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更新日:2025年01月21日

生理の周期とは?生理の仕組みや心身の変化、乱れた場合の対処法を紹介

この記事のまとめ
  • 生理の周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のこと
  • 正常な生理の周期は、25〜38日とされている
  • 妊娠していないのに生理が遅れる原因には、精神的ストレスや生活習慣の乱れなどがある
  • 生理不順の対処法には、生活習慣の改善やピルの服用が挙げられる

生理の周期が短かったり長かったりすることがあり、「生理不順ではないか」と心配している方もいるでしょう。正常な生理周期は25〜38日とされており、それよりも短い・長い場合は生理不順と考えられます。

本記事では、正常な生理の周期や生理の仕組み、妊娠していないにもかかわらず生理が遅れる理由、生理不順で考えられる病気などについて解説します。

生理の周期とは?

生理の周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの日数のことです。生理は毎月1回あるとは限らず、周期は人によって異なります。

ここでは、生理の仕組みや正常な生理周期について解説します。

生理の仕組み

女性の身体は約1ヶ月に1回、卵巣から卵子を排出する排卵を行います。それに合わせて子宮内膜が厚くなり、受精卵を受け入れる状態になります。卵子が受精しなかった場合、準備した子宮内膜が不要になり、体外に排出されるときに起こるのが生理です。

生理のサイクルに影響を与えているのが、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンです。生理が終わってから排卵までは卵胞ホルモンの分泌が多くなり、卵胞ホルモンの作用によって子宮内膜が厚くなります。

排卵が起こると黄体ホルモンの分泌が増加して、子宮内膜を着床に適した状態にしていきます。着床しなかった場合は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が急激に低下し、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて生理が始まる仕組みです。

正常な生理周期は25~38日

生理周期は、25〜38日が正常です。生理周期は女性ホルモンのバランスによって変化し、睡眠やストレス、疲労などの影響を受けることもあります。そのため、25〜38日の範囲内であれば変動があっても正常と考えられます。

正常とされる生理周期よりも短すぎる、あるいは長すぎる場合、ホルモンバランスが乱れていたり病気が潜んでいたりする可能性もあるため、注意が必要です。

生理周期の計算

生理周期はスマートフォンのアプリを使ってカウントする方法がありますが、自分で計算する際は、カレンダーやスケジュール帳など日付がわかるものを用意しましょう。

生理の始まった日を起点として、1日目の日付欄に「1」と記入し、そこから1日経過するごとに「2・3・4〜」と、次の生理が始まる前日まで数字を入れていきます。次の生理がきた日は再び「1」からスタートし、その作業を3回繰り返して、それぞれの生理周期の平均値を算出したものが自分の生理周期です。

生理周期は年齢によっても変化する

生理の周期は、年代によっても変化するとされています。

10代のうちは卵巣機能が成熟していないため、生理周期が短くなったり長くなったりしやすいですが、20代にかけて少しずつ安定していきます。40代になると、女性ホルモンの分泌が減って生理周期が短くなり、40代後半ごろからは生理周期が長くなるとされています。

生理周期のホルモンや心身の変化

生理周期は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つの女性ホルモンの分泌バランスによって調整されており、次の4つの期間から成り立ちます。

  • 卵胞期
  • 排卵期
  • 黄体期
  • 月経期

それぞれの期間で、ホルモンの分泌量の変動により、心身にさまざまな変化が起こります。生理周期の4つの期間ごとに、体や心の変化をみていきましょう。

卵胞期

卵胞期は生理が終わってから排卵までの間で、卵巣の中で卵子が成長する期間です。卵胞ホルモンが増えて子宮内膜が厚くなります。人によっては、下腹部の痛みや腰痛、吐き気などの症状が起こることもあるでしょう。

卵胞ホルモンの分泌量が多くなり、副交感神経の働きが活発になって心の状態が安定します。卵胞期の間はポジティブな気分になりやすいでしょう。

排卵期

排卵期は、卵巣で作られた1つの卵子が、卵巣から飛び出す時期です。飛び出した卵子は卵管を通って子宮へ向かいます。排卵期はエストロゲンの分泌量がピークに達し、おりものの量も増えます。

ホルモンバランスが急激に変化する時期で、吐き気や腹痛が起こることもあるでしょう。また、感情の起伏が激しくなる場合もあります。

黄体期

排卵後から次の生理が開始するまでの時期で、黄体ホルモンの分泌が多くなります。黄体ホルモンが子宮内膜を厚くして受精卵を着床しやすくしており、妊娠に適した状態に整えている時期です。

黄体期には、胸のはりや痛み、便秘、肩こりなどさまざまな体の不調が起きやすくなります。また、黄体ホルモンの影響でイライラや不安感が起こりやすく、精神的に不安定な状態になりやすいでしょう。

月経期

受精卵が着床しなかったときに子宮内膜が剥がれ落ち、排出される時期です。卵胞ホルモンと黄体ホルモンのどちらも分泌量が減少し、体にさまざまな変化が起こります。

生理が始まると体温が下がるため、血行が悪くなって冷えや頭痛、腹痛などが起こりやすくなるでしょう。生理の出血で貧血になりやすく、体のだるさを感じることもあります。

体の不調で気分が落ち込みやすいものの、生理が終わりに近づくとエストロゲンの分泌が少しずつ増加し、気分も回復に向かいます。

妊娠していないのに生理が遅れる理由

妊娠ではないのに生理が遅れている場合、原因として女性ホルモンのバランスの乱れが考えられます。

女性ホルモンのバランスが乱れる原因として、次の3つが挙げられます。

  • 精神的なストレス
  • 過度なダイエットや激しい運動
  • 生活習慣の乱れ

それぞれについてみていきましょう。

精神的なストレス

仕事や家庭の悩みなど、強いストレスがあると、ホルモン分泌をつかさどる脳の視床下部や脳下垂体に影響を与え、ホルモンバランスが乱れるおそれがあります。ホルモンバランスの乱れによって卵巣の働きが低下すると、生理周期が乱れる可能性があるでしょう。

ストレスを感じているときは、ゆっくりお風呂につかったり、適度に運動したりするなど、自分なりのストレス解消を図ることが大切です。

過度なダイエットや激しい運動

過度なダイエットや激しい運動など、身体に大きな負担がかかっている場合も生理が遅れる原因になります。

過度なダイエットや激しい運動などにより生理周期が乱れるのは、身体のエネルギーが不足することで卵巣機能の低下を招くためです。ダイエットや運動をする際は、栄養バランスのとれた食事をとるとともに、睡眠をしっかりとって体を休めることも大切です。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や偏った食事、運動不足といった生活習慣の乱れもホルモンバランスに悪影響を与え、生理周期が不安定になるおそれがあります。できる限り毎日同じ時間に起床する・就寝直前の入浴やデバイスの使用を避ける・栄養バランスを意識して3食とる・定期的に運動するといった行動により、規則正しい生活を送りましょう。

生理周期が乱れるのは生理不順?

生理周期が一般的な期間に比べて短すぎたり長すぎたりするときは、生理不順の可能性があります。

生理不順の症状を把握し、該当するときは早めに対処しましょう。

生理不順の種類・症状

下記のように生理周期や生理の期間が短い・長い場合は、生理不順と考えられます。いずれかに当てはまる場合は、病院を受診するなど対策を考えましょう。

  • 頻発月経:月経周期が24日以内と短い
  • 希発月経:月経周期が39日以上3ヶ月未満と長い
  • 続発性無月経:妊娠ではないのに、3ヶ月以上生理がこない
  • 過少月経:生理が2日以内で終わる
  • 過多月経:生理が8日以上続く

一般的に10代のうちは身体が成熟していないため生理不順が起こりやすいとされており、30代後半~40代の更年期の前段階と考えられる時期にも、生理周期が乱れる可能性があります。

生理不順の対処法

ストレスや生活習慣の乱れなどが原因で生理周期が乱れているときは、対処法を試してみましょう。

基礎体温表をつける

生理不順で生理周期が長い状態が続く場合、まずは排卵があるか確かめるため、基礎体温を測りましょう。

基礎体温の計測には専用の婦人体温計(基礎体温計)を使い、起床直後に横になった状態で測ります。測った体温は基礎体温表に書き込み、つないでグラフにすることで体温の変化がわかります。基礎体温の記録はアプリを活用するのも一つの方法です。

生理不順が改善せず病院を受診する際は、記録した基礎体温表を持参しましょう。基礎体温の情報があることで、診察がスムーズになります。

生活習慣を改善する

妊娠していないにもかかわらず生理周期が長い場合、生活習慣の乱れが原因の可能性もあります。

できる限り同じ時間に就寝・起床する、栄養バランスの良い食事をとる、適度な運動をするなど、生活習慣の改善を図りましょう。ストレッチやヨガ、アロマテラピーなどで心身のリラックスを図り、適宜ストレス発散することも大切です。

ピルを服用する

生理不順の改善には、ピルの服用も有効です。

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されている薬で、服用によりホルモンバランスを整えられます。ホルモンバランスの乱れにより生理不順が起きていた方は、ピルの継続的な服用により、生理周期を整えられるでしょう。

ピルの服用により、PMS(月経前症候群)や生理痛など、生理に伴う不快な症状の改善も期待できます。

生理周期が短い・長い場合は病気の可能性も

生理周期が短い・長い場合には、病気が隠れている可能性もあります。生理不順のときに考えられる病気をみていきましょう。

生理周期が長い場合に考えられる病気

生理周期が39日以上3ヶ月未満の「希発月経」の状態が続く場合、次のような病気が考えられます。

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
  • 高プロラクチン血症

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵胞の発育に時間がかかるため排卵できず、⼩さい卵胞が卵巣内にとどまる疾患です。男性ホルモン(アンドロゲン)の分泌が多いために、卵胞の成長に障害が出てしまうことが原因の一つとされています。

卵胞が育たないため定期的な排卵が起きず、無月経や希発月経など、生理周期に異常が現れます。放置していると子宮体がんのリスクもあるため、早めの治療が大切です。

高プロラクチン血症とは、プロラクチンという母乳を作るホルモンの値が高くなる疾患です。授乳期間ではないのにプロラクチンの値が高い場合、排卵障害や黄体機能不全による生理不順の症状が起こり、不妊の原因にもなります。

生理周期が短い場合に考えられる病気

生理周期が24日以内の「頻発月経」は、初潮を迎えたばかりの時期や閉経前に起こりやすいとされています。卵巣機能が成熟していない時期や卵巣機能が自然と低下する閉経前の場合、過度に心配する必要はありません。

それ以外で生理周期が短い場合、次の病気が隠れている可能性があります。

  • 卵胞期短縮症
  • 黄体機能不全

卵胞期短縮症はその名の通り、卵胞期が短くなる疾患です。生理から排卵までの卵胞期が短くなると、月経周期も短くなります。何らかの原因で、ホルモン分泌がうまくいかないことで発症する病気です。卵胞期が短く卵胞が十分に発育できないため、妊娠しにくく、不妊症の原因になることもあります。

黄体機能不全は、生理周期を構成する4つの期間のうち「黄体期」が短くなる病気のことです。卵巣の機能低下やホルモンバランスの乱れなどにより、妊娠の継続に必要な黄体ホルモンの分泌が不足します。

まとめ

正常な生理の周期は、25〜38日です。生理周期が短い、もしくは長いといった生理不順の症状がある場合、ホルモンバランスが乱れていると考えられます。ホルモンバランスの乱れは、精神的なストレスや生活習慣の乱れなどが原因の可能性があるでしょう。適宜ストレス解消を図るとともに、栄養バランスのよい食事や定期的な運動なども心掛けてみてください。

生理不順には病気が潜んでいる場合もあるため、生理周期が乱れている状態が続くときは病院を受診しましょう。

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この記事の監修:

牧野潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会

※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました