更新日:2026年08月05日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「亜鉛で女性の髪の毛が増えた」と聞いて、本当に効くのか気になる方もいるかもしれません。結論として、亜鉛が髪そのものを増やすわけではなく、亜鉛不足の人が亜鉛を補うと抜け毛が落ち着く場合があります。本記事では、亜鉛と髪の関係や女性の1日の摂取量の目安、亜鉛が豊富な食材を解説します。亜鉛で薄毛が改善しない場合は脱毛症など別の原因が考えられるため、内容を参考にしたうえで医師への相談も検討してみてください。
亜鉛で女性の髪の毛が増えたと感じる背景には、不足していた亜鉛が補われたためと考えられます。亜鉛そのものが直接髪を増やすのではなく、亜鉛不足だった人が補うことで抜け毛が落ち着き、結果的に増えたと感じるケースがあるようです。まずは、亜鉛と髪の関係を正しく押さえておきましょう。
亜鉛が不足している人は、補うことで抜け毛が落ち着く可能性があります。亜鉛は髪を作る過程に関わる栄養素のため、不足すると髪が育ちにくくなると考えられているからです。偏った食事や無理なダイエットを続けると、亜鉛が不足しやすくなります。
ただし、亜鉛を過剰摂取しすぎると体に悪影響をおよぼす恐れがあります。多く摂取したからといって、髪が増えるわけではない点に注意が必要です。
亜鉛は、女性の薄毛の原因そのものを治す成分ではありません。FPHL(女性型脱毛症)などはホルモンの変化や遺伝などが関わるとされ、亜鉛の補給だけでは対処しきれないと考えられます。
女性の薄毛にはさまざまな原因が潜んでいることがあるため、抜け毛や薄毛が続く場合は、亜鉛不足と自己判断せず、皮膚科などで脱毛の状態や原因を評価してもらいましょう。
亜鉛は、髪が育つ過程を内側から支える栄養素です。具体的には、髪の主成分であるケラチンの合成と、髪を作る細胞の働きに関わります。それぞれの仕組みを見ていきましょう。
亜鉛は、髪の主成分であるケラチンを作る過程に関わります。食事から摂ったタンパク質は一度アミノ酸に分解され、再びケラチンへと合成されますが、この再合成の過程で亜鉛が必要になるためです。亜鉛が不足するとケラチンの合成が滞り、髪が健やかに育ちにくくなることもあると考えられています。
亜鉛は、髪を作り出す毛母細胞の分裂にも関わります。髪は毛根の毛母細胞が分裂を繰り返すことで伸びていきます。亜鉛はこの細胞分裂に必要な酵素の働きを支える栄養素です。
亜鉛が不足すると、髪の成長環境が乱れて抜け毛に影響を与える場合があります。
亜鉛が不足すると、女性でも抜け毛や薄毛といった髪の変化が現れることがあります。女性は亜鉛が不足しやすい要因を抱えやすいため、心当たりがないか確認してみましょう。
亜鉛不足のときに起こりやすい主な髪の変化は、以下のとおりです。
食事制限と脱毛が同時にみられる場合は、背景に甲状腺疾患があったり、亜鉛だけでなく、鉄やタンパク質など複数の栄養不足が関係している可能性があります。必要に応じて医療機関で評価を受けましょう。
女性は、生活上の要因から亜鉛が不足しやすい場面があります。亜鉛は体内で作り出せないため、食事から摂る必要があるからです。
しかし、食事制限を伴う無理なダイエットや、加工食品中心の偏った食事などが原因で亜鉛不足になってしまいます。こうした要因が重なるときは、食事内容を見直すことが対処の第一歩になるでしょう。

亜鉛が不足しているかどうかは、血液検査でおおよそ把握できます。しかし、亜鉛はあくまで髪の健康をサポートするためのものです。サプリメントでも亜鉛は摂取できますが、自己判断で飲む前に、亜鉛が不足しているのかを確かめ、原因に合った対処を選ぶことが大切です。抜け毛が長く続くときは、放置せず医師に相談してください。
女性が亜鉛を摂るときは、推奨量と上限の両方を押さえておくことが大切です。不足を避けつつ、摂り過ぎによる不調も防ぐために、具体的な数値を確認しましょう。
成人女性の亜鉛の1日における推奨量は、約7.0〜8.0mgが目安です。以下の図表のように、年代ごとに亜鉛の推奨摂取量が定められています。

これらを普段の献立に取り入れると、亜鉛を補いやすくなるでしょう。
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
亜鉛は、ほかの栄養素と組み合わせることが重要です。
亜鉛はケラチンの材料となるタンパク質と一緒に摂取することで、健やかな髪を作るサポートをします。また、ビタミンCには亜鉛の吸収を助ける働きがあると考えられています。
一方で、未精製の穀類や豆類に含まれる成分は吸収を抑えることがあるため、肉・魚・卵などの良質なタンパク質と組み合わせると良いでしょう。
亜鉛は、摂れば摂るほど髪に良いわけではありません。過剰摂取はかえって髪や体の不調を招くことがあるため、適量を守ることが大切です。
亜鉛の摂り過ぎは、ほかのミネラルとのバランスを崩すことがあります。亜鉛を過剰に摂ると銅の吸収が妨げられ、貧血や体調不良につながる場合があるためです。
髪を健康に保つためには、全身の健康が欠かせません。抜け毛が抑えられないからといって過剰に摂取するのは避け、適切な量を守ることが重要です。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
サプリメントで亜鉛を補うときは、用量と飲み合わせに気をつけましょう。また、持病などで服用中の薬がある場合、亜鉛がその薬の吸収を妨げてしまうこともあるため注意が必要です。飲み合わせに不安があるときは、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
亜鉛を補っても髪に変化が見られないときは、亜鉛不足以外の原因が隠れている可能性があります。原因に合った対処につなげるため、考えられる要因と相談の進め方を確認しましょう。
亜鉛を補っても改善しない薄毛は、FPHL(女性型脱毛症)などの可能性があります。FPHLは加齢やホルモンの変化、遺伝などが関わるとされ、栄養を補うだけでは対処しにくいためです。
FPHLは、頭頂部を中心に髪が細くなったり、分け目から頭頂部に向かって、枝葉のように薄くなったりするのが特徴です。

また、女性の薄毛・抜け毛の原因はFPHLだけではありません。
亜鉛不足による一時的な影響か、別の原因によるものかによって適切な対策は変わるため、自己判断で原因を見極めるのではなく、医療機関を受診して正確な診断を受けることが大切です。
薄毛が続くときは、自己判断を避けて医師に相談するようにしましょう。薄毛の原因によって適した対処は異なり、自己流のケアでは効果が出ないばかりか思わぬリスクを伴う場合があるためです。
たとえば、女性の薄毛治療にはミノキシジル外用薬が用いられますが、男性用の治療薬(フィナステリドなど)は女性の使用は禁忌となっています。誤った対策を避けるためにも、まずは専門の医師に原因を見極めてもらうことが大切です。
近年では、スマートフォンやカメラ付きのパソコンを用いた、ビデオ通話によるオンライン診療を導入しているクリニックもあるため、自宅から相談可能です。
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亜鉛で女性の髪の毛が増えたと感じるのは、不足していた亜鉛が補われることで抜け毛が落ち着いた結果であると考えられます。亜鉛は髪の主成分であるケラチンの合成を助け、毛母細胞の分裂をサポートする重要な栄養素ですが、薄毛の根本的な原因を治療する成分ではありません。
女性の1日の亜鉛推奨量は7.0〜8.0mg程度で、牡蠣や赤身肉、卵などから効率良く摂取できます。ただし、サプリメントによる過剰摂取は銅欠乏など他のミネラルバランスを崩し、髪や全身の健康を損ねてしまうリスクがあるため注意が必要です。
亜鉛を補っても薄毛が改善しない場合、FPHL(女性型脱毛症)などホルモンや遺伝、加齢が関わる別の原因が考えられます。女性の薄毛にはさまざまな要因があり、原因に応じた適切な治療が必要なため、自己判断せず医療機関で正確な診断を受けることが大切です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書」
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
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| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
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