型脱毛症)の場合、フィナステリドやデュタステリドで抜け毛を防ぎ、ミノキシジルで発毛を促す組み合わせが効果的です。AGAは進行性の疾患であるため、放置して自然治癒することはありません。そのため、早めに医師の診察を受け、治療を開始することが大切です。
治療は保険適用外で自由診療ですが、投薬治療は月々数千円から1万円程度で継続できます。対面診療のほかオンライン診療という選択肢もあるため、まずは専門医へ相談し、継続することを前提に治療に取り組みましょう。
AGA治療でよくある後悔10選!対策やクリニック選びのコツを解説
AGA治療の副作用にはどんなものがある?症状や起こる確率、対処法を解説
フィナステリドとデュタステリドはどちらがAGA治療に効果がある?副作用や切り替えについても解説
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