更新日:2025年01月21日
生理前・生理中に眠いときの対処法!眠気の原因や予防策も紹介
- 生理前や生理中に眠いのは、基礎体温の上昇や自律神経の乱れなどが原因
- 生理前・生理中に眠いときは、仮眠やカフェイン摂取などの対策を試してみる
- 生理前や生理中の眠気を予防するためには低用量ピルの服用も一つの手段
「生理中はいつも眠い」という方もいるでしょう。生理中の眠気は、主に女性ホルモンのバランスの変化によって起こります。
この記事では、生理前や生理中に眠いと感じている方に、眠気の原因や簡単に実践できる対処法などを紹介します。日頃から心掛けたい予防策も紹介しているため、参考にしてみてください。
生理前や生理中に眠いと感じる5つの理由
生理前や生理中の強い眠気に悩まされている方もいるでしょう。生理前や生理中に「眠い」と感じる原因として、次の5つが考えられます。
- 基礎体温の上昇
- アロプロゲステロンの増加
- 自律神経の乱れ
- セロトニンの分泌量の低下
- 貧血
自分に合った対処法を見つけるために、まずは生理前や生理中の眠気の原因を知っておきましょう。
1.基礎体温の上昇
私たちの身体は、活動量の多い日中に体温が上がり、夜は体温が下がることで眠気を感じる仕組みになっています。しかし、排卵後から生理中にかけては、プロゲステロン(黄体ホルモン)の働きによって、体温が高く保たれています。
生理前の基礎体温(安静時の体温)の上昇幅は、0.3~0.6度ほどともいわれており、夜になってもなかなか体温が下がらなくなります。一般的には日中と夜の体温差が大きいほど眠気を感じやすくなるため、生理中は体温差が小さくなって夜に眠くならず、熟睡しにくい状態だといえるでしょう。
睡眠の質が低下することで、昼間であっても「眠い」と感じやすくなります。
2.アロプロゲステロンの増加
排卵後から生理開始の時期にかけて増加するプロゲステロン(黄体ホルモン)が分解されると、眠気を引き起こすアロプロゲステロンが生成されます。
アロプロゲステロンによる眠気の感じ方には個人差がありますが、なかには、睡眠薬を飲んだときのように眠くなる人もいます。生理が始まる頃に「眠い」と感じるケースでは、アロプロゲステロンの増加が関係している可能性があります。
3.自律神経の乱れ
生理前から生理中にかけては、女性ホルモンのバランスが変動するため、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れていると、就寝時になっても交感神経が優位なままで、ベッドで横になってもなかなか眠れないことがあるかもしれません。
夜に熟睡できないと、日中に「眠い」と感じてしまい、仕事やプライベートに支障をきたす可能性があります。
4.セロトニンの分泌量の低下
心身をリラックスさせて睡眠を促すメラトニンの原料となるのが、セロトニンです。セロトニンは、生理前になると分泌量が減少します。
原因として考えられるのは、生理前の女性ホルモンの変動により、セロトニンの合成が妨げられるためです。生理前から生理中は睡眠の質が悪くなり、その分日中に「眠い」と感じる可能性が高くなるでしょう。
5.貧血
生理中の貧血によっても、「眠い」と感じる場合があります。出血量が多い場合、知らないうちに貧血状態になっているケースもあるでしょう。
貧血になると、血液量が不足し、体中に酸素が行き届きにくくなります。酸素が少なくなることで脳が疲れてしまい、脳の活動が低下して眠気が引き起こされます。
生理前や生理中に眠い場合の対処法5選
生理前や生理中に眠い場合の対処法として、次の5つが挙げられます。
- 軽いストレッチをする
- 仮眠を取る
- カフェインを摂取する
- 深呼吸をする
- 冷たい水で手洗いをする
日中に強い眠気を感じると、仕事やプライベートの用事がままならず、つらいと感じることもあるでしょう。すぐに実践できる対処法もあるため、いざというときに備えて眠気を覚ます方法を知っておくと安心です。
1.軽いストレッチをする
眠気を感じるときは、心身を休ませる副交感神経が優位になっている状態です。軽いストレッチを行うことで血行がよくなり、交感神経が刺激されて眠気を覚ます効果が期待できます。
特に仕事などで長時間同じ姿勢で過ごす場合、ストレッチをして適度に身体を伸ばすことで、眠気を覚ますだけでなくリフレッシュにもなり、再度集中できると考えられます。
2.仮眠を取る
仮眠を取れる状況の場合は、15分程度を目安に休んでみるのもおすすめです。どうしても眠いときは、寝たほうがその後の眠気を改善できると考えられます。
ただし、日中にダラダラと寝続けると夜に眠れなくなり、逆に疲れが溜まる恐れがあるため注意しましょう。
3.カフェインを摂取する
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインを適度に摂取するのも、生理前・生理中の眠気を覚ます方法の一つです。カフェインは神経を興奮させる働きがあるため、眠いと感じたときに飲むことで、頭をスッキリさせ、眠気を覚ます効果が期待できます。
カフェインの効果が出やすいのは、摂取してから30分後以降とされているため、仮眠をとる前にコーヒーや緑茶などを飲むのも一つの方法です。カフェインの摂り過ぎや夕方近くなってのカフェイン摂取は、夜の睡眠の質が落ちる恐れがある点に注意しましょう。
4.深呼吸をする
脳へ送られる酸素量が少ない状態では、眠気を感じやすくなります。眠いと感じており自身の呼吸が浅いと気付いたら、深呼吸をしてみてください。
深呼吸で脳に酸素が届くことで、頭がスッキリして眠気が覚める可能性があります。屋内にいて換気ができる場合は、新鮮な空気を取り込むのも手です。
5.冷たい水で手洗いをする
その場でできる対処法を試しても眠気を感じる場合、冷たい水で手洗いをしてみましょう。座っている状態で「眠い」と感じている場合、一度席を立つという軽い運動と、冷たい水の感覚で眠気を覚ませる可能性があります。
手洗いは短時間でありながら、気分的にもリフレッシュしやすい行動であるため、試してみるとよいでしょう。
生理中に必要な睡眠時間の目安
生理中の強い眠気を改善するためには、適切な睡眠時間の目安を知っておくことも大切です。今回は、昼と夜に分けて睡眠時間の目安について解説します。
昼寝の場合は30分以内
昼間に仮眠を取る場合は15分程度にし、長くても30分以内にすることを意識しましょう。「短時間ではあまり意味がないのでは」と思う人もいるかもしれませんが、短時間の昼寝のほうが日中の活動のペースを落とさずに済みます。
また、昼寝をする場合は昼食後から14時頃までの時間帯を目安にし、夕方など時間が遅くなってしまわないように気をつけましょう。
夜は6~9時間程度
人によって必要な睡眠時間は異なりますが、厚生労働省の「良い睡眠の概要(案)」によると、成人では6~9時間程度が目安とされています。
生理前や生理中は、普段と同じように寝ているつもりでも、日中に眠気を感じるケースがあるかもしれません。そのような場合は、いつもより少し早めに就寝できるよう心がけるのも一つの方法です。就寝前はリラックスできる環境を整え、睡眠の質を高めることも意識しましょう。
参考:厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」
生理前や生理中の強い眠気を予防する方法
日々の生活を見直すことでも、生理前や生理中の眠気を予防できる可能性があります。生理の度に眠気に悩まされる場合に知っておきたい対策法は、次の4つです。
- 睡眠環境を整える
- 朝日を浴びる
- タンパク質を積極的に摂取する
- 低用量ピルを服用する
生理前・生理中もできる限り快適に過ごせるよう、対策をとりましょう。
睡眠環境を整える
ぐっすりと熟睡できる環境は、生理前や生理中の眠気を軽減するために重要なポイントです。
たとえば快適な寝具に変えたり、部屋の温度・湿度を調整したりする方法があります。生理期間だけではなく、普段から睡眠環境を整えることで、生活のペースを乱すことなく生理中も質の高い睡眠を確保できるでしょう。
朝日を浴びる
日頃から朝日を浴びる習慣をつけておくのも、生理前や生理中の眠気を軽減するのに役立ちます。とくに朝目覚めたときは、カーテンを開けて日光を浴びることで、セロトニンの分泌が促されます。
日々の生活が忙しく、体内時計が狂いやすい場合であっても、決まった時間に朝日を浴びることで体内時計をリセットできるでしょう。朝日を浴びて心身を目覚めさせ、日中を活動的に過ごせるようになれば、自然と夜に眠気を感じやすくなります。
タンパク質を積極的に摂取する
セロトニンの原料であるタンパク質を積極的に摂取することで、生理前や生理中の眠気改善が期待できます。
生理前・生理中に眠気を感じる場合、特に朝食で意識的にタンパク質を摂取するとよいでしょう。朝食にチーズトーストや卵を食べたり牛乳を飲んだりしてタンパク質を摂取すれば、日中はセロトニンが分泌され、夜にはメラトニンに変化して睡眠を促します。
これまで朝食を抜いていた人も、朝食でしっかりとタンパク質を摂取することで、夜の睡眠の質が高まり、生活リズムが整いやすくなるでしょう。
低用量ピルを服用する
生理前・生理中の眠気がつらい場合は、低用量ピルの服用を検討するのも一つの手です。日常的にピルを服用することでホルモンバランスを整えられ、女性ホルモンの急激な増減による強い眠気や生理前のイライラ、生理痛といった不快症状の改善を図れます。
忙しくてなかなか医療機関に行けない場合、自宅で気軽に受診できるオンライン診療がおすすめです。ピルを服用したいものの婦人科のクリニックに足を運ぶのが難しい場合は、オンライン診療の活用を検討するとよいでしょう。
まとめ
生理前や生理中に「眠い」と感じるのは、女性ホルモンの変動や自律神経の乱れなどによるものです。仕事中に眠くなった場合は、深呼吸やカフェイン摂取など、手軽にできる対処法を試してみましょう。
また、生理前・生理中の眠気が解消しないときは、自宅の睡眠環境を整えたり低用量ピルを服用したりするのも一つの手段です。
レバクリでは、低用量ピルのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました