更新日:2026年06月29日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「女性のAGAかもしれない」「最近、薄毛が気になる」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。いざ女性のAGA治療を検討すると、副作用について不安に感じる女性は少なくありません。本記事では、女性のAGAの原因や治療薬「ミノキシジル」の期待できる効果、副作用、避けるべき薬まで詳しく解説します。抜け毛や薄毛に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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女性のAGAとは、女性の薄毛のことを指します。上記の図のように、前頭部から頭頂部にかけて、中央の分け目に沿って脱毛していくのが特徴です。
以前は、男性のAGAと同じ疾患と考えられていたため、「Female AGA(FAGA)」と呼ばれるようになりました。しかし、研究により男性とは異なる症状であると判明したため、現在は「女性型脱毛症(FPHL)」と区別して呼ばれることもあります。
以下のような自覚症状は、女性のAGAが進行しているサインと考えられます。
これらの症状が気になる場合は、まずは皮膚科などの専門の医師へ相談するのが良いでしょう。
女性のAGAの原因は、主に以下の3つが関係しています。
順番に解説していきます。
女性のAGAの原因は、 女性ホルモン「エストロゲン」の減少によるもの があります。更年期前後にエストロゲンが減少することで、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、ヘアサイクルが乱れるおそれがあるからです。
エストロゲンには、髪の成長期を維持し、ツヤやハリを保つ大切な役割があります。しかし、更年期や出産後にエストロゲンが急減すると、体内に存在するテストステロンの影響が顕在化してしまいます。
その結果、髪が十分に成長する前に脱毛し、全体的なボリュームダウンや地肌の透けを招く大きな要因となるのです。
女性のAGAを引き起こす原因の中には、 薄毛になりやすい体質を遺伝的に引き継いでいる 場合もあります。毛根にある「アンドロゲン受容体」の感度が関係しています。アンドロゲン受容体の感受性が高い遺伝子を持っていると、ホルモンの影響をより強く受け、髪の生え替わり周期が乱れやすくなるためです。
AGAは母方から遺伝すると噂されることもあります。しかし、この遺伝的な体質は、母方・父方のどちらからも引き継ぐ可能性があります。
過度な食事制限を行ったダイエット にも注意が必要です。髪は生命維持の優先度が低いため、栄養不足によって頭皮環境や髪の健康に影響する可能性があるからです。
特に髪の主成分である「タンパク質(ケラチン)」が足りないと、髪は細くなり、成長しきる前に抜け落ちてしまいます。さらに、髪の合成に欠かせない「亜鉛」や、頭皮へ酸素を運ぶ「鉄分」の欠乏も、毛細細胞の活動に影響してしまいます。
薄毛の直接的な原因ではありませんが、髪の健康のためにも過度なダイエットをしないようにしましょう。

女性のAGAはホルモンバランスや遺伝などにより起こります。 また、過度なダイエットによる栄養不足も、髪の主成分であるタンパク質の欠乏を招き、毛髪の健康状態に影響を及ぼすことがあります。薄毛の根本的な原因ではありませんが、頭皮環境のためにも、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
ミノキシジルは、 発毛を促す効果が期待できる治療薬 です。男性AGAにも使われる治療薬で、内服薬と外用薬があります。男性型脱毛症にはミノキシジル5%に対し、女性のAGAには「ミノキシジル1%」の使用が推奨されています。
もともと、ミノキシジルは血管拡張薬(降圧薬)として開発された経緯がありました。毛包周囲の血流を改善することで、髪の成長に必要な酸素や栄養が届きやすくなり、発毛が促進される可能性が示唆されています。ミノキシジルの作用は完全に分かっていませんが、以下の点が発毛作用だと考えられています。

血流改善のみで発毛効果を説明できる明確な根拠はなく、あくまでも一因という点に留意しましょう。
男性用AGA治療薬(内服薬)であるフィナステリドやデュタステリドは、 女性の服用や接触が固く禁じられています 。
これらの治療薬は、妊娠中や授乳中の女性には重大なリスクがあるためです。誤って服用すると、お腹の中にいる男子胎児の生殖器官に発育異常(奇形)を起こすおそれがあります。
さらに、これらの薬は皮膚からも吸収される「経皮吸収」のリスクがある点に注意が必要です。割れた錠剤に触れるだけでも、成分が体内に取り込まれてしまいます。家族が服用している場合も、決して触れないよう取り扱いには細心の注意を払いましょう。
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「フィナステリド錠 添付文書」
参考:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「デュタステリド錠 添付文書」
AGA治療に伴う副作用はゼロではありませんが、正しく理解していれば過度に恐れる必要はありません。体質や体調によって反応は異なるため、医師の管理下で用法を守ることが大切です。
ここでは、女性がAGA治療を始める前に知っておきたい知識を2点解説します。
順番に見ていきましょう。
ミノキシジルには、外用薬と内服薬があり、形状によって副作用が異なります。
外用薬の場合、 主な副作用として頭皮の発疹や発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感 などがあります。ただし、頭皮トラブルだけでなく、全身性の副作用が起こる可能性もゼロではありません。
一方、内服薬の場合は全身に作用が及ぶため、多毛症や動悸、息切れなど全身性の副作用が起こる可能性があります。特に、動悸や息切れなどの副作用は、ミノキシジルの血管拡張作用によるものと考えられています。
副作用や異変が現れた場合は、自己判断で服用せずに、すぐに使用を中止して医師に相談しましょう。
参考:大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
ミノキシジル外用薬の使用初期に、一時的に抜ける「初期脱毛」の現象が現れることもあります。初期脱毛は、 休止期に移行した毛が抜け落ち、新しい成長期の毛に置き換わる過程で起こる現象のこと です。
この一時的な抜け毛は、薬が効いている可能性を示す一つとして捉えられます。個人差はあるものの、治療開始から2週間~8週間頃に初期脱毛が起こり、3か月程度で落ち着くことが多いでしょう。もし、服用を始めてみて症状に不安を抱える場合は、処方元の専門医に相談してみてください。

ミノキシジルの使用により初期脱毛が起こるケースもあります。初期脱毛は、薬の効いている可能性の一つですが、必ずしも発生するわけではありません。抜ける量も個人差があるため、初期脱毛に気づかないケースも考えられます。
女性のAGAは、エストロゲンの減少によるホルモンバランスの変化、遺伝的要因、過度なダイエットが主な原因となって発症します。
女性のAGA治療薬は、発毛を促す効果が期待できる、ミノキシジルが使用されます。一方で、男性用AGA治療薬として使われる、フィナステリドやデュタステリドは、女性の服用や接触ができません。妊娠中の女性が服用すると胎児の生殖器官に発育異常を起こすリスクがあるため、女性には禁忌とされています。
また、ミノキシジルの副作用として、外用薬では頭皮の発疹やかゆみ、内服薬では多毛症や動悸、息切れなどがあります。しかし、正しく理解して医師の管理下で用法を守れば、過度に恐れる必要はありません。健やかな髪を守るためにも、まずは専門医にご相談してみてください。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬男性型脱毛症用薬フィナステリド錠」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「5α還元酵素1型/2型阻害薬男性型脱毛症治療薬デュタステリド錠」
大正製薬「リアップリジェンヌ説明書」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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