更新日:2026年05月19日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ビタミン不足で髪の毛が抜けやすくコシやハリがない?」と感じているかもしれません。ビタミンは、髪の成長サポートに欠かせない栄養素です。
本記事では、髪の毛に良いビタミンA、B群、C、Eの効果や働きを解説。加えて、タンパク質やミネラルなど髪を作るのに欠かせない栄養素の摂り方や、サプリメントの活用法についても紹介します。ビタミンを摂っても悩みが解決しない場合の対処法についても触れているので、ぜひご一読ください。
髪の毛が健康に育つためには、適切な栄養摂取が不可欠です。ビタミンは、髪の主成分であるタンパク質の代謝を助け、頭皮環境を整える「土台作り」の役割を担います。
髪の大半を占める「ケラチン」というタンパク質が合成される際、ビタミンB群などが酵素の働きを助ける補酵素となります。ただし、ビタミン自体が直接髪を作るわけではなく、あくまで正常なヘアサイクルを維持するための潤滑油のような存在です。ビタミンが髪にもたらす力への過剰な期待は禁物ですが、不足すると抜け毛の一因になり得るため、必要量を満たすことが大切です。
ビタミンには多くの種類があり、それぞれ髪の健康に対して異なる役割を担っています。ここでは、髪の毛の健康維持に特に関係の深いビタミンA、B群、C、Eについて詳しく見ていきましょう。
ビタミンAは細胞の新陳代謝を促進し、頭皮の皮膚や粘膜の健康を維持することで髪のハリやコシを支えます。頭皮のターンオーバーを健やかに保ち、乾燥トラブルを防ぐことで、髪が育ちやすい環境を整えます。
ただし、ビタミンAは脂溶性で体内に蓄積されやすいため、過剰摂取には注意が必要です。特にサプリメントでの摂りすぎは脱毛を招く恐れがあるため、食事からの摂取を基本にし、適量を守りましょう。
ビタミンB群は髪の成長サイクルを正常に保ち、髪を強くする働きがあります。なかでもビオチン(ビタミンB7)やナイアシン(ビタミンB3)はタンパク質やエネルギー代謝にも関わるため、髪の主成分であるケラチンの合成を間接的にサポートする役割を担います。 ビタミンB群は水溶性で体内に蓄積されにくいうえ、ストレス等で消費されやすいため、日常的に継続して摂取するのが良いでしょう。
ビタミンCは、頭皮の弾力性を保つコラーゲンの合成に不可欠な栄養素で、長期にわたって不足すると、全身の組織に影響が出ることがあります。ビタミンCが健康な頭皮環境を支えることで、間接的に髪の成長をサポートしています。
また、毛根への酸素供給に関わる鉄分の吸収を助ける働きもあります。鉄分は酸素を全身に運ぶ役割を担っており、頭皮や毛根への酸素供給にも関わっています。ビタミンCと鉄分を一緒に摂ることで、髪に必要な栄養の供給がより効率的になるでしょう。
ビタミンCは水溶性で体外へ排出されやすいため、必要量を満たすことが大切です。特に喫煙やストレスが多い方は消費が激しいため、意識的に取り入れましょう。
ビタミンEは抗酸化作用や血行促進作用などをもつ栄養素です。活性酸素から頭皮の細胞を守り、老化を防ぐことで髪が成長する土台を維持します。また、血行が良くなることで毛根に栄養が届きやすくなる可能性もあります。
ただし、ビタミンEは食事で必要量を満たすことが基本です。高用量のサプリメント摂取は出血リスクなどの副作用を招く恐れがあるため、血液関連の薬を服用中の方は医師に相談してください。
健やかな髪を育てるには、ビタミン以外の栄養素もバランスよく摂取する必要があります。特に髪の原材料となるタンパク質や、合成を助けるミネラルは髪の毛の構造そのものや成長過程で大切な役割を果たします。
ここでは、髪の健康に関わる主要な栄養素について解説します。
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
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タンパク質は、髪の毛の主成分であるケラチンの原料です。また、髪の毛の成長や強度を高める役割があります。摂取したタンパク質は一度アミノ酸に分解されたあと、体内でケラチンへと再構成されます。また、タンパク質の不足により頭皮のターンオーバーが正常に行われなくなることで、乾燥やフケの原因にもつながります。
健康な髪を育てるためには、毎日の食事で良質なタンパク質をバランス良く摂取することが大切です。
亜鉛は、アミノ酸からケラチンを合成する際の酵素をサポートしており、髪の成長に不可欠なミネラルです。亜鉛が不足すると髪の細胞分裂が正常に行われず、髪の成長が遅れたり、抜け毛が増えたりする可能性があります。
亜鉛は細胞分裂が活発な髪や皮膚、爪などの健康維持に欠かせない役割を果たしていますが、亜鉛自体に脱毛を治すような治療的効果はありません。あくまで健康な髪を作るための補助的な役割として理解しましょう。
鉄分は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分です。赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素と結合し、毛乳頭まで運びます。毛乳頭の中にある毛母細胞は、この酸素を使ってエネルギーを作り出し、髪を生成するプロセスを支えています。鉄分が不足すると、ヘモグロビンの生成が減少し、毛根への酸素供給が滞って抜け毛や髪のパサつきの原因となる可能性があります。
鉄分には動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄がありますが、非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。

髪の毛の材料となる栄養素をバランス良く摂ることが大切です。食材に含まれる栄養素や栄養成分表示などを参考にしながら、日常の食生活を整えてみましょう。
髪の健康を守るためには、脂質・糖質・アルコールの過剰摂取を控えることも大切です。
過剰な皮脂は、毛穴の詰まりや痒みなど頭皮トラブルを招きます。脂っこい食事が過剰な皮脂分泌に直結するわけではないですが、揚げ物や加工肉などの飽和脂肪酸を多く含む食品は適量に抑えましょう。
次に、砂糖や小麦など糖質を過剰摂取すると、その代謝のためにビタミンB群を浪費してしまい、髪に栄養が届きづらくなります。
また、アルコールの分解には、ケラチン合成に必要な亜鉛が消費されるほか、利尿作用があるため、水分とともにビタミンなどの水溶性栄養素も排出されやすくなります。加えて、アルコールは質の良い睡眠を妨げる要因にもなり、睡眠中に分泌される成長ホルモンにも影響を与えかねません。
これらの食品や成分を完全に避ける必要はありませんが、適量を意識しましょう。
髪に必要な栄養素は、日々の食事からバランスよく摂取するのが基本です。不足しがちな場合はサプリメントを上手に併用するのも良いでしょう。以下の章で、順に解説します。
髪の健康を維持するためには、特定の食品に偏らず、タンパク質とビタミン・ミネラルを組み合わせた食事を摂ることが基本です。以下の表に、髪の健康に役立つ主な栄養素と食品、取り入れ方のポイントをまとめていますので、参考にしてみてください。
| 栄養素 | 主な働き | おすすめ食品 | 摂取のコツ |
|---|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分ケラチンの原料 | 肉、魚、卵、大豆製品 | 毎食取り入れる |
| ビタミンA | 皮膚・粘膜の健康維持 | ニンジン、ほうれん草、レバー | 油と一緒に調理する |
| ビタミンB群 | タンパク質代謝のサポート | レバー、カツオ、豚肉、卵黄 | 加熱しすぎない、スープなど汁ごと摂る |
| ビタミンC | コラーゲン合成、鉄の吸収促進 | 柑橘類、いちご、ブロッコリー | 生か加熱は軽めにする、汁ごと摂る |
| ビタミンE | 抗酸化作用、血行促進 | ナッツ類、植物油、アボカド | 適量の油と摂取する |
| 亜鉛 | 細胞分裂、タンパク質合成の補助 | 牡蠣、赤身肉、ナッツ類 | 動物性食品から効率的に摂取する |
| 鉄分 | 酸素運搬、エネルギー産生 | 赤身肉、レバー、ひじき | ビタミンCと一緒に摂取する |
食事の際は、主菜・副菜・汁物などを組み合わせて食材を摂ることを心掛けましょう。調理方法は茹でる・蒸す・生食などさまざまな方法を取り入れるのがおすすめです。
毎日バランスのいい食事が難しい場合は、不足分をサプリメントで補うのも一つの手です。ただし、サプリメントはあくまで補助的なものであり、基本的には食事から栄養を摂取することが第一です。 また、サプリメントの過剰摂取は健康リスクを招く可能性もあるため、推奨量を守って摂取するよう心掛けましょう。可能であれば、医師や栄養士に相談したうえでサプリメントを選ぶとより安心です。 食事の際は、主菜・副菜・汁物などを組み合わせて食材を摂ることを心掛けましょう。調理方法は茹でる・蒸す・生食などさまざまな方法を取り入れるのがおすすめです。
栄養状態を整えても髪の悩みが解消されない場合、食事以外の要因が考えられます。ホルモンや遺伝に起因するAGA(男性型脱毛症)や自己免疫疾患に起因する円形脱毛症、そのほか何らかの疾患が隠れている可能性があります。ここでは3つの原因について解説します。
ビタミンを摂取しても髪の毛への効果を感じられない場合、薄毛の原因はAGAかもしれません。AGAは遺伝や男性ホルモンの影響で抜け毛が起こる進行性の脱毛症です。そのため、食事改善だけで進行を止めることは困難です。AGAは「額の生え際やつむじ周辺から徐々に薄くなる」「家族に薄毛の人がいる」などの特徴が挙げられます。
ビタミンは環境を整える「材料」にはなりますが、AGAの進行を阻害する力はありません。専門医に相談し、受診をしたうえで医学的な根拠に基づいた治療薬(フィナステリドやミノキシジルなど)の使用を検討しましょう。
睡眠不足やストレスは、交感神経系の過剰活性化やストレスホルモンの増加を通じて、毛包の正常な機能を妨げる可能性があります。これにより毛周期が乱れ、髪の成長が阻害されることがあります。 加えて、髪の修復・再生を促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」を参考に、質の高い睡眠を意識してみましょう。
また、ストレスが長期間続くと髪の毛の成長サイクルが乱れ、髪の毛が休止期に入ることがあります。髪の毛が休止期に入ると一気に抜け落ち、「休止期脱毛」を引き起こします。
休養と栄養、ストレスケアをトータルでケアすることで、摂取したビタミンが活かされる環境が整います。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
円形脱毛症や甲状腺疾患など、内科的な病気が原因で髪が抜ける場合もあります。
例えば円形脱毛症は、自己免疫異常によって引き起こされる脱毛症で、突然コイン大の円形または楕円形の脱毛斑が現れるのが特徴です。免疫系の異常が原因となるため、ステロイド外用薬や免疫抑制剤などを用いた治療が必要になるケースが多いです。
これらは免疫異常やホルモンバランスの乱れが原因であり、栄養摂取だけでは改善しません。サプリメントでのビタミン摂取に頼るのではなく、なるべく早く医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
ビタミンなどの栄養素を意識した食事やサプリメントの摂取は、髪への対策の一つです。ですが、食事やサプリメントで改善が見られない場合は、早めに専門医へ相談しましょう。薄毛の原因が栄養不足なのか、医学的治療が必要な疾患なのかを医師に診断してもらうことで、根拠のある対策が取れ、治療への安心感にもつながります。
現在はオンライン診療も普及しており、忙しい方でも気軽に受診できます。薄毛治療は、受診が早いほど多くの選択肢から治療法を選べるうえ、治療効果も得やすいことが多いです。自己判断に時間を費やす前に、プロのアドバイスを受けることをおすすめします。
ビタミンは髪の大半を占めるケラチンが合成・代謝される過程をサポートする役割を担います。頭皮環境を整えるビタミンA、髪の成長サイクルを支えるビタミンB群、コラーゲン合成に関わるビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンEが挙げられます。これらのビタミンに加え、タンパク質や、亜鉛・鉄分といったミネラルをあわせてバランス良く摂取することが大切です。栄養不足を補うためのサプリメントもありますが、過剰摂取には注意が必要です。
栄養状態を整えても抜け毛や薄毛が改善しない場合は、AGA(男性型脱毛症)などの可能性が考えられます。AGAは進行性の疾患であり、食事改善だけで食い止めることは困難です。自己判断で対策を続ける前に、まずは専門医へ相談し、適切な医学的治療を検討しましょう。
厚生労働省「成人のためのGood Sleep」ガイド」
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