レバクリ

更新日:2024/03/06

AGAの原因は?治療方法や進行を遅らせるための対策を解説

この記事のまとめ
  • AGAは頭部の脱毛を引き起こす進行性の疾患で、日本では男性型脱毛症と呼ばれる
  • AGAの原因となる遺伝的要素は5αリダクターゼの活性度や男性ホルモンレセプターの感受性
  • AGAの治療法には主に薬剤治療や植毛・増毛がある
  • AGAの進行を抑えるには生活習慣や頭皮環境の改善も大切

「最近薄毛が気になり始め、AGAではないかと思っている」という方もいるのではないでしょうか。「このまま放置すると薄毛が進行してしまうのでは」「AGAは発症したら終わりなのか」と不安を感じている方もいるでしょう。

ここでは、AGAの原因やメカニズム、治療方法などについて解説します。薄毛の進行を遅らせるための対策についても解説するので、状況を改善するためにぜひお読みください。

AGAとは

AGAは、「Androgenetic Alopecia」の略称です。頭部の脱毛を引き起こす進行性の疾患で、日本では男性型脱毛症と呼ばれています。

AGAのメカニズム

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5αリダクターゼという酵素によって、男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。このジヒドロテストステロン(DHT)がヘアサイクル(髪が生えて抜け落ち、再び生えるまでの周期)を乱し、髪の毛が伸びる成長期が通常に比べて短くなり、細くて短い髪が増えてしまいます。 ヘアサイクル_AGA

AGAの原因となる遺伝的要素

AGAの原因となる遺伝的要素として、以下の2つが挙げられます。

  • 5αリダクターゼの活性度
  • 男性ホルモンレセプターの感受性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

5αリダクターゼの活性度

5αリダクターゼはテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換させる働きを持っており、5αリダクターゼの活性度が高いとDHTが多く生成されると考えられます。生成されたDHTが男性ホルモンレセプターと結合すると脱毛因子が増えてヘアサイクルが乱れ、髪の成長期が短くなって脱毛が進行してしまうのです。

男性ホルモンレセプターの感受性

男性ホルモンレセプターの感受性も、AGAの原因となる遺伝的要素の一つです。 男性ホルモンレセプターの感受性の高い人ほどDHTが結合しやすく、脱毛因子が増えて髪の成長が妨げられます。男性ホルモンレセプターの感受性の高さは遺伝しやすいことから、AGAの発症には遺伝要素が関与しているとされています。

このように、5αリダクターゼの活性度と男性ホルモンレセプターの感受性の高さは、AGAの発症リスクを高める要因となりえます。

AGAの進行パターン

AGAの進行パターンはM型・U型・O型の3つに大別できます。

一般的な進行パターンは「M字型」と呼ばれるものです。額の生え際が徐々に後退し、M字に見えることからこう呼ばれています。生え際が後退するとともに、頭頂部の髪が薄くなっていくのが特徴です。

また、「U字型」と呼ばれる進行パターンもあります。前頭部が後退し、U字型に見えることからそう呼ばれています。M字型と後述するO字型を併発することもあります。

そして、頭頂部から髪の毛が薄くなっていくのが「O字型」です。上から見た時にO字に見えることから、そう呼ばれています。O字型は自分では気がつかないケースもあり、他人からの指摘によって発覚する場合も少なくありません。

AGAの進行パターンは個人によって異なりますが、男性ホルモンレセプターが前頭部から頭頂部にかけて多くあることから、一般的に頭頂部の薄毛や生え際の後退から始まりやすいとされています。

M字はげについては、「M字はげの原因と治し方とは?セルフケアから治療まで解説」でも詳しく解説しています。

AGAを発症したらどうする?

AGAを発症した場合、薄毛の進行を防ぐには適切な治療を受けることが大切です。市販の育毛剤やセルフケアだけでAGAを改善するのは難しいため、専門医の診断のもと早期に治療を始めることをおすすめします。

AGAの専門クリニックで診察を受ければ、AGAの進行状況や原因を正確に把握し、適切な治療方法を提案してもらえます。

20代のAGA発症については、「AGAは20代で発症する?薄毛の原因や対処法などを解説」を参照してください。

AGAの治療方法

AGAは適切に治療することで、薄毛が改善されると考えられます。AGAの治療方法の例は以下のとおりです。

  • 薬剤治療
  • 植毛・増毛

それぞれ詳しく見ていきましょう。

薬剤治療

薬剤治療では薬剤を使用して脱毛の進行を抑制したり、発毛を促したりします。 AGAの薬剤治療では内服薬や外用薬を使用します。

それぞれ特徴や効果などについて詳しく見ていきましょう。

内服薬

内服薬とは、口から摂取する薬剤のことです。 AGA治療の内服薬には以下のようなものがあります。それぞれの効果や副作用もチェックしておきましょう。

薬名期待できる効果副作用
プロペシア
(フィナステリド)
AGAの進行を抑制リビドー減退・勃起機能不全・射精障害など
ザガーロ
(デュタステリド)
AGAの進行を抑制リビドー減退・勃起機能不全・肝機能障害など
ミノキシジル発毛促進低血圧・頭痛・動悸・むくみなど

内服薬のプロペシアやザガーロにはジヒドロテストステロンの生成を抑える作用があり、AGAの進行を抑制する効果があるとされています。

ミノキシジルの内服薬は、外用薬と区別するためミノキシジルタブレットと呼ばれることが多いです。の主な作用は血管拡張による血行促進です。血流が良くなることで髪の元となる毛母細胞が活性化し、髪の毛が成長しやすくなるとされています。ただし、ミノキシジルタブレットは国内未承認薬です。

外用薬

外用薬とは、頭皮に直接塗布する薬剤のことです。AGA治療における外用薬としては主にミノキシジルが使用されます。

ミノキシジルの外用薬には血行促進作用があり、頭皮に栄養が行きわたりやすくなることで毛母細胞の分裂が促進され、髪が育ちやすくなるとされています。 外用薬は内服薬に比べて効果がゆるやかな分、副作用のリスクが低いとされる点がメリットです。

ミノキシジル外用薬の効果が出るまでの期間には個人差がありますが、基本的には6ヶ月ほどかかるといわれています。

薬剤治療はAGAの症状の改善に有効ですが、安全かつ効果的に治療を進めるには、個人輸入などで入手した薬を使用するのではなく、医師の診断のもと個人の頭皮の状態や体質に合わせた適切な薬剤を使用することが大切です。

AGA治療薬の副作用については、「AGA治療の副作用とは?治療薬ごとの副作用や対処法を解説」を参照してください。

植毛・増毛

植毛・増毛は、AGAの治療方法の一つであり、脱毛部位に自毛や人工毛を移植したり植えこんだりすることで髪のボリューム感を出します。

植毛は、患者自身の健康な毛髪や人工的な毛髪(人工毛)を薄毛が気になる箇所に植える治療方法です。自毛を移植する場合、一般的にAGAの影響を受けにくいとされている後頭部などの健康な毛髪を薄毛部位に移植します。

増毛は、人工毛を薄毛部位に結び付けたり人工毛が生えているシートを頭皮に貼り付けたりする治療方法です。人工毛は自然な見た目と感触を持つように設計されています。

植毛・増毛では、薬剤治療と比べると短期間で髪のボリュームアップを実現できます。自毛の移植であればより自然な仕上がりになり、、長期的に効果を持続させて定期的なメンテナンスが不要となるのがメリットです。

ただし、植毛・増毛は費用が高額になる可能性があり、人工毛の場合は定期的なメンテナンスが必要になります。

AGAの治療をしないとどうなる?

AGAの治療をしない場合、髪の毛が次第に細くなり、脱毛が進行して髪の量が減少していくと考えられます。AGAの初期段階では生え際や頭頂部の薄毛が少し気になる程度であっても、放置すると症状は悪化して薄毛の範囲が広がるでしょう。AGAが進行してしまうと、その分治療期間が長くなったり費用が高額になったりするおそれがあります。

また、AGAによる外見の変化によって、自信や自尊心にも影響を与える可能性があります。心理的なストレスが増加するリスクもあるため、AGAを発症しているかもしれないと感じたら早めに医師に相談し、適切な治療を受けるのが得策です。

AGAによる薄毛の進行を抑える方法

AGAを根本的に改善できるわけではありませんが、治療と並行して以下の2つを実践することで、薄毛の進行を抑えられる可能性があります。

  • 生活習慣を見直す
  • 頭皮ケアにより頭皮環境を整える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の中でも、特に睡眠不足や偏った食生活はAGAを進行させる原因となるおそれがあります。睡眠と食生活で見直すべき点を確認していきましょう。

睡眠

髪の成長を促す成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、睡眠時間が十分でないと髪が成長しづらくなって薄毛が進行する可能性があります。必要な睡眠時間は個人の活動量や年齢などによって異なりますが、厚生労働省によると成人は6~9時間が目安とされているため、この時間を参考にできる限り睡眠時間を確保することを心掛けましょう。質の高い睡眠をとれるよう、就寝前にスマートフォンなどの電子デバイスを使用することは避け、リラックスできる環境を作ることも大切です。

薄毛と睡眠の関係性については、「薄毛は睡眠で治る?睡眠と薄毛の関係を詳しく解説」でも詳しく解説しています。

参考:厚生労働省「良い睡眠の概要(案)

食生活

栄養バランスの取れた食事を心がけることも、AGAの予防につながります。 食事の際は特にタンパク質やビタミンB群、亜鉛、鉄を多く含む食品を積極的に食べると健康な髪の成長に役立ちます。一方、糖質や脂質を摂り過ぎると皮脂の分泌量が増えて毛穴が詰まり、頭皮環境が悪化して薄毛が進行するおそれがあることに注意しましょう。

上記のほか、定期的に運動する、喫煙や過度なアルコール摂取は控えるといったことも心がけてみてください。

適切な頭皮ケアで頭皮環境を整える

頭皮環境を整えることも、AGAによる薄毛の進行を抑えるために大切です。

具体的には頭皮の保湿が挙げられます。頭皮が乾燥するとかゆみが生じ、かきむしることで頭皮がダメージを受ける可能性があります。頭皮の乾燥が気になるときは、頭皮用の保湿剤やオイルを使用して適切に保湿しましょう。ただし、過度な油分の使用は逆効果となるため、適量を守ることが重要です。

また、洗髪時のお湯の温度は36~38度にして頭皮への刺激をできる限り少なくし、優しく頭皮をマッサージしながらシャンプーで洗いましょう。適度なマッサージにより血行が促進され、頭皮に栄養が行きわたりやすくなって頭皮環境を整えられると考えられます。

そのほか、髪や頭皮は紫外線からもダメージを受けるため、紫外線対策として帽子や頭皮用の日焼け止めを使用するのも一つの方法です。

薄毛のセルフケアについて、「薄毛を自分で治すには?原因別にセルフケア方法を紹介」でも詳しく解説しています。

まとめ

ここまでAGAの原因や治療方法などについて解説しました。 AGAは遺伝的要素が大きく関与する脱毛症であり、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼと結合し、ジヒドロテストステロン(DHT)を生成することで発症します。

AGAは適切に治療することで進行を抑制できます。治療と並行し、生活習慣を見直したり適切な洗髪や保湿を行って頭皮環境を整えたりすることも大切です。

AGAを発症しているかもしれないと思ったら、できるだけ早くクリニックを受診し、医師と相談しながら治療プランを立てましょう。

レバクリでは、AGAのオンライン診療サービスを提供しています。オンライン診療であれば通院の手間や交通費などをかけずに医師に相談することが可能です。診察は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。