更新日:2024年08月09日
「なぜ排卵日前後になると体調不良になるのだろうか」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。肌荒れやむくみ、だるさなどの不快な症状が続き、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
本記事では、排卵日前後に体調不良になる原因について解説します。また、よくある症状や体調不良を改善する方法もまとめました。排卵日前後を快適に過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
排卵日前後に体調不良になるのは、女性ホルモンの分泌が急激に変化することが原因です。
生理が終わると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増えて低温期に入ります。低温期が続いて排卵が終わると、次は女性ホルモンのプロゲステロンが分泌されて、高温期に入ります。このように、排卵日前後は女性ホルモンの分泌が急激に変化するため、身体に負担がかかり、体調不良になってしまうことも少なくありません。
また、排卵の際に卵巣に傷がつき、出血や痛みが生じることもあります。排卵日前後だけでなく、排卵日当日も体調不良になることがあるため、注意が必要です。
排卵日前後は体調不良になることがありますが、その症状は排卵日の前・当日・後によって異なります。それぞれの時期に見られる主な症状を紹介します。
排卵日前になると、次の症状が見られることがあります。
それぞれの症状について見ていきましょう。
生理直後はエストロゲンが増え、肌の状態がよくなりますが、排卵日に向かって徐々にエストロゲンの分泌量が減り、肌のツヤが失われて肌荒れが起こることがあります。
肌荒れは、排卵日前から排卵後まで続くこともあります。また、ストレスや不規則な生活により肌荒れが続くこともあるため、深刻な状態になる前に、気分転換や生活習慣の見直しをしてみましょう。
排卵日前になるとイライラする方も少なくありません。
ホルモンバランスの変化により、気持ちが不安定になっていることが原因ですが、月経前症候群(PMS)の可能性もあります。イライラが深刻なときは、医療機関で相談してみてください。
排卵日当日には、次の症状が見られることがあります。
それぞれの症状について解説します。
排卵日当日には、主に下腹部に痛みが生じる排卵痛が生じることがあります。排卵痛とは、卵子が放出されるときに卵胞から卵胞液と血液が流出し、腹膜を刺激することで起こる痛みです。
排卵痛は、通常は2日程度で終わります。痛みが長引くときは、排卵痛ではなく、別の病気が原因となっているかもしれません。たとえば、卵巣出血や子宮内膜症、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)などにより、下腹部に痛みを感じることがあります。痛みが強い場合や症状が長引くときは、婦人科で受診して検査を受けたほうがよいでしょう。
排卵日前後には排卵期出血が起こることがあります。これは卵胞が破れたときに血液が流れ出すことです。ホルモンバランスの変化による一時的な出血で、出血量が多くなければ治療は必要ないとされています。
排卵後には、次の症状が見られることがあります。
それぞれの症状が起こる理由について見ていきましょう。
排卵が終わると、身体は月経に備えて変化していきます。プロゲステロンの分泌量が増え、体内に水分を溜め込み、むくみやすくなることがあります。
また、むくみにより、余分な水分が身体を冷やし、冷えを感じることもあるかもしれません。冷えが生じると、血液循環が低下して、さらにむくみやすくなることがあります。
排卵日直後に強い眠気を感じる方もいます。これは分泌量が増えたプロゲステロンの働きによるものだと考えられています。
また、排卵直後は一時的に体温が低くなるため、眠気を感じやすくなるのも一因です。長く眠気を感じると、身体がなんとなく重く、だるく感じることもあるでしょう。
排卵日後はプロゲステロンの分泌量が増えることで、乳腺が刺激され、胸の張りを感じることがあります。胸の張りが強い場合、ときには痛みを覚えることもあります。
排卵日前後にホルモンバランスが変化することで、吐き気を感じる方もいます。食欲不振を伴うこともあり、気分が優れない状態が数日続くことも珍しくありません。
ただし、普段は排卵日後に不快な症状をあまりを感じない方が吐き気を感じるときは、妊娠している可能性があります。気になる症状があるときは、早めに病院で受診してください。
排卵日後に分泌されるプロゲステロンにより、腸内の水分が吸収されたり、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が抑制されたりすることがあります。便意が感じられにくくなるだけでなく、便秘が生じることも少なくありません。
排卵日前後に不快な症状を感じる方は、普段から次の4つの方法を実践することで、ある程度改善できる可能性があります。
それぞれの方法について解説します。
排卵日前後の不調のほとんどは、ホルモンバランスの変化により起こります。婦人科で受診し、低用量ピルを処方してもらうことを検討してみてはいかがでしょうか。低用量ピルは、女性ホルモンのプロゲステロンとエストロゲンを配合した薬です。
低用量ピルの服用によりホルモンバランスの乱れが改善され、排卵日前後の体調不良を改善できる可能性があります。「病院に行く時間がない」「婦人科に行くのに抵抗がある」という方は、オンライン診療サービスを利用して受診するのも一つの方法です。
プロゲステロンの分泌量が増えることで、身体が冷えやすくなり、むくみや眠気などの症状を感じることがあります。腹巻きやひざ掛けなどを活用し、排卵日前後は温かく装って身体を冷やさないようにしてください。
また、ゆったりとした下着を身につけることや、ぬるめのお風呂にゆっくりと入ることでも、血行が促進されて冷えを感じにくくなります。
ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、血行不良や体調不良を引き起こすこともあります。普段からストレスを溜め込まないように意識し、運動する、映画を観る、友人と話すなどしてリフレッシュするようにしてください。
生活リズムを整えることでも、排卵日前後の不調を解消できることがあります。食事の時間を一定にする、できる限り決まった時間に起床・就寝する、適度に運動するといったことを心掛けましょう。
排卵日前後はホルモンバランスが変化し、体調不良になることがあります。身体を温めることやストレス発散、生活習慣の改善を意識して過ごすようにしてください。
排卵日前後の体調不良は、低用量ピルの服用によりホルモンバランスを整えることで、改善を図れます。排卵日前後の体調不良に悩んでいる方は、低用量ピルの服用を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました