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更新日:2024年07月19日

新型コロナ感染でEDに?EDの原因や治療法を解説

この記事のまとめ
  • 新型コロナウイルス感染による血管の損傷によって、ED発症の可能性は高まる可能性は否定できない
  • 新型コロナウイルス感染のほかにも、心理的な要因や神経・血管の障害、薬の影響によってEDは引き起こされる
  • EDの原因の特定は難しく、複数の原因が絡んでいることも多い
  • EDの一般的な治療方法は薬によるもので、日本では3種類の薬が使われている

「新型コロナウイルスに感染してから、勃起力が落ちた気がする」というお悩みはありませんか?新型コロナウイルスの後遺症と考えられる症状の一つに、ED(勃起障害)があります。しかし、EDの原因は他にもあるため、特定することは難しいのが現状です。

本記事では、新型コロナウイルス感染が勃起力に影響を与える可能性と、その他の原因や治療法について紹介します。満ち足りた性生活を送るために、ぜひ参考にしてください。

新型コロナウイルス感染とEDの関係性

新型コロナウイルスによるさまざまな後遺症が知られており、EDもその一つとなりうると言われています。EDとは、「Erectile Dysfunction」の略で、日本語では勃起障害・勃起不全と訳されます。性行為において十分な勃起状態が得られない、維持できないといった状態を指します。

勃起は血流が大きく関係する身体の反応です。性的な刺激によって酵素が産生され、陰茎に血液が充満するというメカニズムで起こります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、「SARS-CoV-2」というウイルスに感染することで発症する感染症です。感染すると呼吸器機能に影響を及ぼすとともに、動脈・静脈、毛細血管などの表面も損傷します。血管が損傷することで血栓ができ、血栓症や末しょう循環不全など、血流への悪影響を及ぼします。

新型コロナウイルスに感染することで血管へのダメージを受けるために、血流の増加を必要とする勃起力にも悪影響を及ぼす可能性が高いです。実際に、イタリアで行われた研究「“Mask up to keep it up”: Preliminary evidence of the association between erectile dysfunction and COVID-19」によると、新型コロナウイルス感染後のED発症リスクが、コロナ未感染の人と比べて約5.7倍に上昇したと報告されています。

後遺症の原因はまだ全解明されているわけではありません。ウイルスが免疫の働きを逃れられる精巣に潜んでいた、という調査結果もあります。体内にとどまるウイルスが後遺症につながっているのかどうかについて、研究が進められています。

参考:Andrology「“Mask up to keep it up”: Preliminary evidence of the association between erectile dysfunction and COVID-19」

EDの主な原因

EDの原因にはさまざまなものがあります。新型コロナウイルスに感染したことだけが原因であるとは限りません。以下では、主なEDの原因を紹介します。

心因性障害

心理的な原因がEDを引き起こしていることは多くあり、その例には、過去の性行為での失敗がトラウマになっている、子作りがプレッシャーになっているなどが挙げられます。

一方で、仕事に関する悩みや経済的な不安、些細な考え事など、性行為と直接関係のないことがEDを引き起こしていることもあります。自慰行為はできるのにパートナーとの性行為はできないという場合もあり、罪悪感やストレスを感じてEDがさらに悪化するという悪循環に陥ることもあるでしょう。

神経の障害

神経の障害がEDにつながっていることもあります。通常は刺激を脳や脊髄で認知し、反応を促す伝達物質が身体の部位に送られます。しかし、神経の障害がある場合はこの働きがスムーズにいきません。性的な刺激を勃起という反応につなげられないことが、EDにつながっているケースです。

神経の障害は一般的に、病気や疾患によって引き起こされます。具体的には以下のものが挙げられます。

  • 糖尿病
  • 脳血管障害
  • 脊髄損傷
  • てんかん
  • パーキンソン病
  • アルツハイマー病

こうした持病を持つ方は、EDのリスクも高いといえるでしょう。

血管の障害

血管になんらかの障害があるために、EDを引き起こしていることもあります。勃起には血流が深く関係しているため、血流に悪影響を及ぼす持病がある場合にはEDのリスクは高くなるでしょう。付帯的には、動脈硬化や糖尿病、高血圧などが挙げられます。

前述した新型コロナウイルスによる勃起力の低下も、元を正すと血管の障害が原因です。ウイルスによって血管が損傷されて血流に異常をきたすため、男性機能にも悪影響を与えると考えられています。

薬の影響

服用している薬が勃起力に影響を及ぼしている場合もゼロではありません。以下の薬剤は副作用として、EDを引き起こすことがあります。

  • 降圧剤
  • 抗うつ剤
  • 精神安定剤
  • 睡眠薬
  • 向精神薬

服用している薬がある場合は、自己判断は避け、かかりつけ医や医療機関に相談しましょう。

複合型

EDの原因は一つではなく、複数の原因が絡み合っていることが多いです。たとえば、仕事のストレスから不眠傾向となり睡眠剤を服用している場合は、心因性の原因と薬の影響がEDの原因として考えられます。こうした複合型のEDは、原因の特定が難しいでしょう。

EDの症状

EDの症状には、以下のように個人差があります。

  • 性交するときに勃起しない
  • 性交しても勃起しないことが時々ある
  • 勃起はするが硬さが十分でない
  • 満足に性交できる勃起の状態を維持できない
  • 勃起自体が難しい

こうした症状から、男性が原因の不妊に陥ることもあります。EDによって性交にストレスを感じるようになり、抑うつや不安に陥ってより勃起が難しくなるなど、悪循環となることもあるでしょう。

EDの治療方法

EDの治療には治療薬の服用が一般的です。一方で、薬ではなく器具や手術による治療方法もあります。それぞれどのような方法であるのか、以下で見ていきましょう。

ED治療薬

EDの治療薬は、医師の診察のもと処方を受けられます。日本では、3つのED治療薬が使われており、いずれの薬剤も陰茎の血管を拡張して血流を良好にする作用を持ちます。近年のED治療では、まず服薬を試して効果を判定し、その後の治療方針を決めていく方法が一般的です。

以前はレビトラという薬が流通していましたが、2022年頃から販売中止となりました。代替薬として、レビトラのジェネリック薬品が流通するようになっています。

治療薬以外の治療方法

器具による治療方法には、シリコンやゴムでできた陰茎締めつけリングや、空気圧を利用した勃起補助器具があります。いずれも陰茎の海綿体への血液を物理的に補助するものです。

陰茎の海綿体に薬剤を注射する方法もあります。効果は約1時間持続しますが、厚労省の認可を得ていないことや費用が高額であることから、日常的に利用できる方法とはいえません。

手術によって陰茎にシリコン状の支柱を埋め込む方法(陰茎プロシテーシス移植)もあります。ただし、費用は300万円ほどと高額であり、手術のできる病院が限られるためハードルは高いといえます。

まとめ

EDの原因には、新型コロナウイルス感染症を含むさまざまなものがあります。原因を特定することは簡単ではありませんが、薬の服用による治療が可能です。EDに思い悩むことは心理的な負担となり、さらなる悪循環を引き起こしかねません。自分がEDなのではないかと気になっている方は、早めの診療をおすすめします。

レバクリでは、EDのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。

診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会