レバクリ

更新日:2024年07月19日

ED予防・改善に役立つ食事とは?おすすめの栄養素や避けるべき食事を紹介

この記事のまとめ
  • ED(勃起不全)の発症は生活習慣病が関係しており、その原因の一つが食生活である
  • EDの予防や改善が期待できる栄養素は「亜鉛・シトルリン・カルニチン・アルギニン・DHA・EPA・ムチン・アリシン」
  • ED予防のためには、高カロリーや高塩分、高脂肪の食事は避けたい
  • 食事改善と並行してED治療薬の服用がおすすめ

加齢とともに「自身の勃起力が低下してきた」と感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか。EDの原因には生活習慣病が関係する恐れがあります。EDの原因となる生活習慣病を予防するには、食生活の改善が必要です。この記事では、EDと食事との関係性やED予防や改善が期待できる栄養素、避けたい食事とともに、治療薬についても紹介します。勃起力の低下を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ED(勃起不全)と食事との関係性

ED(勃起不全)の発症には、生活習慣病が関係するとが考えられます。EDのひとつ「器質性ED」になる背景として見受けられるのが、動脈硬化です。正常な勃起にはペニスに大量の血液が流れ込む必要があります。

しかし糖尿病や脂質異常性、高血圧などの生活習慣病がある場合、血管の内側にコレステロールが溜まりやすく、血液の流れが悪化します。それにより血流不良が起こり、EDのリスクが高まるというわけです。

また、男性ホルモンのひとつ「テストステロン」の低下もEDになる原因のひとつとして挙げられます。テストステロンは、性的欲求や性的興奮を引き起こす神経物質「ドーパミン」の分泌を促す物質です。テストステロンが低下した場合、ドーパミンの分泌が減り、勃起しにくくなります。

食生活は、テストステロンの分泌にも深くかかわっているため、注意が必要です。テストステロンは精巣や副腎で作られます。しかし、食生活の乱れによりこれらの臓器の機能が低下した場合、テストステロンの分泌量が低下し、EDにつながります。ただし、テストステロンの主な原料はコレステロールです。コレステロールを含む食べ物を避けすぎることも、EDにつながる恐れがあります。

食生活改善のみでEDの根本的な改善ができるわけではないものの、バランスの取れた食生活を送ることにより、EDの予防や症状の改善につながります。EDを改善する方法のひとつとして食生活の改善に取り組みましょう。

ED予防や改善が期待できる栄養素

ED予防や改善が期待できる栄養素として挙げられるのは、以下の7つです。

  • 亜鉛
  • シトルリン
  • カルニチン
  • アルギニン
  • DHA・EPA
  • ムチン
  • アリシン

ここでは、それぞれの栄養素とEDとの関係性について解説します。

亜鉛

亜鉛には、男性ホルモンのひとつ「テストステロン」の分泌を促すはたらきがあります。亜鉛を多く含む食材として、以下のものが挙げられます。

  • 牡蠣
  • パルメザンチーズ
  • 豚肉
  • 煮干し
  • するめ
  • カニ
  • 卵黄
  • 豚レバー
  • アーモンド
  • ビーフジャーキー
  • 抹茶
  • ごま

ビタミンCは亜鉛の吸収率を高めるはたらきがあります。そのため、レモンやほうれん草、ピーマンなどのビタミンCを含んだ食べ物と一緒に摂取すれば、効果的に亜鉛を取り入れられるでしょう。

一方、ひじきや昆布といった海藻類は亜鉛を体内から排出するはたらきがあります。そのため、亜鉛を摂取する際は、これらの食材を一緒に食べることは避けましょう。

シトルリン

シトルリンは、遊離アミノ酸のひとつです。血管拡張の作用があるNO(一酸化窒素)の生成を促進させるはたらきがあります。NOには、ED治療薬ほどではないものの、血管を拡張する作用があり、勃起に欠かせない血流を促進します。

シトルリンを多く含む食材として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • スイカ
  • メロン
  • きゅうり
  • ゴーヤ
  • 冬瓜
  • へちま

食材を見てもわかるとおり、シトルリンはウリ科の植物に多く含まれています。これらの食材を普段から摂取することにより、EDの改善につながります。ゴーヤチャンプルーは、シトルリンのほか、亜鉛やアルギニンといった栄養素も摂取できるため、積極的に食べたい料理です。

カルニチン

カルニチンは、アミノ酸のひとつです。細胞内でエネルギーを作りだすミトコンドリアに対し、その燃料となる脂肪酸を送るはたらきがあります。細胞の活性化を促すため、性機能改善が期待できる栄養素のひとつです。

第17回日本IVF学会学術集会(p.53)」では、カルニチン濃度と、精子濃度や運動精子濃度で相関性が認められたという報告もあります。カルニチンが多く含まれている食材は以下のとおりです。

  • 羊肉(ラム肉)
  • 鶏レバー
  • 牛肉
  • 赤貝

また、カルニチンの吸収率が高いサプリメントが開発されています。上記の食材だけでなく、サプリメントとの併用も検討しましょう。

参考:日本IVF学会「第17回日本IVF学会学術集会

アルギニン

アルギニンには、シトルリンと同様に血管拡張の作用があるNOの生成を促進させるはたらきがあります。成長ホルモンを分泌するはたらきもあり、精力サプリやエナジードリンクに含まれています。アルギニンを多く含む食材は以下のとおりです。

  • キハダマグロ
  • しらす
  • えび
  • かつお
  • うなぎ
  • 鶏卵
  • アーモンド
  • ごま
  • 落花生
  • 豚のゼラチン
  • 牛豚のひき肉
  • 湯葉
  • 高野豆腐

豚の角煮や、おやつとしてアーモンドを食べると良いでしょう。また、アルギニンとシトルリンはお互いを生成し合う作用があります。そのため、シトルリンを含んだ食材と一緒に摂取すれば、より効果が高まります。

DHA・EPA

DHAとEPAは、青魚に多く含まれる必須脂肪酸のひとつです。血液をサラサラにし、中性脂肪を下げるはたらきがあります。DHAとEPAの摂取により、血流が促進され、EDの症状改善効果が期待できます。DHAとEPAを多く含む食べ物は以下のとおりです。

  • サンマ
  • イワシ
  • サバ

厚生労働省が推奨する1日当たりの目標摂取量は、DHAとEPA合わせて1000mgです。DHAとEPAは体内では合成されないため、上記のような青魚やサプリメントで摂取しましょう。

ムチン

ムチンは、糖とたんぱく質が結合されてできた多糖類のひとつです。ネバネバした食材に多く含まれており、消化器官を保護したり、新陳代謝を活性化したりするはたらきがあります。疲労回復効果によるED改善が期待できます。ムチンを多く含む食材は以下のとおりです。

  • 納豆
  • 山芋
  • オクラ
  • モロヘイヤ
  • なめこ
  • 里芋
  • レンコン
  • 明日葉
  • ツバメの巣

ただし、ムチンは熱に弱い性質があるため、加熱してしまうと食材の外に出てしまいます。そのため、生で食べるか、汁ごと食べられるような調理をしましょう。

アリシン

アリシンは、刺激性のある硫化アリルのひとつです。ニンニクの匂いの元となる香気成分で、血流改善や疲労回復効果があるため、EDの症状改善が期待できます。アリシンを多く含む食材は以下のとおりです。

  • ニンニク
  • ニラ
  • 長ねぎ
  • 玉ねぎ
  • ラッキョウ

ニンニクを刻んだり潰したりすることにより、非タンパク性の含硫アミノ酸「アリイン」がアリシンに変化します。そのため、ニンニクを食べる場合は、刻んだり潰したりしたうえで、摂取しましょう。

ただし、ニンニクを生で大量に食べた場合、消化不良による腹痛や貧血の原因になる恐れがあります。生であれば1日1片、加熱するのであれば1日2〜3片にとどめましょう。

また、アリシンは油に強いため、加熱調理しても栄養が外に出ていきません。ニンニクを入れたチャーハンや野菜炒め、カレーライスのほか、レバニラ炒めもおすすめです。

ED予防のために避けたい食事

血流が関係するEDを予防するうえで避けたいのは、高カロリーや高塩分、高脂肪の摂取です。どれだけED予防や改善が期待できる栄養素を摂取しても、これらの食事を摂取してしまうと効果が薄れます。ここでは、それぞれの食事について解説します。

高カロリー食

高カロリーな食事は、肥満の原因となる可能性があります。日本性機能学会/日本泌尿器科学会が発表した「ED診療ガイドライン(p.21)」によると、肥満や運動不足がEDに関係することが明らかになりました。高カロリーな食事として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 揚げ物
  • 脂身の多い肉
  • カップ麺
  • スナック菓子
  • ジャンクフード
  • 油を多く使用した料理

脂肪分が多い食事はカロリーも高く、肥満の原因になります。農林水産省「対象者の身体活動レベルでコマの大きさが決まる」によると、身体活動レベルに左右されるものの、男性が1日に摂取すべきカロリーは2200±200kcal程度とされています。このカロリーを目安に、日々の食事を見直しましょう。

参考: 日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン」 農林水産省「対象者の身体活動レベルでコマの大きさが決まる

高塩分食

塩分濃度の高い食事は、高血圧を引き起こす原因となります。血圧が高い状態が続いた場合、動脈硬化を引き起こす恐れがあります。動脈硬化がEDを引き起こす可能性があることは前述したとおりです。

ED診療ガイドライン(p.22)」によると、高血圧患者がEDを合併する頻度は高く、降圧薬による影響が考えられることが明らかになりました。高血圧を引き起こす原因のひとつが高塩分食です。高塩分食は、体内の水分貯留を促し、高血圧を引き起こします。高塩分食として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • ラーメン
  • 加工食品(レトルトやハムなど)
  • 味噌汁
  • インスタント食品
  • つけもの
  • 塩辛

厚生労働省e-ヘルスネット「ナトリウム」によると、成人男性の1日の塩分摂取量は7.5g未満とされています。しかし、近年の成人男性の1日の塩分摂取量は11gと、目安の1.5倍近くも摂取していることが明らかになりました。無塩ドットコム「無塩そうめん・減塩ラーメン・減塩うどんの商品紹介と知識」によると、ラーメン1杯の塩分は約6gとされており、1杯だけでも1日の半分の塩分量を摂取することになります。

日本の食生活自体が高塩分食になっていることから、すべての人が意識すべきことであるといえるでしょう。

参考: 日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン」 厚生労働省e-ヘルスネット「ナトリウム」 無塩ドットコム「無塩そうめん・減塩ラーメン・減塩うどんの商品紹介と知識

高脂肪食

高脂肪食は、脂質異常症や肥満の原因になります。特に、肉類や乳製品に含まれる「飽和脂肪酸」は、動脈硬化の原因になるため、EDになるリスクが増加します。高カロリー食でも説明したように「ED診療ガイドライン(p.21)」によると、肥満や運動不足がEDに関係することが明らかになりました。

高脂肪食はED治療薬(バイアグラ)の吸収速度を遅くする作用があることから、ED予防だけでなくED治療においても避けたい食事です。高脂肪食として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • ジャンクフード
  • 揚げ物
  • スナック菓子
  • チーズ
  • スイーツ
  • 生クリーム
  • マヨネーズ
  • バター
  • 油を多く使用した料理

から揚げやトンカツなどの揚げ物や、バターや生クリームを多く使用する洋食や洋菓子には、脂肪分が多く含まれています。これらの高脂肪食を避けることは、ED予防だけでなく、健康にもつながります。

参考:日本性機能学会/日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン

食事改善と同時に検討したいED治療薬

食生活はEDの発症に関係するものの、食事改善だけでEDを改善することは困難です。早期改善を希望するのであれば、ED治療薬の服用を検討する必要があります。特に器質性EDの場合、食生活改善と並行してED治療薬を服用するのが効果的です。

代表的なED治療薬として挙げられるのは、以下の3つです。

発現時間持続時間
バイアグラ服用後30~60分約3~5時間
シアリス服用後60~180分約20~36時間
レビトラ服用後15~30分約5~10時間

ED治療薬の処方には医師の診断が必要です。治療薬によって効果が異なるため、自分に適した治療薬を処方してもらいましょう。

まとめ

ED(勃起不全)の発症は生活習慣病が関係しており、その原因となるのが食生活です。バランスの取れた食生活を送ることにより、EDの予防や症状の改善につながります。

この記事で紹介した、ED予防や改善が期待できる栄養素を摂取する習慣をつけるとともに、高カロリーや高塩分、高脂肪の食事も避けることが大切です。食生活改善だけで改善されるわけではないため、食事改善と並行してED治療薬の服用も検討しましょう。

レバクリでは、EDのオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。

診察は無料なので、ぜひご予約ください。

この記事の監修:

牧野 潤医師

慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会専門医。 医師免許取得後、株式会社ボストンコンサルティンググループにてヘルスケア・IT領域にて従事。 現在は慶應義塾大学医学部助教、美容医療を主としたJSKINクリニックを経営・監修、オンライン診療サービス「レバクリ」監修。

<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS) 日本乳癌学会