更新日:2024年08月07日
「生理のときにレバーみたいな血の塊が出る」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。血の塊が出るのは経血量が多いことが原因ですが、何度も出るときは過多月経と考えられます。
本記事では、過多月経と考えられるときの原因や、病院で受診する目安について解説します。生理時に血の塊が出ており対処法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
本来、経血はプラスミンと呼ばれるタンパク質分解酵素によって、さらさらの状態で排出されるものです。しかし、経血量が多いとタンパク質分解酵素では分解し切れず、塊状で排出されることがあります。
そのため、血の塊が出るからといって、必ずしも何かの病気にかかっているというわけではありません。単に経血量が多いことが原因のケースもあるため、まずは血の塊が出る頻度や量を観察してみましょう。
血の塊が何度も出るときは、「過多月経(かたげっけい)」の可能性があります。
過多月経とは、1回の生理でおおよそ150ml以上の経血が出ることです。月経が原因となって、鉄欠乏性貧血になることもあります。
過多月経は1回の生理でおおよそ150ml以上の経血が出ますが、実際に自分で経血量を正確に測定するのは難しいでしょう。目安として、下記の症状が見られるときは、過多月経の可能性があります。
過多月経かもしれないと思ったときは、婦人科で相談してみましょう。
過多月経の主な原因としては、次の2つが考えられます。
それぞれについて解説します。
生理は、女性ホルモンによってコントロールされています。ホルモンバランスが乱れると、経血量が増加し、レバーのような血の塊が出やすくなります。
10~20代の月経が始まってからあまり年数が経っていない方や、閉経期が近づく更年期の方は、ホルモンバランスが乱れがちです。過多月経も起こりやすくなるため、気になる方は婦人科で相談してみましょう。
ホルモンバランスの乱れは、低用量ピルを服用することで改善できます。低用量ピルは、女性ホルモンの黄体ホルモンと卵胞ホルモンを配合した薬です。医師の処方が必要な薬で、入手するにはクリニックで受診する必要があります。忙しい方や婦人科を受診するのに抵抗がある方は、オンライン診療サービスを利用するのも一つの方法です。
何らかの疾患が原因となり、過多月経が生じている可能性もあります。過多月経の原因として考えられる疾患には次のものがあります。
それぞれについて見ていきましょう。
婦人科器質性疾患とは、子宮や関連する器官に筋腫や腫瘍が生じることです。主な疾患としては、次のものが挙げられます。
早期発見・早期治療により改善できる可能性があります。過多月経と思われるときは、早めに医療機関で受診しましょう。
婦人科機能性疾患とは、婦人科系器官に機能性異常が見られることです。たとえば、以下の疾患により出血が生じ、過多月経になることがあります。
いずれも10~20代、40代後半以降に起こりやすい疾患です。症状が悪化しないよう、早めに医療機関で相談することが大切です。
内科的な疾患があり、出血が続く、血液が凝固しないなどの異常が生じることもあります。たとえば、甲状腺機能異常が見られるときは、経血量が増えて過多月経と判断されることがあります。
生理の際に時折血の塊が出る場合は、一時的なホルモンバランスの乱れが原因だと考えられます。しかし、経血量が多く過多月経と思われるときや生理時に血の塊が出る症状が3か月以上続くときは、一時的なホルモンバランスの乱れが原因ではない可能性があるため、婦人科で受診しましょう。
また、生理時に血の塊が出るだけでなくめまいや立ちくらみ、倦怠感などの症状があるときも、病院で受診したほうがよいでしょう。
何らかの疾患が原因で過多月経が起こっている場合は、早めに医療機関で受診し、適切な治療を受けることが大切です。一時的なホルモンバランスの乱れが原因で血の塊が出ている場合は、先述した低用量ピルの服用や、下記のような対策によって症状を改善できる可能性があります。
下記で説明するので、ぜひ日常生活に取り入れてください。
適度に運動することで、血行改善効果を期待できます。血流を良くすることで、生理時に経血がスムーズに排出されるようになり、血の塊が出るのを防ぎやすくなるでしょう。無理のない範囲で、日々の生活に運動を取り入れてみましょう。適度な運動はストレス解消にも役立ち、ホルモンバランスを整えることにつながります。
栄養バランスのとれた食事をとることも大切です。バランスのとれた食事をとると血行不良を改善できるだけでなく、ホルモンバランスも整いやすくなります。
身体を冷やすと、血行不良を招いてしまいます。冬場は暖かい衣類を身につけて身体を冷やさないようにし、夏場は冷房対策のカーディガンやひざ掛けなどを用意しておくと安心です。また、入浴時はシャワーだけですまさず、できる限り湯船につかって体をしっかりと温めるようにしましょう。
タイトすぎる洋服や下着は、身体を締め付けて血行を悪くすることがあります。できればサイズにゆとりのある衣類を選び、身体を締め付けないようにしてください。
生理時に血の塊が出るのは、経血量が多いことが原因と考えられます。症状が3か月以上続くときや過多月経かもしれないと思った際は、病院を受診するようにしてください。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました