更新日:2026年08月07日


この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「頭皮ブラシは薄毛や頭皮のベタつきに効果があるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。頭皮ブラシは毛穴汚れの除去など頭皮環境を整える効果は期待できますが、薄毛やAGAそのものを改善する効果はありません。 本記事では、頭皮ブラシの期待できる効果や正しい使い方、選び方、注意点を紹介します。抜け毛が気になる方は本記事を参考にしたうえで、医師への相談も検討してみてください。
頭皮ブラシは、頭皮を洗浄・マッサージするための専用ブラシです。スカルプブラシとも呼ばれ、指の腹では届きにくい毛穴の汚れを落としたり、頭皮に心地よい刺激を与えたりする目的で使われます。
まずは、頭皮ブラシの基本的な役割とタイプを確認しておきましょう。
頭皮ブラシは、頭皮の洗浄とマッサージを目的としたブラシで、髪を整えるためのブラシとは目的が異なります。頭皮を傷つけないよう、先端に球状のピンが付いていたり、シリコンなどの柔らかい素材が使われたりするのが特徴です。
シャンプー時の洗浄を助けるだけでなく、トリートメントを髪全体になじませる際やブローのときにも使えます。1本で複数のシーンに使えるため、頭皮や髪の健康をサポートできるでしょう。
頭皮ブラシには、手で動かす「手動タイプ」と振動などで頭皮を刺激する「電動タイプ」があります。手動タイプは価格が手頃で力加減を調整しやすく、風呂場でも使いやすいのが特徴です。
一方、電動タイプは価格が高くなりますが、手が疲れにくく均一な刺激を得やすいのがメリットです。生活スタイルや使いたいシーンに合わせて選ぶと良いでしょう。
頭皮ブラシには、毛穴の汚れ除去や頭皮のニオイ防止といった効果に加えて、スタイリングのサポートやリラックス効果なども期待できます。ここでは、頭皮ブラシで期待できる効果を4つ紹介します。
頭皮ブラシを使うと、指洗いでは落としきれない毛穴の汚れや皮脂を落としやすくなります。ピンが頭皮に密着し、毛穴に詰まった皮脂やスタイリング剤の残りをかき出すためです。
特に、ワックスやスプレーを頻繁に使う方は、ブラシによる洗浄を行うことで頭皮をより清潔に保ちやすくなるでしょう。
毛穴の皮脂や汚れを減らすことは、頭皮のニオイやかゆみの予防につながります。皮脂や汚れが残ったままだと、ニオイやフケ、かゆみの原因になりやすいためです。
頭皮ブラシを使って清潔に保つことは、健やかな頭皮環境づくりに役立つでしょう。
頭皮ブラシは、髪の根元の立ち上がりやスタイリングのしやすさをサポートします。ブロー時に頭皮ブラシを使うと、髪が根元からふんわりと立ち上がりやすくなります。
トップや生え際のボリュームが気になる方は、髪を乾かすときに取り入れてみると良いでしょう。
頭皮ブラシによる心地よい刺激は、リラックスや気分転換にも役立ちます。頭部をマッサージすることで、硬くなりがちな頭皮の緊張がやわらぎやすくなります。
バスタイムや就寝前に取り入れると、一日の気分を癒やす心地よい時間になるでしょう。
頭皮ブラシには、薄毛やAGA(男性型脱毛症)を改善する効果はありません。ここでは、改善できない理由と頭皮ブラシが担う役割を解説します。
頭皮ブラシの役割は、頭皮環境を整える土台づくりに限られます。毛穴の汚れを落とし頭皮を清潔に保つ役割はありますが、発毛効果や薄毛の原因物質を抑える働きはないためです。
頭皮ブラシは、あくまで日々のセルフケアを補助するアイテムと捉えましょう。
AGAの進行は、頭皮ブラシなどのセルフケアだけでは止められません。AGAは、テストステロンが5αリダクターゼの働きでDHT(ジヒドロテストステロン)へ変換され、DHTがヘアサイクルを乱すことで進行する脱毛症だからです。
頭皮ブラシやシャンプー、育毛剤にDHTを抑える働きはないため、抜け毛や薄毛が気になる場合は専門クリニックでの治療が根本的な対策になります。

AGAは進行性の脱毛症のため、頭皮環境を整えるセルフケアとAGAの原因に対する治療は全くの別物と考えてください。頭皮ブラシで様子を見ている間に、薄毛の進行は続く恐れがあります。抜け毛や薄毛が気になる場合は、早めに医師へ相談することを検討してみましょう。
頭皮ブラシは、使用するシーンによってやり方が変わります。ここでは、シャンプー前・シャンプー中・乾いた髪のそれぞれの使い方を紹介します。
シャンプー前の乾いた髪に頭皮ブラシを使うと、髪の絡まりがほぐれ、頭皮や髪に付いたホコリや皮脂を浮かせられます。ブラッシングをすることでシャンプーの泡立ちが良くなり、汚れが落ちやすくなるでしょう。
髪の毛が長い場合は毛先から優しくとかし、徐々に根元に向かってブラッシングしましょう。
シャンプー中は、泡をクッションにして頭皮を優しく洗うのがポイントです。具体的な手順は次のとおりです。
シャンプーを泡立ててから頭皮ブラシを使うと、頭皮への摩擦を抑えながら毛穴の汚れを落とせるでしょう。シャンプーをすすぐ際は、頭皮や髪にシャンプーが残らないように注意してください。
お風呂上がりや乾いた髪のときは、頭皮の上で小さな円を描くように動かすと良いでしょう。ブラシのピンを頭皮に軽く当て、引き上げるようにほぐすと心地よい刺激になります。
就寝前や仕事の合間など、気分転換したいときにも取り入れてみてください。
頭皮ブラシは、素材や形状によって使い心地が異なります。自分の頭皮に合わないものを選ぶと「刺激が強過ぎて痛い」「物足りなくてスッキリしない」といった失敗につながります。
以下の選び方のポイントを押さえておきましょう。
頭皮ブラシの素材は、主にシリコン・ナイロン・ポリプロピレンの3種類です。刺激の強さや使い心地が異なるため、自分の頭皮タイプや好みの使用感に合わせて選んでみてください。
| 素材 | 特徴 | 頭皮のタイプ |
|---|---|---|
| シリコン | 弾力があり、肌当たりが軟らかい 水はけが良くお手入れしやすい | 敏感肌、乾燥肌 |
| ナイロン | 適度な硬さがあり、しっかりと洗える | 普通肌 |
| ポリプロピレン | やや硬めの質感で強い刺激が得られる 耐久性が高く、変形しにくい | 脂性肌 |
迷ったときは、刺激がマイルドなシリコン製から試すと、頭皮への負担を抑えやすくなります。
ピンの形状や持ち手の有無も、使い心地を左右します。ピンの先端が丸く加工されているものは、頭皮や髪への当たり方が優しいのが特徴です。頭皮の刺激が気になる方や、髪への摩擦が気になる方に向いているでしょう。持ち手付きは濡れた手でも滑りにくく、力加減を調整しやすいのが特徴です。
また、手が疲れやすい方や手軽にケアしたい方は、電動タイプを検討しても良いでしょう。手動タイプよりも高価格になりますが、EMSなど微電流を用いる製品もあります。実際に購入する場合は、ピンの弾力や握りやすさを確認して選ぶと失敗しにくくなるでしょう。
頭皮ブラシは、使い方を誤ると頭皮トラブルの原因になることがあります。ここでは、安全に使うための3つの注意点を紹介します。
頭皮ブラシを使うときは、力を入れ過ぎないように加減することが大切です。「汚れやベタつきが気になる」からといって強くこすると、頭皮が傷つき、炎症やかゆみの原因になることが考えられます。
ブラシを動かすときは、心地よいと感じる程度の圧で、円を描くように優しく動かしましょう。
頭皮に以下のような症状があるときは、頭皮ブラシの使用を控えてください。
炎症や傷がある状態で頭皮ブラシを使うと、刺激によって症状が悪化する恐れがあります。頭皮の状態が気になるときは、症状が落ち着くまで使用しないようにしましょう。気になる症状がある場合は自己判断で使用せず、皮膚科などの医療機関を受診してください。
浴室で頭皮ブラシを使う場合は、使用後にお手入れをして清潔に保ちましょう。シャンプーの泡や皮脂が残ったまま放置すると、雑菌が繁殖しやすくなるためです。
使用後はぬるま湯で汚れを洗い流し、水気を切って風通しの良い場所で乾かしましょう。
頭皮ブラシによるケアに加えて行いたい頭皮ケアは以下の2つです。
抜け毛や薄毛に対して直接的な影響を与えるわけではありませんが、健やかな頭皮環境を整える土台となります。順番に見ていきましょう。
髪と頭皮の健康には、バランスの良い食事と十分な睡眠が役立ちます。髪の主成分であるタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルをバランスよく摂ることを心掛けましょう。
また、成人の睡眠時間の目安は約6〜8時間が目安とされており、質の良い睡眠を確保することも大切です。就寝前はスマホの使用を避け、夜食や飲酒、喫煙を控えるなど日頃の行動を見直しましょう。
参考:厚生労働省「成人のためのGood Sleepガイド(良い睡眠の概要)」
毎日使うシャンプーは、頭皮環境に影響します。洗浄力が強過ぎると必要なうるおいまで奪って乾燥を招き、弱過ぎると皮脂汚れが残りやすくなるためです。
以下の表を参考に、頭皮の状態や肌質に合うものを選びましょう。
| 肌質 | 頭皮の状態 | シャンプーのタイプ |
|---|---|---|
| 脂性肌 | 余分な皮脂や毛穴汚れが気になる フケやニオイが気になる | スカルプシャンプー 薬用シャンプー |
| 乾燥肌 | 頭皮のカサつきが気になる | アミノ酸系シャンプー |
| 敏感肌 | 赤みやかゆみが出やすい | アミノ酸系シャンプー 抗炎症成分配合の薬用シャンプー |
脂性肌の方ですでにベタつくフケやニオイなどの頭皮トラブルが発生している場合は、薬用シャンプーがおすすめです。また、敏感肌で頭皮の赤みなどの炎症が起きている場合は、抗炎症成分配合の薬用シャンプーを選んでみてください。
頭皮ブラシの使用に関して、よくある疑問に回答します。
頭皮ブラシは毎日使っても大丈夫ですか?
頭皮の状態やブラシの種類によりますが、毎日または1日おきの使用が目安とされています。ただし、乾燥肌や敏感肌の方が毎日ブラシを使用すると、頭皮に負担をかけてしまう場合があります。まずは、週に2〜3回程度のペースで使い始め、頭皮の様子を見ながら調整しましょう。刺激を感じたり赤みが出たりしたときは、使用を控えてください。
効果はどのくらいの期間で実感できますか?
頭皮ブラシは髪の毛を生やすものではなく、あくまで「頭皮環境を健やかに整えるためのサポート」を目的としたアイテムです。すぐに変化が現れるものではなく、感じ方には個人差があるでしょう。
頭皮ブラシで抜け毛が増えたように感じる場合、何か問題がありますか?
正しい力加減で使っている場合、ブラシで抜ける髪は、自然に抜け落ちる時期を迎えた髪である場合が多いです。
ただし、ブラシの有無にかかわらず、以前よりも明らかに抜け毛が増え続ける場合は、AGAなど別の原因が関係している可能性もあります。気になる症状がある場合は、皮膚科やAGA専門の医師への相談を検討してください。
頭皮ブラシは、毛穴の汚れを落としやすくし、頭皮のニオイやかゆみの予防などの効果が期待できるでしょう。ただし、頭皮ブラシそのものに薄毛やAGAを改善する効果はありません。頭皮ブラシの役割は、あくまで頭皮環境を整える土台づくりに限られ、発毛効果や薄毛の原因物質を抑える働きはないためです。
頭皮ブラシは、シリコンやナイロンなど自分の頭皮タイプに合った素材を選ぶことで心地よく続けられます。使用する際は力を入れ過ぎず、優しい力で動かしましょう。頭皮に炎症や傷があるときは避け、使用後は清潔に保つことが大切です。
抜け毛や薄毛が気になる場合は、セルフケアだけで様子を見るのではなく、専門クリニックでの治療が根本的な対策になります。AGAが疑われる場合は、医師への相談を検討しましょう。
厚生労働省「睡眠対策」
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AGA治療は、主に内服薬・外用薬で行われます。
| 代表的な成分 | 分類 | 主な効果 |
|---|---|---|
| フィナステリド・デュタステリド | 内服薬 | 抜け毛の進行を食い止める |
| ミノキシジル | 内服薬・外用薬 | 毛包を活性化させ発毛を促す |
治療期間について
効果実感には個人差がありますが、ヘアサイクル改善のため3ヶ月〜半年ほどの継続が推奨されます。
費用について
AGA治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1ヶ月数千円ほど)の他に、初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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