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更新日:2024年06月25日

生理不順はピルの服用で改善が期待できる!生理不順の原因についても解説

この記事のまとめ
  • 生理不順の人がピルを服用するメリットは、生理不順・生理痛の改善や出血量の減少
  • 生理不順は、過度なダイエットやストレスなどによるホルモンバランスの乱れや、子宮の疾患などで起こる
  • 生理不順の種類には頻発月経や希発月経などがあり、進行すると不妊の原因になる
  • 低用量ピルは、月経初日から服用を開始し、毎日決まった時間に服用する
  • ピルの副作用には不正出血や吐き気などがあり、基本的には3ヶ月ほど服用を継続すると改善する

生理不順で、いつ生理が来るか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。生理不順は、ストレスなどによりホルモンバランスが乱れて起こり、ピルを服用すると改善が期待できます。

本記事では、生理不順の方がピルを服用すると期待できる効果や、生理不順が起こる原因について解説します。また、生理不順の種類や低用量ピルの服用方法、副作用、費用についても説明します。

生理不順の方がピルを服用すると期待できる効果

生理不順の方がピルを服用すると期待できる効果は、下記の2つです。

  • 生理不順や生理痛が改善する
  • 出血量が少なくなる

それぞれ解説します。

生理不順や生理痛が改善する

低用量ピルを服用すると、ホルモンバランスが安定して生理不順の改善が期待できます。また、痛みの原因となるプロスタグランジンという物質の生成が抑制されるため、生理痛の改善も期待できます。

生理には、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が関係しており、2つのホルモンバランスが不安定になることで、生理が定期的にこない生理不順を起こします。

ただし、生理不順の原因が子宮や卵巣の疾患の場合は、ピルを服用しても改善しないケースがあります。ピルを服用しても生理不順が改善しないと感じたら医師に相談しましょう。

出血量が少なくなる

通常の生理での出血量は、20~140mlです。生理で出血が起こるのは、月経周期における卵胞期に子宮内膜が厚くなりはじめ、黄体期の終わりに厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちるためです。

低用量ピルを服用すると、エストロゲンとプロゲステロンが分泌された状態であると脳が受け取るため、子宮内膜の増殖が起こりません。子宮内膜の増殖がなければ、剥がれ落ちるときの出血量の減少が期待できます。

生理不順が起こる原因

生理不順が起こる主な原因は、ホルモンバランスの乱れです。ホルモンバランスが乱れる原因はさまざまあり、主なものは下記のとおりです。

  • 急激な体重の増減
  • 過度なダイエット
  • 激しい運動
  • 疲労
  • 過度なストレス
  • 服用している薬
  • 抗がん剤や放射線療法
  • 妊娠経験

正常な生理周期は、25~38日です。上記で示している原因により、ホルモンバランスが乱れると生理不順が起こりやすくなります。

また、体重に関しては、「やせているほうが良い」という思いから食事制限を行う人もいますが、食事制限をすると月経不順のリスクが高くなるといわれています。

さらに、自分のボディイメージが「太っている」とネガティブに感じて抑うつ傾向になると、生理不順の原因になる可能性があります。自分の体型をネガティブに捉えず「ちょうど良い」と肯定的に捉えると、生理不順を起こす可能性を軽減できるでしょう。

上記で解説した原因以外にも、子宮や甲状腺の疾患が関係している可能性もあるため、生理不順が続く場合は病院で受診し、検査を受けることをおすすめします。

生理不順の種類

生理不順には、主に下記の5種類があります。

  • 頻発月経
  • 希発月経
  • 過長月経
  • 過短月経
  • 無月経

1つずつ解説します。

頻発月経

頻発月経は、生理周期が24日以内の状態を指し、月経の回数が増加します。初経からすぐの時期や閉経前に見られる症状です。

頻発月経が起こる原因は、精神的なストレスや黄体機能不全が関係しています。

頻発月経には無排卵性と排卵性の2種類があります。排卵性は、卵胞期短縮性と呼ばれる生理の始まりから排卵までの期間が短くなっている状態、もしくは黄体期短縮性と呼ばれる排卵後から月経までの間隔が短くなっている状態の2種類があります。

卵胞期の短縮は頻発月経で多く見られる症状で、そのまま様子を観察して問題ないと診断されることが多いです。

しかし、黄体期の短縮の場合は、黄体機能不全と呼ばれる疾患が疑われるため、医師の判断により治療が必要です。黄体機能不全になると、妊娠機能の維持に必要なプロゲステロンが不足して、不妊や流産の原因になってしまいます。

希発月経

希発月経は、生理周期が39日以上3ヶ月以内の状態を指します。希発月経は、後述する続発性無月経に進行する可能性があるため注意が必要です。

希発月経は排卵が起こっていない可能性があり、排卵がない場合、不妊の原因になります。

希発月経が起こる原因は、ホルモンバランスの乱れや疾患による排卵の障害などです。排卵の障害を引き起こす疾患として、下記の例が挙げられます。

  • 卵巣機能不全
  • 高プロラクチン血症
  • 甲状腺疾患

生理の間隔が39日以上ある場合は、クリニックで受診して原因を調べましょう。

過長月経

過長月経は、通常7日間である月経期間が、8日以上継続する状態です。過長月経の原因として、下記の例が挙げられます。

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 子宮腺筋症
  • 無排卵周期症

無排卵周期症とは、排卵のない月経が続く状態で、思春期や閉経前に多くみられる疾患です。過長月経の原因が疾患によるものの場合は、疾患の治療が優先されます。

過短月経

過短月経は、月経期間が2日以内で終わる状態です。月経の期間が短いため、出血量も減少します。

過短月経の主な原因は、下記のとおりです。

  • 子宮内膜炎
  • 子宮の発育不全
  • 黄体機能不全
  • ホルモンバランスの乱れ

過短月経を長い間そのままにしておくと、不妊の原因になる可能性があります。

無月経

無月経には、主に原発性無月経と続発性無月経があります。

原発性無月経は、18歳になっても初潮が起こらない状態のことです。原発性無月経の原因には、卵巣の障害や視床下部の障害によるホルモン分泌低下などがあります。

続発性無月経は、定期的に来ていた月経が90日以上こない状態です。続発性無月経の原因は、ダイエットやストレスなどによるホルモンバランスの乱れや、ホルモン分泌機能の低下・停止などです。

ピルの服用方法

低用量ピルは、生理が始まった1日目に服用し、2日目以降は毎日同じ時間に服用します。毎日同じ時間に服用すると、ホルモンバランスが安定し生理不順の改善が期待できます。

服用する時間は、生活リズムの中で服用しやすいタイミングにしましょう。ピルの服用を始めて最初のうちは飲み忘れてしまう可能性があるため、アラームをセットしておくと飲み忘れを防げます。

ピルは、1シートが21日分もしくは28日分になっています。21日分の場合はピルを21日間服用し、7日間の休薬期間を設けます。28日分のシートの場合は、21日間ピルの実薬を服用し、7日間の休薬期間中は偽薬(有効成分が含まれていない錠剤)を服用しましょう。

休薬期間中には、生理のような消退出血が起こります。消退出血がある状態でも、7日間の休薬期間が終了したら、ピルの服用を再開して問題ありません。

もしピルを飲み忘れた場合は、1日分であれば前日分を気づいた時点で服用し、当日分はいつもどおりの時間に内服します。

2日以上飲み忘れた場合は、前日分の1錠を服用し、当日分は決めた時間に内服しましょう。また、前々日の分のピルを服用するのは避けてください。1日に3錠以上服用すると、ピルの成分の血中濃度が高くなり、吐き気や嘔吐などの副作用が生じやすくなるためです。

関連記事:低用量ピルの飲み方は?服用時の注意点や飲み忘れたときの対応も解説

低用量ピルの副作用

低用量ピルの主な副作用は、下記のとおりです。

  • 不正出血
  • 嘔気・嘔吐
  • 体重増加
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 頭痛
  • 気分変調
  • 血栓症

日本産科婦人科学会によると、不正出血は、ピルを服用した方の20%が経験すると報告されています。ほとんどの副作用は、ピルを飲み始めた時期に起こりやすく、3ヶ月ほど服用を継続すると減少します。

3ヶ月ほど服用を継続しても副作用の症状が改善しない場合は、医師に相談して低用量ピルの種類の変更を検討しましょう。

また、ピルの副作用として、ごく稀に血栓症という重篤な疾患を引き起こす可能性があります。頭・胸・足の痛みなどの症状を感じたら、すぐにかかりつけの医師へ相談しましょう。また、喋りにくさや呼吸困難、けいれんなどの症状が現れたときは救急車を呼んでください。

参考:日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)

低用量ピルの費用

低用量ピルの費用は、保険が適用されない自由診療の場合、1シート約2,000円~3,000円です。ただし、生理不順と診断された場合は、ピルを保険適用の値段で処方してもらえます。保険が適用されると、1シート約500円~1,000円で低用量ピルを購入可能です。

低用量ピルの費用以外にも、診察料や初診料、検査を行う場合は検査料金がかかるため、初診で約5,000円程度かかると想定しておきましょう。

また、保険適用で処方されるピルは、まとめて半年分や1年分の処方ができない点に注意してください。

低用量ピルを処方しているクリニックの中には、保険診療に対応しておらず、自由診療のみの場合があります。受診前に自由診療のみか確認しておくと良いでしょう。

まとめ

生理不順の方が低用量ピルを服用すると、生理不順や生理痛の改善、出血量の減少が期待できます。

生理不順の原因には、過度なストレスやダイエット、子宮内膜症などの疾患とさまざまです。子宮内膜症などの疾患は、生理不順や生理痛を引き起こすだけでなく、進行すると不妊の原因にもなります。

生理不順で悩んでいる方は、クリニックで受診して医師に相談してみましょう。仕事が忙しくクリニックに行くことが難しい方は、職場や自宅で受診できるオンライン診療がおすすめです。

オンライン診療では予約した時間にオンラインで受診でき、受診後は低用量ピルを自宅で受け取れます。生理不順を改善するために、低用量ピルの服用を検討してみてはいかがでしょうか。

レバクリでは、低用量・中用量ピルのオンライン診療サービスを提供しています。診察は無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました