更新日:2026年10月28日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「ユベラが販売中止になる」と聞いて、今飲んでいる薬を続けられるのか気になった方もいるかもしれません。結論として、ユベラ錠50mgは薬そのものが終わるのではなく、大容量の包装だけが中止されます。この記事では、中止の対象になる製品と背景、顆粒や軟膏など剤形ごとの状況、ユベラの効果と副作用、手に入りにくいときの対処法を紹介します。服用中の方は自己判断でやめず、医師に相談してみてください。
※この記事で紹介するユベラは、シミやくすみへの承認適応(国から正式に認められた効能・効果)を持ちません。自由診療では、ユベラが持つ作用に着目し、シミやくすみへのアプローチとして選ばれることがあります。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。
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ユベラ錠50mgは、薬そのものの販売が終わるわけではありません。2026年3月3日に案内されたのは大容量の包装2種類の販売中止で、そのほかの包装は引き続き流通します。処方を受けている方がすぐに飲めなくなる状況ではないので、まずはどの包装が対象なのかを確認してみてください。
| 包装規格 | 状況 | 実施予定時期 |
|---|---|---|
| PTP100錠 | 販売継続 | ー |
| PTP1000錠 | 販売継続 | ー |
| PTP210錠 | 販売中止 | 2026年9月1日(告知:2026年3月3日) |
| バラ500錠 | 販売中止 | 2026年12月1日(告知:2026年3月3日) |
| PTP5040錠 | 販売中止 | 2022年4月30日(告知:2022年2月7日) |
今回中止の対象になったのは、PTP210錠(21錠×10シート)とバラ500錠の2種類です。2026年3月3日に告知され、PTP210錠は2026年9月1日、バラ500錠は2026年12月1日に販売中止となります。あわせて、PTP5040錠については2022年2月7日に告知が出され、2022年4月30日にすでに販売中止となっております。
同じユベラ錠50mgでも、PTP100錠とPTP1000錠には販売中止の告知が出ていません。つまり、薬そのものは今までどおり製造・販売されており、医師が必要と判断すれば処方を受けられます。 「ユベラ 販売中止」という言葉だけが広まると、薬が丸ごとなくなるように受け取られがちです。実際に起きているのは包装の入れ替えなので、処方内容そのものが変わるとは限りません。
参考:エーザイ株式会社「ユベラ 製品情報」
ユベラ錠50mgの一部包装が中止される背景には、大容量の包装が使われる場面が減ってきたことがあると考えられます。医療用医薬品の販売中止は、需要の変化や供給体制の事情によって起こるもので、薬の安全性に問題が見つかったことを意味するわけではありません。ここでは、そう考えられる理由を順番に見ていきます。
販売中止とされるのは大容量の包装だけで、小さな包装は残ります。仮に原薬が入手できない、製造設備が使えないといった事情であれば、包装の大小にかかわらず供給が止まるはずです。大きな包装から順に整理されているという事実は、その包装を使う量が減ってきたことを示すサインといえます。 薬局や医療機関で1回に扱う量が減れば、大容量の包装は在庫として抱えにくくなります。包装の種類を絞り込むのは、こうした使われ方の変化に合わせた対応と考えられます。
医療用医薬品が販売中止になる理由は、いくつかの類型に分けられます。2017年度から2021年度までに販売中止となった1,904剤を分類した調査では、案内文に具体的な理由が書かれていない「詳細不明」が78.8%を占め、続いて「安定供給困難」が5.7%、「需要の変化」が3.7%、「成分重複による中止」が3.5%、「製品・製造設備の問題」が2.3%と報告されています。 案内文では「諸般の事情により」と書かれることが多く、個別の理由まで公表されないのが通例です。そのため、公表された事実と製品の状況から背景を読み取ることになります。
ビタミン剤は、保険診療のなかで使える場面が制度上しぼられています。診療報酬点数表では、入院中以外の患者に投与されたビタミン剤について、症状の原因がビタミンの欠乏または代謝異常であることが明らかで、かつ食事から必要なビタミンを摂るのが難しい場合などを除き、薬剤料を算定できないと定められています。 単に栄養を補う目的では保険が使えないため、ビタミン剤全体として処方の機会が広がりにくい状況があります。大容量の包装の需要が下がってきたことも、こうした制度の枠組みと無関係ではないでしょう。
「出荷調整」「限定出荷」「欠品」は、販売中止とは別の状態を指します。販売中止はその製品の供給を終える決定を指すのに対し、出荷調整や限定出荷は供給量を一時的に絞る対応、欠品は在庫が一時的に切れている状態です。後者は供給が戻れば元どおりに出荷されます。 検索結果では両者が同じ「販売中止」という言葉でまとめられていることがあるため、案内の日付と対象製品まで確認すると状況を正しくつかめます。
ユベラという名前がついた製品は複数あり、販売状況は製品ごとに違います。すでに製造販売が終わったもの、案内が出ていないもの、供給が一時的に絞られているものが混在しているため、自分が使っている製品名で確認するのが確実です。
ユベラ顆粒20%は、現在は製造販売が中止されています。錠剤が流通を続けている一方で、顆粒や散剤、注射剤はすでに役目を終えた形です。 粉薬でユベラを使っていた方は、剤形の切り替えが必要になります。飲み込みやすさに不安がある場合は、その点も含めて医師や薬剤師に伝えてみてください。
ユベラN細粒40%は、製造販売元の製品情報ページに掲載がなくなっています。同じページに残っているのはカプセルの2製品のみで、細粒については確認できません。掲載が終了していることは、流通が終わったことを示す手がかりの一つです。 「ユベラN 細粒 販売中止」で検索してたどり着いた方は、現在処方されている薬の名称を手元の説明書で確かめたうえで相談するとスムーズです。
ユベラNカプセル100mgとユベラNソフトカプセル200mgは、製品情報ページに掲載が続いており、販売中止の案内は確認できません。細粒が姿を消した一方で、カプセルの剤形は残っている状況です。 なお、ユベラNはユベラとは別の薬です。名前が似ているため混同されやすい点は、次の補足で整理します。
ユベラ軟膏は、2026年2月3日から供給が絞られています。280gの包装は供給停止、500gの包装は限定出荷という扱いで、出荷再開の時期は決まっていません。理由は「諸般の事情により」と記されており、詳細は公表されていません。 ユベラ軟膏は肌に塗る外用薬で、飲み薬のユベラ錠50mgとは製品が異なります。塗り薬が手に入らない場合の対応は、処方した医療機関に確認してください。
ユベラと同じ有効成分をもつ後発品のなかにも、販売が終わった製品があります。ただし、現在も複数のメーカーから同じ有効成分の薬が販売されており、選択肢がなくなったわけではありません。
トコフェロール酢酸エステルを含む後発医薬品の一つ、ビタミンE錠50mg「NP」は2020年4月1日に販売が中止されました。案内では在庫がなくなり次第の供給終了とされ、経過措置は2021年3月31日に終了しています。中止の理由は「諸般の事情により」と記載されるにとどまりました。 このときの案内では、切り替え先としてユベラ錠50mgが示されています。後発品が終了して先発医薬品に戻る流れもあるため、「後発品が中止=その成分の薬がなくなる」とは限りません。
トコフェロール酢酸エステルを含む薬は、今も複数のメーカーから販売されています。錠剤のほかカプセルや顆粒もあり、規格も50mgと100mgが流通しています。 どの製品に切り替えられるかは、含まれる成分量や剤形、そのときの流通状況によって変わります。判断は処方する医師と調剤する薬局に委ねられるため、希望があれば診察のときに伝えておくと良いでしょう。
ユベラ(ビタミンE)は、ビタミンE欠乏症の予防および治療、末梢循環障害、過酸化脂質の増加防止という3つの効能効果が承認されている薬です。美容の分野では別の働きに着目して使われることがあり、承認された効能とは分けて理解しておくと混乱しません。
添付文書に記載されている効能効果は3つです。ビタミンE欠乏症の予防および治療、間歇性跛行症や動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎などの末梢循環障害、そして過酸化脂質の増加防止が挙げられています。 用法・用量は、承認適応(国から正式に認められた効能・効果)の範囲内で服用する場合、成人にトコフェロール酢酸エステルとして1回50〜100mgを1日2〜3回服用するとされ、年齢や症状に応じて増減されます。冷えや血行の悪さで処方されることがあるのは、末梢循環障害への効能があるためです。
用法・用量は症状の種類や年齢、医師の判断によって変わる場合があるため、処方された内容に従って服用することが大切です。なお、ユベラは本来、末梢循環障害の改善などの治療に用いられる薬ですが、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では処方目的が異なるため、1日2回の服用でご案内しています。


美容の目的でユベラ錠が処方される場合、抗酸化作用や血流促進に着目して使われます。ビタミンEには抗酸化作用によってメラニンの過剰な生成を抑えたり、血流を良くして肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助けたりする作用が期待されています。 ただし、この使い方はシミやくすみに対して国が承認した効能効果ではなく、保険適用外の自由診療の範囲で選ばれているものです。承認されている効能とは切り分けて考えてください。

添付文書では、頻度別に副作用が示されています。0.1〜5%未満で便秘と胃の不快感、0.1%未満で下痢と発疹が報告されています。服用中に気になる症状が出たときは、続けるかどうかを自分で決めずに医師へ伝えてください。 また、授乳中の方については、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して授乳を続けるか中止するかを検討するよう記載されています。なお、レバクリの提携医療機関で取り扱う美容皮膚治療では、妊娠中・授乳中の方への処方は行っておりません。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」
ユベラ錠が手に入りにくいときの対処法は以下のとおりです。
包装の中止や供給の調整でユベラ錠が受け取りにくくなったときは、服用を自分の判断でやめるのではなく、まず処方した医師や薬剤師に相談してください。同じ有効成分の薬へ切り替えられる場合もあり、選択肢は残されています。
薬をやめるかどうかは、医師の判断のもとで決めるものです。ユベラ錠はビタミンE欠乏症の予防および治療で処方されることがあり、症状の経過を見ながら続ける必要があるかどうかが判断されます。手に入りにくいという理由だけで自己判断で中断すると、治療の流れが途切れてしまいます。 続けるかやめるかは、定期的に診察を受けながら医師と一緒に判断することが大切です。
包装が変わったり、別のメーカーの薬に切り替わったりしても、有効成分と含有量が同じであれば同じように使用できます。トコフェロール酢酸エステルを含む薬は複数流通しているため、切り替えができるかどうかを診察のときに聞いてみてください。 薬の色や形、パッケージが変わると不安になることもあるでしょう。そのときは受け取った薬をそのまま持参すると、薬剤師が名称と成分量を確認できます。
通院の時間を取りにくいときは、オンライン診療という選択肢もあります。カメラをつけたビデオ通話で医師の診察を受けられるため、薬の供給状況や切り替えについて自宅から相談できます。 なお、既往歴や治療中の疾患、服用中の薬があるなど、医師の判断により薬を処方できない場合があります。手元の薬の名称と、これまでの経過をまとめておくと相談がスムーズです。

薬の見た目や包装が変わっても、有効成分と含まれている量が同じであれば同じように使えます。別のメーカーの薬に切り替わったときや、複数の薬を併用しているときは、受け取った薬をそのまま診察にお持ちください。飲み合わせや服用量の確認ができます。
ここでは、ユベラの販売中止について多く寄せられる質問にお答えします。
ユベラと同じ成分の市販薬はありますか?
トコフェロール酢酸エステルを含む一般用医薬品は販売されています。ただし、含まれる成分の量や想定されている使い方が医療用医薬品とは異なります。処方薬の代わりに使って良いかどうかは、医師や薬剤師に確認してください。
ユベラはどのくらいの期間飲み続ける必要がありますか?
一律の期間は決まっていません。美容目的での服用の場合、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)は、一般的に28〜56日程度(年齢により異なる)とされているため、変化を実感するまでには数ヶ月程度の期間を要する場合があります。添付文書には、ビタミンE欠乏症以外の目的では効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではないと記されています。定期的に医師の診察を受け、効果を確認しながら続けるかどうかを判断してください。
「販売中止」という言葉を見ると、今飲んでいる薬がなくなってしまうように感じてしまう方もいるかもしれません。実際にユベラ錠50mgで決まっているのは大容量の包装を整理することで、薬そのものは引き続き処方を受けられます。顆粒や細粒のようにすでに役目を終えた剤形もありますが、同じ有効成分の薬は今も複数流通しています。 また、包装や製品が変わっても、有効成分と量が同じであれば使い方は変わりません。反対に、効果を感じないまま長く飲み続けることは添付文書でも注意されているため、続けるかどうかは診察のたびに医師に確認しておくことが大切です。供給の話で不安になったときこそ、自己判断で止めずに医師へ相談してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」 エーザイ株式会社「ユベラ 製品情報」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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