更新日:2026年10月28日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
病院で処方されたユベラNを前に、これは何の薬なのだろうと気になった方もいるかもしれません。ユベラNはビタミンEを含む飲み薬ですが、効果が認められているのは血のめぐりや血液中の脂質に関わる症状で、シミなどの美容目的で認められた薬ではありません。この記事では、ユベラNの効果や副作用、飲み方に加えて、名前の似たユベラとの違いを紹介します。服用に迷いがあるときは、医師にも相談してみてください。
※レバクリを通じた提携医療機関の美容皮膚治療で承認適応外として処方している薬は、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラ・グルタチオンの内服薬5種類です。その他の医療用医薬品や治療法については、一般的な情報提供として掲載しています。
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ユベラN(トコフェロールニコチン酸エステル)の有効成分は、ビタミンEにニコチン酸が結び付いたものです。体のすみずみを流れる細い血管の血液の状態や、血液中の脂質に関わる薬として使われています。ビタミンEが含まれるため肌への働きを思い浮かべる方もいますが、効果が認められているのは次の章で紹介する3つの症状です。
有効成分のトコフェロールニコチン酸エステルは、ビタミンE(トコフェロール)とニコチン酸が1つにまとまった成分です。ニコチン酸はビタミンB群の一種です。添付文書では、血液中の脂質の代謝や、細い血管を流れる血液の状態に関わる働きが挙げられています。そのため、ビタミンEを補うことを目的につくられた薬とは、期待されている働きが異なります。
ユベラNには、ユベラNカプセル100mgとユベラNソフトカプセル200mgの2つの規格があります。どちらもエーザイ株式会社が製造販売しており、販売が開始された時期はカプセル100mgが1967年1月、ソフトカプセル200mgが1984年7月です。含まれる有効成分は同じで、1カプセルあたりの量が違います。どちらを受け取ったかは、処方箋や薬の説明書に書かれた名前で確認できます。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」
添付文書に記載されている効能・効果は、以下のとおりです。
いずれも血のめぐりや血液中の脂質に関わる症状で、シミやそばかすなど肌の悩みは含まれていません。それぞれがどのような状態を指すのか、順番に見ていきましょう。
高血圧症に伴う随伴症状とは、血圧が高い状態にともなってあらわれる体の不調のことです。添付文書の効能・効果には具体的な症状名までは書かれていませんが、臨床成績には手足のしびれ感やめまい感、肩こり、頭痛などの症状が示されています。実際にどの症状に対して処方するかは診察した医師が判断します。ユベラNは血圧そのものを下げる薬ではないため、血圧を下げる薬の代わりになるものではありません。血圧の治療を受けている場合は、すでに処方されている薬との役割の違いを医師に確認しておくと安心です。
高脂質血症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が基準より多くなっている状態を指します。ユベラNは、この脂質の状態に働きかける薬として効果が認められています。ただし、食事や運動といった生活習慣も血液中の脂質に関わるため、薬だけで対応が完結する位置づけではありません。健康診断の数値が気になるときは、医師へ相談しましょう。
閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害は、手足の動脈が動脈硬化で狭くなり、血液が届きにくくなっている状態です。ユベラNは、この手足の血のめぐりに働きかける薬として効果が認められています。手足の冷えやしびれが気になる方もいますが、原因はさまざまで、ユベラNの対象になるとは限りません。症状が続くときは、原因を確かめるためにも医師の診察を受けてください。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」

添付文書では、通常は成人1日300〜600mgを3回に分けて飲むと定められています。年齢や症状によって医師が量を調整するため、実際に飲む量は処方箋の指示に従ってください。ここでは、規格ごとの目安と、服用するときに気をつけたい点を紹介します。
1カプセルに含まれる有効成分の量が違うため、飲むカプセルの数も変わります。ユベラNカプセル100mgの場合は、1日300〜600mgを3回に分けて飲みます。ユベラNソフトカプセル200mgの場合は、1日3カプセルを3回に分けて飲む用法です。同じユベラNでも処方された規格によって飲み方が変わるので、薬袋や説明書の記載を確認しましょう。
添付文書には、年齢や症状により適宜増減すると記載されています。同じ症状でも体格や身体の状態によって適した量は変わるため、処方される量が人によって違うことは珍しくありません。ビタミンEを含む市販の製品と同じ感覚で、自分で量を決められる薬ではないと考えておきましょう。飲む量に疑問があるときは、診察のときに医師や薬剤師へ伝えてみてください。
症状が軽くなったと感じても、自分の判断で飲む量を減らしたり中断したりしないようにしましょう。逆にユベラNは血のめぐりや血液中の脂質に働きかける薬で、変化を実感しにくい場面もあります。効果が感じられないからと量を増やすと、副作用があらわれる可能性が高まります。続けるかどうかは、定期的に医師の診察を受けながら判断していくと安心です。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」
ユベラNの主な副作用を以下にまとめました。
上記のとおり、ユベラNの副作用として添付文書に記載されているのは、消化器症状を中心とした内容です。
添付文書には、0.1〜5%未満の頻度であらわれる副作用として、胃部不快感、食欲不振、胃痛、便秘、下痢、悪心(吐き気)が記載されています。0.1%未満の頻度には、発疹・肝機能障害・温感・潮紅、頻度が明らかになっていないものとしては、顔面浮腫・浮腫が挙げられています。潮紅は顔などが赤くなる状態、温感は身体が温かく感じる状態のことです。気になる症状があらわれたときは、服用を続ける前に医師へ相談してください。
妊娠中や授乳中の方は、ユベラNを飲む前に必ず医師へ相談してください。添付文書では、妊婦または妊娠している可能性のある方について、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すると定められています。授乳中の方についても、治療上の有益性と母乳で育てることの有益性を考えたうえで、続けるか中止するかを検討すると記載されています。
子どもへの使用を希望する場合も、必ず医師に相談してください。添付文書には、小児等を対象とした臨床試験は実施していないと記載されています。年齢の制限が設けられているわけではありませんが、使うかどうかは診察した医師が判断します。家族に処方された薬を、そのまま子どもに飲ませることは避けましょう。

ユベラNは飲んですぐに変化を感じる種類の薬ではありません。服用を継続するかどうかは医師が判断するため、ご自身で判断することは避けましょう。また、ほかの医療機関で処方されている薬や、飲んでいるサプリメントがあれば診察のときに教えてください。お薬手帳をお持ちいただけると、確認がスムーズです。
参考:独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」
ユベラNカプセルの有効成分はトコフェロールニコチン酸エステル、ユベラ錠の有効成分はトコフェロール酢酸エステルで、名前が似ていても中身は別のものです。効果が認められている症状が異なるため、処方されたときに混同しないよう、それぞれの違いを整理しておきましょう。
| 項目 | ユベラN(カプセル・ソフトカプセル) | ユベラ錠 |
|---|---|---|
| 有効成分 | トコフェロールニコチン酸エステル | トコフェロール酢酸エステル |
| 規格・剤形 | • ユベラNカプセル 100mg(硬カプセル) • ユベラNソフトカプセル 200mg(軟カプセル) | ユベラ錠 50mg(フィルムコーティング錠) |
| 効果が認められている症状 | ・高血圧症に伴う随伴症状 ・高脂質血症(脂質異常症) ・閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害 | ・ビタミンE欠乏症の予防および治療 ・末梢循環障害の改善(レイノー病、間欠性跛行症等) ・過酸化脂質の増加防止 |
ユベラNには、ビタミンE(トコフェロール)にニコチン酸が結び付いた成分が含まれています。一方、ユベラ(ビタミンE)の有効成分はトコフェロール酢酸エステルで、ニコチン酸は含まれていません。ユベラはビタミンEを補う薬として位置づけられており、ユベラ錠50mgとして処方されます。
ユベラ錠で効果が認められているのは、ビタミンE欠乏症の予防および治療、末梢循環障害、過酸化脂質の増加防止の3つです。ユベラNカプセルは、高血圧症に伴う随伴症状、高脂質血症、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害に対して効果が認められています。手足の血のめぐりに関わる点は重なりますが、それ以外の内容は異なります。飲む量や回数も違うため、片方の説明をもう片方に当てはめないよう注意しましょう。
受け取った薬がどちらなのかは、処方箋や薬の説明書に書かれた販売名で確認できます。ユベラNカプセル100mg、ユベラNソフトカプセル200mg、ユベラ錠50mgのように、販売名には規格まで記載されています。インターネットで調べるときも、Nの有無で内容が変わるため、販売名のとおりに検索すると必要な情報にたどり着きやすくなります。分からないときは、処方を受けた医療機関や薬局に問い合わせてみてください。
参考: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」
肌の悩みに対してビタミンEの飲み薬が使われる場合、選ばれるのはユベラNカプセルではなくユベラ錠です。ただし、ユベラ錠もシミやくすみに対する効果が国から認められているわけではなく、保険適用外の自由診療の範囲で使われています。ここでは、ユベラがどのように使われているのかを紹介します。


ユベラ(ビタミンE)の国から認められている効能・効果は、ビタミンE欠乏症の予防および治療、末梢循環障害、過酸化脂質の増加防止です。一方でユベラには、抗酸化作用によってメラニンが過剰につくられるのを抑える働きや、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助ける働きが期待されます。この働きに着目して、保険適用外の自由診療の範囲で肌のケアに用いられることがあります。ターンオーバーの期間は年齢によって異なり、28〜56日程度とされています。

自由診療では、ユベラ錠単独ではなく、働き方の異なる内服薬と組み合わせて処方されることがあります。よく組み合わせて使われるのは、シナール錠(ビタミンC・ビタミンB5)、トラネキサム酸錠、ハイチオール錠(L-システイン)です。
シナールにはメラニンの生成を抑える働き、トラネキサム酸には肝斑(かんぱん)やシミのもとになるメラニンが過剰につくられる流れを抑える働き、ハイチオールにはメラニンの生成を抑えてシミやそばかすを防ぐ働きが期待されます。作用の仕組みがそれぞれ違うため、組み合わせると肌の悩みに多角的にアプローチできます。
なお、シナールはニキビ跡などの炎症後色素沈着への承認を持っていますが、それ以外のシミへの承認適応(国から正式に認められた効果効能)を持ちません。トラネキサム酸とハイチオールもシミへの承認適応を持ちません。

美容を目的にこれらの内服薬を使う場合は保険が使えない自由診療となり、費用は全額自己負担です。費用の目安は、ユベラ錠・シナール錠・ハイチオール錠がそれぞれ60錠(30日分)で約900〜1,800円、トラネキサム酸250mgが60錠(30日分)で約1,200〜2,400円です(いずれも税込)。 ユベラ錠は肌の生まれ変わり(ターンオーバー)のサイクルに合わせて働くため、変化を感じるには一定の期間続ける必要があります。ただし、添付文書ではビタミンE欠乏症以外の目的について、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではないと注意されています。定期的に医師の診察を受け、状態を確認しながら続けるかどうかを判断してもらいましょう。
参考: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32%添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠『YD』 添付文書」
ここでは、ユベラNについて多く寄せられる質問にお答えします。
ユベラNは市販薬として入手できますか?
ユベラNは医師の処方が必要な医療用医薬品のため、市販では入手できません。有効成分のトコフェロールニコチン酸エステルを含む市販薬も販売されていません。ビタミンEを含む市販薬やサプリメントはありますが、含まれる成分も量も異なります。
ユベラNと一緒に飲めない薬はありますか?
添付文書に併用禁忌・併用注意の記載はありません。ただし、飲み合わせは体の状態やほかの薬の内容によって変わります。服用中の薬やサプリメントがあれば、診察や調剤のときに医師や薬剤師へ伝えてください。
ユベラNは何科で処方される薬ですか?
診療科が決まっている薬ではありません。ユベラNは高血圧症に伴う随伴症状、高脂質血症、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害に効果が認められているため、これらを診る診療科で処方されることがあります。気になる症状があるときは、かかりつけの医師に相談してみてください。
ユベラNは、ビタミンEとニコチン酸を結び付けた成分でできた飲み薬で、血のめぐりや血液中の脂質に関わる3つの症状に対して効果が認められています。肌への効果を期待する方もいるかもしれませんが、シミやくすみのケアで使われるのは有効成分の異なるユベラです。似た名前でも中身が違うと分かっていれば、処方された薬への不安も和らぐ可能性があります。飲み方や続ける期間に迷ったとき、あるいは肌の悩みでビタミンEの内服を考えているときは、医師に相談してみてください。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラNカプセル100mg/200mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ユベラ錠50mg 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「シナール配合錠・シナール配合顆粒 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「ハイチオール錠40mg・ハイチオール錠80mg・ハイチオール散32% 添付文書」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「トラネキサム酸錠『YD』 添付文書」
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美容皮膚(メディカルスキンケア)治療は、主に内服薬で行われます。市販の化粧品やサプリが肌の表面にアプローチするのに対し、内服薬は体の内側からターンオーバーを整え、肌悩みの根本にはたらきかけます。
治療期間について
肌のターンオーバー周期に基づき、1~2ヶ月後から効果が実感できることが多いです。効果の実感には個人差があるため、定期的に医師の評価を受けながら継続を判断します。
費用について
美容皮膚治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代のほかに初診料や診察料がかかる場合もあります。
治療の継続には期間と費用に加え、定期的な通院が必要です。時間や費用、人目などの通院の負担が、忙しい方にとって課題となる場合があります。
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