更新日:2026年08月31日

この記事の監修
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
「精力のつく食べ物が知りたい」と気になる方もいるでしょう。精力のつく食べ物には牡蠣や赤身肉、青魚、卵などがあり、亜鉛やアルギニン、タンパク質などの栄養素が精力に関わるとされています。なお、これらの食材や栄養素は体の土台を整える役割に過ぎず、即効性やEDを治す直接的な効果はありません。食事を見直したうえでも勃起に関する悩みが続く場合は、医師への相談も検討してみてください。
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「精力がつく」といわれる食べ物は、テストステロン(男性ホルモン)の合成や血流の維持、エネルギー産生など、精力に関わる栄養素を多く含む食材のことを指します。以下に、精力に関わる栄養素をまとめました。
| 栄養素 | 主な働き |
|---|---|
| 亜鉛 | テストステロン合成のサポート・精子の形成に関与 |
| アルギニン | 体内での一酸化窒素産生を介した血管の拡張サポート |
| EPA・DHA | 血液の流動性維持をサポート |
| ビタミンE | 抗酸化作用・血流維持のサポート |
| タンパク質 | 筋肉・ホルモンの材料 |
| アリシン | ビタミンB1の吸収を助けエネルギー代謝をサポート |
精力は食事だけで直接コントロールできるものではありません。積極的な摂取が上記表の主な働き欄にあるような効果を生む根拠はありません。しかし、必要な栄養素が不足すると体の機能が低下しやすくなるため、食事を整えることは精力維持の土台として意味を成すでしょう。
亜鉛はテストステロン(男性ホルモン)の合成に関わるミネラルで、精力に関わる栄養素の中でも特に重要とされています。 一般社団法人 日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針2018」でも、亜鉛欠乏が性腺機能の低下に影響しうることが示されています。
なお、厚生労働省によると、成人男性の亜鉛推奨量は1日9.0〜9.5mgとされており、牡蠣・赤身肉・大豆製品などから摂取可能です。亜鉛は汗とともに体外へ排出されやすいため、運動習慣がある方は特に意識的に補うと良いでしょう。
参考: 一般社団法人 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2018」 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
アルギニンは、体内で一酸化窒素(NO)の産生に関わるアミノ酸です。一酸化窒素には血管を広げる作用があることから、アルギニンは血流の維持をサポートする栄養素として知られています。陰茎周辺の血流の維持にも寄与するため、精力をつけたい人の味方となる栄養素です。
アルギニンはナッツ類・鶏肉・大豆製品などに多く含まれているため、日常の食事から摂取しやすい栄養素といえるでしょう。
EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)はオメガ3系脂肪酸の一種で、サバ・イワシ・サーモンなどの青魚に豊富に含まれる栄養素です。
EPAやDHAは血液の流動性維持をサポートするとされており、健康な血流の維持という観点から精力との関連が語られることがあります。 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人男性のEPA・DHA目標量として1日あたり合計1g以上(食事からの摂取)が設定されています。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンEは抗酸化作用を持つ栄養素で、血管の酸化ストレスを和らげることでしなやかな血管の維持をサポートします。
ナッツ類・アボカド・植物油などに多く含まれており、アルギニンとの組み合わせで血流維持へのサポートが期待できます。
タンパク質は筋肉やホルモンの材料となる栄養素で、精力の土台を支えるうえで欠かせません。
赤身肉・魚・卵・大豆製品など幅広い食材から摂取できますが、精力の土台作りとしての期待をより高めるのであれば、体内での利用効率(アミノ酸スコア)が高い食材を選ぶことが大切です。
アリシンはにんにく・ニラ・玉ねぎなどに含まれる成分です。アリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンという物質に変わり、エネルギー代謝を助ける働きがあります。疲労回復のサポートにつながるとされており、古くから滋養強壮に良い成分として知られています。 ただし、加熱により一部が変性するため、生のまま摂取するか短時間の加熱にとどめる方法があります。
精力に関わる栄養素を多く含み、日常の食事に取り入れやすい食材を7つ紹介します。
なお、食べ物は特定の食材に偏らず、幅広く組み合わせて摂ることが大切です。
精力のつく食べ物として古くから知られる牡蠣は、亜鉛含有量が食材の中でもトップクラスです。
亜鉛はテストステロンの合成に関わるミネラルで、一般社団法人 日本臨床栄養学会の「亜鉛欠乏症の診療指針2018」でも、亜鉛欠乏が性腺機能の低下に影響しうることが示されています。また、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、成人男性の亜鉛推奨量は1日9.0〜9.5mgとされているなか、牡蠣(生)は100gあたり約13.2mgの亜鉛を含みます。
また、牡蠣にはエネルギー源となるグリコーゲンや、疲労回復をサポートするタウリンも含まれており、体力の維持にも役立つ食材です。
参考: 一般社団法人 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2018」 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
牛肉や豚肉などの赤身肉は、亜鉛・鉄・タンパク質をまとめて摂れる食材です。男性ホルモンであるテストステロンの合成にはコレステロール(脂質)とタンパク質が必要なため、赤身肉は良質なタンパク質の供給源として役立ちます。鉄分は全身への酸素供給を支えるヘモグロビンの材料となるため、疲れにくい体を維持するうえでも欠かせない栄養素です。また、亜鉛は汗とともに体外へ排出されやすいため、運動習慣がある方は特に意識的に摂ることが大切です。
赤身肉の中でも、脂肪の少ない部位(もも肉・ヒレなど)を選ぶと、余分な脂質を避けながらこれらの栄養素を摂取できるでしょう。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
にんにくやニラに含まれるアリシンは、ビタミンB1と結合してアリチアミンという物質に変わり、エネルギー代謝を助ける働きがあります。
また、アリシンには血管を広げる作用が期待されており、血流の維持をサポートする食材として古くから滋養強壮に良いとされてきました。
ただし、過剰摂取は胃腸への刺激になる場合があるため、適量を心掛けましょう。
サバ・イワシ・サーモンなどの青魚に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)は、オメガ3系脂肪酸の一種です。
EPAやDHAは血液の流動性の維持をサポートするとされており、健康な血流の維持という観点から精力との関連が語られることがあります。
勃起には陰茎への十分な血流が必要であることから、血流を健康に保つ食習慣は男性機能の維持にも間接的に関係すると考えられています。
なお、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、EPA・DHAの目標量として成人男性1日あたり合計1g以上(食事からの摂取)が設定されています。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
卵はビタミンCと食物繊維を除くほぼ全ての栄養素を含むと言われており、「完全栄養食」とも呼ばれます。
体内でのタンパク質を作る効率の良さがわかる「アミノ酸スコア」は卵の場合、最大値の100です。そのため、卵の成分は体内での利用効率が高く、筋肉やホルモンの材料として活用されやすいのが特徴です。
卵は毎日の食事にも取り入れやすく、コスト面でも継続しやすい食材でしょう。
アーモンド・くるみ・カシューナッツなどのナッツ類にはアルギニンとビタミンEが含まれます。
アルギニンは体内で一酸化窒素(NO)の産生に関わるアミノ酸です。一酸化窒素には血管を広げる作用があることから、血流の維持をサポートする栄養素として知られています。
また、ビタミンEは抗酸化作用を持ち、血管の酸化ストレスを和らげることで、しなやかな血管の維持をサポートします。
ただし、ナッツ類はカロリーが高いため、1日の摂取量はひと握り(約25〜30g)程度を目安に、食べすぎには注意しましょう。
精力のつく食べ物に期待できる効果は、体質を整える土台作りであり、特定の食品摂取で勃起力やEDの症状が改善するという高品質な医学的根拠はありません。 ED治療薬のように作用機序が明確な医薬品とは根本的に異なるため、過度な期待を持たず、毎日の食習慣として継続することが大切です。
亜鉛やアルギニンなどの栄養素は、継続的に摂取することで体内の栄養状態を整え、テストステロンの分泌環境や血流の維持をサポートします。精力のつく食べ物を継続的に摂取して、食習慣を見直してから体の変化を感じるまでには数週間〜数ヶ月かかる場合があり、即日・翌日に変化を感じるものではありません。また、特定の食材を大量に食べても効果が高まるわけではなく、偏った食事はかえって栄養バランスの乱れを招くことがあります。
主食・主菜・副菜を意識し、精力に関わる栄養素を含む食材をバランス良く日常に取り入れることが大切です。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
勃起が難しい・途中で維持できないといった症状がある場合、ED(勃起障害)の可能性があります。
EDの治療としてはPDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬(ED治療薬)の使用が標準治療として位置づけられており、食事改善のみでEDを治療することは難しい場合もあります。しかし、肥満合併例では食事療法を含む生活介入でのED改善の報告が多数あり、ED診療ガイドラインでも強く推奨されています。

食事で精力を高めようとする取り組みは、体の土台を整えるうえで大切です。特に肥満を伴うEDの場合、生活習慣の改善が推奨されています。
一方で、食事の見直しだけでは改善が難しい場合が多いのも事実です。勃起しにくい・維持できないといった症状が続いているなら、それはEDのサインかもしれません。治療の基本となる治療薬の活用も含め、早めに医師へ相談しましょう。原因や程度は人それぞれ異なるため、一度診察を受けることが適切に対応するための一歩となります。
精力のつく食べ物を取り入れる一方で、精力を下げる食習慣を避けることも同様に大切です。ここでは、どのような食生活が精力を下げることに影響するのかを紹介します。
適度なアルコールはリラックス効果をもたらす側面がありますが、アルコールの量が増えるとテストステロンの分泌を抑制する恐れがあるでしょう。アルコールが肝臓で分解される過程で、テストステロンの産生に必要な栄養素が消費されることが要因のひとつとされています。
厚生労働省は節度ある飲酒の目安として、1日あたり純アルコール約20g程度(ビール中瓶1本・日本酒1合程度)を示しています。
習慣的な過度の飲酒は、精力低下だけでなくEDのリスクにもつながる可能性があるため、飲酒は節度を守ることが大切です。
参考:厚生労働省「アルコール」
マーガリン・ショートニングを使用したパン・菓子・スナック類などに多く含まれるトランス脂肪酸は、過剰摂取により悪玉コレステロール(LDL)を増加させ、血管の健康に悪影響を及ぼすとされています。血管の健康状態の悪化は血流を低下させ、EDのリスク要因のひとつになり得るでしょう。
EDの原因の多くが血管や血流に関係していることから、日本性機能学会・日本泌尿器科学会の「ED診療ガイドライン(第3版)」でも、肥満への食事療法と有酸素運動は勃起機能改善のために強く推奨されています。
これらの食品を完全に避けることは難しいですが、成分表示を確認する習慣をつけ、ファストフードやインスタント食品の頻度を意識的に減らすことが望ましいでしょう。
高糖質や高カロリー食の過剰摂取は肥満につながり、肥満は精力低下の要因になり得ます。
体脂肪が増えると、男性ホルモンを女性ホルモン(エストロゲン)に変換する酵素(アロマターゼ)の活性が高まり、テストステロンが相対的に低下しやすくなるとされています。
また、肥満は生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症)のリスクを高め、これらはいずれもEDの器質性原因として知られています。
白米・パン・麺類などの糖質を極端に制限する必要はありませんが、菓子パン・スイーツ・清涼飲料水などからの過剰な糖質摂取は控えることが大切です。
食事改善・運動・睡眠・禁煙・節酒といった生活習慣の見直しを続けても精力の低下が改善しない場合、あるいは勃起しにくい・維持できないという症状がある場合は、EDの可能性を含め医師に相談するのが良いでしょう。
EDの治療で主に使用されるのは、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬と呼ばれる国内承認のED治療薬です。ED治療薬は性的刺激を受けた際に陰茎への血流をサポートし、勃起を補完・維持する役割を持つ薬で、シルデナフィル(バイアグラ)・バルデナフィル(レビトラ)・タダラフィル(シアリス)の3種が国内で承認されています。
ED治療薬の処方には医師の診察が必要ですが、オンライン診療を通じてカメラ付きビデオ通話で受診し、自宅にいながら医師に相談することも可能です。「受診のハードルが高い」と感じている方も、まずは気軽に相談してみることが改善への第一歩になります。
参考: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」「バルデナフィル錠 添付文書」「タダラフィル錠 添付文書」
精力をつける食べ物に関するよくある質問と、その解答をまとめました。
コンビニでも買える精力アップに役立つ食べ物はありますか?
コンビニで手軽に選べる精力アップに役立つ食材として、ゆで卵・サラダチキン・サバの缶詰・納豆・ミックスナッツなどがあります。これらには精力に関わるタンパク質・亜鉛・EPA・DHAなどが含まれており、自炊が難しい日の食事に取り入れやすい選択肢です。菓子パンや清涼飲料水など糖質・脂質の多い食品と置き換えるだけでも、食習慣の改善につながるでしょう。
牡蠣が苦手な場合は何を食べれば良いですか?
亜鉛は牡蠣以外にも赤身肉・豚レバー・大豆製品・ナッツ類などに含まれています。牡蠣が苦手な場合は、これらの食材を日常的に取り入れることで亜鉛を補うことができます。複数の食材を組み合わせてさまざまな栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
精力のつく食べ物を毎日食べ続けても問題ありませんか?
紹介した食材を毎日食べること自体は問題になりにくいですが、同じ食材に偏りすぎると栄養バランスが乱れる場合があります。たとえば牡蠣を過剰に摂取すると亜鉛の過剰摂取(成人男性の耐容上限量は1日45mg)になるリスクがあります。特定の食材に頼りすぎず、さまざまな食材を組み合わせてバランスの良い食事を続けることが大切です。
精力のつく食べ物は、テストステロンの合成や血流の維持など、精力に関わる栄養素を含む食材を指して呼ばれます。亜鉛・アルギニン・EPA・DHAなど精力に関係する栄養素を意識しながら、牡蠣・赤身肉・青魚・にんにく・卵・ナッツ類・山芋といった食材を無理なく日常の食事に取り入れると良いでしょう。ただし、こうした食材に薬のような即効性はありません。あくまで継続的に摂り続けることで体の土台を整えるサポートにとどまることを理解しておきましょう。また、精力を下げる過度な飲酒・トランス脂肪酸・高カロリー食を避けながら、食習慣を整えることも精力維持の基本的なアプローチです。
食事を見直しても勃起に関する症状が改善しない場合は、EDの可能性があります。EDは食事の見直しだけで改善を目指すのが難しい場合があります。気になる症状がある場合は、医師への相談を検討してください。
出典 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 厚生労働省「アルコール」 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「シルデナフィル錠 添付文書」「バルデナフィル錠 添付文書」「タダラフィル錠 添付文書」 一般社団法人 日本臨床栄養学会「亜鉛欠乏症の診療指針2018」
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治療の必要性について
EDは生活習慣病が原因の場合もあるため、放置せず早期に専門医へ相談することが推奨されます。
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ED治療は、保険適用外の「自由診療」です。対面診療では、薬代(1錠500~2,000円ほど)の他に初診料や診察料がかかる場合があります。
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山芋・オクラ・納豆などに含まれるネバネバの主成分は、水溶性食物繊維やペクチン、フルクタンなどです。これらは腸内環境を整え、他の栄養素の吸収をスムーズにするサポートをします。腸内環境が整うと栄養の吸収効率が上がり、精力に関わる栄養素も体内で利用されやすくなると考えられています。
また、納豆には植物性タンパク質・亜鉛・ビタミンB群も含まれており、精力をサポートする栄養素を複数まとめて摂れる食材のひとつです。
山芋にはジアスターゼ(アミラーゼ)が含まれており、消化をサポートする働きも期待できます。