更新日:2025年01月21日
生理中は妊娠しない?生理中の性行為のリスクや生理をずらす方法を解説
- 「生理中は妊娠しない」ということはなく、生理中も性行為を行うと妊娠する可能性がある
- 生理中の性行為は、感染症にかかりやすい・心身に負担がかかるなどのリスクがある
- 生理中にパートナーと過ごす場合、家でゆっくりするのがおすすめ
- 生理開始日をずらしたい場合、ピルを服用する方法がある
「生理中は妊娠しない?」と思っている方もいるでしょう。生理中に性行為を行うと、妊娠する可能性があるほか、感染症にかかりやすくなるといったリスクがあります。
この記事では、「生理中は妊娠しない」というのが間違いである理由や、生理中に性行為をするリスク、生理中におすすめのパートナーとの過ごし方、生理をずらす方法などについて解説します。
生理中は妊娠しないって本当?
生理中は妊娠する確率が低いとはいえ、必ずしも妊娠しないわけではありません。
一般的に生理は、排卵した後2週間ほど経ってから始まります。そのため、生理期間中に性行為をしたとしても、精子と卵子が出会う確率が低く、妊娠しにくい期間だと考えられるでしょう。しかし、生理から排卵までの期間は人によって異なり、体調によって排卵の時期が大きく前後する可能性もあります。
生理中であっても次の排卵が早まって起きた場合、妊娠が成立することも考えられます。また、精子は子宮のなかで4~5日程度、長いと1週間ほど生き延びるため、排卵のタイミングによっては受精することもあるでしょう。
生理中の性行為によるリスク
生理中の性行為によるリスクは、意図せぬ妊娠だけではありません。他にも、次のようなリスクがあります。
- 感染症にかかる
- 子宮内膜症を発症する
- 出血量が増える
- 心身に負担がかかる
想定される4つのリスクについて解説します。
感染症にかかる
生理期間中は、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちることで、出血します。膣内に多くの血液が集まり充血している状態のため、血液感染するHIVや梅毒といった性感染症の危険にさらされやすくなります。
また、通常であれば、膣内は自浄作用によってウイルスや細菌の感染を防いでいます。しかし、生理中は少しの刺激であっても膣が傷つきやすく、傷口は無防備でウイルスや細菌などが簡単に入り込めるため、クラミジアやパピローマウイルス、淋病などの感染症のリスクが上昇すると考えられます。
子宮内膜症を発症する
生理中に性行為をすることで、本来排出されるべき経血や子宮内膜組織が逆流し、子宮以外の場所に生着・増殖して子宮内膜症を発症する可能性があります。
逆流によって、経血や子宮膜組織だけではなくその他のウイルスや細菌が一緒に入り込んでしまうおそれもあるでしょう。膣内の環境が悪化すると、子宮内膜症をはじめとする疾患のリスクが高まるため注意が必要です。
出血量が増える
子宮筋腫(子宮の壁にできる良性の腫瘍)が子宮内膜の近くにある場合は、生理中の性行為によって出血量が増えるリスクがあります。
生理中は貧血になりやすい時期のため、出血量が増えることでめまいやふらつきなどの症状が出るおそれがあります。貧血になると、仕事やプライベートに支障が出る可能性もあるため、生理中の性行為は避けたほうがよいでしょう。
心身に負担がかかる
生理中は女性ホルモンのバランスが乱れるため、心身の不調を感じやすくなります。日中に強い眠気を感じたり、体がだるいと感じたりすることもあるでしょう。
不調を感じている時期に無理をして性行為をすると、精神的・身体的な負担が大きくなるおそれがあります。
知っておきたい生理と性欲の関係
生理中の性行為にはリスクがあるものの、生理中はホルモンバランスの変動によって性欲が高まる場合があります。
生理中から徐々に分泌量が増えるエストロゲンの作用によって、胸の張りを感じたり膣が濡れやすくなったりと、身体にも変化が起きるでしょう。
しかし、一時の感情に任せて生理中に性行為をすると、思わぬトラブルが生じる可能性があります。自分の心と身体の状態をしっかりと把握し、決して無理をしないようにしましょう。
生理中におすすめの過ごし方3選
生理中にパートナーと過ごす予定の場合、下記の過ごし方を検討してみてください。
- 無理のないおうちデート
- ショッピングモールデート
- 体調がいまいちの場合は休息を優先
生理期間は心と身体の両方が万全な状態ではないことが多いため、無理をすると後々悪影響が出るおそれがあります。パートナーとの過ごし方を工夫することで、生理中であっても無理なく楽しく過ごせるでしょう。
1.無理のないおうちデート
生理中であってもデートをしたい場合は、おうちデートを検討してみましょう。
生理期間中は、急にお腹が痛くなったり出血量が増えて貧血気味になったりすることも考えられますが、家であればすぐに横になって休めます。家で過ごす場合は、ドラマ・映画鑑賞やゲームなどを楽しむ方法があるでしょう。
2.ショッピングモールデート
生理中に外でのデートを検討している場合は、ショッピングモールがおすすめです。急にトイレに行きたくなっても、ショッピングモールであればトイレが多く設置されているため安心できるでしょう。また、買い物をして疲れたときは、施設内のカフェや喫茶店に入って休憩することもできます。
3.体調がいまいちの場合は休息を優先
体調が優れない場合は、デートをキャンセルする勇気をもつことも大切です。心身が不安定な状態で無理にデートをすると、体調が悪化するほか、パートナーにイライラすることもあるかもしれません。
無理な外出によって疲れがたまると、その後の生活に支障をきたすおそれもあります。パートナーに事情を伝え、一人で家でゆっくりと過ごすことを検討するのもよいでしょう。
大切なデートと生理が重なりそうな場合の対処法
大事な予定と生理が重なりそうで、どうしても予定を優先したい場合は、ピルの服用により生理の開始日をずらすのも一つの手です。
ここでは、ピルで生理開始を遅らせる方法と早める方法をそれぞれ紹介します。
ピルで生理を遅らせる
ピルで生理を遅らせる場合は、生理開始予定日の5~7日前からピルを服用します。そのため、生理開始予定日の1週間前までに医療機関を受診し、ピルを処方してもらいましょう。
生理をずらしたい日までピルを服用し、服用をやめた後2~3日ほどで生理が始まります。
ずらしたい期間中にピルの服用を1日でも忘れると、予想しないタイミングで生理が始まってしまうため注意しましょう。
ピルで生理を早める
生理を早めたい場合、移動させたい生理日の一つ前の生理が始まってから5日目までにピルの服用を開始します。ピルの服用を10〜14日間ほど続け、服用をやめてから大体2~3日後に生理が始まるのが一般的です。
まとめ
生理中は妊娠しないというのは、間違いです。生理中であっても、性行為を行うと妊娠する可能性があります。また、生理中は心身とともに不調を感じやすい時期であるため、無理をして性行為をするのは避けたほう良いでしょう。
生理予定日に大事な予定があり、生理をずらしたい場合は、ピルの服用を検討してみましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました