更新日:2026年09月25日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「白玉点滴」とも呼ばれるグルタチオン点滴は、透明感のある肌づくりや疲労回復を目的として美容クリニックなどで受けられる点滴です。シミやくすみが気になり始めた方を中心に関心が高まっていますが、「費用はどれくらい?」「何回くらいで効果が出る?」「副作用は大丈夫?」と疑問を持つ方もいるかもしれません。 この記事では、グルタチオン点滴の効果・頻度・費用・副作用と、内服薬との違いを分かりやすく紹介します。
※この記事で紹介するグルタチオン内服薬は、いずれもシミ・くすみへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。自由診療では、これらの医療用医薬品が持つ作用に着目し、シミ・くすみへのアプローチとして選ばれることがあります。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
グルタチオン点滴とは、抗酸化物質である「グルタチオン」を直接血管へ投与する点滴です。「白玉点滴」という名前で広く知られており、美容クリニックや点滴専門クリニックなどで受けられます。
グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンという3つのアミノ酸からなるペプチド(アミノ酸の化合物)で、もともと体内に存在する物質です。皮膚や肝臓、目(水晶体・角膜)など全身の細胞に広く分布しており、細胞がダメージを受けるのを防ぐ働き(抗酸化作用)や、肝臓での老廃物や有害物質の処理をサポートする働きを持っています。体内のグルタチオン量は年齢とともに減少するとの報告があり、紫外線やストレス、生活習慣なども影響するとされています。
グルタチオン点滴が「白玉点滴」と呼ばれるのは、白玉のようにつるんとした透明感のある肌を目指すケアであることが由来とされています。点滴(白玉点滴)のほか、注射(白玉注射)もあります。
いずれもグルタチオンを血管に直接投与する方法ですが、点滴は時間をかけてゆっくり投与するのに対し、注射はより短時間で投与する点が異なります。点滴の場合、施術はベッドに横になった状態で行われ、所要時間は投与量によって異なりますが、15〜30分程度が目安です。事前にカウンセリングや医師の診察があり、既往歴やアレルギーの確認が行われます。
グルタチオン点滴は、美容クリニックなどでシミ・くすみへのアプローチや肌のエイジングケアを目的として受けられる自由診療のケアです。グルタチオン点滴に期待できる主な効果として、以下の3つが挙げられます。
ただし、老人性色素斑・くすみ・美白・エイジングケアへの使用と、承認用量を超える投与の場合は自由診療となります。

グルタチオン点滴のなかでも特に注目されているのが、メラニンへの色変換作用です。シミやくすみの元となる「メラニン」には、色の濃い黒色メラニンと色の薄い淡色型メラニンの2種類があります。グルタチオンはメラニンの生成ルートに働きかけ、黒色から淡色型への切り替えを促す作用が期待されています。
この働きにより、シミへアプローチし、肌のトーンを整えるサポートが期待されています。
グルタチオンには、体内で増えすぎた活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は紫外線や生活習慣などによって増加し、肌の細胞やコラーゲン・エラスチンなどの線維を傷つけ、肌のハリやツヤの低下や、顔全体が暗く見えるくすみの原因になることがあります。グルタチオンを補うことで活性酸素の影響から肌の細胞を守り、年齢に応じた肌のエイジングケアのサポートが期待されています。

グルタチオンは肝臓に多く存在し、有害物質の処理をサポートする働きを持つことで知られています。肝臓はアルコールや有害ミネラルなどを水溶性に変換して体外へ排出する臓器で、グルタチオンはこの処理を助ける役割を担っています。
グルタチオン点滴の効果は、肌のどんより感や疲労回復、二日酔いのケアであれば1回の施術でもスッキリ感を実感しやすいとされています。一方で、シミケアや肌のトーンを整えるなどの効果については、1回の施術ですぐに実感できるものではなく、継続的な施術が必要です。
効果を実感し始めるまでの目安は、28日周期のターンオーバー(肌の生まれ変わり)の人を基準とした場合、1〜2ヶ月程度とされています。ただし、ターンオーバーは年齢や体調によって異なるため(一般的に28~56日程度)、効果を実感できるまでの期間に個人差があります。
以下に、美容を目的としたグルタチオン点滴の通院頻度の目安をまとめました。
| 通院頻度・回数の目安 | 目的・期待できる変化の目安 | |
|---|---|---|
| 集中期 | 週1〜2回(10回前後:1~2ヶ月) | 肌のトーンの変化を感じ始める方も出てくる |
| 維持期 | 月1〜2回 | 実感した効果や肌の状態を維持・キープする |
グルタチオン点滴の効果は永続的なものではありません。体内に取り入れた成分は日々消費され、時間とともに代謝・排出されていきます。
また、私たちは毎日のように紫外線やストレスによるダメージを受け続けているため、施術をやめると徐々に元の状態に戻っていきます。したがって、点滴によって実感した効果や良いコンディションを維持したい場合は、定期的に施術を受け、成分を補い続けることが大切です。
グルタチオン点滴を受けても変化を感じにくい場合、いくつかの原因が考えられます。まず、施術の頻度や継続期間が目安に達していないケースです。1〜2回の施術では肌への変化は実感しにくいため、多くのクリニックでは10回前後を一区切りとする傾向があります。
もし点滴の目的が「シミケア」である場合、ご自身のシミの種類によってはグルタチオンがアプローチできていない可能性があります。 現状として、点滴によるシミ改善に関する大規模で信頼性の高い研究データは世界的にも少なく、正確な効果を断言することはできません。しかし皮膚科学の観点から、遺伝的要因が強いそばかすや、肌の深い層に色素がある後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)といったシミは、点滴や内服薬での改善が難しいとされています。そのため、もしこれらのシミにお悩みの場合、点滴を続けても効果が見られない可能性が高いです。
また、日常的な紫外線対策が不十分な場合も、ダメージが上回ってしまい変化が出にくくなるため注意が必要です。
グルタチオン点滴にかかる費用はクリニックによって異なります。美容目的での受診となるため、費用は全額自己負担です。受診前に費用の目安を把握しておくことをおすすめします。
老人性色素斑・くすみ・美白・エイジングケアへの使用を目的としたグルタチオン点滴は、美容目的の自由診療であり、健康保険は適用されません。治療・診察・処方にかかる費用はすべて自己負担となります。
1回あたりの費用は投与量やクリニックによって異なりますが、600mg〜1,800mg程度の投与で数千円〜数万円程のクリニックが多いです。集中期として10回前後の施術を継続する場合、総費用は数万円以上になることも少なくありません。また、注射剤の承認用量である1回100〜200mgを大きく超えるため、安全性の確立は行われていない点に注意が必要です。
以下にグルタチオン投与量(600mg・1,200mg・1,800mg等)ごとの1回あたり価格帯(目安)と、集中期10回コースの総費用目安をまとめました。
| 投与量 | 1回あたりの価格帯(目安) | 集中期(10回)の総費用目安 |
|---|---|---|
| 600mg | 約3千円~5千円 | 約3万円〜5万円 |
| 1,200mg | 約6千円~1万円 | 約6万円〜10万円 |
| 1,800mg | 約1万円~1万2千円 | 約10万円~12万円 |
維持期の施術も続けることを考えると、長期的にかかるコストを事前に確認してから受診することが大切です。
グルタチオンはもともと体内に存在する物質ですが、点滴・注射での投与によって副作用があらわれることがあります。施術前に副作用の種類や注意が必要な方を把握しておきましょう。

グルタチオン注射用の添付文書では、0.1%未満の頻度で発疹・食欲不振・悪心(吐き気)・嘔吐・胃痛などがあらわれることが報告されています。また、頻度は0.1%未満ですが、重篤な副作用として静脈注射時にアナフィラキシー症状(息苦しさ・発赤・激しい嘔吐など)があらわれたという報告もあります。施術中や施術後に体調の変化を感じた場合は、我慢せずにクリニックのスタッフや医師へ申し出てください。

施術前に既往歴やアレルギーを正確にお伝えいただくことが、安全な施術の前提になります。クリニックによっては、グルタチオン以外の成分が配合されていることもあるため、事前確認が重要です。気になる既往歴や服用中の薬がある場合は、遠慮なく医師へ相談してください。
グルタチオンの成分に対してアレルギー(過敏症の既往歴)がある方は、施術を受けられません。
また、授乳中の方については、美容目的で点滴を受けるメリットと、母乳を通じた赤ちゃんへの栄養の有益性を比較考慮したうえで、授乳の継続または中止を検討する必要があるとされています。そのため、自己判断は避け、必ず事前に医師へご相談ください。その他、持病がある方や現在服用中の薬がある方も、受診時に必ず医師へ申し出てください。
グルタチオンを取り入れる方法は点滴・注射だけではありません。内服薬(グルタチオン錠)として服用する方法もあります。それぞれの特徴を比較して、自分に合った方法を選ぶ参考にしてください。
グルタチオン点滴・注射・内服薬の3つを比較した表は、以下のとおりです。
| 比較項目 | 点滴 | 注射 | 内服(グルタチオン錠) |
|---|---|---|---|
| 吸収効率 | 高い(成分が直接血管へ届く) | 高い(成分が直接血管へ届く) | 緩やか(消化管を経由するため) |
| 即効性 | 肌のどんより感や二日酔い、疲労回復目的であれば即効性がある(シミケアとしての即効性はない) | 肌のどんより感や二日酔い、疲労回復目的であれば即効性がある(シミケアとしての即効性はない) | 二日酔いや疲労回復目的であっても数時間~数日かかる(シミ・くすみケアとしての即効性はない) |
| 通院の有無 | 必要 | 必要 | 不要(自宅で服用可能・オンライン診療等) |
| 継続のしやすさ | 時間の確保が必要 | 手軽だが通院は必要 | 日常に取り入れやすい |
| 費用感 | 1回あたり数千円〜数万円 | 1回あたり数千円程度 | 月数千円程度 |
点滴や注射でグルタチオンを投与する場合、成分が直接血管に届くため吸収効率が高く、比較的短期間で変化を感じやすいとされています。食事やサプリメントによる経口摂取と比べると、消化管を経ないため成分をより効率よく取り込める点が特徴です。ただし、クリニックへの通院が必要であり、費用や時間のコストもかかります。
グルタチオン錠(内服薬)は、クリニックへ通院せずに自宅で服用を続けられるのが特徴です。点滴と比べると吸収効率は緩やかですが、日常のなかに取り入れやすく、継続しやすいのがメリットです。グルタチオン錠は、美容目的での使用は承認適応外ですが、自由診療の美容皮膚治療ではシミ・くすみのない透明感のある肌を目指す方に活用されています。なお、レバクリを通じた提携医療機関の美容皮膚診療では、グルタチオン錠を含む内服薬5種類をオンライン診療にて処方しています。
ここでは、グルタチオン点滴・内服についてよくある質問をまとめました。Q&A形式で回答するので、ぜひご覧ください。
白玉点滴はどれくらいの頻度・回数で変化を感じ始めることが多いですか?
肌のトーンを整えることを目的とする場合、週1〜2回の頻度で10回前後の施術継続が目安とされています。ただし、効果のあらわれ方には個人差があり、症状・肌質・紫外線ダメージの程度などによっても異なります。「何回で必ず変化が出る」と断定することはできないため、受診前に医師へ相談することをおすすめします。
更年期による肌悩みにグルタチオン点滴は向いていますか?
更年期にはホルモンバランスの乱れによって肌のターンオーバーが乱れやすくなり、シミやくすみが気になり始める方もいます。体内のグルタチオン量は40代以降に減少しやすいため、グルタチオンへの関心が高まっています。ただし、グルタチオン点滴が更年期の肌悩みに効果的であるという医学的なエビデンスは確立されておらず、効果には個人差があります。気になる方はまず医師に相談してみてください。
グルタチオン点滴で白髪になるという噂は本当ですか?
グルタチオン点滴で白髪になるという科学的な根拠は現時点では確認されていません。グルタチオンにメラニンの生成に影響を与える作用があることから、このような噂が広まったと考えられますが、毛髪のメラニンへの影響について白髪を引き起こすとする医学的報告はありません。
グルタチオン点滴(白玉点滴)は、体内にもともと存在する抗酸化物質「グルタチオン」を直接血管へ投与する美容点滴です。肌のトーンを整えるサポートや、抗酸化作用によるエイジングケア、肝臓の働きのサポートなど、さまざまな効果が期待されており、多くの方がシミやくすみへのアプローチとして関心を持っています。
ただし、美容目的での使用はいずれも承認適応外であり、効果には個人差があります。また、継続的な通院が必要で費用も全額自己負担となるため、事前にクリニックで詳しく確認することが大切です。クリニックへの通院が難しい場合や、より継続しやすいケア方法を探している方には、オンライン診療で処方を受けられるグルタチオン内服薬という選択肢もあります。自分の肌の状態や生活スタイルに合わせて、医師に相談しながら方法を選んでみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「グルタチオン注射用200mg『NIG』 添付文書」
記事を読んで美容皮膚(メディカルスキンケア)に関心を持ったものの、こんな不安やお悩みはありませんか?
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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