更新日:2026年05月20日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ビオチンは肌荒れや抜け毛に効果があるの?」と気になっている方も多いかもしれません。ビオチンはビタミンB群の一種で、健康な肌づくりや抜け毛の予防、疲労軽減などさまざまな役割を果たします。
この記事では、ビオチンを摂取することで期待できる効果や、ビオチンの接種方法、その他ビオチン不足により起こりうるリスクについても分かりやすく解説します。体の内側からケアしたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
ビオチンとは、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、別名ビタミンHとも呼ばれる栄養素です。ヒト自身の体内では合成できませんが、腸内細菌によって一部産生されることが知られています。ビオチンは、食事やサプリメントなどから摂取するのが一般的です。
多くの食品に含まれるビオチンは、主にタンパク質と結合した状態で存在しており、体内で栄養素として利用するためには、タンパク質から分離する必要があります。なお、体内で利用される割合は食品の状態や消化機能によって異なります。
外部から摂取する必要のあるビオチンですが、この栄養素がどのような役割を担っているのか詳しく見ていきましょう。
ビオチンが不足すると、皮膚の代謝が乱れ、皮膚や髪、爪などにさまざまな不調が現れることがあります。たとえば、肌荒れや湿疹、乾燥などの皮膚トラブルが起こりやすくなるほか、抜け毛などの毛髪トラブルや爪が割れやすくなるといった症状が見られる場合もあります。また、疲れやすさや倦怠感、食欲不振などの体調不良につながることもあります。
通常の食生活で不足することは中々ありませんが、偏った食事や過度なダイエット、妊娠中は血中ビオチン濃度が低下することが報告されていますが、通常の食生活で明らかな欠乏症を来すことは稀です。

ビオチンとは、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、健康を維持するために欠かせない栄養素のひとつです。ビオチン不足を防ぐためにも、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
食事やサプリメントなどから補うことのできるビオチンには、さまざまな効果が期待できるといわれています。ここでは、ビオチンを摂取することで得られる主な効果を5つ解説していきます。
ビオチンは、肌の健康を支える栄養素のひとつで、アミノ酸代謝やアミノ酸や脂質の代謝に関与し、肌を構成するタンパク質の代謝を助けることで、細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を円滑に保つ働きがあります。
また、かゆみの原因物質とされるヒスタミン関連症状に関与する可能性が示唆されていますが、十分な臨床的根拠は確立されていません。ビオチンは、特定の皮膚疾患を治療するものではなく、健康な肌状態を維持するための栄養の基盤として位置づけられています。
ビオチンは、激しい運動や酸素が不足した際に蓄積される糖新生に関与する酵素の補酵素として働きますが、ビオチン摂取によって筋肉痛や疲労が直接軽減されるという明確なエビデンスは限られています。これにより、エネルギー代謝を維持し、疲労物質の生成を抑えることで筋肉痛や疲労感の軽減につながるといわれています。
ただし、ビオチンはあくまで代謝をスムーズにするサポート役であり、積極的にビオチンを摂取したからといって、すぐに疲労回復が見込めるというわけではありません。質の良い睡眠やバランスの取れた食事など、生活習慣全体を整えたうえで、補助的に取り入れるといいでしょう。
ビオチンには、脂肪の代謝に関わる酵素の働きをサポートする力もあります。私たちの体には、食事から摂取した脂質をさまざまな酵素の働きによって分解し、エネルギーとして利用する仕組みがあります。ビオチンは、こうした代謝反応を助けることで脂肪をエネルギーとして活用しやすい状態へ導きます。
ただし、脂肪の代謝を助けることが、脂肪燃焼によるダイエットにつながるといった医学的根拠は確認されていません。
ブドウ糖は私たちの脳や体を動かすための大切なエネルギー源です。ビオチンは、食事から摂取した糖質を体内でエネルギーへ変換する過程をサポートする役割も担っています。
一部の研究(主に小規模研究)では、エネルギーへ変換する過程で、血液中のブドウ糖の量を抑えるインスリンの働きを助ける可能性が示唆されていますが、血糖値を下げる効果が確立されているわけではありません。血糖値が気になる場合は、薬物療法や食事療法などの基本的な治療を検討しましょう。
髪の成長にはタンパク質ケラチンの合成や細胞の代謝が関係していますが、ビオチンはこれらの働きをサポートする役割があります。そのため、抜け毛や白髪の予防にも期待ができるといわれています。
しかし、ビオチンの摂取によって白髪が黒く変化したり、育毛が期待できたりといった治療効果については、十分な医学的根拠はありません。あくまで不足による髪のトラブルを防ぎ、健康な状態を維持するための栄養素と捉えておくといいでしょう。
ビオチンの摂取目安量は年齢や性別によって異なりますが、成人の場合は1日あたり約50μgが目安とされています。ビオチンは食事のほか、乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌によっても合成されるため、通常の食生活を送っていれば不足することはあまりありません。
ただし、抗生物質の長期服用による腸内細菌への影響や、生の卵白の大量摂取による神経症状(しびれなど)、そのほか喫煙などにより、不足のリスクが高まるケースもあります。必要に応じて生活習慣を振り返ることでビオチンの不足を防ぎ、健康を維持しやすくなります。

通常の食生活でビオチンが不足することは稀です。バランスの取れた食事を心掛けましょう。
ビオチンは水溶性のビタミンであり、必要以上に摂取した分は尿として排出されるため、直接的な副作用の心配はほとんどありません。
ただし、過剰摂取により血液検査の精度に影響を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。検査結果の数値に影響が出ることで、病気の見落としを招く恐れがあります。
医療機関を受診する際は、サプリメント摂取の有無や食生活など医師へ伝えましょう。
ビオチンは日常の食事から摂取することができますが、食生活によっては十分に摂取できない場合もあります。そのため、食品からの摂取に加えて、必要に応じてサプリメントを活用する方法もあります。ビオチンは水溶性ビタミンのため、体内に長く蓄えられない性質があり、継続的に摂取することが大切です。
以下では、ビオチンを効率よく摂取するための方法として、食品から摂る方法とサプリメントを活用する方法を紹介します。
ビオチンはさまざまな食品に含まれており、特にレバー、卵黄、ナッツ類、大豆製品、きのこ類などに多く含まれています。これらの食品をバランスよく取り入れることで、日常の食事からビオチンを摂取することが可能です。
ただし、生卵の白身にはビオチンの吸収を妨げるアビジンという成分が含まれており、過剰摂取には注意が必要です。加熱することで影響は少なくなるため、調理方法を工夫してバランスの取れた食事を心掛けましょう。
食事だけで十分なビオチンを摂取できない場合は、サプリメントを活用する方法もあります。サプリメントは必要な栄養素を効率よく補えるため、忙しい方や食生活が偏りがちな方にとって便利な手段です。ただし、サプリメントは治療薬ではなく、あくまで不足を補うための食品です。サプリメントを飲めば髪が生えてくるといった効果の根拠は不十分であるため、補助食品として取り入れるに留めておきましょう。
また、肌荒れや抜け毛などの症状で悩んでおり、サプリメントを摂取するか迷っている方は、症状がビオチン不足によるものか、あるいは他の疾患が隠れていないか原因を判断する必要があるため、飲み始める前に医療機関へ相談すると安心です。
ビオチンを意識的に摂取しても、肌荒れや髪のトラブル、疲労感などの症状が続く場合、その原因はビオチン不足ではなく、他の疾患が隠れている可能性もあります。セルフケアで改善が見られない場合は、症状の根本的な原因を見逃さないためにも、専門の医師へ相談することが大切です。早めに対策を打つことで、症状を抑えやすくなる可能性があります。必要に応じて医療機関を受診しましょう。
ビオチンはビタミンB群の一種で、糖質・脂質・タンパク質の代謝をサポートする栄養素です。肌や髪、爪の健康維持に関わるほか、エネルギー代謝や体調管理にも関係するとされています。通常はバランスの良い食事を心がけることで摂取できますが、必要に応じてサプリメントを活用する方法もあります。
健康的な体を維持するためにも、日々の食生活のバランスを意識しながらビオチンを取り入れていくことが大切です。
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|---|---|---|
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