更新日:2026年07月14日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ビタミン不足で髪の毛が抜けやすくコシやハリがない?」と感じている方もいるかもしれません。ビタミンは、髪の成長サポートに欠かせない栄養素で、毎日の食事から摂取するのが基本です。本記事では、髪の毛や頭皮の健康に良いビタミンA・B群・C・Eの効果や働き、サプリメントの活用法、症状が改善しない場合の原因を紹介します。
髪の毛が健康に育つためには、適切な栄養摂取が不可欠です。ビタミンは、髪の主成分であるタンパク質の代謝を助け、頭皮環境を整える土台作りの役割を担います。
髪の大半を占めるケラチンというタンパク質が合成される際、ビタミンB群などが酵素の働きを助ける補酵素となります。ただし、ビタミン自体が直接髪を作るわけではなく、あくまで正常なヘアサイクルを維持するための潤滑油のような存在です。ビタミンが髪にもたらす力への過剰な期待は禁物ですが、不足すると抜け毛の一因になり得るため、必要量を満たすことが大切です。
ビタミンには多くの種類があり、それぞれ髪の健康に対して異なる役割を担っています。髪の毛や頭皮の健康維持に特に関係の深いビタミンA・B群・C・Eについて解説します。
ビタミンAは細胞の新陳代謝を促進し、頭皮や粘膜の健康を維持することで髪のハリやコシを支えます。頭皮のターンオーバーを健やかに保ち、乾燥トラブルを防ぐことで、髪が育ちやすい環境を整えます。
ただし、ビタミンAは脂溶性で体内に蓄積されやすいため、過剰摂取には注意が必要です。特にサプリメントでの摂りすぎは脱毛を招く恐れがあるため、食事からの摂取を基本にし、適量を守りましょう。
ビタミンB群は髪の成長サイクルを正常に保ち、髪を強くする働きがあります。なかでもビオチン(ビタミンB7)やナイアシン(ビタミンB3)はタンパク質やエネルギー代謝にも関わるため、髪の主成分であるケラチンの合成を間接的にサポートする役割を担います。 ビタミンB群は水溶性で体内に蓄積されにくいため、日常的に継続して摂取するのが良いでしょう。
ビタミンCは、頭皮の弾力性を保つコラーゲンの合成に不可欠な栄養素で、長期にわたって不足すると、全身の組織に影響が出ることがあります。ビタミンCが健康な頭皮環境を支えることで、間接的に髪の成長をサポートしています。
また、毛根への酸素供給に関わる鉄分の吸収を助ける働きもあります。鉄分は酸素を全身に運ぶ役割を担っており、頭皮や毛根への酸素供給にも関わっています。ビタミンCと鉄分を一緒に摂ることで、髪に必要な栄養の供給がより効率的になるでしょう。
ビタミンCは水溶性で体外へ排出されやすいため、必要量を満たすことが大切です。特に喫煙する方やストレスが多い方は消費が激しいため、意識的に取り入れましょう。
ビタミンEは抗酸化作用や血行促進作用などをもつ栄養素です。活性酸素から頭皮の細胞を守り、老化を防ぐことで髪が成長する土台を維持します。また、血行が良くなることで毛根に栄養が届きやすくなる可能性もあります。
ただし、ビタミンEは食事で必要量を満たすことが基本です。高用量のサプリメント摂取は出血リスクなどの副作用を招く恐れがあるため、血液関連の薬を服用中の方は医師に相談してください。
髪の毛や頭皮の健康を守るためには、脂質・糖質・アルコールの過剰摂取を控えることも大切です。
過剰な皮脂は、毛穴の詰まりや痒みなど頭皮トラブルを招きます。脂っこい食事が過剰な皮脂分泌に直結するわけではないですが、揚げ物や加工肉などの飽和脂肪酸を多く含む食品は適量に抑えましょう。
また、アルコールの分解には、ケラチン合成に必要な亜鉛が消費されるほか、利尿作用があるため、水分とともにビタミンなどの水溶性栄養素も排出されやすくなります。加えて、アルコールは質の良い睡眠を妨げる要因にもなり、睡眠中に分泌される成長ホルモンにも影響を与えかねません。
これらの食品や成分を完全に避ける必要はありませんが、適量を意識しましょう。
髪の毛や頭皮の健康を維持するためには、日常の食事でバランス良くビタミンを摂取することが大切です。髪の毛に良いビタミンA・B群・C・Eを含んだ食品と摂取のコツと摂取推奨量をまとめました。
髪に良いとされる主なビタミン(A・B群・C・E)の働きや、効率的に取り入れるための調理のコツ、おすすめの食品は次に示す表のとおりです。
| 栄養素 | 主な働き | おすすめ食品 | 摂取のコツ |
|---|---|---|---|
| ビタミンA | 皮膚・粘膜の健康維持 | ニンジン、ほうれん草、レバー | 油と一緒に調理する |
| ビタミンB群 | タンパク質代謝のサポート | レバー、カツオ、豚肉、卵黄 | 加熱しすぎない、スープなど汁ごと摂る |
| ビタミンC | コラーゲン合成、鉄の吸収促進 | 柑橘類、いちご、ブロッコリー | 生か加熱は軽めにする、汁ごと摂る |
| ビタミンE | 抗酸化作用、血行促進 | ナッツ類、植物油、アボカド | 適量の油と摂取する |
食事の際は、主菜・副菜・汁物などを組み合わせて食材を摂ることを心掛けましょう。調理方法は茹でる・蒸す・生食などさまざまな方法を取り入れるのがおすすめです。
なお、厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性における各ビタミンの一日当たりの摂取推奨量または目安量は、ビタミンAが850~900μgRAE(レチノール活性当量)、ビタミンB1が1~1.2mg、B2が1.4~1.7mg、B3(ナイアシン)が13~16mgNE(ナイアシン当量)、B5(パントテン酸)が6mg、B6が1.4~1.5mg、B7(ビオチン)が50μg 、B12が4μg 、ビタミンCが100mg、ビタミンEが6.5~7mgとされています。
参考:厚生労働省『「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書」』
毎日バランスの良い食事が難しい場合は、不足分をサプリメントで補うのも一つの手段です。ただし、サプリメントはあくまで補助的なものであり、基本的には食事から栄養を摂取することが第一です。
サプリメントの過剰摂取は健康リスクを招く可能性もあるため、推奨量を守って摂取するよう心掛けましょう。できれば、医師や栄養士に相談したうえでサプリメントを選ぶとより安心です。
栄養状態を整えても髪の悩みが解消されない場合、食事以外の要因が考えられます。ホルモンや遺伝に起因するAGA(男性型脱毛症)や自己免疫疾患に起因する円形脱毛症、そのほか何らかの疾患が隠れている可能性があります。ここでは3つの原因について解説します。
ビタミンを摂取しても髪の毛や頭皮の悩みが改善しない場合、薄毛の原因はAGAかもしれません。AGAは遺伝や男性ホルモンの影響で抜け毛が起こる進行性の脱毛症です。そのため、食事改善だけで進行を止めることは困難です。AGAは、額の生え際やつむじ周辺から徐々に薄くなる、または家族に薄毛の人がいる、などの特徴が挙げられます。
ビタミンは頭皮環境を整える材料にはなりますが、AGAの進行を阻害する力はありません。医師に相談し、受診をしたうえで医学的な根拠に基づいた治療薬(フィナステリドやミノキシジルなど)の使用を検討しましょう。
睡眠不足やストレスは、交感神経系の過剰活性化やストレスホルモンの増加を通じて、毛包の正常な機能を妨げる可能性があります。これにより毛周期が乱れ、髪の毛の成長が阻害されることがあります。 加えて、髪の修復・再生を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」を参考に、質の高い睡眠を意識してみましょう。
また、ストレスが長期間続くと髪の毛の成長サイクルが乱れ、髪の毛が休止期に入ることがあります。髪の毛が休止期に入ると一気に抜け落ち、休止期脱毛を引き起こします。休養と栄養、ストレスケアを総合的に行うことで、摂取したビタミンが活かされる環境が整います。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
円形脱毛症や甲状腺疾患など、内科的な病気が原因で髪が抜ける場合もあります。
たとえば円形脱毛症は、自己免疫異常によって引き起こされる脱毛症で、突然コイン大の円形または楕円形の脱毛斑が現れるのが特徴です。免疫系の異常が原因となるため、ステロイド外用薬や免疫抑制剤などを用いた治療が必要になるケースが多いです。
これらは免疫異常やホルモンバランスの乱れが原因であり、栄養摂取だけでは改善しません。サプリメントでのビタミン摂取に頼るのではなく、なるべく早めに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
ビタミンは髪の毛のタンパク質代謝を助け、頭皮環境を整える役割があります。特にビタミンA・B群・C・Eは、髪の毛や頭皮の健康維持に欠かせない栄養素です。ビタミンAは細胞の新陳代謝を促進し、ビタミンB群は髪の主成分であるケラチンの合成をサポートします。ビタミンCはコラーゲン合成と鉄分の吸収を助け、ビタミンEは抗酸化作用で頭皮の老化を防ぎます。
ビタミンは、バランスの取れた食事から摂取することが基本で、不足分はサプリメントで補うことも可能です。
ただし、ビタミン摂取だけで髪の毛の悩みが解決しない場合は、AGAや生活習慣の乱れ、そのほかの疾患が原因である可能性があります。栄養改善を行っても症状が続く場合は、クリニックの受診をおすすめします。
厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド」
厚生労働省「ビタミン(脂溶性ビタミン)」
厚生労働省「ビタミン(水溶性ビタミン)」
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| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
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