更新日:2026年08月07日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
高校生という若さで髪の毛のボリュームが減ったり、地肌が見えやすくなったりすると、周囲の視線や将来への不安から悩んでしまいがちです。高校生の薄毛の原因として、「AGA(男性型脱毛症)」「円形脱毛症」「牽引性脱毛症」「脂漏性皮膚炎による脱毛症」が挙げられます。 薄毛を解決するためには、自分の薄毛がどのタイプにあてはまるのか、病院で医師の診断を受けて原因を明らかにすることが大切です。
高校生が薄毛になる主な原因として、「AGA(男性型脱毛症)」「円形脱毛症」「牽引性(けんいんせい)脱毛症」「脂漏性(しろうせい)皮膚炎による脱毛症」の4つが挙げられます。
高校生の薄毛は、AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。AGAは、思春期以降であれば、高校生であっても発症する場合があるのが特徴です。

AGAが発症する原因は、5αリダクターゼI型・II型がテストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換することです。DHTが毛乳頭細胞上のアンドロゲンレセプターに結合し脱毛因子FGF-5を生成することで、ヘアサイクルの成長期が短縮し、髪が育つ前に抜けてしまいます。
AGAは母方から受け継ぐ遺伝子が関与すると考えられていますが、父方の遺伝も影響するため注意が必要です。そのため、親族にAGAの傾向がある場合は、高校生のような若い年齢であっても生え際や頭頂部の薄毛が始まってしまう可能性があります。
円形脱毛症は、本来なら身体を守るはずの免疫システムが異常を起こし、誤って自分の毛根を攻撃してしまう自己免疫疾患によって発症します。免疫細胞の一種である「Tリンパ球」は、健康な状態であれば外部から侵入してきたウイルスや細菌などの異物だけを攻撃するのが特徴です。

しかし、円形脱毛症を発症すると、Tリンパ球が髪の毛を作る組織である毛包を異物だと誤認し、攻撃してしまいます。免疫による攻撃を受けることで毛根の組織に炎症が起き、髪の毛が突然抜け落ちてしまうのが円形脱毛症が起きる仕組みです。
免疫の暴走を引き起こす要因としてストレスがよく挙げられますが、ストレス自体が直接の原因になるわけではなく、あくまで免疫異常を引き起こすきっかけの一つと考えられています。円形脱毛症は、高校生のように年齢が若くても、環境の変化や体調の乱れをきっかけに誰にでも起こる可能性があります。
牽引性(けんいんせい)脱毛症は、髪の毛が長時間にわたり強く引っ張られ続けることで、毛根に物理的なダメージが蓄積して髪が抜けてしまう現象です。この症状は、特に毎日同じ位置できつく髪を結んでいる人に多く見られます。
ポニーテールやツインテール、お団子ヘアなどの髪型を続けることで、常に強い力が加わっている生え際や分け目の地肌が徐々に目立つようになります。これは、引っ張られる特定の部位の毛根に負担が集中し、髪の成長が妨げられてしまうためです。
牽引性脱毛症を改善するためには、髪を結ぶ位置を毎日少しずらしたり、分け目の位置を定期的に変えたりするのが効果的です。毎日髪を結ぶ必要がある高校生の場合は、学校のない休日に髪を下ろして過ごすなど、意識的に頭皮を解放する時間を作りましょう。
脂漏性(しろうせい)皮膚炎による脱毛症の原因の一つは、頭皮で「マラセチア」と呼ばれる常在菌が異常繁殖し、炎症が起きることです。過剰な皮脂によって頭皮の菌が増殖すると、炎症が起き、バリア機能が低下してしまいます。髪の成長を支える土台がダメージを受けると、髪が健康に育つ前に抜け落ちてしまうため、抜け毛が増加する可能性があるでしょう。
脂漏性皮膚炎になると、ベタつくフケやかゆみ、赤みといった症状が現れる場合があります。
高校生が薄毛かどうかを見極めるためには、「親族の遺伝的傾向」「抜け毛・髪質の変化」「生え際やつむじの境界線」「頭皮のベタつきやフケ」というポイントを客観的に観察することが大切です。
「自分は本当に薄毛なのだろうか」と不安な高校生は、以下の項目を参考に、現在の状態を客観的にセルフチェックしてみましょう。ただし、セルフチェックはあくまで目安です。セルフチェックで該当したからといって断定できないため、最終的な判断には医師の診察が必要です。

親族に薄毛の傾向がある人がいるかどうかを把握することは、AGAの早期発見において重要な指標です。AGAを発症するリスクとして、「5αリダクターゼ」という酵素の活性度や、男性ホルモンを受け取るアンドロゲンレセプターの感度が親から子へと遺伝しやすいことが分かっています。
ただし、遺伝子を引き継いでいるからといって、将来必ずAGAを発症するとは限りません。まだ高校生だからと油断せず、親族の傾向を知ることで適切な対策につなげられます。
高校生であっても、「急な抜け毛の増加」や「髪の毛が細く軟らかくなる変化」が見られる場合は、AGAが進行しているサインの可能性があります。人間の髪の毛は1日に50~100本程度は自然に抜けるため、多少の抜け毛を心配し過ぎる必要はありません。しかし、明らかにそれ以上の量の髪が抜ける場合や、枕元やシャンプー時の抜け毛が急に増えた場合は、頭皮環境やヘアサイクルに異変が起きている場合があります。
また、髪の質の変化にも注目する必要があります。AGAにおいては、毛が細く短くなることが症状の本質です。抜け毛の本数が極端に増えていない場合であっても、細くて短い毛やコシのない軟らかい髪が増えてきているなら髪の成長期が短くなっているサインであり、薄毛が進行していることがあります。
AGAの可能性があると感じている高校生は、過去の自分と比較して、額の生え際やつむじ周辺の「境界線」が変化していないかを確認してみるのがおすすめです。頭頂部の変化を確認するには、合わせ鏡を使ったり、スマートフォンのカメラで頭の真上から撮影したりする方法があります。
より客観的に変化を判断するためには、定期的に同じ角度、照明条件のもとで写真を撮影し、記録を残しておく方法もあります。数ヶ月前の写真と見比べて、「左右の生え際が以前より後退していないか」「つむじ周辺の地肌が明らかに広がっていないか」を確認することで、薄毛の兆候を早期に見つけやすくなります。
頭皮の異常は髪の健康につながるため、「薄毛かもしれない」と不安な高校生は日ごろから洗髪後の地肌の状態を意識して確認することが大切です。常に頭皮がベタついていたり、脂っぽいフケが大量に出たりする場合は、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルを起こしている恐れがあります。
このような状態を放置すると、毛穴に詰まった余分な皮脂が次第に酸化し、髪の毛が正常に育つ環境を阻害してしまう場合があります。

薄毛が気になる高校生は、頭皮・髪の毛の変化を客観的に観察しましょう。抜け毛の本数や髪の太さ、頭皮の色や硬さなど、日々の状態を冷静にチェックすることが早期発見につながります。
高校生が薄毛対策するには、「生活習慣(食事・睡眠・ストレス管理)」と「ヘアケア」を見直して頭皮環境を整えることが大切です。日々の生活の中で髪の成長を妨げる要因を減らすことで、健康な髪を育てる土台となります。
健康な髪の成長をサポートするためには、髪の主成分であるケラチンやその合成を助ける栄養素を網羅した、バランスの良い食事を摂ることが大切です。厚生労働省の「食事バランスガイド」では、1日に必要な食事として、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」を組み合わせるのが基本とされています。
スナック菓子やファストフードを手にする機会が多い高校生だからこそ、意識して品数を揃えた食生活を心掛けましょう。毎日の学校生活の中で食事から十分な栄養を摂取することが難しい場合は、不足しがちな亜鉛やビタミンなどの特定の栄養素を、サプリメントで補うのも一つの手段です。
参考:厚生労働省「『食事バランスガイド』について」

健やかな髪を育むためには、髪の成長に必要な「成長ホルモン」が多く分泌される、質の高い睡眠を心掛けることが重要です。成長ホルモンは、夜間の入眠直後に訪れる深い睡眠のタイミングで最も多く分泌されます。そのため、眠り始めの質を高めるのがポイントです。
高校生における適正な睡眠時間の目安は一般的に8~10時間です。勉強や部活動などによる慢性的な寝不足や夜更かしは、高校生の髪の発育を妨げてしまう可能性があります。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」によると、睡眠の質を向上させるためには、以下の方法が挙げられます。
このように、上記の行動を心掛けると、夜間に自然と深い眠りにつける可能性が高まるでしょう。
参考:厚生労働省「睡眠対策」
毎日のシャンプーを正しい方法で行うことは、頭皮へのダメージを抑え、高校生が清潔な頭皮環境を維持するために大切です。

シャンプーをする際のポイントは、以下のとおりです。
日々の丁寧なヘアケアの積み重ねが、将来にわたって健康で強い髪を育てる土台となります。
高校生の薄毛の悩みについて、よく寄せられる質問をまとめました。以下で詳しくお答えします。
10代でもAGAは発症する?
10代であっても思春期を過ぎていれば、AGAを発症する可能性はあります。そのため、AGAは高校生であっても理論上、起こり得ます。
「まだ若いからただの気のせいだろう」と放置せず、生え際の後退や髪質の変化といったサインが出ている場合は、医師に相談して「原因が本当にAGAなのかどうか」を正しく特定することが大切です。
ただし、高校生の抜け毛のすべてがAGAに該当するわけではありません。自己判断せずに、客観的な状態を見極めましょう。
高校生は薄毛(AGA)治療を受けられる?
高校生でも薄毛に関してクリニックでの受診や診断を受けることは可能ですが、一般的にAGA治療薬の処方は20歳以上が対象となっています。ただし、一部のクリニックでは保護者の同意がある場合、AGA治療薬を処方することもあるようです。
高校生がクリニックを受診すれば、自分の薄毛の原因が「AGAなのか」「AGA以外のものなのか」を正しく診断してもらえます。AGA以外の原因であれば、高校生であっても適切な治療を進められるため、受診する価値は十分にあるでしょう。
なお、オンライン診療サービスの「レバクリ」では、20歳未満の方はサービスを利用できません。20歳になってから、ぜひご利用をご検討ください。
高校生の薄毛は、AGAや円形脱毛症、牽引性脱毛症、脂漏性皮膚炎などが原因として考えられます。自分が薄毛なのかどうか気になる場合は、鏡や写真を用いたセルフチェックで客観的な変化を観察しましょう。
高校生が薄毛を対策したいなら、バランスの良い食事や質の高い睡眠、正しいシャンプー法、ストレス管理といった「生活習慣」と「ヘアケア」を見直すことが大切です。頭皮環境を整えることが薄毛対策となります。
薄毛に悩んでいる高校生は、一人で抱え込まずに保護者の方へ相談し、クリニックを受診しましょう。
厚生労働省「『食事バランスガイド』について」
厚生労働省「睡眠対策」
厚生労働省「ストレスとこころ」
記事を読んでAGAの治療に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
オンライン診療とは、スマホやPCを使い、ご自宅など好きな場所から医師の診察を受け、お薬を配送してもらえるサービスです。従来のAGA治療における「通院の負担」「待ち時間」「人目」といった課題を解決します。
「レバクリ」は、AGA治療の「始めやすさ」と「続けやすさ」を重視し、オンライン診療のメリットを最大限に活かしたサービスを提供しています。
強いストレスは自律神経のバランスを崩し、交感神経が優位な状態が続くことで血管を収縮させ、頭皮の血行不良を招く可能性があります。頭皮の血流が滞ると、髪の毛の成長に必要な栄養が毛根まで十分に行き届かなくなってしまう場合があります。
強いストレスは髪が生え変わる周期である「ヘアサイクル」を乱す原因にもなり、これらが重なることで、間接的に抜け毛が増える要因になることがあるでしょう。
厚生労働省の「こころと体のセルフケア」では、自分でできるセルフケアとして以下のストレス解消法を挙げています。
ストレスは薄毛のリスクを間接的に高めてしまうため、薄毛対策をしたい高校生は、日ごろから自分に合った方法でリフレッシュの時間を設けることが大切です。
参考:厚生労働省「ストレスとこころ」