更新日:2025年09月03日
「EDは食べ物で治る?」と考えている方もいるかもしれません。EDは高血圧や糖尿病などの生活習慣病がきっかけで起こることがあり、食生活の乱れが一因となるため、食事・食べ物に気を付けることは勃起力改善のために大切です。
この記事では、EDの予防・改善のために摂取したい栄養素や食べ物について紹介します。EDでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
EDの分類の一つである器質性EDは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がきっかけで起こるとされています。正常に勃起するためには、陰茎に大量の血液が流れ込むことが必要です。
しかし、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病があると、血管内にコレステロールがたまりやすくなり、動脈硬化が進行して、血液の流れが悪くなってしまいます。
生活習慣病は、食生活の乱れが一因となるため、食生活を改善することでEDの予防につながったり、悪化を防いだりする効果が期待できるといえるでしょう。
EDの原因の一つとして、テストステロンの分泌量低下も挙げられます。テストステロンは男性ホルモンの一種で、加齢などにともない分泌量が低下していく物質です。
テストステロンは性的欲求や性的興奮、勃起を引き起こすために必要なドーパミンという神経伝達物質の分泌を促す働きもあります。
テストステロンは体内で合成・分泌されるもので、それを担う精巣や副腎は食生活や飲酒・喫煙などの生活習慣によって機能が低下する恐れがあります。食生活が乱れていると、テストステロンが減少してEDを招く可能性があるでしょう。
EDにつながる恐れのある食事・食べ物について解説します。気をつけたい食事は、次の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
カロリーの高い食事には注意が必要です。カロリーの高い食事を続けていると、肥満や糖尿病、高血圧、動脈硬化などを引き起こす恐れがあります。糖尿病や動脈硬化などは、EDの原因にもなり得るため注意が必要です。
高カロリーな食べ物の例は、以下のとおりです。
カロリーの高い食生活を改善するためには、食べ物に気をつけるとともに、消費カロリーを増やすことも大切です。日頃から適度な運動を心がけましょう。
脂肪分の高い食事は、肥満の原因になります。脂肪分が多い食べ物の例は、以下のとおりです。
肥満はEDを引き起こす原因となるため、脂肪分が多い食べ物を頻繁に食べている方は食生活を見直しましょう。
塩分のとりすぎは、高血圧や腎機能障害、心疾患などの病気を引き起こす原因になります。とくに高血圧は動脈硬化を引き起こし、EDにつながる恐れがあります。
塩分が高い食べ物の例は、下記のとおりです。
和食は塩分が多い傾向があることを理解しておきましょう。なかでも、味噌汁や漬物、塩鮭などの塩蔵魚の食べ過ぎには注意が必要です。
普段から濃い味付けの人や麺類のスープを飲み干す習慣のある人は、塩分過多になる恐れがあるため、薄味を心がけたり麺類のスープを残したりするなど工夫しましょう。
「EDが治る食べ物」はありませんが、EDの予防・改善のために積極的に摂取したい栄養素はあります。EDの予防・改善のために摂取したい栄養素は、以下のとおりです。
それぞれの栄養素について、摂取できる食べ物や効果的に吸収する方法などを解説します。
亜鉛には、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌を促す働きがあります。テストステロンには性的興奮や性欲、勃起を引き起こすために必要なドーパミンの分泌を促す働きがあるため、積極的に摂取したい栄養素です。
亜鉛を含む食べ物の例は、以下のとおりです。
なお、ビタミンCは亜鉛の吸収力を高める効果があるため、一緒に摂取することでより効果的に亜鉛を摂り入れられます。レモンやホウレンソウなどビタミンCを含む食べ物と一緒にとるようにしましょう。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に多く含まれる必須脂肪酸の一つです。DHAやEPAをバランスよく摂取できていれば、血液をサラサラにして中性脂肪を下げる効果が期待でき、肥満や脂質異常症の予防につながります。
DHAやEPAを含む食べ物の例は、以下のとおりです。
DHA・EPAは体内でほとんど合成されない栄養素のため、上記のような青魚を積極的に食べるとともに、必要に応じてサプリメントを活用するのも一つの方法です。
ビタミンEには抗酸化作用があり、EDの原因の一つである「男性更年期障害」の予防効果が期待できます。
ビタミンEを含む食べ物の例は、以下のとおりです。
ビタミンEを積極的に摂取することで、間接的にED予防につながる可能性があります。
遊離アミノ酸の一種であるシトルリンには、NO(一酸化窒素)の生成を促進する働きがあります。NOには血管を拡張する作用があるため、勃起に必要な血流促進効果が期待できるでしょう。
シトルリンを含む食べ物の例は、以下のとおりです。
普段からシトルリンを十分に摂取することで、ED治療を助ける役割が期待できます。
アルギニンを摂取することで、血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)の生成を促進できるため、血流が改善し勃起力の向上を助ける効果が期待できます。
アルギニンを含む食材の例は、以下のとおりです。
前述したように、シトルリンも身体の中でNOの生成を促進する栄養素です。アルギニンとシトルリンを一緒に摂ることで、より効果を発揮するとされています。
アミノ酸の一種であるカルニチンは細胞の活性化を促す機能を持ち、男性不妊の改善のサポート(精子の運動率を上げるなど)としても利用されています。
カルニチンを含む食材の例は、以下のとおりです。
上記のとおり、カルニチンは肉類に多く含まれています。
タウリンは、疲労回復やコレステロールを減らす効果が期待できます。直接的なED改善効果があるわけではありませんが、疲労回復やコレステロール減少にともなってEDが改善する可能性がある栄養素です。
タウリンを含む食べ物の例は、以下のとおりです。
魚介類を日常的に摂取するのが難しい場合は、栄養ドリンクやサプリを活用する方法もあります。
アリシンはビタミンBと結合することでアリチアミンになり、男性ホルモンの分泌を促す効果がある栄養素です。
アリシンを含む食材の例は、以下のとおりです。
性機能を維持するために男性ホルモンは重要であり、分泌量が増加することでED改善の効果が期待できます。
ムチンは、疲労回復の効果が期待できる栄養素です。EDの原因が疲労にある場合は、ムチンの効果によってEDが改善する可能性があります。ムチンは、主に下記のような食材に含まれています。
ムチンは熱に弱いため、生で食べたほうが効率的に摂取できます。
食事や食べ物以外でEDの予防・改善に効果的な方法を5つ紹介します。
肥満が続くと、動脈硬化や生活習慣病の原因になり、EDの発症・悪化につながる恐れがあります。適度な運動を習慣化して肥満解消につとめましょう。
「EDに効く」といったような、特別な運動はありません。ウォーキングやジョギング、水泳など自分に合っていて継続して行える運動が良いでしょう。
ストレスや心身の疲労は、心因性EDの原因となります。十分な休養・睡眠時間をとるとともに、趣味を楽しむなどストレス軽減の心がけをすることで、EDの予防・改善につながる可能性があります。
喫煙は、動脈硬化や糖尿病を招く原因の一つです。また、喫煙は血管や神経の働きに悪影響を与えるため、血液が陰茎に流れ込みにくくなり、EDのリスクを直接的に高めることにもつながります。できる限り禁煙し、EDにつながるリスクを低減させましょう。
アルコールは、適量の飲酒であれば、血管拡張作用やリラックス効果でEDの症状を改善する場合があります。しかし、過度に飲酒した場合、性的興奮を感じにくくなって勃起に悪影響を与える恐れがあり、アルコール依存症を引き起こすと性機能障害を招きかねません。
普段からお酒を飲む人は適量を心掛けるとともに、休肝日を設けるようにしましょう。
サプリや精力剤を摂取する方法もあります。複数の栄養素を摂取できるサプリなども市販されているため、必要に応じて活用するとよいでしょう。
ただし、サプリは薬ではなく食品の一種であることを理解しておきましょう。サプリにより亜鉛やアルギニンなど特定の栄養素を摂取しても、EDの症状が必ず改善するわけではありません。あくまで不足している栄養素を補うための手段であることを念頭に置きましょう。
ED予防・改善に効果的な方法として、ED治療薬の服用が挙げられます。ED治療薬にはバイアグラやシアリス、レビトラなどがあり、それぞれ特徴が異なります。ED治療薬は医師の処方が必要な医療用医薬品のため、海外の通販サイトなどで購入することはせず、必ず医師の診察を受けてから服用しましょう。
「病院に行きたいけれど、通院する時間がない」という場合には、オンライン診療がおすすめです。オンライン診療であれば通院することなくPCやスマートフォンで診察を受けられ、薬の受け取りまで自宅で完結できます。オンライン診療であればほかの患者と会うこともないため、「EDについての相談は人目が気になる」という方も利用しやすいでしょう。
EDと食べ物・食事は密接に関連しています。EDは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因となって起こることもあるため、カロリーが高い食事や脂肪分・塩分の多い食事をしている場合は改善しましょう。
EDの予防・改善のために摂取したい栄養素としては、亜鉛やDHA・EPA、ビタミンEなどが挙げられます。それぞれの栄養素の効果や含まれる食べ物をしっかりと把握し、積極的に摂るようにしてください。
EDの予防・改善策としては、ED治療薬の服用も効果的です。ED治療薬を安全にを服用するために、必ず医師に相談してから服用するようにしてください。
通院する時間がない場合は、オンライン診療の利用も検討してみてはいかがでしょうか。レバクリでは、ED治療薬のオンライン処方を行っています。場所や時間にとらわれずにビデオチャットや電話で診察が受けられ、処方された薬は自宅など好きな場所に届きます。診察料は無料なので、ぜひご予約ください。
この記事の監修:
慶應義塾大学医学部卒業。日本形成外科学会認定専門医。 医師免許取得後、外資系経営コンサルティング企業のヘルスケア・IT領域にて従事。 慶應義塾大学医学部助教を経て、美容医療を主としたJSKINクリニック、及びオンライン診療サービス「レバクリ」監修。
<所属学会> 日本形成外科学会 日本美容外科学会(JSAPS)
※この記事は産婦人科専門医と共同で監修を行いました