更新日:2026年08月31日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
頭皮湿疹ができて、対処法に悩んでいる方もいるかもしれません。頭皮湿疹は、頭皮にできた赤みやぶつぶつなどを指します。主な原因は、脂漏性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎などです。 対処法は症状に合ったシャンプーや保湿剤、市販薬の使用などが挙げられます。市販薬の使用は5〜6日を目安に行います。長期的に症状が続く場合や症状がひどい場合は、セルフケアよりも皮膚科の受診を優先してください。
頭皮湿疹は、頭皮に炎症が起きて赤み・かゆみ・ぶつぶつなどが現れた状態です。湿疹は皮膚の炎症の総称で、皮膚炎とも呼ばれます。健康な頭皮は青白い色やうすだいだい色、淡いピンク色などで、かゆみや不快感はありません。 強い赤みやムズムズしたかゆみがある場合は、頭皮湿疹の可能性があります。放置すると悪化し、抜け毛やフケの増加につながることもあるため、早めのケアが大切です。 頭皮湿疹の見た目の症状は疾患によって異なります。また、かゆみの感じ方にも個人差があります。 代表的な症状を以下にまとめました。
| 症状の見え方 | 特徴・考えられる状態 |
|---|---|
| 赤み・赤い斑点 | 患部が炎症を起こしている。脂漏性皮膚炎や接触皮膚炎など |
| 小さなぶつぶつ(かゆい) | 炎症やかぶれ、汗による刺激など |
| ぶつぶつ(かゆくない) | 毛穴の角質のつまりや軽い炎症など |
| 赤いできもの・ボコボコ | 毛包の炎症(毛嚢炎・もうのうえん)や、掻き壊しによる腫れなど |
| 白〜黄色いフケ・かさつき | 黄色いフケは脂漏性皮膚炎、白いフケは乾燥が背景のことが多い |
| 水ぶくれ・ジュクジュク | 炎症が進んだ状態。早めの受診が必要 |
自己判断で原因を特定するのは難しいため、湿疹がなかなか治らない場合は医療機関で相談しましょう。
頭皮湿疹の主な原因には、皮膚疾患のほか、汗やストレスなどの生活要因があります。原因によって対処が異なるため、自分の頭皮の状態を把握することが大切です。代表的な原因は次の6つです。
| 原因 | 見分けのポイント |
|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | 白〜黄色いうろこ状のフケ、皮脂が多い部位の赤み |
| 皮脂欠乏性皮膚炎(乾燥性) | パラパラした乾いたフケ、乾燥による赤み・かゆみ |
| 接触皮膚炎(かぶれ) | シャンプー・整髪料・染毛剤などの使用後に出るかゆみ・赤み |
| アトピー性皮膚炎 | 良化と悪化を繰り返す慢性的なかゆみ・赤み |
| 汗・あせも・雑菌 | 汗の放置による蒸れ、あせもや常在菌増殖による炎症 |
| ストレス・生活習慣の乱れ | 直接原因ではなく悪化要因(睡眠不足・偏った食事など) |
それぞれ順に解説します。
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌やマラセチア(皮膚常在真菌)など複数の因子が関与して発症すると考えられています。原因は以下の事柄などが重なって生じるといわれています。
患部に、白から黄色いうろこ状のフケを伴う赤みがみられるのが特徴です。思春期以降に発症する成人型は慢性化しやすいため、症状が出た場合は早めに受診しましょう。
皮脂欠乏性皮膚炎は、皮脂が不足することで起こる疾患です。皮脂は薄い膜をつくって頭皮を守っていますが、バリア機能が低下すると少しの刺激でもダメージを受けやすくなります。その結果、パラパラとした乾いたフケや赤み、かゆみを伴う湿疹が起こります。 発症しやすい人の特徴は、もともと肌の脂分が少ない体質の人や、皮膚機能の低下しやすい高齢者、間違ったヘアケアをしている人などです。また、洗浄力が強いシャンプーで擦り洗いをすると皮脂が不足しやすくなるため、注意が必要です。
接触皮膚炎は「かぶれ」とも呼ばれ、シャンプーや整髪料、育毛剤、染毛剤など頭皮に触れた物質への刺激で起こる湿疹です。特定の製品を使用した後に、かゆみや赤みが現れるのが特徴です。シャンプーを変えたときや髪を染めた時期に症状が出た場合、合わない成分が含まれていることも考えられます。症状が出たら、使用を速やかに中止しましょう。
アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能が低下し、外部刺激が入り込んで炎症が起こる疾患です。ダニやカビ、汗、皮膚常在菌の異常増殖などの刺激により赤みや湿疹、かゆみが現れやすくなります。 症状が良くなったり悪化したりを繰り返し、慢性的な経過をたどるのが特徴です。激しいかゆみで無意識に掻いてしまい、さらにバリア機能が壊れて悪化する悪循環に陥りやすい点にも注意が必要です。
汗や、汗をかいた後の蒸れも、頭皮湿疹を発症させる要因です。汗をかいたまま放置すると頭皮が蒸れて、汗の出口がつまる「あせも(汗疹)」や、マラセチアなどの皮膚常在真菌の繁殖による炎症が起こることがあります。 また、アトピー性皮膚炎の場合、汗やダニ、皮膚常在菌の刺激で症状が悪化する場合もあります。夏の暑い日や運動後、帽子を長時間かぶったときなどは、汗を早めに拭き取り、頭皮を清潔に保ちましょう。
ストレスや睡眠不足、偏った食生活も、頭皮湿疹を悪化させることがあります。特に、脂漏性皮膚炎は、慢性的なストレスやビタミンB群の不足が発症・悪化に関与する可能性が指摘されています。 直接的な原因とは限りませんが、自律神経の乱れや皮脂バランスの変化などが頭皮環境に影響を与える可能性があります。規則正しい生活とバランスの良い食事を心掛けましょう。

頭皮湿疹は、原因に合った対処と、頭皮を清潔に保つことが大切です。ここでは、日常でできる対処法について市販薬や受診の目安を紹介します。
シャンプーや整髪料などでかゆみ・赤みが出たときは、原因と思われる製品の使用をすぐにやめましょう。原因物質を丁寧に水で洗い流し、その後は頭皮を手で擦ったり、掻いたりしないことが大切です。頭皮を掻くと、小さな傷から炎症が起こる恐れがあります。
頭皮の状態に合ったシャンプー選びと保湿も大切です。乾燥して頭皮が敏感になっている場合は、刺激の少ないシャンプーをよく泡立てて頭皮を優しく洗います。脂漏性皮膚炎の場合は、抗真菌成分を配合したシャンプーが選択肢の一つです。使用の可否や続け方は医師・薬剤師にご相談ください。
ただし、どのような頭皮状態であっても、洗髪時に力を入れすぎたり頻繁に洗いすぎたりすると逆効果です。1日1回、優しく洗い、丁寧にすすぐことを心掛けましょう。乾燥が気になる場合は、頭皮用の保湿ローションでうるおいを補う方法もあります。
市販薬で対処するときは、症状に合った成分を選ぶことが大切です。かゆみや赤みにはステロイド外用剤、ベタついたフケが出て脂漏性皮膚炎が疑われる場合は、抗真菌成分を含むシャンプーやローションなどが選択肢に入ります。ステロイド外用剤は添付文書の内容を守り、改善しない場合は継続せず受診してください。症状に合った市販薬がわからない際は、薬剤師に相談するのも一つの方法です。 市販薬を使って悪化した場合や数日〜1週間程度使用しても改善しない場合は、使用を中止して医療機関を受診してください。
セルフケアや市販薬で改善しない、悪化する場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、症状に応じてステロイド剤、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬、菌の関与が考えられる場合は抗真菌薬などが処方されます。 頭皮湿疹の炎症が長く続くと、一時的な脱毛が起こることもあります。かゆみや赤みとともに抜け毛が増えた場合も、早めに受診・相談することを検討しましょう。
頭皮湿疹について、よくある疑問と回答をまとめました。気になる点の解消に役立ててください。
かゆくない頭皮のぶつぶつは、頭皮湿疹ですか?
かゆくないぶつぶつは、毛嚢炎や毛穴の角質のつまりなどが考えられますが、ほかの皮膚疾患の可能性もあります。ぶつぶつの範囲が大きくなる、痛みや赤みを伴う、なかなか消えないなどの場合は皮膚科で相談しましょう。
おでこの生え際や後頭部だけ湿疹が出るのはなぜですか?
生え際は整髪料の付着やすすぎ残し、後頭部は枕や汗による蒸れの影響を受けやすい部位です。特定の場所だけ湿疹が出る場合、日常的にその部分に触れる製品や刺激が関係していることがあります。
頭皮の蕁麻疹と湿疹はどう違いますか?
蕁麻疹は、ミミズ腫れのような膨らみが現れ、24時間以内に消失することが特徴です。一方、湿疹(皮膚炎)は赤みやぶつぶつが続き、慢性化しやすい特徴があります。繰り返す場合は医療機関で相談しましょう。
ストレスで頭皮湿疹は悪化しますか?
ストレスは、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などを悪化させる要因の一つと考えられています。自律神経の乱れや皮脂分泌の変化を介して頭皮環境に影響する可能性があるため、十分な睡眠やストレス発散も大切です。
頭皮湿疹とは、頭皮に生じた湿疹(皮膚炎)の総称で、赤み・かゆみ・ぶつぶつなどの症状がみられます。主な原因として脂漏性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎などがあり、汗やあせも、ストレス、生活習慣の乱れも悪化要因になります。 対処法は、症状に合ったシャンプーや保湿で頭皮を清潔に保つことです。ほかにも、適した市販薬を使う方法があります。ただし、市販品は薬剤師に相談し、自身の症状に合った成分を選び、5〜6日使っても改善しないときは使用を中止しましょう。赤みやジュクジュクが強い場合や、抜け毛を伴う場合、なかなか治らない場合は、早めに皮膚科を受診してください。
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| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
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| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
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