更新日:2026年03月12日
「毛根が死滅したのではないか」と不安に感じている方もいるかもしれません。毛根が死滅するのは、大けがややけどなどの外的要因がある場合です。髪が伸びないと感じる場合、ヘアサイクルが乱れている可能性があるでしょう。
本記事では、毛根死滅の原因や判断方法について紹介します。髪を復活させる方法についても解説するので、自分の毛根が死滅しているか気になる方や、健康な髪を育てる方法を知りたい方は参考にしてください。
毛根の死滅とは、髪の毛を生み出す毛母細胞(もうぼさいぼう)が機能を完全に失った状態を意味します。
髪の毛は、外から見えている毛幹(もうかん)と、皮膚の中にある毛根の2種類に分けられます。毛根の根元にある毛球(もうきゅう)の内部では毛母細胞が活発に働き、髪の毛を成長させます。この毛母細胞が機能を失った場合、「毛根の死滅」にあたる状態だといえるでしょう。ここでは、毛根が死滅する原因や、死滅した毛根が復活するのかについて解説します。
毛根が死滅する主な原因は、頭皮の深い層にまで達するようなやけどや大けが、そして医療機関での永久脱毛などに限られています。日常的な抜け毛や薄毛の進行だけで簡単に死滅することはありません。
頭皮は皮膚の中でも厚い層を持っており、毛根を保護する構造になっています。そのため、皮膚の深層にある毛根は、外部からレーザーなどの大きなダメージを受けなければ死滅しないでしょう。
何らかの理由で完全に死滅してしまった毛根は、2025年12月時点の医療技術で完全に復活させることはできません。
毛根が死滅することは髪の毛を生み出す毛母細胞の機能消失にあたるため、その部位からは髪の毛が生えてこなくなります。意図的に毛根にダメージを与え、毛が生えないようにする永久脱毛の原理と同じです。
毛根の状態については、「異常な抜け毛は毛根から判断できる?注意すべき毛根の特徴を解説」でも詳しく解説しています。
髪が伸びないと感じると、「もしかして毛根が死滅したのでは?」と不安になる人もいるかもしれません。しかし、毛根が死滅したのではなく、ヘアサイクルの乱れによって髪が成長しづらくなっている可能性があります。
ここでは、髪の成長に関わるヘアサイクルについて見ていきましょう。

髪の毛は、ヘアサイクルと呼ばれる「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階を繰り返しています。髪が伸びる成長期は約2~6年間続き、髪の成長が止まる退行期を経て毛根が浅くなる休止期に移行します。休止期に入った毛根は、数か月程度で成長期に移行し、髪の毛が伸びていきます。このヘアサイクルを繰り返し、髪の毛が生え変わる仕組みです。
ヘアサイクルが正常な場合、休止期は約3〜4か月続きます。この期間は髪が伸びなくなりますが、毛根が死滅したわけではなく、ヘアサイクルにおいて自然な現象です。
AGA(男性型脱毛症)を発症すると、通常のヘアサイクルよりも成長期が短くなる傾向があります。そのため、髪の成長が遅いと感じやすくなります。
AGAとは進行型の脱毛症で、主に前頭部や頭頂部から髪が薄くなっていくのが特徴です。成人以降の男性に多く、まれに10代でも発症します。
AGAの原因の一つとして挙げられるのが、男性ホルモンのジヒドロテストステロンです。ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンのテストステロンと酵素が結合して生成され、毛包に作用することでヘアサイクルの成長期が数か月~1年程度に短くなってしまいます。成長期が短くなることで、髪の毛が十分に成長しないまま抜けるようになります。
髪が伸びない原因がAGAである場合、適切な治療を早期に始めることで、ヘアサイクルを正常化して薄毛の改善を図れます。
毛根の死滅を判断するための方法として、産毛や外的要因の有無を確認する方法があります。ここではそれぞれについて解説します。
毛根が死滅しているか判断する方法の一つとして、産毛の有無を確認することが挙げられます。
薄毛が気になる部位に産毛が生えている場合、ヘアサイクルが機能しており、毛根は死滅していないと考えられます。適切なヘアケアや治療で髪の状態を改善できる可能性があるでしょう。
産毛があるかどうかを確認するためには、クリニックに行き、マイクロスコープで見てもらうのも一つの方法です。セルフチェックしづらい部分も拡大して詳しく見てもらえます。
毛根死滅を判断するためには、外的な要因の有無を確認する方法もあります。過去に頭部の大けがややけどをした経験があり、その部分の髪が生えない場合は、毛根が死滅している可能性があります。

この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
外的な要因が思い当たらず、単に「抜け毛が増えた」「髪が薄くなった」という場合は、毛根が死滅していること以外の原因で髪が生えづらくなっているかもしれません。AGAなど他の原因について考え、クリニックで相談してみましょう。
食事や睡眠といった生活習慣は、頭皮環境や髪の健康に影響を与える可能性があります。ここでは食事や睡眠、ストレス管理、飲酒・喫煙に関して心掛けたいポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
健康な髪の成長をサポートするには、バランスの取れた食事をとることが基本です。その上で、特に髪の成長をサポートする栄養素を意識的に取り入れましょう。髪をつくるタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足すると、髪の成長が妨げられたり、髪の質が低下したりするからです。
髪の成長をサポートする栄養素と摂取できる食材を以下の表にまとめました。
| 髪の成長に大切な栄養素 | 役割 | 摂取できる食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の主成分「ケラチン」の材料となる | 牛肉(赤身)や鶏むね肉、魚、卵など |
| 亜鉛 | ケラチンの合成をサポートする | 牡蠣や牛肉(赤身)、ナッツ類など |
| ビタミンA | 頭皮の乾燥を防ぐ | レバーやうなぎ、緑黄色野菜など |
| ビタミンB | 細胞分裂を活性化させ、代謝を促進する | 豚肉やレバー、うなぎなど |
| ビタミンC | 鉄分の吸収やコラーゲンの生成をサポートする | パプリカやブロッコリー、キウイなど |
| ビタミンD | ミネラルの吸収を促進する | 魚介類やキノコ類など |
| 鉄分 | 髪の成長に必要な酸素や栄養を毛根に供給する | レバーや赤身肉、魚など |
特に亜鉛は男性ホルモンのバランス調整にも関わっている栄養素のため、意識して摂取するのがおすすめです。
食事のみの摂取が難しい場合は、サプリメントの活用も一つの方法です。ただし、過剰摂取すると健康を害する可能性があるため、適切な量を守って取り入れるようにしましょう。
質の高い睡眠をとることも重要です。深い睡眠によって成長ホルモンの分泌が活発になり、毛母細胞の分裂を促進するからです。成長期に移行した際に髪を生み出す毛母細胞が活発であれば、髪が成長しやすくなります。
厚生労働省の「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」によると、良い睡眠をとるために、寝室をなるべく暗くすること、夜間はスマートフォン・パソコンの使用を避けることが必要項目として挙げられています。
就寝中は暖色系の蛍光灯を使用するか、消灯すると良いでしょう。また、スマートフォンやパソコンは寝る前の操作を避けるようにし、なるべくリラックスできる、落ち着いた空間をつくるのがおすすめです。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
日々の生活習慣として、ストレスを解消することも挙げられます。
ストレスを感じると交感神経が優位に働きます。交感神経が優位になると、血管が収縮して頭皮の血流が悪くなり、毛根に栄養が届きにくくなることで、健康な髪が成長しづらくなるでしょう。
ストレスを解消する方法としては、ウォーキングやジョギング、ストレッチなど、毎日取り入れられる有酸素運動がおすすめです。アロマオイルを使った入浴や瞑想も良いでしょう。自律神経が整って血行が改善されることで、髪の成長にも良い影響を与えることが期待できます。
自分に合ったストレス解消法を日常的に実践すると、髪だけでなく身体の健康を守ることにもつながるでしょう。
喫煙や過度な飲酒も、毛根や髪に悪影響を及ぼします。
タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があります。毛根に必要な栄養や酸素が十分に行き渡らなくなることで、髪の成長を妨げたり抜け毛の増加につながったりする可能性があるでしょう。
また、過度な飲酒で摂取されたアルコールが分解されると、体内でアセトアルデヒドという物質が生まれます。アセトアルデヒドを分解するために、髪の成長に必要な亜鉛やアミノ酸が消費され、毛母細胞に届きづらくなってしまいます。その結果、髪の成長を妨げることにつながる可能性があるでしょう。
毛根の機能低下を防ぎ髪の成長をサポートするには、禁煙や禁酒も検討してみましょう。タバコやお酒が好きな人は、少しずつ量を減らすなどして徐々に禁煙・禁酒を目指すのも良いでしょう。禁煙外来やアルコールを辞めたい方向けの専門外来で受診するのもおすすめです。

AGAが原因で髪の成長が遅い場合には、生活習慣の改善だけで進行を止めるのは難しいでしょう。AGAは早期に治療を始めることで改善が期待できるため、抜け毛が増えた、薄毛が進行しているなど、セルフケアで改善しない薄毛の悩みは医師に相談しましょう。
薄毛の症状が気になっているときは、AGAクリニックの受診がおすすめです。
髪がなかなか伸びない原因がAGAである場合、内服薬や外用薬による治療を受けることでヘアサイクルを正常化し、薄毛の改善を図れます。
抜け毛予防を図れるフィナステリド・デュタステリドや、発毛を促進するミノキシジルによって、早期に治療を始めましょう。
「AGAクリニックに行きたいけど、忙しくて時間が取れない」「人目が気になる」というときは、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療は、クリニックに行く手間がなく、空き時間を活用して受診できます。
クリニックの待合室で他の患者と顔を合わせることなく、自宅や自分の好きな場所で受診でき、誰にも知られずに治療を始められます。院内処方の場合、処方された薬は自宅に配送されるため、薬を受け取りに薬局まで出向く必要もありません。
オンライン診療を活用することで、忙しい日々の中でも無理なく治療を続けられるでしょう。まずは一度、オンラインクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。
オンライン診療については、「AGAオンライン診療とは?利用の流れや費用相場を解説」でも詳しく解説しています。
完全な毛根死滅は、頭皮の深層にまで達する大けがややけどなどの外的要因がない限り起こりにくく、通常の薄毛や抜け毛が理由で死滅することはありません。髪がなかなか伸びないと感じる場合、毛根死滅ではなくヘアサイクルが乱れている可能性があります。毛根死滅を判断する目安として、産毛や外的要因の有無を確認してみましょう。
まずは生活習慣を見直し、質の良い睡眠や栄養バランスの良い食事、ストレス解消、禁煙・節酒などを実践して髪の成長をサポートしましょう。
セルフケアだけでは薄毛の改善が難しい場合、AGAクリニックでの治療を検討してみましょう。オンライン診療では自宅で受診でき、負担を減らして継続的に治療できるためおすすめです。