更新日:2026年08月18日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「円形脱毛症が治りかけなのに白髪が生えてきた」と不安を感じている方もいるかもしれません。回復期に生える白髪は、多くの場合、毛包が活動を再開した回復のサインと考えられます。この記事では、白髪が生える原因や黒髪に戻るまでの期間の目安、回復を支える対策と避けたいNG行動を解説します。
円形脱毛症の回復期に白髪が生えるのは、毛包が活動を再開したサインであることが多く、よく見られるケースです。 せっかく生えた毛が白髪だと、円形脱毛症が治っていないと感じてしまいがちですが、髪が生えてきたこと自体が回復に向かっている表れと考えられます。 回復期に白髪が生えてくる理由を解説します。
回復期に生える白髪や産毛は、毛包の活動が再開した兆候の一つと考えられます。 円形脱毛症では、自分自身の免疫細胞が成長期の毛包を攻撃することで、毛包が正常な成長サイクルを維持できなくなります。毛包そのものは多くの場合構造的に残っており、免疫攻撃が収まれば再生が可能ですが、繰り返しの攻撃で毛包が疲弊すると回復が困難になる場合があります。 回復が始まると、最初は抜けやすい弱々しい産毛が生え、毛包の働きが整うにつれて太く抜けにくい髪へと変化していきます。 このとき、髪自体を作る働きが、髪に色をつけるメラノサイトの働きより先に回復することがあり、白髪として生えてくることがあるのです。 白髪であっても発毛していること自体が前向きな変化といえます。
脱毛した部分に白髪だけが残ったり、白髪だけが生えてきたりすることもあります。 円形脱毛症は自身の免疫反応が、毛包を標的として攻撃する自己免疫性疾患と考えられています。 円形脱毛症では、色素を産生している成長期の毛包が免疫攻撃の主な標的となりやすいため、色素を持つ黒髪が優先的に脱落する傾向があります。この過程にはメラノサイトが関連する自己抗原が関与している可能性が示されていますが、詳細なメカニズムは現在も研究中です。その結果として、白髪(メラノサイト活性が低い、または色素産生をしていない毛髪)が相対的に脱落しにくく残ることがあります。 白髪だけの状態が続くと不安に感じやすいものの、多くは回復の途中の一時的な状態です。 焦らずに経過を見守ることが大切です。
白髪が生えてきても、円形脱毛症は再発や拡大の可能性があるため、経過観察を続けることが大切です。以下のような変化が見られた場合は、症状が悪化している可能性も考えられます。
経過を確認するなかで、気になる変化があれば医師に相談しましょう。 ※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
円形脱毛症は、AGAなどの脱毛症とは異なる原因で起こる疾患です。 自分の抜け毛がどのタイプかによって、対処の仕方も変わってきます。基本的な特徴を理解し、自分の症状を把握しましょう。
円形脱毛症の最も特徴的な症状は、円形に髪が抜け落ちることです。ほかにも、以下のような特徴があります。
円形脱毛症はAGAのようにじわじわと進行するのではなく、比較的短期間で明確な脱毛斑として現れます。頭頂部や生え際から徐々に薄くなっていくAGAとは発症パターンが異なります。

円形脱毛症は、突然脱毛が起こる初期、症状が広がる急性期(進行期)、時間をかけて髪が再生する「回復期」に分けられます。 急性期(進行期)では脱毛斑が拡大したり、新しく増えたりするのが特徴で、脱毛部分に残っている髪は、少し引っ張っただけで抜けるようになります。 回復期へ移行すると、最初は抜けやすい産毛が生え、毛包の活動が正常化するにつれて太く抜けにくい髪へ変化し、元の密度へ戻っていきます。

円形脱毛症は、その広がり方によって画像のとおり5つのタイプに分けられます。 脱毛の範囲が広いほど、治療の難易度も高くなる傾向があります。
| タイプ | 症状の特徴 | 治療の難易度 |
|---|---|---|
| 単発型 | 小さな円形または楕円形の脱毛斑が1〜2ヶ所発生する | 低い |
| 多発型 | 複数の脱毛斑が離れた場所に発生する | 中程度 |
| 蛇行型 | 複数の脱毛斑が融合して帯状になる | 高い |
| 全頭型 | 頭部のほぼ全体が脱毛する | 高い |
| 汎発型 | 全身のあらゆる部位の毛髪が脱毛する | 高い |
単発型が最も重症度が低く、汎発型が最も高いとされています。個人によって経過は異なり、短期間で自然に回復する方もいれば、治療に数年かかる方もいます。また、重症度が高いタイプであっても、治癒の可能性はあります。 自分の症状をほかの人と比較せず、医師と相談しながら自分に合った治療を見つけていくことが大切です。 ※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
円形脱毛症のあとに白髪が生える背景には、免疫の異常と色素細胞(メラノサイト)の関わりがあります。白髪が生える3つの原因をメラノサイトの関わりとあわせて解説します。
1つ目の原因は、色素細胞(メラノサイト)の機能が一時的に低下することです。 毛髪の色は、毛根にあるメラノサイトという細胞が作り出すメラニン色素によって決まります。円形脱毛症では毛包に対する自己免疫反応が起こり、前述のとおりメラノサイトにも影響が及ぶことがあります。毛包の回復が始まって毛髪の再生が進んでも、メラノサイトの機能回復が遅れると、メラニン色素が十分に作られず、白髪や色の薄い髪として生えてくることがあります。 この現象は一時的なもので、メラノサイトの機能が戻るにつれて徐々に黒髪へ戻っていくと考えられます。
2つ目の原因は、髪を作る働きが色をつける働きより先に回復することです。 回復の過程では、髪を生やすことを優先させ、毛髪を生やす毛母細胞がメラノサイトよりも先に働きを取り戻す傾向があると考えられているためです。毛母細胞が回復した段階でメラノサイトの働きが戻っていないと、メラニン色素が十分に作られず、結果として白髪として生えてきます。 その後、メラノサイトの機能が回復するにともなって、黒髪に戻ります。
3つ目の原因として、メラニン色素を多く含む黒い髪が免疫の影響を受けやすい可能性が挙げられます。 円形脱毛症による自己免疫反応は、色素を多く含む黒髪のほうが攻撃の対象になりやすいと考えられています。 メカニズムは完全には解明されていませんが、白髪だけが残る、あるいは白髪だけが生えてくるという現象の一つの仮説です。 免疫の状態が改善するにつれて、毛髪の色も徐々に回復していくと考えられます。
生えてきた白髪は、多くの場合、時間とともに黒髪へ戻っていくとされていますが、個人差が大きいのが実情です。ここでは、戻りやすい白髪と戻りにくい白髪の違いや、回復までの期間の目安を解説します。
白髪として生えてきた髪は、メラノサイトが回復してメラニン色素が通常量作られるようになれば、時間とともに少しずつ黒髪へ戻ると考えられます。 これは、メラノサイトの機能が一時的に低下していたケースで起こりやすい変化です。 回復には時間がかかるため、すぐに髪の色が戻らなくても焦らず見守ることが大切です。
一方ですべての白髪が黒髪に戻るとは限らず、もともと白髪だった部分など、メラノサイトの働きが回復しても髪の色が戻りにくいケースもあります。
また、メラノサイトの機能が十分に回復しない場合は、完全に元の色まで戻らず、やや色の薄い状態で安定することもあります。 戻りやすいかどうかは個人差があるため、まずは脱毛症状の経過を観察することが大切です。
白髪から黒髪への変化は、数ヶ月で回復することもあれば1年以上かかることもあり、個人差が大きいのが特徴です。 円形脱毛症全体の症状からの治癒のしやすさには、脱毛の範囲が関係するとされています。単発型や数個程度の脱毛にとどまる場合は、発症後1年以内は経過を観察するだけでも回復が見込める場合があるとされていますが、脱毛面積が広いほど回復しにくくなる傾向も示されています。 回復のスピードは以下のような要因によって左右されます。
条件が似ていても回復のスピードは人それぞれなので、ほかの人と比べて焦らず、自分の回復ペースを受け入れてストレスを増やさないことが大切です。
白髪の状態が長引いたり脱毛範囲が広がり続けたりする場合は、ほかの脱毛症の可能性も含めて医師に相談しましょう。 6ヶ月以上変化が見られない場合や脱毛が拡大する場合は、以下のような円形脱毛症以外の可能性も考えられます。
症状によっては、円形脱毛症とは異なる治療が必要になることもあります。医師に相談する際は、発症時期や経過、これまでの治療内容や効果を詳しく伝えると、より的確なアドバイスを受けられるでしょう。

髪色を含め、円形脱毛症の回復スピードは脱毛の範囲や年齢、体質などで差が出ます。ほかの人と比べて焦る必要はありませんが、変化が乏しいときや脱毛が広がるときは、自己判断で抱え込まず早めに医師へ相談してください。※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
円形脱毛症と白髪への対策の土台は、医療機関での適切な治療と、回復を支える生活習慣の見直しです。回復をサポートするための5つの対策を解説します。
対策の基本は、医師の判断のもとで適切な治療を受けることです。 円形脱毛症の治療には、症状や脱毛の広がりに応じて以下のような選択肢があります。
さらに、重症の円形脱毛症に対しては、JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)の内服という選択肢もあります。免疫の過剰な反応を抑える内服薬で、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の円形脱毛症に対して国内でも承認されていますが、治療環境が整った施設で医師の管理のもと使用する必要があります。 治療法は患者の症状や状態、希望をもとに医師が判断します。

髪の生成と色素の形成を支えるために、上の図にある食材を参考に栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。 髪の材料となるタンパク質や、亜鉛、ビタミン類などをバランスよく摂ることが基本です。 髪の色素を作るには、チロシンというアミノ酸も役立ちます。 チロシンはメラノサイトがメラニン色素を作る際に使われる栄養素で、肉類や乳製品、魚介類、卵などに含まれています。 栄養素が不足する場合はサプリメントを利用するのも一案ですが、過剰な摂取は体に負担を掛けることがあるため、普段の食事の栄養バランスを意識することが優先です。

質の良い睡眠とストレスケアは、回復を支える土台になります。睡眠は心身を休ませ、コンディションを整えるうえで欠かせません。 また、ストレスが円形脱毛症の誘発・増悪因子になりうる可能性が研究で示されていますが、ストレスと症状悪化の因果関係はヒトでは十分に確立されていません。心理的なストレスや不安は円形脱毛症に伴う精神的合併症として重要であり、精神的なサポートや生活の質の維持が治療管理の一部として推奨されています。 ストレスをゼロにするのは難しいものの、好きなことに没頭する、家族や友人と過ごす、リラックスできる時間を意識的に設けるなど、ご自身に合った発散方法を取り入れることが推奨されます。

回復期、特に白髪が生えてきた時期は、頭皮と新しい髪をやさしく扱うことが大切です。 強いマッサージや洗浄力の強いシャンプーの使用は控え、頭皮への刺激が少ないシャンプーを選ぶとよいでしょう。洗髪するときは爪を立てず、指の腹でやさしく洗ってください。 ドライヤーを使うときは、熱いと感じない距離を保ち、髪に近づけすぎないようにしましょう。 新しく生えてきた髪を大切に扱うことで、頭皮の環境を整えることにつながります。
白髪や脱毛部分が気になる場合は、ウィッグや髪型で目立ちにくくする工夫もおすすめです。 ウィッグを使ったり、気になる部分が目立ちにくい分け目や髪型に変えたりすることで、精神的なストレスの軽減にもつながるかもしれません。 ストレスは回復の妨げになる可能性があるため、無理に隠そうとしすぎず、自分が心地よく過ごせる方法を取り入れることが大切です。 ※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
円形脱毛症の回復期には、知らないうちに症状を悪化させてしまう行動を避けましょう。4つの行動を例に解説します。
そのうち治る、と考えて放置することは、症状の悪化や慢性化につながる可能性があります。円形脱毛症は放っておくと脱毛範囲が広がったり、複数ヶ所に及んだりすることがあります。 早めに医師に相談することで、早い回復が見込めるだけでなく、不安の解消にもつながるでしょう。
回復期に生えてきた白髪を無理に抜くのは避けるべきです。 白髪であっても、発毛していること自体が毛母細胞の活動が回復しているサインです。抜いてしまうと、回復してきた毛包に次のような悪影響を与える可能性があります。
白髪が気になるときは抜くのではなく、分け目や髪型を工夫するにとどめましょう。
白髪を隠したいからといって、刺激の強いヘアカラー剤やヘアケア用品を使うのは控えましょう。 回復期の頭皮や毛髪は、通常よりもデリケートな状態にあります。この時期に刺激の強い製品を使うと、頭皮環境が悪化し、回復を妨げる可能性があります。 製品の使用中に頭皮の赤みやかゆみ、ひりつきを感じた場合は、すぐに使用を中止し、必要に応じて医師に相談しましょう。
育毛剤や市販薬を自己判断で重ねて使い過ぎるのは避けましょう。 複数の市販剤を一度に使うと、かぶれたり症状が悪化したりするだけでなく、何が効いて何が悪影響を及ぼしているのか判断しにくくなります。1つの製品を一度に多く使ったり、回数を自己判断で増やしたりするのも悪化につながる恐れがあります。 決められた用法用量を守り、処方薬と市販品を併用する場合は事前に医師へ相談しましょう。
円形脱毛症や白髪が気になるときは、早めに医療機関へ相談することが回復への近道です。 早めに相談することで症状の進行を抑え、不安を軽くすることにもつながります。 受診の際は、明るい場所で撮った患部の写真や、症状の経過をまとめたメモを用意しておくと、医師に状態が伝わりやすくなります。通院の時間が取りにくい場合や対面に抵抗がある場合は、オンライン診療を行っている医療機関を検討するのも一つの方法です。 一人で抱え込まず、気になる変化があれば専門家に相談してみましょう。 ※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
円形脱毛症の回復期の白髪について、よくある質問に回答します。
白髪染めをしても問題ありませんか?
注意点を守れば可能ですが、急性期は避けるのが無難です。抜け毛が続く時期は薬剤によるかぶれが症状を悪化させる恐れがあります。頭皮に薬剤をつけないヘアマニキュアや低刺激な製品を選び、事前にパッチテストを行いましょう。心配な場合は、染める前に医師に頭皮の状態を確認してもらうと安心です。
治った後に髪質や色が変わることはありますか?
一時的に変わることはありますが、多くは時間とともに落ち着きます。回復初期は細い産毛から始まり、毛周期を繰り返すうちに元の太さに近づきます。一時的にうねりが出たり白髪が生えたりすることもありますが、メラノサイトが回復すれば色も戻っていくのが一般的です。ただし、変化が残る場合もあります。
何科を受診すればいい?皮膚科でOK?
円形脱毛症の診断と治療は皮膚科で行われます。皮膚科では脱毛症の種類を見分け、免疫の異常を抑えるための治療方針を判断します。円形脱毛症は甲状腺疾患などを併発していることもあり、その場合は内科と連携して進めることもあります。
円形脱毛症の回復期に白髪が生えるのは、毛包が活動を再開した回復のサインと考えられます。髪を作る働きに比べて色をつくるメラノサイトの回復には時間がかかるため、一時的に白髪として生えてきますが、多くは時間の経過とともに黒髪へ戻っていきます。 ただし、元から白髪だった部分などは戻りにくいこともあり、回復までの期間は数ヶ月から1年以上と個人差が大きいのが実情です。この時期に避けたいのは、目立つ白髪を無理に抜いたり、刺激の強い薬剤で染めたりして頭皮を傷めることです。自己判断で放置せず、適切なケアを続けることが回復につながります。 経過に不安があるときや脱毛範囲が広がるときは、迷わず医療機関へ相談しましょう。生えてきた白髪は、体が再生に向けて一歩踏み出した証です。焦らず前向きに、健やかな髪を目指していきましょう。 ※現在レバクリでは、円形脱毛症の診療は行っておりません。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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