更新日:2024年02月20日
バイアグラは食事の影響を受ける?服用のタイミングや注意点について解説
- バイアグラは食事の影響を受けやすく、基本的に食事前に服用することが推奨されている
- 食事と一緒にバイアグラを服用すると、バイアグラの効果が出るまでに時間がかかったり、効果が半減したりする
- 食前にバイアグラを服用する場合は、食事をする30分~1時間前、服用が食後になる場合は、食後2時間以上空けると効果を発揮しやすい
- バイアグラへの影響が大きいのは高脂質かつ高カロリーな食事で、影響が小さいのは低脂質かつ低カロリーな食事である
- フラノクマリン類を含むグレープフルーツなどは、バイアグラ服用時に食べると体に害を及ぼす可能性がある
薬を服用するタイミングは、その種類や性質によって異なります。ED治療薬であるバイアグラは食事の影響を受けやすく、食後に服用すると想定していた効果が得られなくなる可能性があります。
この記事では、食事がもたらすバイアグラへの影響について解説します。バイアグラを服用するタイミングや注意すべき食事、アルコールとの関係についても詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
食後にバイアグラを服用するとどうなる?
食後にバイアグラを服用した場合、効果が現れるまでに時間を要する可能性があります。
フィルムコート錠であるバイアグラは、胃で溶けた後、有効成分であるシルデナフィルが腸から吸収され血中に取り込まれます。しかし、食事をすると、腸の表面に食べ物の油分や脂質分の膜が張られるため、シルデナフィルの吸収が阻害されてしまいます。
そのため、空腹時に服用する場合に比べて、シルデナフィルが血液中に吸収されるまでに時間がかかり、効果が十分に発揮されなくなってしまうのです。
実際に、空腹時と食後にバイアグラを服用した際の吸収率を調べた結果によると、空腹時の服用の場合は1.2時間、食後の服用の場合は3時間という結果が出ており、食後の方が吸収速度が明らかに遅くなることが分かります。
特に食事を食べすぎたり、脂質や油分の多い食事をとったりすると、それだけシルデナフィルの吸収を遅らせてしまうため避けるべきでしょう。仮に食後に服用する場合は、油っぽいメニューを極力控え、普段より食事の量を少なめにすることをお勧めします。
バイアグラは、ED治療薬の中でも特に食事の影響を受けやすいと言われているため、なるべく食前の空腹時に服用するのがベストでしょう。食事をしてしまった場合でも、食後すぐにバイアグラを服用せずしばらく時間を置いて、胃や腸が落ち着いてから服用するようにしましょう。
参考:ヴィアトリス製薬株式会社「医薬品インタビューフォーム」
食事の影響を抑える服用のタイミング
ここからは、なるべく食事の影響を抑える服用タイミングを、食前と食後に分けてそれぞれ詳しく解説します。
食前の場合
食前にバイアグラを服用する場合は、食事の30分~1時間前に服用しましょう。 空腹の状態で服用し、30分~1時間程度経過すれば、シルデナフィルが血液中にしっかり吸収されるので、その後は通常どおり食事をしても問題ありません。
ただし、バイアグラの効果の持続時間は4~5時間程度なので、服用のタイミングが早すぎると性行為までに効果が切れてしまうリスクがあります。 食前の空腹状態で服用したものの、食事が盛り上がってしまい、気付いたら時間が経過し効果が切れてしまうということもあるでしょう。
時間を逆算し、しっかり計画を立てて服用することが重要です。
食後の場合
食後にバイアグラを服用する場合は、食事をしてから2時間以上空けましょう。 軽めの食事であれば、2時間程度時間を置くことで胃や腸が落ち着いてくるため、そのタイミングで服用すれば問題なく勃起促進の効果を得られます。
ただし、脂っこい食事をしたあとは、さらに時間を空ける必要があるので注意しましょう。
バイアグラの服用時に注意すべき食事
バイアグラを服用する際は、タイミングも重要ですが、食事内容にも十分に注意が必要です。
ここからは、バイアグラへの影響が大きい食事と影響が小さい食事を、それぞれ具体的に紹介します。
バイアグラへの影響が大きい食事
バイアグラへの影響が大きいのは、高脂質かつ高カロリーな食事です。
たとえば、唐揚げや豚カツなどの揚げ物、焼肉、ラーメン、チャーハンなどが挙げられます。油で揚げたり、炒めたりしたメニューは、食材に油が多く付着しており、どうしても脂質が多くなります。
お菓子や加工食品、乳製品などにも意外と油分が多く含まれているので、バイアグラ服用時には避けるべきでしょう。
また食物繊維が多い食べ物も、バイアグラの効果に影響します。例えば、ごぼう、バナナ、わかめ、しいたけなどが挙げられます。
食物繊維を多く含む食べ物は、胃で消化されず大腸まで達します。通常よりも消化に時間がかかるため、もし食後2時間後にバイアグラを服用しても、腸での吸収を阻害する可能性があるのです。そのため、バイアグラの服用タイミングをさらに遅らせる必要が生じます。
バイアグラへの影響が小さい食事
バイアグラへの影響が小さいのは、低脂質かつ低カロリーな食事です。
たとえば、サラダやおひたし、うどんやそばなどのあっさりしたメニューが挙げられます。茹でる、蒸す、煮るなど、油をほとんど使わず調理したもので、基本的に和食がお勧めです。
また、十分にバイアグラの効果を引き出すためには、満腹になるまで食べず、腹6分目ぐらいを意識するのが良いでしょう。
バイアグラの服用時に食べてはいけないもの
バイアグラの服用時に避けるべきなのは、グレープフルーツです。
通常、錠剤の有効成分が腸で吸収される際、全ての有効成分が吸収されるのではなく、一部は体内の代謝酵素によって分解され、薬の効力を失います。薬の成分の量は、この代謝酵素に分解される量を考慮して、決められています。
グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という物質には、薬を分解する代謝酵素の働きを抑制する作用があるため、本来であれば分解されるはずの薬の成分がそのまま体内に吸収されることになります。
つまり、通常よりも薬の有効成分が多く吸収されてしまい、過剰に効果があらわれたり、副作用が強く出たりする可能性があるのです。バイアグラの場合は、頭痛やほてりなどの副作用が強く出てしまうおそれがあり、注意が必要です。
生のグレープフルーツだけでなく、グレープフルーツジュースやグレープフルーツの果肉ゼリーなど、果汁や果肉が含まれる加工食品も避けるようにしましょう。特に「濃縮」などの表示がある場合は、フラノクマリン類がより多く含まれている可能性があります。
グレープフルーツのほかに、ライムや八朔や夏みかん、セロリなどにもフラノクマリン類が多く含まれるので、バイアグラを服用する際は食べないようにしましょう。
フラノクマリン類の代謝酵素を抑える作用は3~4日続くと言われています。グレープフルーツなどのフラノクマリン類を多く含む食品を食べた場合、数日間はバイアグラの服用を避けるようにしてください。
バイアグラの服用におけるアルコールの影響
バイアグラとアルコールを同時に摂取すると、体内にアルコールがまわりやすくなるため、注意が必要です。
バイアグラの有効成分であるシルデナフィルには、血管を拡張させる作用があるため、その分アルコールが体内を巡りやすくなります。 そのため、バイアグラ服用時に多量のお酒を飲むと、めまいやふらつき、急性アルコール中毒などを引き起こす可能性があります。
また、アルコールを多量に摂取すると、勃起に必要な陰茎への神経伝達機能を低下させるため、勃起や射精がしにくくなり、逆効果になるとも言えます。
ただし、アルコールに関しては、多量に摂取しなければ特に問題ありません。むしろアルコールにはリラックス作用があるため、適量のお酒であれば、性行為の緊張を和らげる効果があります。
バイアグラについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
バイアグラについて詳しく知りたい方は、「バイアグラの効果や特徴は?副作用の対処法や料金相場まで詳しく解説」も参考にしてみてください。
まとめ
バイアグラは食事の影響を受けやすく、空腹時に服用するのが効果的です。 油っぽい食事や食べ過ぎはバイアグラの効果を半減させてしまうため、服用する際は軽めの食事を意識しましょう。また、バイアグラ服用時には、グレープフルーツを食べると副作用が強く出る可能性があるため、十分に注意してください。
バイアグラの効果を十分に引き出すためにも、正しい知識を身に付けたうえで服用しましょう。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会