更新日:2024年07月10日
間違ったオナニー(自慰行為)でEDになるって本当?改善方法も紹介
- オナニー(自慰行為)が原因でEDになる場合がある
- EDや射精障害のリスクが高まるオナニーには、床や壁を使ったオナニーや半勃起状態で行うオナニーなどがある
- EDの改善方法として、バイアグラなどのED治療薬の服用も検討するとよい
オナニー(自慰行為)の方法のなかには、ED(勃起不全)や射精障害のリスクを高める恐れのある方法があります。オナニーが原因でEDになる場合があるため、注意が必要です。
この記事でEDに関する知識を身につけて、EDの改善方法もあわせて理解しましょう。
オナニー(自慰行為)が原因でEDになる場合がある
オナニー(自慰行為)の方法によっては、オナニーが原因でED(勃起不全)になる場合があります。なぜなら、セックスでは得られない刺激をオナニーで得ているためです。
また、誤った方法や習慣でオナニーをしていると、ED以外にも射精障害を引き起こす可能性があります。射精障害とは、勃起ではなく射精自体に問題を抱えている状態のことです。たとえば、「オナニーの場合であれば射精できるのに、膣内だと射精できない」「膣内だと、射精まで時間がかかってしまう」といったことが挙げられます。
オナニーは、プライベートな行為です。そのため、自分では特殊な方法と気づいていない場合もあります。何かしらの問題を抱えている場合は、オナニーの方法を見直すとよいかもしれません。
EDや射精障害を予防するには正しい知識を持って、適切な方法でオナニーを行うことが求められます。
ED(勃起不全)とは
ED(勃起不全)は男性の性機能障害の一種で、「Erectile Dysfunction」という英語の略です。勃起不全や勃起障害とも呼ばれており、性行為を満足に行えない状態のことを指します。
ここでは、EDの症状や原因について詳しく解説します。
ED(勃起不全)の症状
ED(勃起不全)とは、性行為を満足に行えない状態のことを指します。症状としては、勃起が十分にできないことや、勃起ができても十分に維持できず満足に性行為を行えない状態などが挙げられます。
そのほか、EDの主な症状には、以下のようなものがあります。
- 男性器が十分な硬さにならない
- 中折れする
- 満足な性交渉が完遂できない
- たまに勃起しないことがある
ED(勃起不全)の原因
そもそも勃起は、神経を介して性的な興奮が脳に伝達され、性器の血流が増大することで起こるものです。つまり、ED(勃起不全)では神経もしくは血管のどちらか、あるいは両方が正常に機能していない状態であると考えられます。
EDが起こる原因は、大きく分けると以下の4種類です。
- 血管や神経の障害による器質性ED
- ストレスやトラウマなどの心因性ED
- 器質性と心因性の混合性ED
- 薬剤の副作用による薬剤性ED
それぞれ詳しく見ていきましょう。
血管や神経の障害による器質性ED
血管や神経に障害があることが原因で起こるED(勃起不全)が、器質性EDです。器質性EDが起こる原因としては、加齢により血液循環が悪くなっていることや、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で動脈硬化が生じていることなどが挙げられます。
本来神経を通して送られる勃起の信号が、神経に障害を受けていることで陰茎まで届かずにEDになっている状態といえるでしょう。
また、脊椎損傷や脳腫瘍など神経が損傷するようなケガ・病気をしている場合にも、脳にうまく興奮が伝達されずにEDが起こりやすくなります。
ストレスやトラウマなどの心因性ED
精神的なストレスやトラウマにより、神経に興奮がうまく伝達されないことで起こるED(勃起不全)が、心因性EDです。心理的要因によるEDには、現実心因と深層心因の2種類があります。
現実心因とは、精神的・日常的なストレスや性交がうまくいかなかったときのトラウマなど、自分自身で自覚しているストレスです。仕事でのストレスや経済的困窮など、日常生活によるもののほか、「今日こそは性交渉をうまくやらなければいけない」「また失敗するかもしれない」といった性交に関わるストレスや、子作りへのプレッシャーから生じるストレスなどが挙げられます。
一方の深層心因とは、自分自身で自覚していない無意識下でのストレスです。具体的には、幼い頃のトラウマなどが当てはまります。
いずれの場合も性的興奮が陰茎までうまく伝わらないために、十分な勃起が得にくくなります。30代や40代などの男性に多く、仕事や夫婦関係など、日常生活によるストレスが引き金になることが多いのが特徴です。
器質性と心因性の混合性ED
混合型EDとは、器質性と心因性が併発して起こるED(勃起不全)です。血管や神経に何らかの障害や損傷があることでEDが起こるだけでなく、それが原因で勃起せず性交渉への不安やストレスとなってEDが助長される傾向にあります。
薬剤の副作用による薬剤性ED
降圧剤や抗うつ剤などの薬の副作用によってED(勃起不全)を発症することを、薬剤性EDといいます。薬剤性EDの原因となる可能性のある薬としては、以下のようなものが挙げられます。
- 消炎鎮痛剤
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
- 抗精神病薬
- 精神安定剤
- 睡眠薬を含む向精神薬
- 利尿剤
- 降圧剤
- 高脂血症用剤
- 筋弛緩薬
- 麻酔薬 など
抗うつ剤や精神安定剤、睡眠薬などを服用している場合には、薬の副作用でEDになる可能性もあります。ただし、自己判断での休薬や薬の変更などは、健康状態を悪化させる可能性があるため、主治医に相談するようにしましょう。
EDや射精障害のリスクが高まる間違ったオナニー
オナニー(自慰行為)には、正しい方法と間違った方法が存在します。
ここでは、EDや射精障害のリスクが高まる間違ったオナニーのやり方を8つ紹介します。たとえば、陰茎を強く握ったオナニーや長時間のオナニーのほか、半勃起状態で行うオナニーなどがリスクの高まるオナニーの方法です。
床や壁を使って行うオナニー
陰茎を床や壁にこすりつけてオナニーを行っている場合は、実際の性行為では味わえない強い刺激を得ることが可能です。一方で、この方法に慣れると挿入自体はできるものの射精できない、射精まで何十分もかかるといった状態になる恐れがあります。さらに、十分に勃起しないまま射精を繰り返していると、性行為の際に勃起しなくなることも考えられるでしょう。
また、女性の膣内での刺激が弱く感じられて射精障害を招きやすくなります。さらに不衛生で感染症を引き起こすことも考えられるため、身に覚えのある方はすぐにでも改善しましょう。
足をピンと伸ばしながら行うオナニー
足をつま先まで伸ばして行うオナニー(足ピンオナニー)は、射精障害の原因となりやすいため危険です。
足を伸ばす理由は、射精に関わるPC筋(恥骨尾骨筋)に力を入れやすくするためと思われます。PC筋は、勃起の維持や絶頂(オーガズム)に到達する際に力が入る筋肉です。そのため、PC筋に力が入ると絶頂に達しやすく、早く射精できるようになります。
しかし、この方法に慣れてしまうと、足を伸ばしている状態でないと絶頂できなくなったり、射精できなくなったりする恐れがあります。性行為中に同じ姿勢をとれるとは限りません。性行為中にPC筋に力が入らず、中折れしてしまうことや意図したタイミングで射精できない可能性も出てきます。
陰茎を強く握って行うオナニー
陰茎を強く握ってオナニーを行っている場合も、注意してください。陰茎を強く握りながら行うオナニーが習慣化してしまうと、性行為で快感を得づらくなってしまいます。
また、強い力で陰茎に刺激を与え続けるため、陰茎自体に物理的ダメージを与える危険性も考えられるでしょう。その結果、勃起に関わる血管や神経などを傷つけてしまい、EDを引き起こす可能性もあります。
陰茎は、生卵が割れない程度の力でやさしく握るのが適切だといわれています。力加減を意識しながらオナニーを行うことが大切です。
長時間行うオナニー
長時間オナニーを行うと、遅漏の原因になります。過度な性的刺激を長時間与えることによって、性的快感への感受性が下がり、射精に到達するまでの時間が伸びるためです。
また、過度に摩擦すると出血や炎症のリスクにもつながります。個人の好みや習慣にもよりますが、10〜20分程度にとどめるようにしましょう。
半勃起状態で行うオナニー
陰茎が完全に勃起していない半勃起状態で射精する半勃起射精も、リスクのあるオナニーの一つです。性行為時に勃起しにくくなるだけでなく、完全に勃起をした状態で射精することが難しくなる可能性があります。
また、不十分な勃起状態では膣へうまく挿入できないほか、挿入できたとしてもオナニーほどの刺激が得られず絶頂に達しにくくなってしまいます。さまざまなトラブルを引き起こす可能性があるため、オナニーや性行為の前に陰茎を完全に勃起させる習慣をつけるようにしましょう。
完全に勃起させることが難しいという人の場合は、医師に相談してED治療薬を処方してもらうことをおすすめします。
マッサージ機などの振動を使うオナニー
バイブレーターや電動マッサージャーといったマッサージ機などの振動を使ってオナニーをしている場合も、射精障害のリスクが高まります。
手を使ったオナニーや女性の腟では、機械で得られるような振動による刺激は得られません。振動で得られる性的快感に慣れてしまうと絶頂や射精ができずに膣内射精障害に陥る可能性が高まるため、控えるようにしましょう。
前立腺を刺激して行うオナニー
神経が集まっている前立腺を刺激してオナニーをすると、強い快感を得られるといわれています。一方で、肛門から指や専用の器具を挿入して前立腺を刺激するため、慢性前立腺炎を引き起こす恐れがあります。慢性前立腺炎は、EDの原因になりうる疾患です。
ほかにも、痔や直腸を傷つけてしまうリスクもあります。性的快楽を得るためとはいえ、控えるのが賢明でしょう。
刺激の強いポルノを見ながら行うオナニー
現実とかけ離れた刺激の強いポルノを見ながらのオナニーも、EDや射精障害につながる可能性があります。ポルノの過剰な刺激に慣れると、性的興奮が満たされず十分な勃起が得られなくなるためです。
過激なプレイやシチュエーションに惹かれる場合は内容を変更したり、頻度を調整したりするなど検討しましょう。
EDになってしまった場合の主な改善方法
もしEDになってしまった場合は、ここでご紹介するような改善方法を試してみましょう。主な改善方法は、以下の5つです。
- コンドーム・マス法
- オナニーホール(オナホ)の使用
- 禁煙や運動を行うなど生活習慣の改善
- 食生活の改善
- バイアグラなどのED治療薬の服用
それぞれ、詳しく解説します。
コンドーム・マス法
コンドーム・マス法とは、コンドームとローションを使用し、快感を調整して行うオナニー方法です。強く握ることはせずに、ローションの潤滑性を生かしつつ低刺激のオナニーを行うことによって、射精障害や中折れの軽減が期待できます。
コンドーム・マス法では膣内環境に近い状態に陰茎を慣らせるため、「オナニーで勃起はできるけど、性行為では最後まで勃起が続かない」という方におすすめの方法です。手順は、以下のとおりです。
- コンドームの内側にローションを入れてなじませる
- 1を陰茎に装着する
- コンドームを装着し、オナニーを始める
オナニーをする際は、コンドームを強く握りすぎずにローションの潤滑性を生かして刺激をコントロールしましょう。
オナニーホール(オナホ)の使用
医療用のオナニーホール(オナホ)を使用して、トレーニングを行う方法もあります。オナニーホール(オナホ)とは、女性器を模したアダルトグッズのことです。
刺激が強すぎるものを使用すると、膣内射精障害が逆に悪化する恐れもあるため、商品選びは慎重に行いましょう。
禁煙や運動を行うなど生活習慣の改善
禁煙の実施や適度な運動を行って、血行の改善を試みる方法もあります。タバコが人体に及ぼす悪影響の一つに、血行不良があります。タバコは、百害あって一利なしです。喫煙習慣がある人は、できるだけ早い段階で禁煙を目指しましょう。
また、生活習慣病による動脈硬化が起こると、EDの発症・悪化の原因となりかねません。運動不足による血行悪化も陰茎への血流を低下させるため、EDにつながる恐れがあります。
禁煙や運動を行うなど、生活習慣から見直してみるといいでしょう。
食生活の改善
EDは、生活習慣病との関係が高いとされます。日ごろから生活習慣病をなるべく防ぐような食事を心がけることが肝心です。以下のポイントに注意しながら、献立を考えましょう。
【摂取したい成分】
- 亜鉛
- シトルリン
- DHA・EPA
【避けるべき食事】
- 過度な高カロリー食
- 高脂肪食
- 高塩食
高カロリーな食事や過度な飲酒を避け、できるだけ亜鉛・EPA・DHAなどを摂取する食生活を心がけてください。
バイアグラなどのED治療薬の服用
バイアグラなど、ED治療薬を使用して治療する方法もあります。ED治療薬は陰茎の血管を拡張し、勃起をサポートする効果が期待できる薬です。服用後30分〜1時間程度で効果があらわれ、勃起しやすい状態が続くとされます。
ED治療薬の処方を受けるためには、医師による診察が必要です。気になる人は、まずは医師に相談してみましょう。
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まとめ
この記事では、オナニーが原因でEDになる場合の注意点や改善方法について解説しました。オナニーの方法には、EDや射精障害のリスクを高める可能性があるものも存在するため、注意してください。もし、記事でご紹介したような方法でオナニーをしている場合は、すぐにやめましょう。
EDになってしまった場合の主な改善方法としては、コンドーム・マス法やオナニーホールの使用、生活習慣・食生活の改善などが挙げられます。
バイアグラなど、ED治療薬を使用して治療する方法もあります。ED治療薬は陰茎の血管を拡張し、勃起をサポートする効果があるとされる薬です。ED治療薬を服用したい場合は、医療機関で医師の診察を受け、処方してもらうことが大切です。
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この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会